「ココロのゼンマイ巻き戻し」の、ショート・トリップ ~前編~








不意の家出から三週間、待てど暮らせど帰らぬとらみさん。

「俺の気配があれば、ひょこひょこ戻って来ることもあるのかな。」
と、仕事帰りから遅い日没までアジトの草むしりにも励んだけれど。

その間、近隣の人に声を掛けつつ、なんとなく思うところがあった。

たぶん、ホントに根拠のない「たぶん」だけれど・・・彼女は何か
ある理由から、どこかにホームステイしているのではないか。


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神社の境内で開かれた猫の集会。その場の取り決めにより彼女は
どこかへ派遣され、そのことを告げるためにあの夜、狐が現れた。

そんな妄想が脳裏に浮かぶ中、ぎっしり雑草を詰めた70Lのポリ袋を
燃えるごみの集積所に積んで行く。

何にせよこの一か月、短い間にあまりにも出来事の波が荒過ぎた。
「待つ想い」に変わりは無いけれど、もう自分の時間を巻き戻そう。


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快晴の朝に目指したのは、「風車が並ぶ尾根の道」・上外川。


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まずあの谷を渡る風を越え、葛巻の山懐で縦横無尽に遊ぼう。


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ってしかし・・・既に5月も下旬に入ろうというこの時期に、コレか。


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かつてゴールデン・ウィークにも同様の「壁」に当たったことは
あったものの、まさかまだ居座っているとは思わなかった。


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・・・例えスコルパ持って来ても、コレ超えるのはムリ、絶対・・・。


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エセ北海道ポイントまで引き返し、「さて」と、しばし思案。

時間だけはある。ならば、山ひとつ向こうの安家越えを狙うか。


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もう十年近く前に訪ねた時は国道を早々に逸れ、タイトで長い
氷渡経由のルートから入ったけれど。


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龍泉洞をスルーし県七を北上する初めての「王道コース」で
きつねは複雑な気持ちを抱くことになる。


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さすがに一桁県道だけあって、ルートしてはもう文句なく良い。

「なぜ今までこの道を走ったことが無かったのか」と自分でも
不思議に思えるほどの快走路だから。


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但し初夏の抜けるような空の下故に、土砂で酷く荒れた路肩の
凄まじさが、異様に際立って目に映る。


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昨夏の終わり、大平洋からという常識外の上陸により勢力を持って
散々暴れた台風10号の爪痕は、今も深く残ったままだった。


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四方に深く山が迫る安家の集落は、かつて「取り残された昭和」の
風景が色濃く残されて、きつねの心を和ませてくれたけれど。


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流域にダムを持たず護岸工事も受けていない美しい安家川は、
しかしそれ故にかつてないほどに荒れ狂ったのだろう。


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歌舞伎揚げの包装を思わせる三色ビニールの庇が褪せた商店も、
コンクリ作りの塀や建屋の佇まいが懐かしいガソリンスタンドも。

もう昭和原風景のあの面影は、何ひとつすら残ってはいなかった。


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「報道されない事」は「何も起こらなかった事」と、イコールじゃない。

メディアは、行政は、何を見ているのだ。何をしているのだ。

震災時と同じ感情が沸く。奴らの仕事は、使命は、一体何なんだ?


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「上外川を越えられないなら、相棒はスポーツスターでも良かったか」
と実は道中独りごちていたけれど、しかし結局セローで正解だった。

本来舗装であるべきはずの幹線が、ダートに化けていたのだから。


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アジトを出る前の天気予報では、県下全ての降水確率が夜まで
ゼロだったはずなのに。安家の集落から西に、明らかな重い雲。

ロードサイドの「至・九戸」という表記を信じるなら、それは正直
想定の枠を越えてのとんでもない遠回りに至ってしまう・・・。


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「止む無きショートカットを強いるなら、掟を破る他に術は無し」か。

既に長くなったので、以降の顛末は後編にて綴ることにしよう。


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まあ、この辺のベクトルも込みで書けたら、ちょっと面白いかな?
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ウワノソラ的な日々、5月も半ば。








・・・誰もが行きたがる、遥かな愛と夢の国・・・か。


まだ帰らぬとらみさんの身を案じつつ、ふと子供の頃の流行り歌を
思い出してしまいました。

旅立つ背中を見送ることはあっても、彼の地へたどり着いた者とは
誰ひとり逢ったことがない、曖昧模糊とした蜃気楼のような国。

老いたとらみさんもまた、最後の夢を叶えるべくそんな場所を目指し
去って行ったのかな・・・とぼんやり考えながら、今宵も勝手口の
扉を開けるきつねです。


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先日のブログで触れた「不思議な出来事」とは、こういうもの。


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彼女が深夜の網戸をこじ開けて出て行った、数日後のこと。

帰宅後の習慣となった近隣パトロールにも相変わらず収穫無く、
とらみさんの気配すら感じられない夜道をトボトボと買い出しへ。

ふと、通り沿いにある小さな稲荷神社の明かりに目を引かれて
顔を向けたのですが、その蛍光灯がいつもに比べ妙に明るい。

正確に表現すると、一瞬「あれ?LED照明に取り換えたの?」と
勘違いした程の、例えば切れる寸前の裸電球みたいな白さ。


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咄嗟に境内へ少し特別な空気を感じ、鳥居越しに心の中で
「こちらのねこの集会で、とらみさんを見掛けませんでしたか?」
と秘かに問うてみたのです。

もちろん稲荷神さんのお返事がダイレクトに胸に返って来るような
ことはありませんで、そのまま歩を進め傍らの路地へと折れます。


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そして・・・その神社の管理をされている隣家の裏手を抜ける際、
暗がりに四つ足を地に着けた生き物が、すっくと立っていました。

猫にしては大き過ぎる。じゃあ犬?いや、柴犬にしては足が長い。
じゃあ目の前の、背に赤毛を纏った美しい獣は・・・否、嘘だろ!?


街灯の明かりを背に立つ「それ」が何者なのか、小さな脳みそが
いきなり忙しなく判断に俊巡した釘付けの時間、たぶん数十秒。

逆光に読み取れない表情の「それ」は、見つめた瞳を逸らすように
やがて逆向きの茂みへ首を振り鮮やかに身を翻して跳ねました。

準備動作のタメが無いイルカのようにしなやかなハイ・ジャンプへ
鞭のように追従したのは、大きく長い黄金色のシッポ。

そう・・・冬毛が全て抜け落ちる前の、成獣のホンドギツネ・・・。


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盛岡は日本の県庁所在地としては稀なほど、四方を川に囲まれて
その名の通り周囲に森や林を蓄えた丘が小島のように存在する
「絵に描いたような片田舎」なんだけれども。

我がアジトが20時にはゴースト・タウンへ変貌する下町にあるとは
言えど、賢く用心深く滅多に人前には姿を現さないホンドギツネが
わざわざ出張して来ても良いようなエリアでは、決してありません。

何しろ休日の天候にさえ恵まれれば、春から秋までセローを駆って
嬉々として「未知の道探索」へ出向く自分ですらも、その美しい姿を
見掛けるチャンスは年に一回あるか無いか・・・なのですから。


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狐が稲荷神社の眷属となった経緯については諸説あるのだけれど。

ルーツはさておき、一千年の時を経て「お稲荷さんの遣い番」として
日本独自のスタンスを築いた事実は、どうも確かなことのようです。


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自分にとって気になるのは、しばし薄暗がりでこちらの目をじっと
見つめていた「それ」の、意思と意図な訳なんでありますが。

考えつくのは、以下の三通りになります。


① 「とらみさんは帰る(帰らない)よ」というメッセージを伝えに現れた。

② 「アンタの胸の内は分かった。あのコに伝えておく。」という伝達者。

➂ とらみさん自身がきつねに姿を変え、サヨナラを伝えに現れた。


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そのどれが真意だったのか、あの短い逢瀬では残念ながら自分には
読み取れなかったけれど。

ただ、その出来事を境に何故か不思議と胸に渦巻いていた憔悴は消え
自然と「あるがままを受け入れよう」という心境にシフトしたのです。

サイコだオカルトだ、と読み手が面白おかしく解釈するのは自由ですが。

「あのタイミングであの場所にホンドギツネが現れる」ということ自体、
自分の常識ではまずありえない奇跡、としか考えられませんから。


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長年の猫好きにだけ秘かに伝わる、「10才を過ぎた猫はある種の
神通力を持つに至る」という伝説を信じる他に、術はないようです。


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勤務に務める間も、手が空いた時にふと「今頃とらみさんは・・・」
と意識が上の空に向いてしまいそうな日々を連ねて。

それでも「いい歳のオトナなんだから仕事中は顔には出すな」と
ギリギリ自らを諫めて、都合9時間の拘束時間を乗り越えました。

しかしコレ、なにしろ精神面で二重生活を強いられるに等しい様な
暮らし方ゆえ、帰宅後のアルコールの効きもハンパなくて(苦笑)。

正直な話、風呂に入るのを忘れてベッドに倒れ込んだ日もありました。


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休日もアジトに居ると、開いておいた勝手口のドアが風で軋む都度に
いちいち「もしかして帰って来って来てくれた?」と振り向く位だから
長丁場となると、とてもじゃないけど神経が保たなくてね・・・。

多分「とーちゃんかーちゃんヨメコドモ、その家族の中にネコもいる」
的な環境で猫と暮らしている人では、この心境は理解して貰えない。

実質15年間(飼い始め当初の一年のみ亡母が在命だったため)、
オスメス一対一のパートナーとして日々向き合って来たヒトでないと
自分の喪失感や痛手の大きさは、分かって貰えないものと思います。


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失恋のような「居なくなったから感じる、無いものねだり増幅要素」を
客観的にジャッジし省きながら・・・それでも割り切れない想いを
抱きつつ。

曖昧な天気に終始した今日は自分の尻を叩いて愛車のブレーキの
エア抜きがてらフルードの入れ替えを行っておりました。


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特定の時代にだけ採用された「DOT5」という珍しい規格のフルードを
購入しに出向いた主治医のモンタナMCでは、今日もI間さんが忙しく
メンテナンス作業の真っ最中。

「俺にとって四月は、もう今月いっぱい区切りが着かない感じかな。」
と笑う彼に、「じゃあ愛機を点検に持ち込むのは改めて月末にて」と。


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惜しむ気持ちを断つように散る桜、そして入れ替わりに芽吹く森の緑。

とらみさん、あなたの無事の帰りを待つ想いに、変わりは無いけれど。
四季は人の心を待たず、暦の通りに移り変わって行くようです。

あの金色に澄んだ瞳は、どんな窓からどんな景色を、眺めていますか。

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終わりの、始まり。 







盆暮れ正月とは御縁のない勤務スケジュールなきつねだけれど、
世間的にはゴールデン・ウィークも今日が最終日。

5月に入ってからは当地でも既に初夏のような陽気が続いて・・・
つい一週間前に眺めたばかりの桜のことすら、ずいぶん前の事の
ように感じられます。


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この写真を撮りに出掛けた頃は、まだこんな事が起こるなんて
夢にも思っていなかったんだよなぁ。


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世の中のモンキー/ゴリラの中では相当の割合で装着されていると
思われる長年のベストセラー、社外の鍵付きフューエル・キャップ。

きつねメのは20年前の第一次路上復帰作戦時に装着したキタコ製
なんですが・・・満タンにするとジワジワ漏れるんだよね、ガソリン。


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外してみるとゴムパッキンがあっちこっちヒビヒビのヨボヨボです。

「これじゃあ漏れるだろ」ってんで新品を発注するべく検索すると、
実は「新品でも漏れる」「説明書にも『ガソリン8分目給油で使え』と
記してある」なんてレビューがゴーロゴロ・・・そうだったっけ?


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それではモノは試し、ダメ元のつもりでホームセンターに向かい
こんなものを仕入れまして。

はい、1m/m厚の耐油性ゴムシート(一枚250円ぐらいかな?)を
重ね貼りしてみよう、という魂胆であります。


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まあ、元々がヒビだらけだから・・・これでダメなら新品を買って
再度こいつを重ね貼りしてみればいいさ、ってトコです。

接着剤はセメダインのスーパーX。これ、耐油性あんのかな?


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決して遅いわけじゃないのに、そのサイズ故にしばしば後方の車に
いじめられる事を身に染みて悟ったので(ドライバー側の心境も、
まあ分からないではないけどね)、国道を避けての遠回り。

反面で小さなゴリラ改は、路地の細さも駐車の場所も選ばないから
混みあう「桜の名所」にも躊躇なく乗りつけられます。


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白鳥の群れも去った湖面を渡る風、青い空、露店の発電機の音。

桜祭り的な観光スポットはヘソマガリな自分の流儀じゃないけれど。
「らしい時・らしい場所」も体験しておくべきかな・・・悪くないよね。


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それにしても驚くのは、こんな地方都市で規模の小さな公園にまで
異国の人々のツアーが巡って来ていること。

ハイテンションで写真の撮り合いっこを楽しむ彼らは、どんな経緯で
旅先に「きつねの街」を選んだのか、訊いてみたくなります。


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周りのクルマに気を使って市内を回るのも神経がくたびれるので。
コイツがコイツらしく楽しめる郊外まで、ぽーんとワープ。

うん、高松の池の湖畔からチラリと姿を見せていた岩手山が
とても美しかったから、ついつい傍まで行ってみたくなって。


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エンジンと足回りをスープアップしているとはいえ、ゴリラの巡航速度は
気持ちいい落ち着きどころが50km/h。

低い目線でのんびり周囲の景色や匂いを拾えるのが、一番の愉しみ。
野良仕事にいそしむ軽トラの背を追っても、全然イライラしないもの。


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札幌に住むネット姉に「ゴメン、なんやかんやで今年も北海道には
行けそうも無くて。仕方ないからソレっぽいトコ走ってる」と、メール。

お返事は「そんな景色の良い土地に住んでいるんなら、こっちに来る
必要ないんじゃない?」と、素っ気ないもの・・・ちっ、スネられたか。

それとこれとは別なんだよー。スケールも旅の高揚感も別物だもの。


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黄昏時の〆は、この日もまた盛岡八幡宮。

「高松の池」の桜は涼しい水縁ゆえに遅咲きで初々しかったけれど
ここはセローで立ち寄った数日前より、明らかに色が増した様子。


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ゴリラなら、良い位置に置いて画が撮れるかな?と思ったものの・・・
今度は小さ過ぎて、桜の木とは上手いバランスが成り立たないのね。

まあ良いんだ、良いんだ、今日の目的は「ゴリラで桜を見に走る」こと。
それは十二分に楽しめたのだから、写真はオマケでいいんだよ。


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あっ、ちなみに例のインチキ加工フューエル・キャップ。

ご覧のように重ね貼り効果はテキメン、全く滲んで来ませんでした。


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・・・と、これが4/28の行動日記だった訳なんですけど・・・。


後日の勤務から帰った夜、安酒片手に画像を加工してはフォトを
アップしたり、思いついたブログを下書きしたりしていたんですが。


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そんな4/30の深夜。お風呂から上がると、とらみさんの姿が
消えていました。

振り向けば、ロックを掛けていたはずの網戸に20cmの隙き間。
「しまった、家出されちまったよ!」

今のシフトが日勤で良かった・・・彼女のために毎晩明朝まで
勝手口の戸を開けておいていられるもの。

そう、この時までは「いつものプチ家出」「気分転換が済んだらすぐ
戻って来るさ」と、そんな心積もりでいたのですが。


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二日経っても帰って来ない。三日経っても声すら聞こえて来ない。

流石に落ち着かなくなり、毎晩町内界隈をパトロールしてみたり
庭の手入れに励む近隣の長老連に声を掛けたりもしたけれど。

いつも誰かしら気に掛けてくれている彼女の姿を、不思議なことに
今回は誰ひとりとして目にした人が居ませんでした。


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保健所、地域の交番、愛護ボランティアさん・・・四方八方に手を
尽くして待ち続け、今日で一週間が経ちました。


散り行く街の桜と共に、突然きつねの許を去って行ったとらみさん。


数日前に起きた「何かの啓示」とも受け取れる奇妙な出来事を経て
今は憔悴の時を過ぎ、心の準備を整えているところです。

15年前、一緒に暮らし始めた時から分かっていた覚悟のカタチを。


もちろんまだ、希望の光を捨ててはいないけれど・・・ね。

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さくら Day By Day







きつねの目から見た桜は、「春のオープニングを知らせる花」。

より早くに咲き始める草木もあるけれど、若葉が一斉に芽吹くのは
桜の開花より後だ、という印象があるためです。

青みが冴える空のもと、南風に揺れる鮮やかなライム色の若葉。

バイク乗りにとって最もハッピーな季節の始まりに添え、TOPには
この曲を置いてみました。


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「この間、ラジオで専門の学者さんが言っていたけれど・・・桜はね、
賢くて人恋しい木なのだそうよ。」

「この花の匂いには人を無意識に引き寄せるフェロモンがある、と
むかし聞いたことがあるね。」

「だからね、素通りせず、傍に留まって欲しいみたいなの。
ワシントンに植樹されたソメイヨシノは、並木になっているでしょ?
ラジオに出ていた学者さん、そのことを惜しく思っているそうよ。」

「木に咲く花は他にもあるけれど、ひとが集まり寄り合う風習は
桜に対してだけ生まれたもの・・・古の人も呼び寄せられたのか。」


短期休職最後の夜は、馴染みのオカミサン夫婦にお呼ばれして
城址公園へ夜桜を眺めに出向きました。

そちらこちらにライトアップの強力な照明を設置された広い公園で
浮かれ騒いで飲んだくれ・・・ってノリ、風情も情緒もそっちのけで
正直言えばあんまり好きじゃない。

でも、それも桜自身の望みなのだとしたら、「アリ」なのかな。


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少し時間を巻き戻して・・・この日は朝の冷え込みが緩むのを待ち、
午前の遅い時間からセローで散歩へ出ていました。

市内ではほぼ満開だった桜も、日の当たる時間が短い丘や谷では
まだまだ咲きはじめ。

ようやく見つけたリンゴ畑の桜とのツーショットは、前回のブログで
使ってしまったので割愛するとして。

この日・この道でのラッキーは、ちょっと面白いヤツとの遭遇でした。


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農道のアップダウンをのんびり流しているきつねとセローの前を
小走りに横切って行ったのは、春の日を浴びて自慢の冬毛を
鮮やかに輝かせた黄金色の小さな獣・・・テン。

イタチの仲間である彼らの姿を見掛けることは、当地ではそう
珍しくないのだけれど、しかしこれは全長一メートル近い大物。

普通のテンが「胴の長いハムスター」とすれば、目にしたそれは
「胴の長い金のウサギ」。一瞬、仔狐と見間違えたほどでした。


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「あの大きさなら見失うこともないかな?」と愛車をターンさせて、
彼の駆け下りて行った斜面を眺めていると・・・いた、見つけたよ!

時折り進む先を確かめながら薮をくぐったテンは一本の杉を選んで
枝から枝へヒョイヒョイと上り始め、見る間に優に10メートルを超える
テッペンまで。

いやー、その軽業師っぷりはお見事、ほんと器用なヤツです。
彼の佇む枝から眺める下界、どんな景色に見えるモンなんでしょうね。


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この日は軽装だったため、マジな山アタックは想定の外だったものの。

リア・リンク周りを整備した直後ということもあり、お試し的に近隣の
大ヶ生から根田茂へ越える「お手軽林道」へも踏み込んでみました。

ここは両集落の爺ちゃん婆ちゃんが、アルトやミラで通ることもある整備の
成されたコースなので、のんびり走ればまあ低リスクです。


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いくら葉を落とした木々のお陰で日の届くルートとは言え、山は山。

結局最後まで残雪を見ることこそ無かったものの、芽吹きの緑とは
まだまだ縁の遠い世界でありますね。

それにしても未舗装区間15kmかそこいらのショート・コースだけれど
雪解け特有のぬかるみがどこにも無かったなあ。

やはり今冬の岩手は例年より積雪が少なかったってことでしょうか。


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落葉期に訪ねた昨秋と比べてもヤケに見通し良く感じる景色に対し
違和感を覚えた理由は、最後に判明・・・ああ、やっぱりね。

目的があってヒトの手で植樹された木々は、いつか伐採されるもの。

だから山林破壊については、「元々の木々を切り倒して植え替えた」
その昔の時点まで立ち返って語らなければ始まらないんだけれど。

しかしいつも気になるのは、この伐採された木々の行く先なんですよ。

ここ数年山道を走っていて感じるのは「大震災以降からその勢いが
加速したのでは?」ということ・・・住宅需要に比例しているのかな。


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木々の伐採事情については、いつか関連の仕事に従事するヒトと
出会う機会が訪れるまでの宿題にしておこう、と決めて。

お昼をとうに回った辺りでR106の麓へ降りたので、ラーメンを求め
産直に併設された「味の小天狗」の暖簾をくぐります。

ここでちょっと驚いたのは、盛岡郊外でモロ山沿いの立地なのに
メニューに「海幸ラーメン」という立派な海鮮系があったこと。

県央内陸と大平洋を結ぶ最短ルートとは言え、市内の店では滅多に
見掛けることがない磯ラーメンを、まさかここで食べられるとは!


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だけどそこは、ショートケーキのイチゴを最後に食べる派のきつね。
今回のチョイスはあえての「鶏ラーメン」なんであります。

しかし「山間を抜けて冷えた身体」という面を差し引いても、美味い。

見た目アッサリな醤油ラーメンに見えるけれど、鶏の出汁が色濃い
「喰ったケのあるスープ」・・・これはライスも頼んで正解でした。


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「あれ?散歩の目的には『桜』もお題に入れていたのに、結局全然
写真を撮れていないじゃん。」

黄昏近く、市内へいいかげん戻ってから付け焼刃的に立ち寄ったのは
観光バスも去った後の盛岡八幡宮。

残念ながら上手くアングルの中にセローを置けるシチュエーションが
見つからず、逆光と鳥居の組み合わせで撮るのが精いっぱい。


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こうなるとコントラストが強過ぎるピンチヒッター・オリンパス510では
素人ぎつねにはどーにもこーにも画を作れず、止む無く仕舞って。

「たまにはボンヤリ、ただ花の下に佇む時間もまた佳し・・・か。」と
自販機で求めた缶コーヒーを傾けるのでありました。


どんちゃん騒ぎの「桜祭り」より、やっぱりこっちの「俺的花見」の
流儀の方が、なんだかしっくり来るんだよなあ。

まあ焦らなくても、セローで巡る里山の春は、まだまだこれから。

絵になる風景は、使い慣れたエクシリムが手許へ戻ってからでも
きっと遅くないだろうから・・・その機会を楽しみに待ちましょうか。

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愛すべき、へんてこりん。









きつねのブログで、TOP動画に音楽以外のものを置いた例は
たぶん数えるぐらいしかないと思うんだけれど。

「アナログでアナクロなメカメカしたもの」が好きな友人には、
どーしても見て欲しかったんです・・・コレ。


まずエンジンの掛け方からして、ちょっとおかしなことになってる。


キャンプするつもりもないのに、とりあえずバーナーに火を灯して
おもむろにフロント下の置き台へセットする。

んで、脇の小窓から中身を覗いて「頃合いになったべか?」って
ところを見計らい、傍らのハンドルを力いっぱい回してやる。

そいでもって、大きな身震いと共にドンパンドンパン言い始めたら
始動ハンドルは運転席へ・・・はい、ステアリングに化けましたよ♪
(おいおいっっっ!)。


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超雑食系乗り物ジャンキーの間で「トラクターに関しては国内最大
かつ孤高の展示館」とも噂される富良野の「土の館」を訪ねた際に、
きつねが一目惚れしてしまったのがコレ・・・ランツ・ブルドッグ。


「農業用トラクター」と言えば、フツーのヒトが古から現代に至るまで
連想するのは、直立させた複数気筒エンジンを前後方向に積んだ
スカイラインやフェアレディZみたいなロング・ノーズでしょう。


でもチョロQみたいなズングリムックリのランツさんは、違うのです。


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きつねン家の住人で言うなら、モンキーやゴリラと同じ前倒しの単気筒。

しかも今ではほぼ絶滅した「焼玉式2ストローク・セミディーゼル」という
ダウンタウンブキウギバンドとか暴力温泉芸者的な、ワケの分からない
奇ッ怪なエンジンを搭載している次第なんでありますね。


「プラグって何ソレ美味しいの?」「燃料は、燃える油なら何でもイイよ」
「滅多に壊れないけどパワー無いし不器用だし、掛けるのメンドくさいよ」


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こと`90年代までのクルマやバイクに関しては車種とかその特徴も概ね
マスターしているきつねメなんでありますが・・・。

だからこそ、よけいに心を魅かれるのかなぁ。

今では特殊な分野でのみ生き残っている「2ストのディーゼル」って
その仕組みが多岐に渡っていて、とても興味深くて面白い。


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クルマとバイクの趣味を通して知り合った知人や友人からは、
「輪っかの数を問わない金属フェチ系スピード狂の吟遊詩人」と
評されている節もありますが(←どんなだ?)、それはさておき。

実はきつねメ、速度の領域を問わず「触れて乗って気持ち良くて
面白かったらジャンルなんか何でもイイよ」という生き物なんです。





LANZ BULLDOGで検索を掛けると、産まれ故郷のドイツでは未だ
ファンが多い人気者らしくて。
戦前期から最終型(このカッコのまんま20年以上作られたそう)まで
いろんなバリエーションのランツさんを見つけられるんですけど。

なんかね、「乗用車みたいにカッコ良くなりたいなー」「キャタピラも
履いてみたいなー」と自ら化けたように見えて、可愛いんですよ。


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遅く不器用で煩くて煙たくてメンドくさく、ちっとも地球に優しくない
旧式のトラクターなんだけれども。

「牛とか馬よりもラクでパワーのある農機を作んなくちゃ!」と
昔のヒトが一生懸命考えたような。

もしどこかが壊れても、町の鉄工所とか鍛冶屋のオヤジさんが
腕まくりで直してくれそうな、ランツ・ブルドッグ。

クルマの方から挨拶されたり注意されたり道案内されたりするより。
こんな乗り物と暮らす方が、きつねは幸せになれる気がするのです。

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ジャンル : 車・バイク

プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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