通ずるものが、ありさえすれば。 ~遠方より友来りて、我が師匠と友になる~







今回のTOPは、ヒネリ無しに「ともだち繋がり」のみでチョイス。


このテーマで選ぶと青春のベッタリ感がタップリな曲が多いから、
もうサラッと繋がりたいオッサンには濃過ぎて選曲が難しいのね。


さておき今日のテーマはタイトル通り、「トモダチの橋渡し」です。


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数日前の朝、きつねのアジト前にパークしたのは一台のESSE。

「今回は行商モード故に、残念ながら一張羅の方は出せないよ。」

「・・・だろうね。ゆでたまご号にアレは積んで来られないもの。」


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きれいなキャンディ・ブルーのESSEの主は、かれこれ15年越しの
おつきあいとなる友人、ナベエさん。

「今からユーザー車検を受けに行くところ」と言われれば誰もが
信じてしまいそうなラゲッジの工具の山、しかしコレ常時車載品。


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彼がリアシートからヨイショと降ろした荷は、全て保管体制万全と
分かる良品ばかり。

おおぅ、流石・・・。ナベエさんって前世は絶対ゲルマン民族だわ。


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お隣りの青い森某市を早朝出発、下道で遥々160kmの道のりを
やって来た理由は・・・ひと言で表現すれば、「愛と男気」です
(↑「ふた言になっとるやんか」とか言っちゃダメなヤツ絶対!)。

ナベエさんもNA8Cロードスターの最終型を15年以上愛用する
クルマ仲間ですが「二輪もジムニーも好きだけどあえてそれらに
手を出さない」頑固一徹の一途なマニアさんなんでありますよ。


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NA8のラスト・ロット車が登録されてからでも、そろそろ20年。

「もし相場が他の絶版車に比べて安いから・・・と普通の
中古車のノリで手にすれば、イタい目見る年式なんだよ」。

我が二輪のトライアル師匠・へーさんから相談を受ける都度に
「こーいうのってどーなんだろね?」と又訊きしていた相手が、
自身身銭切ってリフレッシュとセミ・レストアを経験して来た彼。

「あれだけ止めたのに師匠も結局買っちゃった」という成り行きを
常々ブログで監視
し、遂に黙っていられなくなったわけです。


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「VR-LTD自慢のビルシュタインが一本抜けていて困ってる様子。
純正の特性をそのまま磨いたようなKONIを勧めておいたよ。」

「あー・・・アレの中古でも良ければ、ストック持ってるよ俺。」

「ラジエターのトップタンクも、そろそろ樹脂が変色していたよ。」

「それならマルハの旧型増量仕様で良かったら手許にあるけど。」

「古い二輪/四輪と関わるモノは、いずれ着くべきところに落ち着く」
というのは、旧式車愛用者に一致した見解なんでありますが。

いやもう笑うしかない・・・ここまでタイミングが合えば
必然という文字しか浮かばない・・・きつねという中継点を飛ばし
ナベエさんとへーさんを直接御対面させた方が、話早いもん。


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`80年前後の二輪を大好物として既に相当の再生経験をこなして来た
へーさんも、スロープに上げるなり躊躇なく持参のMYツナギを着込み
マグライト片手に愛車の腹下へ潜り込んで行ったナベエさんには、
もう度肝を抜かれて絶句する他なかった様子。

「シャーシで気になるのはココ、横からド突かれてるのは不自然だな。」

「水抜き穴と別にサイドシル下端のココから水が滴るのは要注意です。」

購入先から引き取る際には知らされなかった事実がちょいちょい出て
指摘の都度に眉間へ皺を寄せて唸るばかりの師匠・へーさんでしたが。

「でも購入価格と勘案すれば、腐食が無い分だけベース車としてマトモ。
ウィーク・ポイントを理解して事前に手を打てるなら、特段絶望するほど
酷いNA8じゃないよ。的確に対処すれば長く楽しめるクルマですね。」

オーナーズ・イベントから身を引き久しいテキトー隠居のぎつねメと違い
毎年数多くの個体を観察研究して来たナベエさんのジャッジメントには
ホッと胸を撫で下ろしていたようです。


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そんな訳で「これからロードスター・ライフを始める同好の士」に向けて
へーさんがリクエストした部品の他にも足回りを軸としたストックパーツを
おススメする「青い森のNAロド・マイスター」。

せっかく大切に保管して来た部品なのに、ここで手放して大丈夫なの?
と心配する師匠にナベエさんは涼しい顔で「これとは他に既にもう一式
揃えていますから、言わば余剰品です。」と即答(←すげぇ話だ。笑)。

「結局マツダ自身が『NAのパーツを供給します!』って宣言したでしょ?
だから鮮度が落ちると使えなくなるゴム部品は、自分よりも早く使いたい
オーナーに手渡した方がむしろ活きるんですよ。」

常時昭和末期~平成初頭に跨ぐバイクばかりを相手にレストアして来た
へーさんも、このひと言には首を縦に深く頷くばかり。
もしも某オク!に流せばほぼ倍以上の落札価格が付くだろう品々だけに
ナベエさんが持ち込んだパーツは全て師匠がまとめ買いされていました。


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以前のブログに寄せられたコメントから「NAとは別枠でエンジンさえ
付いた乗り物なら何でも大好き」と察したへーさん、あえてここで
伝家の宝刀・ギャランVR-4を引き出してナベエさんを助手席へ。

「手間暇掛けたから、17万㌔走っているのに今でも絶好調でしょ?」
と結構なブーストを掛けてエスコートしたのは焼肉の名店、三千里


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しかし「地元なのに食べたことがない」という師匠に対し、ここで
きつねメとナベエさんが強く推したのは「カルビスープラーメン」。

体験したことがないヒトに説明するのはいささか難しいんだけど、
コレは「味噌」「塩」「醤油」「豚骨」「魚介」という既存のジャンルに
乗らない珍品で、言うなれば「冷麺屋ならではの牛骨ラーメン」。

画像の赤みから察してもらえるようにキムチでピリ辛に仕上げて
あるので、何となれば更なるカクテキ添加でチューン出来る仕様。
雫石の本店のみ用意されている「盛岡の隠れ地場スペシャル」で、
過去に案内した友人から一度も却下されたことがない逸品です。

師匠へーさん、たった一言だけ「これ旨い。確かに美味しいわ。」


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帰る道すがらも`90年代のWRCネタを中心にトークが盛り上がった
お二人だけに、この日だけで十分な意気投合を果たした様子。

一方から「後で直接のショートメールで連絡先を交わしました」と
報告があった直後に、「リフレッシュメニューを押し売りしました」と
もう一方からメールが届いてしまうので、もう中間応対引き継ぎの
業務なんか必要がないみたいです。

青い森へと帰る道すがら御家族一同や同僚から発注が相次いだ
支所前の持ち帰りホルモン」を夕餉に堪能したらしきナベエさん。
きっと奥さんと仲睦まじくお鍋をつつきながら、こう呟いたはずです。

「なんで岩手ってこうも『地味なハードパンチャー』ばかりなんだろ。」

いやいや、それはお互いさま。愛が無いと繋いで行けないモンなんだ、
趣味も人間関係も同じように・・・ね!
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シーズン・オフのシャッターが降りる頃。 ~セローによる、北東北晩秋物語~








時節的に「この曲をTOPに載せるには、まだ少し早いかな?」とも
考えつつ・・・。

でも先月末に黄昏まで温泉に浸かっていたら、けーたろーの窓に
今季初の雪を見たので、使ってしまいました。


それにしても件の事件以前のマッキーは、景色と心模様を重ねた
ディティールの表現力が神憑り的だ・・・と、改めて感じ入る次第。


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何を見ても感じても一番に伝えたいのは、あのコなのに・・・か。
若い頃、実らぬ恋をたくさん重ねて来たきつねには、よく分かる。

最低気温一桁に達した昨今の北東北で聴くと切なさのリアリティが
一層身に染み、心を震わせてしまう訳ですよ奥さん!(←誰や?)


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下北半島旅行記からこっち、すっかりロードスターの話ばかりに
振ってしまったけれど。もちろん二輪でもボチボチ走っています。


でも、どこをどう走っても都度「嗚呼、秋は終わりなんだ」と
確認して回るようで、今シーズンへの挨拶回り的な気分に。


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これも既に10日ぐらい前、「最近セローでヤマに行ってないなぁ」
と盛岡の東端・区界へ散歩に出向いてみた様子。

紅葉の盛りは既に市内に降りて来た後だから、概ねの予想は
ついていたけれど。


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R106から無数に延びるエダのひとつへ、気まぐれに入って。

「集落住民以外許可なく立ち入るべからず」の看板を見掛けて
今期の畑の後始末と思しきお婆ちゃんに尋ねてみた。

「バイクでお散歩?良いけど廃道で何処にも抜けられないよ。」


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しょきしゃきっ、ざさざさ・・・落ち葉の絨毯は相当に厚いよう。

一か月前なら濃いブッシュに行く手を遮られ幾らも入らずに
撤退していただろうけれど。むしろ見通しが利く分、進める。

「廃道」ということは、上流に誰も住んでいない、ということ。


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水底の石を数えられる澄んだ川に、硬さを感じるせいかな。
しばし眺めてみるも、生き物の気配は感じられなかった。

ふと、さっきのお婆ちゃんが添えてくれた言葉を思い出す。

「最近、畑の荒らされ方が酷くてね。鹿が群れているかも
しれないから、気をつけて。」


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道を登るにつれて、不意打ちのキックバックを喰らう瞬間が
増えて来た。

冬枯れて開けた、穏やかな視界に騙されてしまうけれど。

落葉のカーペットは厚みがある分だけ、その下のトラップを
巧みに隠してしまう。


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「道」としての存在感があいまいになった辺りでセローを停め
試しに徒歩で探りを入れれば・・・いや、くわばらくわばら。

ヒトのアタマ大の落石が累々と、轍の痕跡を埋めている。

これはアカンやつ、四季に関わらず既に眠って久しい道だ。
散歩以上のレベルは望まない・・・撤収決定で切り返し。


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きっと森の住人達も、「お休み」を決め込んでいるのだろう。

これだけ丸裸で見通しが利く林間なら、何かが動けば瞬間的に
気付けるはずなのだけれど。
エンジンを切り一服している間も、静寂のまま空気が動かない。

この居心地は快いものの、長居するほどの理由は無いかな。


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一旦はR106へ戻ったけれど、降りる前に抜けのいい画像も
一枚欲しくなったので、向こう側へ渡ってみた。

視界にちょっと開けた丘が入ったので、引き寄せられるように
寄ってみれば・・・嗚呼、ここか!そう、ここだよ!と胸落ち。

現在の「青少年自然の家」に些かの違和感を覚えていた理由。
子供の頃に親しんだココから、いつの間にか移転していたのだ。


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もう記憶もアヤフヤになるほど大昔のことで、不確かだけれど。
小学校の林間学校でお世話になったのは、たぶんコッチの方。

するとあの朽ちた白樺ロッジは、これもいつの間にか消えていた
「区界スキー場」のスキー・センターを兼ねていたのだろうか。

ゲレンデだったと思しき広場の手入れが行き届いている理由は
・・・この直後に思い知らされることとなる。


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「おっ、このダートはお初だ!」と勢いを駆って入り込んだコースは
数百メートル先で酷くキャンバーのつく細い登り坂へ向かって行く。

林間学校でハイキングに連れて来られた、兜明神岳への登山道。
もちろんそれは、バイクで入り込んで良いはずのないルートだった。

バックで下り続けるのもしんどいな・・・と斜面で切り返した刹那、
笹薮に隠された巧妙な罠に、したたかフロントタイヤをさらわれた。


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まあ落ち着け落ち着け。上げられない程の落差や斜度じゃない。
なんなら倒木の幹さえ事前に除ければ、薮漕ぎでも降りられる。

コックをOFFに切り替え、土に刺さったハンドルを起こして引き抜き
ダメ元で路上復帰を試みる。

もう何が煩わしいかって、とにかくステップ周りへ弓なりに引っ掛かる
無数の笹の蔓・・・持ってて良かった、ヴィクトリノックス。


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時ならぬ草刈りに汗しながら、フロントはハンドルを起こして引いて。
リアはホイールごと持ち上げて、ここまで2メートルのピックアップに
小一時間。


軽量級だ125ccベースだとか何だかんだ言っても、100kgは重いのよ。
そりゃそうだよね、だってオートバイだもの(笑)。


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標準車載の鉄板打ち抜きっぽいレンチでは全く歯が立たなかった
(これで曲がっちゃうレンチってナニ?)シフトペダルを直すにも
ロッキング・プライヤーが活躍。

やっぱりベテランは「実践で役立つもの」をよく御存知です・・・
トライアル師匠・へーさんの装備、真似ておいて良かった。


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林道の路上でパタンと転ばしたことは、以前に何度かあるけれど。

「崖下へ落とす」「沼にハマる」「路肩を踏み外す」と年に三度も
脱出に一時間超を要するピンチを招いたのは、今期が初めて。

そこから得るものも確かにあるけれど、元凶は判断力の甘さだ。


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振り返れば危機の前に、いつも心の中で小さなベルが鳴っていた。
「この先は、ちょっとマズいんじゃないの?」って。

それでもアクセルを閉じなかったのは、そこまでに付いた勢いと
「多分なんとかなるっしょ!」という過信が全てだった。

「なんとかなった」のは結果論。懲りずに何度も繰り返せばいずれ
遠からず「なんとも出来ない」時が来る。ソリストの宿命として。


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スウェットの下で汗だくになったTシャツに気持ち悪さを覚えつつも
ただ難儀してシッポ巻いて帰るのは、どうにも悔しい負けず嫌い。

風邪を呼び込まぬ様に襟元を締め直し、通い慣れた飛鳥牧場へ。
区界トンネルから降りると、季節が半月ばかり戻ったような紅葉。

・・・今日チョイスすべきだったのは、むしろコッチだったのか。


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ことある都度にかつての道筋を知るヒトへ尋ねてみたところ、
昭和40年代のR106は現JR山田線の各駅に沿ったこの道路
だったらしい。

しかし落葉後という季節を差し引いても、見通しが良過ぎる。
伐採の加速化はホント、何処の山でも同じなのか。


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山里まで降り立ったのは、午後の時計も大きく右へ回った頃。

ようやく見つけた自動販売機で暖かい缶コーヒーを求めて、
「おそらくこれが今期最後の林道探検ごっこか」と、独り言。

本音は名残惜しいけれど、季節の巡りには逆らえないからね。


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それにしても今年の紅葉、訪れが早いところと遅いところが
山でも街でもデタラメでバラバラだったように感じます。

きっと冷夏の八月、雨続きの九月、嵐の見舞う十月と気象が
荒れた影響なんだろうなぁ。

例年通り穏やかに順当に経過していたら、未だ落ちずに済んだ
木の葉も、台風の余波や激しい低気圧の突風で散らされたから。


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綱取ダムの展望台から夕陽に照らされる小さな山々を眺めると
その肌には依然色付きが味わえるものの。

そのマテリアルは概ね既に地へ舞い降りた葉によるものでしょう。

ゆっくりとシーズンのシャッターが降りて来る淋しさを味わいつつ
気温が10℃を切る前に、街へと帰るきつねでありました。


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引きずり落したり引きずり上げたり泥まみれにしたりする都度、
少しずつ褪せて行くフォレスト・グリーンに詫びながらの洗車。

「来季はこれ以上、自身も愛車も痛めつける様な行程は避けよう」
と誓い、明日以降に身体を襲って来るだろう筋肉痛を覚悟しつつ。

この後に石油ストーブを焚いたガレージに引き込んで細部まで
ワックスやシリコン・スプレーを掛けておきました。

本格的な冬眠作業はもう少しだけ先延ばしにさせてね、セロー


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市内で過ごす分には、まだ降雪凍結に身構えるレベルには至って
いないものの。

その後の休日は気温が上がるのを待ちがてら「下北旅紀行」を
書きつつ。

「明朝は放射冷却で氷点下」「山沿いは雪がチラつくことも」てな
天気予報に怯えながら、お昼辺りから冬支度を進める今日この頃。


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気が向けば山間の温泉も恋しくなる時期だから、もしそーなったら
そーなったで躊躇なくドライブに出掛ける為、早々にけーたろーも
スタッドレスへと履き替えさせました。


スポーツスターにしてもKeiにしても、それぞれの作業に思うところは
多々あるけれど・・・それはまた「機会を改めて」ということで・・・。

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毎秋恒例・あかぎつねの北帰行 第七章 ~シーサイド・ランと北の防人、そして旅の終わりに~








10月の真ん中に出掛けた「下北半島一周記」も、書き始めてから
気付けば既に三週間・・・。

デジタルの時代ってのはありがたいもので、アナログ生活の頃なら
これほど間を空けると、もう訪ねた時の心境や景色をこんなに
明確に書くことは出来なかったはず。

そんな訳でデジタル画像を眺めては「ああ、こうだったっけ」と
記憶を呼び起こしつつ、今回で連載の最後を締めようと思います。


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さて、願掛ハウス・ぬいどう食堂と欠かせない寄り道をしながら
海峡ラインの長い長い峠を駆け抜けたロードスターと中年ぎつね。

脇野沢で陸奥湾と出会ったら「まさかりの刃」全線を制覇した
者にだけ待っている、素敵な「ウィニングラン・ロード」。

反時計回りで下北を巡る時いつも「いい場所にいいタイミングで
用意されているモンだよな」って自然と微笑が浮かんで来ます。


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長く険しく目まぐるしい「まさかりの刃」のワインディングに対し、
脇野沢から川内と大湊の境までは好対照なシーサイドライン。

漁村集落間を海岸線に沿ってずっとユルユルゆるゆる延びる
信号のない快走路を、大湊まで30kmぐらいのクルージング。

今回は薄い雲が掛かってしまったけれど、青空の冴えた日には
穏やかな陸奥湾のハレーションが眩しいほど明るくてね。


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お腹が空いても各集落には海鮮系の食堂やラーメン屋さんがあり
もちろん1kmに一度ぐらいは自販機も置いてあります。

ドアの縁に右肘を掛けたまま、ギアも5速にホールドしたまま。

ココを走る時は毎度ついつい杉山清貴のMDを探してしまう(笑)、
海原の向こうに対岸の津軽半島を眺めながらの快速潮風ドライブ。


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「下北半島の目的スポット」も、後は観光館に立ち寄って職場への
お土産を購入するだけ・・・旅の終わりが静かに歩み寄っている。

そのぐらい、旅情の色が濃い土地。目先を変えたらまだまだ何か
見つかる気もしているし、拾い損ねている予感が止まらない。

毎年通い慣れた、たった三日の小さな下北半島の旅でもね。


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より遠くより長い北海道旅行も経験して来たけれど、ここでも
終わりたくないな、まだ帰りたくないな・・・って思います、正直。


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やがて、大間以降の100kmで久々に目にしたローソンの辺りから
クルマが増え始めたなら、「陸奥湾シーサイドクルーズ」も終点。

大湊は明治に海軍の拠点を置かれて以来の長い歴史を持つ、
赤煉瓦の塀が印象的な「北の防衛線」の街です。


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ゲート前に並ぶ海自の退役機たち・・・チラッと調べてみたところ
グレーの飛行機はT-34、黄色い方はKM-2という名のよう。

航空関連に疎いきつねの目には現役のUH60と変わらないように
見えるヘリは、HSS2Bというモデルなのだそうな。

いつ頃まで陸奥の空を飛んでいたのかな・・・ほら、興味が湧くと
調べてみたくなるでしょ?きつねは穴掘り属性の動物だからね
(※ 「お前は墓穴掘ってるだけだろ」とか言っちゃダメ絶対)。


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実は今回、下北を早めに切り上げ「まさかりの把」を飛ばして
久しぶりに三沢市の航空博物館を訪ねるつもりでいたんです。

ところが検索すると、ちょうどこの日は定休の月曜日・・・(泣)。

そこで以前から、視界の隅に入る都度にちょっと気になっていた
大湊基地関連の施設への寄り道を試みることに。


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R338の山手に向かえばエレベーター付四階建ての「海望館」。

最上階から眺める大湊基地(本州の影との間に延びる土地も
全部自衛隊の敷地)は、ここ独特の景観で面白いもの。

こちらを向いて停泊している艦艇の姿、見つけられるかな。


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海望館の下手にある「安渡館」は、新旧の大湊海軍カレーを
食べられるレストランや小さな土産物ブースがある他は概ね
会議用ホールスペース、という建物。

イメージした時代が近いせいか建物の雰囲気が対岸・函館の
五島軒によく似ていて、これも興味深いところ。

これは桜かな・・・庭園の紅葉が目に鮮やかだったので、一枚。


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二つの施設がある丘を降りてR338を挟んだレンガ塀の向こうに、
たぶん常時フツーのヒトが入れる唯一の展示館があります。

見た目からしてクラシカルで重厚な「北洋館」の建屋は、なんと
大正5年!に作られた水兵さんの社交場なのだとか。


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「最近流行りの『なんちゃってレトロ館』とは由緒も格も違うのよ」
とばかりに入り口前へ据えられたのは、モノホンの魚雷発射管。

もう、分厚い扉の向こうから「凄いの魅せるぜオーラ」がモワモワ。
かつて封印したミリフェチの血がパンドラの箱の奥深くで疼きます。


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ハハハ・・・入るなり度肝抜かれます。よく残っていたものだなぁ。

旧軍時代の99式狙撃銃(ボルトアクションライフル)やら釜臥山の
テッペンに据えられていたという対空機関銃やら、物々しいヤツが
ぞーろぞろ置かれているものね。

中には「芦崎の浜に埋もれていたのを拾って(!)修復した」という
古式機銃まであり、見た目から履歴に至るまで生々しい内容です。


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ここでは施設の方(身分としては現役の隊員さんなのだと思う)が
解説員として一周付き添ってくれるサービスが標準装備のよう。

で・・・面白かったのが、付いて下さった年配解説員さんの表情。

「武装の国産近代化に於いて、先進的な欧米やロシアの装備を
参考にしたものの、ネジから弾まで規格が皆バラバラでして。」

「あー・・・7.62m/mとか7.65m/mとか『そんなン全部同じやろ!』
な規格ってありますよね。NATOでやっと足並み揃ったような。」

ここで「おやダンナ、判ってるね?」とばかりに、彼の目がキラリ。


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相手が事情通ならハナシ早い、と言わんばかりに「一般モード」から
「ソッチ好き向けモード」にシフト、口調もばんばんヒートアップ(笑)。

「ハーレーに乗っているなら、インチからミリに設変する際の苦労も
察しがつきますよね?ヨーロッパとアメリカじゃ設計の視点も違う。」

「生真面目貧乏な国民性故、船も飛行機も計算づくで緻密に繊細に
性能を上げて来たので、戦後進駐軍に貸与されたものを整備する
都度に皆『なんじゃコレ?』と呆れてモノが言えなかったようです。」


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解説のマシンガンぶっちゃけトークに圧倒されて目を白黒させつつ
大湊のみならず日本の海洋進出/防衛の歴史まで見学出来るので
マニアじゃなくても関心をそそられる、「そうだったのか展示館」。

欠けるところなく時代を追い「街の変貌の様子」を追って行けるのは
軍港都市ならでは・・・個人的に興味の深い戦前/戦後の写真は
思わず見入ってしまうものばかりでした。


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その中で印象に残ったのは、どこかの国が作った「逆さの地図」。

隣りの国を下面、アメリカ大陸を上に置き大平洋を真ん中に据えた
その地図を傍らに、解説員さんがひと言だけ添えました。

「あの国が日本やフィリピンを邪険に扱う理由、分かるでしょ?」


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波消しの島にしか見えない小国の、目障りなほど大きな存在感か。

そこから生まれた価値観の相違が世界の正義すら狂わせるのなら、
溜息しか出ない・・・モノサシ作りの基準が違っているのだから。


ちなみに・・・大湊の東端辺りから国道を海の方へ逸れると、
ゲート外からでもこのぐらい近くで海自の艦艇を眺められます。


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「旧海軍以来の国防拠点てのは横須賀でも佐世保でも、ほとんど
内海の奥に在るんです。レーダーも何もない目視監視時代だと
『出会いがしらの開戦』になっちゃってたから。」

「外海に面した丸裸の海岸線では無防備過ぎてアブないでしょ。」

知っているようで知らない、普段は思い至らない「なるほど」がある。
それがどんな方向性であっても、旅に出る理由の大切な要素かな。


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市民総力挙げての「産業祭り」で賑わう中、カレーとコロッケを頂いた
まさかりプラザ・・・それがたった24時間前だったのが、信じられない。

前日の華やかさが幻だったようにドライな役所然として静まり返った
「むつ来さまい館」にて、職場とトキ婆へのお土産を仕入れます。

こんなに遠いのに実はかつて盛岡と同じ藩だった故、普通の顔して
「南部せんべい」が並んでいるのが、旅人的にビミョーな心境(笑)。


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例によって「クルマ多い」「流れ遅い」「海が見えない」「眠くなる」の
四重苦を抱えたR279・はまなすラインは避け、往路と同じ快速路の
太平洋ルート・R338一択にて「まさかりの把」を一気に南下。

かつて雨に見舞われた帰り道、「どこにも寄る気がしないから」と
試しにむつ~三沢間の無休憩タイムトライアルを試みたところ、
ハイペースな地元ナンバーのクラウンに追随する成り行きに。

大きな声では言えないけれど・・・お陰さまで一時間ジャスト!で
走り切ってしまった思い出があります(区間距離はナイショ♪)。


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そして前日、「はじまりの朝」を缶コーヒー片手に過ごした丘で
大平洋の水平線に「さよなら」の御挨拶を。

午後を大きく回る時間まで下北半島で過ごしてしまったため、
秋の黄昏は既に「待ったなし」。

きっと今年目にする最後の海だから、もう少しゆっくり眺めて
いたかったけれど・・・欠かせない儀式が一つ、残っています。


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後ろ髪を引かれつつも足早に「時計と海の丘」を背にした理由。
それは百石インターチェンジ近くの、「いつものGS」での洗車。

丸三日間、言わば塩漬けの街道ばかり選んだ過酷な道中を
無事に駆け続けてくれた相棒を、労ってやる大切な儀式です。

浜道から離れて高速道に乗るココで洗車を済ませておけば、
盛岡へ着くまでの一時間半で残った塩気と水気を飛ばせます。


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他のお客の邪魔にならぬように場所を選び、スプレーワックスで
磨き上げるまで一時間と少々・・・気付けば既に周囲は真っ暗。

セルフのスタンドとはいえ常駐の従業員さんももちろん居る訳で。

延々居座る隣県ナンバーの旧式スポーツカーへの好奇の視線が
イタいけれど、最後にちゃんとガソリン満タンにするから許してね。


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夜明け前に起き出してから、走って飯食って写真撮って談笑して
走って飯食って写真撮って見学して・・・。

高速のランプをくぐる頃には正直もうクッタクタなんだけど(笑)。

助手席にブラックのボトルコーヒーを横たえ、これまたいつもの
「ナイトクルージング指定BGM」たるシャカタクのMDをデッキに。

ナルディに右手を添え、つらつらと濃密だった旅路の記憶をたどる。

ヘッドライトが非日常への名残惜しさを煽る帰路160kmの道のりも、
単調だけれど大好きな時間です。


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19:30、アジトのガレージで荷を降ろし、バッテリーをカット・オフ。

一昨日の朝にここを発ち、僅か三日しか経っていないというのに。

まるで一週間も留守にしていたかのように、その記憶が遠く感じる。

そう・・・今朝の大間の朝焼けすら、何日も前の出来事のよう。

憂鬱が忍び寄る明日のことなど、目が覚めてから考えればいい。



素敵な旅をありがとう、ロードスター。お疲れ様、ゆっくりお休み。

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ジャンル : 車・バイク

オジサンたちのロードスター、秋景色。 ~トラ師匠へーさん、NAを手に入れる~








◎ 師匠・へーさんへ ◎


これが昨日お話した、「紺ぎつね号」モディファイの元ネタ・・・。

仮想マルホランド・ルックというエッセンスのヒントをくれたのが
この主人公の手で魔改造された峠仕様の356スピードスターです。


自分の記憶が正しければ、TV放映されたのは`80年代前半の
ただ一度だけ・・・。

まだ中学生だった自分には雑誌とワルい先輩方の世間話でしか
知る術が無かった「走り屋の世界観」を、初めて映像として見た
忘れられない衝撃の作品。


以来きつねの心の根に、このシーンがずっと巣食っている訳で。

「オープンカーのドライヴィングポジションは、傍から見て車体に
埋もれているように見えなければカッコ悪い」。

それが、あのバケットシートの低さにこだわった理由なんですよ。


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以前にも何度か書いたように「息子が次期購入候補の一台に
挙げているんだけど、NAロードスターって実際どうなの?」と
度々相談に訪れていたトライアルの師匠・へーさん。

そこで紺ぎつね号に試乗して頂いたり、NAが新車だった当時の
ムック本を貸し出したりしていた次第なんですが。

「いやあ、調べている内に息子より俺の方がハマっちゃった」と
9月初旬、ついに程度の良い準最終型を御購入・・・マジか。


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小傷や凹みはあるものの走行距離4万㌔台のノーマル車。
シックなVR-Bらしく、大人しいオーナーの許にあった様です。

きつねメが運転させてもらった際、アクセルのオン/オフ時に
エンジンやミッションの揺れが殆ど感じられなかった事からも
「荒く使われていない、素性の良い個体」と判断出来ました。


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「ロードスターって、オープンカーって、面白いね、愉しいね。」
「あんまり気持ち良いから、休みと言えばコレばかり乗っちゃう。」
「田沢湖も八幡平も行ったけど、晴れていればいつもサイコー。」

師匠から発せられる言葉は、自分が初のNA6を手に入れた頃の
高揚感を思い出させるものばかり。

「ターゲットにしていた『ネオグリーンのVスぺ』ではないけれど、
手許に来てみれば深いグリーンのコレの方が好みに合ってた。」
「そろそろ還暦なんだしクラシカルな方へ振り、シャカリキにならず
流すように乗りたいんだよね。」


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近々二台でツルんで走りに行こうよ、とお誘いされていたものの
今までお互いの予定や天気が上手くかみ合わず。

パリッと晴れたお陰で一向に眠気が訪れない勤務明けの昨日、
「もし御都合が良ければちょっとひと回りして来ましょうか?」と
メールし、初ランデヴーが叶った次第です。

まるで10月のように暖かな、オープンにちょうどいい小春日和。
冬支度用のハードトップ、やはり一緒に降ろすべきだったかな。


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小岩井に至る道中の、湿った落ち葉で覆われたタイトな峠道を
軽業師の様な身のこなしで飛ばす紺ぎつね号に驚いた師匠。

「後ろから見ていても自然なモーションでキレイに曲がって行く。
フルタイム4WDのVR-4に慣れた身では、FRの挙動は手探りで。
まだ俺はこのクルマと仲良くなれていないなぁ、って思ったよ。」

「二輪に例えるとロードスターってヤマハのSRに似ていますよね。
素のままでも長閑な楽しさがあるし、自在な操縦性と軽さや脚を
活かせばワインディング向きのカフェレーサーにも化けるし。」


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平成生まれのスポーツカーでありながら、そのケレン味の無さ故に
時代の中で陳腐化されず「オジサンがのんびり乗るのも似合う」
「日本の田舎の風景に置いても絵になる」不思議な存在になった。

ハイテク・ハイパワーな現行大排気量より、懐かしいホンダGL500や
モトグッツィ・イモラの乗り味を好むへーさんであれば、NAはおそらく
相性の良いクルマ・・・と、相談を受ける以前から察していました。

「ロードスターはツボにドンピシャ。買って良かった、って思うよ。」

晩秋の日差しの中で微笑む師匠、次に一緒に走る機会は来年かな。
きっと今までにも増して、春が待ち遠しく長い冬になりますよ・・・♪

テーマ : ロードスター
ジャンル : 車・バイク

毎秋恒例・あかぎつねの北帰行 第六章 ~比類なきハード・ロング・ワインディング、「海峡ライン」~








さて・・・佐井の小さな湾に沿った集落を抜けたら、そこからは
コルシカ島のラリーコースそこのけな怒涛のワインディング。


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「まさかりの刃」から陸奥湾へ向かうには概ね三通りのルートが
あるけれど、佐井集落から湯野川を通り川内へ中央を突っ切る
(一見最短の)通称「かもしかライン」もまた、延々ハードな峠。

距離こそ違えど、どのみち難コースであることには変わりなく。
今回は新しいタイヤを試す意味もあって最長の「海峡ライン」を
走り切ります。


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見よ、ヘアピンで稼ぎ続けるこの高低差・・・!

レンタカーのマイクロバスや貸切の小型観光バスが四苦八苦
走っている姿を稀に見掛けるけれど、おそらくお客はみんな
「チョイスをミスった」と後悔しているに違いありません。


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かつて苦虫噛み潰して静々と通った工事中の砂利道が今やこんな
立派な二車線・・・と言いたいところが、やっぱり問屋が卸さない。

結局「舗装林道か?」とツッコミ入れたくなるセンターラインも無い
全線ブラインドコーナーの1.5車線を、2~3速のシフトも忙しく
駆け下る羽目になります。


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「どこが海峡ラインなモンか、海なんか全然見えやしねぇよ!」と
悪態ついて降り立つ集落、R338第一SSのゴールがココ。

青屋根に大きくその名を書かれた「ぬいどう食堂」、知る人ぞ知る
驚愕のうに丼が自慢の名店・・・但しそれは春から夏の終わりまで。

「待っててェ、いま開けるからァ!」と店主のオッカさん、慌てて登場。
いやいや、開店時間前に着いちゃった俺が早過ぎただけだよ。


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「ううん、昨日は予想以上にお客さん方が来ちゃったモンだから。
今朝は有りものでドンブリ作るしかなくて、申し訳なくてさぁ。」

画像左端にある1000円の歌舞伎丼ですら、実は豪華な三色丼。
しかも煮魚の小鉢や二枚貝の味噌汁も付く、立派な定食です。

それ以上の価格帯となると、もうどれがどうなっちゃうんだか・・・。

「材料切れでごめんねぇ、出来るのはこれだけだったわァ。
お望みの注文受けられないから、値段の方でオマケするよォ。」


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「メニューに無いありあわせ丼」なのに、イカそうめんとイクラ山盛り。
1000円からお釣り貰っちゃったこっちの方が申し訳なくなります。

平日で開店一番ただ一人のお客なだけに、マンツーマンで接客。

海水温暖化と海流の変化や台風直撃等々、近年の気象変化は
漁業を軸に暮らす人々にとって「今まで採れた魚が採れなくなった」
深刻な問題になっていることを、オッカさんからも聞かされました。


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テレビのニュースで知っている事も、土地の人の口から直に聞くと
リアリティが全く違ったり、報じられぬ意外な側面を垣間見られたり。

「ぬいどう」で小一時間を過ごし、いろいろ思うところを胸に収めつつ
第二レグへと挑みます。

このセクションもやはりさっぱり海が見えないタイトコーナーの連続で
上り下りの勾配も極端な、「ひとりイニシャルD」。


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いやホント、ステアリングを直進に・スロットルをパーシャルで保って
いられる時間なんか、殆ど無いんじゃない?ってぐらいタイトです。

救いと言えるのは交通量がほぼ皆無なこと・・・但し一説によると
「例え何らかのアクシデントを生じてJAFに連絡が付けられても、
現場までレッカーが到着するのに2時間以上掛かる」のだそうな。

あ、携帯の電波そのものが届かない地域も多いから、その辺りの
ことは承知の上で走りましょうね。


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「ぬいどう」の集落を出てから、おそらくは一軒も民家を見ぬまま
ひたすら独り上手なヒルクライムとダウンヒルを繰り返しまして。

第2SSのひと区切りは「たぶん界隈で唯一の公衆トイレ」がある
名勝、仏ヶ浦の展望台でしょうか。

その名前から「恐山の隣り辺り?」と場所を勘違いされる向きも
多いんですけど、実際は直線距離でも50kmぐらい離れています。


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でもココ、ズーム使ってもこんなに小っちゃくしか撮れないぐらい
あの奇石群から遠いんであります・・・。

道を少し下ったところで更に近くへ降りられる観光船乗り場への
枝道があるものの、よく写真で見かける「浜辺からの眺め」には
徒歩でかなりの階段を歩かなければならない様子。

時間的に厳しいものがあるので毎回パスするきつねメ、故に
まだ間近で見たことが一度も無かったりする次第です。


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スナップショットを撮って用を足したら「10%下り勾配」の標識をくぐって
第三レグのスタート。

下北に通い始めまだ浅かった十数年前、逆回りで大間を目指す途中
猛烈な勢いで飛ばす真っ赤なオペル・ヴィータと一戦交えたことが。

件のトイレにてそのドライバー氏と並び用を足している最中、彼は
チラリこちらを見やって「兄ちゃん、結構イイ腕してるね」とボソリ。


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東京某区ナンバーの赤いヴィータ氏は旅行関連会社の業務で、
ルートの確認だかバスの先回りだかの理由から急いでいた様子。

一見ブロンズ色の社外品だと思っていたホイール、よくよく見たら
実はブレーキダストの色に染まり切ったシルバーの純正アルミ。

日本中くまなく日々あのペースでフッ飛ばしていたら、そりゃあ確かに
ドライヴィングの勘も技術も自然と磨かれちゃうんでありましょうね。


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稀に現れる小集落以外、お店どころか自販機も民家もほぼ皆無の
海峡ラインではありますが。

「誰もいない」=「好きなだけ飛ばし放題」と捉えていると、そのうち
コーナーの向こう側で予想外の事態に泡を喰わされます。

ここは「北限のニホンザル」が住むエリア。滅多にクルマが通らない
土地柄を証明するかのように、群れで道路に屯していることも・・・。

くれぐれも「いつでもどうにでも対処出来るマージン」、お忘れなく。


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第三SSの終点を区切るとしたら、この「かもしかライン」と交差する
十字路がある辺りかな。

断崖の乱高下に準じて延々続いたワインディングも、小さな牧野が
広がるここで「一旦小休止」といった風情になります。

そうそう、ウッカリすると直進してしまいそうなこの交差点ですが
「まさかりの刃」走破のために脇野沢へ向かうヒトは「右折」。

逆に「峠は飽きた、もうショートカットしたい」という向きはここから
真っすぐ行くも良し(「道の駅かわうち」や湯野川温泉もあるしね)。


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風に揺れるすすきが手を振り牛たちが草を食む、少し北海道の様な
雰囲気も漂う穏やかな道。

息つく暇もないヒール&トゥの連続で感覚が麻痺した踵やパンパンに
張ってしまった右足の脛をしばし休める、束の間のリエゾンです。

本当はオープンカーって、こうやって味わうモンだよね(←今更)。


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「嗚呼これで山道地獄から解放され、陸奥湾に迎えられるのね」?
・・・いえいえ、実はここからがむしろ「とどめ」というべき長丁場。

道幅が広がった分だけロング・ストレートも織り交ぜ2速から4速まで
フルに使う、エンジンにも脚にもブレーキにも過酷な第四レグ。

前日に釜臥山展望台で出会ったYナンバーのGT-RやツアラーVは
おそらくここをメイン・ステージに走っている常連でしょうね。


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但し海峡ラインで最もスピードが乗るこの区間にも、トラップが。

険しい山岳路には付きものの路肩崩壊や落石による工事で突然に
片側通行のバリケードが現れるわけです。

自慢のハイグリップタイヤや高性能パッドのストッピング・パワーを
こんな場面で試したいドライバーはいないでしょうから・・・。

くどいようだけど、くれぐれも飛ばし過ぎないよう御注意を。


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第四SSの中では一番標高の高い地点まで登り切ったところにある
駐車帯、海峡ライン展望台。

「下北半島にある展望台の中では最もアクセス困難」という悪評の
見晴らしポイントに、陸奥湾回りで来た近畿ナンバーのパジェロ。


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ずいぶん遠くからエエ音聴こえとった、と微笑む初老のオヤジさん。
これは懐かしいな、ユーノスやね?とは品の良い奥さん。

「コレ買おう!て思うたらトランクにゴルフバッグが入らんで諦めた」
という彼はフェアレディZばかり乗り継ぎ、今の愛車はスカイライン
クーペなのだそうな。


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ええクルマや、大事に乗ったってな、良い旅を・・・と去って行った
老夫婦のパジェロを追うように上がって来たのはヤマハFJR。

ふと、「大間の宿で別れたGL1800とダイナ・ストリートボブの
コンビは無事に津軽半島行きのフェリーに乗れたかな?」と
今朝見送った二台の後姿が脳裏に浮かびました。


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3速で引っ張っては4速で車速を伸ばし上って来た標高に比例して、
展望台以降は脇野沢まで大きなヘアピンが連続するダウンヒル。


もしもチューニングパーツ・メーカーやショップさんが「これぞ!」と
思うストリート向けブレーキや足回りキットの自信作が出来たら、
一週間ぐらい海峡ラインに遠征してセッティングすればいい。

一定の範囲や条件の中を繰り返し周回するサーキットと違って、
あらゆるシチュエーションをロングレンジで試される舞台だからね。


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「一般ドライバーのきつねですらも公道の常識範囲内で、ダンパーの
過熱による挙動変化やブレーキパッドの耐熱性を実感出来る場所は
そうそうあるまいよ。」

ジワジワとタッチの節度が甘くなり始めたブレーキを気遣いつつも
ダイナミックなつづら折りを下り切れば、視界一杯に開ける陸奥湾。

クルマも乗り手も試すハードな「まさかりの刃」を走り切った者への
ささやかなご褒美・・・三日間の秋旅も、いよいよ終盤の予感です。

テーマ : ツーリングレポート
ジャンル : 車・バイク

プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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