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道北旅、最後の夜に。 Sapporo Night&Day ~ゆるゆる中年ぎつねは最北端を目指す 最終章~







本日のTOPには、「北海道・最後の夜編」に引っ掛けて。
今では忘れ去られたジュリーのヒット・ナンバーからひとつ。


一歩間違えばド演歌に陥りがちな世界観をハード・ボイルドな
タッチへ持って行ったのは、この頃の彼の存在感ならでは。

どこか哀しく何かを悟り、いつも色濃く引く影ゆえに少し危ない。
退廃感を抱かぬ男には、ミステリーも色気もついては来ない。

きつねが長く敬愛してやまない次元大介もポルコ・ロッソも又
「片面キザで片面不器用」という、こんな系統の漢だろう。


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それにしても主人公を演じるジュリーの、なんと妖艶なことよ。
詞の展開に応じた表情作りだけ観ても、シビれるカッコ良さ。

表現の手数が今より圧倒的に少なかったアナログ時代の方が
むしろ、エモーションに対する作り込みも熱く凝っていたのかな。

ウチのゴリラがラインオフした頃は、こんな傾奇者が許された。
当時10才だったきつねメには、理解出来る由も無かったけれど。


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「約束より少し早いけど、もうホテルのロビーまで着いてるよ!」
とシャワー浴びている最中にメールをよこした「札幌の姉貴」。

あんまり急かすとマッパでそっち行くよ?ってアケスケな返事を
送ってみれば、「私は良いけどオマワリサンも迎えに来るよ?」

流石、既に娘を三人育てて世の中に送り出したアネキは。
肝の据わりっぷりも並みじゃないんだ・・・(笑 )。


もちろん「姉貴」とは血の繋がりやらシガラミがある訳じゃなくて。


3年前の道東の際、ネットで現地住民による声を集めていた時
やりとりし始めたVTR250を駆る友人だけど、その経歴が異色。


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若い頃から結婚/出産/仕事/子育てと暮らしに追われ続けて。

最後に世へ送り出した末っ子と共に何故か旦那(二人目の!)も
巣立ち、「50歳過ぎて突然独身になったから免許取った」そう。

そんな訳で(?)、なんと某出会い系サイト!で出会った二人は
運営側の意義も立場もへったくれもない、イロケもシタゴコロも
全く枯れ切ったバイク仲間に発展した次第。


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画像は3年前の初対面の際「札幌史上最強の夜景を見せる」と
鼻息荒いアネキに連れて行ってもらったJR札幌タワーのもの。

ちなみにココ、「夜景を眺めながら用を足せるトイレ日本一」という
威張って良いんだか悪いんだかよく分からない珍スポットとか。


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「フハハ、この画像撮影だけは男子の特権!」と威張ってみせたら
「あー、『誰も入ってない』って判っていたら私も撮りに行くかもね。」


今回の冒頭動画、たぶんアネキの方が似合う。乾杯ならぬ完敗だ。


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痩せた長身で背筋シャッキリな彼女と笑顔で再会を果たしつつ、
「ミーハー上等と開き直るなら、晩御飯の前に観光地散歩しよか?」


かくして陽がとっぷり沈んだ札幌市内をエスコートしてもらう展開に。

「どうも『北海道の中心=札幌』と『日本の中心=東京』を一緒くたに
混同している道民が多いみたいでねぇ。ケタがひとつ違うのにさ。」


いやいやいやいや・・・総市民数ようやっと30万人の盛岡から
観たら、東北最大の都市・仙台よりあからさまにデカいですって!


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まずは閉庁後でも門を開放されている、旧北海道庁の庭園へ。

「アンタ山ばっかり走っている割に、ホントに花オンチなのねぇ。」
と笑う傍から、手前にある花の名前も案外アヤフヤな姉貴(笑)。

まーまー、そンぐらいアバウトな方が「らしい」ってことよ。

設計者が東京駅と同じ我が岩銀旧本店クリソツの雰囲気を
漂わせる、重厚なレンガ造りの建屋の方が俺は萌えるし。


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「ここが札幌雪祭りの会場になる、大通り公園だよ。」

「北国ならそっちこっちで『雪祭り』やるけど、100万都市の
県庁所在地ド真ん中で・・・って相当大胆だよね。」


道庁はもちろん道内大手企業本社や全国区大企業の
北海道支店が集中する、駅至近の官庁街だもんな。

「開催直前まで、雪を積んだ大型ダンプが列を成すのよ。
それはそれで壮観だわね、毎回大渋滞必須だけど。」



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「例えガッカリ遺産と揶揄されても、それ承知で観に行けば
一周回って案外悪くないかもよ。」


年々数を増し、その都度背も伸びて行くビル群に囲まれて
埋もれる様にこじんまりと佇む札幌時計台。

それでも周囲のオフィスビルが灯を消して行く中、対照的に
ライトアップされた姿はむしろ可憐で美しく映えた。

傍らの花は、今が旬のライラックだそう。そう言えば岩手で
咲いているって話は聞いたことが無いな。


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日の暮れた街を歩く人々の実に半数近くがアジアン行者!
な様子に目を丸くしつつ、狸小路まで歩いて入店したのは
ジンギスカンの店・ヤマダモンゴル。

「懐かしい!三年前の夜9:00、札幌に着いて疲れ果てて
よーやく立ち寄ったのが北海道大学の支店だったよ。」

「えっ、チェーン店なの?ここの他にもあるの?ウソ!」

「なんかココって、東京とか大阪にもあるらしいよ。」

(↑ってか黙って『初めてのフリ』しとけよ俺の馬鹿)。


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同僚の子に『予約出来て並ばずに済むジンギスカン屋』を
リサーチしたところヤマモンを推された、という姉貴。

「あの子たちも詰めが甘いわね。明日ヤキ入れてやる。」

まあまあお局様、細かいことはさておき突っつきましょうよ、
待望のジンギスカン。

「ところで、メールで勧めた稚内のドームは寄って来た?」

「妙に新しくて味気ないよね。上に登ってもサハリン見えんし。」


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「・・・?そこ、機関車の動輪置いてたでしょ?長年放置された
車体が朽ちて、最後にそれだけが残った、っていう。」

「・・・?せいぜい船しか並んでなかったよ?ただの漁港で。」

「そもそも稚内のドームは戦前に造られて、上に登れないよ?」


撮って来たデジカメの写真と合わせ、スマホの検索で「宗谷 
ドーム」と検索してみせると・・・姉貴、ビール吹かんばかりに
大爆笑。

「ナニその『てっぺんドーム』て!むしろソレ見たことないわ!
だーかーらー、『宗谷の』じゃなく『稚内の』って書いたのに!」



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ぜ ん ぜ ん  ち げ ー よ 俺  


そう、姉貴のメールに気付くべきは宗谷岬の突端ではなく
野寒布岬の先っちょだった・・・僅か30分のタイムラグやんけ。

「あ゛ー、ホンモノ明らかにコッチじゃん!」と悔しがるきつねに
残ったビールをグイッと煽り、姉貴は不敵にニヤリと笑った。


また北海道に来なきゃいけなくなったねぇ。痛恨の宿題っしょ。


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クルマの流行りも都市によって毛色が違うようで、夜の札幌では
VIPとドリ車の合いの子的な六発の爆音セダンがやたら目立つ。

その中でもひときわペタンコなヤツが・・・と振り向いて、絶句。


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なんじゃコレ・・・オーバーフェンダーやGTウイングで武装した
フェラーリなんか初めて観たよ。

「すごいねー、函館ナンバーなんだ。何てクルマなの?」
っておいおい姉さん、驚くべきはソコぢゃないでしょ(笑)。

最後に四輪を動かしたのが20年前ってな彼女の無関心ぶりは
脇に置いて、後から調べてみると「リバティ・ウォーク」という
エラいセンスを持ったショップのコンプリート車だったらしい。

乗り物不良のケを持つきつねにも、そのノリは分かるけれど。
しかしランボや跳ね馬にリベット留めのバーフェンかよ・・・。


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シャコタン轟音の90マークⅡがカッ飛んで行く深夜の繁華街を
片や小さな路面電車がトコトコと進む、不思議な街・札幌。

ガヤガヤ賑やかなジンギスカン屋のカウンターを後にして。
ひと気の引いた居酒屋で地図を広げ、しばし北海道話。


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三年前の来訪時には「今までの人生が忙し過ぎたからね。
宿の取り方もよく分かんないのよ私。」
と笑っていた姉貴。

流石にもう日帰りの範囲は走り尽してしまったそうで、最近は
一泊挟んで以前の倍に足を伸ばしているんだとか。

「少し値は張るけど、そろそろツーリングまっぷる買ったら?」

「それ、前にバイク屋で見掛けて『面白い地図があるな』って
読み始めたら、止まんなかったものね。」


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明日は遅番出勤で今から帰ってもたっぷり寝れる、という姉貴と
握手で再会を誓って地下鉄までお見送り。

実はの道中できつねメが送っていた各地の風景の写メに
刺激されたようで。

つい先日、やはり夕映えの中の利尻富士や快晴の空に並ぶ
オトンルイ風車群の写真が、ウチのスマホに届いた。


・・・そうさ、せっかく北海道に生まれて住んでいるんだもの。
「泊まり」も上手く使ってをしなけりゃ、もったいないよ。

今まで家族の為にどこへも行けなかった分、取り返さないとさ。



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翌朝、寝ぐせ全開なアタマのまま駅ド真ん前ホテルの13階から
ストーンと一階まで降りて、レストランに朝食のチケットを。


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バイキング形式のアサメシはビジホ泊のオヤクソクだけれど、
格の違いにビックリした・・・海鮮の勝手丼まであるのかよ。

既にレンタカーを返した今日は電車を乗り継ぎ帰路に就くだけ。
但し昼食を取る間合いは無いからココはガッツリ行かせてもらう。

こうして「駅至近13階建てホテルで豪華朝食付き」とか語ると
どんだけのミリオネアやねんオマエ?っとなるよねえ。


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実はきつねのレンタ北海道旅、「JRレール&ホテルパック」
というセット物企画に駅レンタカーをオプションで足していて。

コレを利用すると、ホテル一泊がオマケで付いて来るんだ。

お陰で前夜、姉さんが迎えに来た時も「10階にロビーがある
ホテルなんか初めて来たよ!」と目を丸くしていたものの。

実情は市内の夜景を一望に見渡す絶好のシチュエーションなど
用意されるワケも無く、窓の外は「向かいの部屋とコンニチワ」。


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新幹線/特急の往復料金のみで宿代が一回浮くお得プランに
多くを期待する方が間違ってる、ってハナシだわ(笑)。


※ちなみに盛岡からこのパックを利用すると、お値段4万円弱。
そこにレンタカーを3日借りて、5万3千円を少し切るぐらいか。

仮に四輪をフェリーに乗せて渡道すると往復4万は飛ぶので
(但し航路と時間を上手く組めば船内2泊分の宿代が浮く)、
この辺のバランスはなかなか上手いところを突いている。

自分は旅程の日数に限りがあるので前者を選んでいる次第。


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ちまちまビンボくさい銭勘定はさておき、帰りの特急に乗るまで
まだまだ時間に余裕があるモンで。

「朝の散歩程度に出向くなら定番はキタダイかなあ?」という
姉貴のオススメに従い、北海道大学に向かってみる。

そろそろ立ち寄るのも最後になりそうなセイコー・マートにて
すっかり馴染んだグランディアのブラックを求めて正門へ。


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ワハハ・・・訪ねてみたのはいいものの、敷地めっちゃデカ。
ココって全然思っくそ端っこの端っこじゃねーかよオイ。

我が岩手大学や県立大学の倍どころじゃ済まない広大さで
各学部を繋ぐ構内バスまで走っている程だ。

だいたい、敷地内に川が流れている大学とか在り得ないでしょ。


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十代の頃なんて相応の学力も向学心も無かったきつねメでは
ほとんど天空に浮かんでいるような手の届かないキャンパス。

でも、もしこんなところで二十歳前後の多感な時期を過ごしたら
その後の人生は全然違っちゃったりするんだろな、と感じる。

いや、北大に限らず北海道全般に言えることだけれどもね。


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むかーし読んだ漫画「動物のお医者さん」の舞台となっていた
獣医学部も覗いてみたかったものの、その建屋は遥か彼方。

テクテク歩いて行ったら、とてもじゃないけど帰りの特急には
間に合いそうもない。

どうりで広い歩道をやたらと自転車が行き交う訳だわ・・・。


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ということで、なんとズラリ中古自転車並べて売っている業者さん
まで存在するという・・・なんつう大学だよ(笑)。

乗り物とあれば何でも齧る悪食ぎつね、思わず目を皿の様にして
数十台のチャリを物色、否観察。

相場は概ね変速ナシなら3800円、変速付きなら6000円ってトコで
モノズキが目を留めるほどのシロモノは・・・シロモノは・・・


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おおっと、アブねぇアブねぇ。まだ並べ始めたばかりで値札が
貼られる前だったけれど、まかり間違うとお持ち帰りしそうな
「ちょっと良いヤツ」もラインナップされていた。

いや一瞬「ここでコレ買って北大構内を巡った後に輪行袋も
調達して」とかオトナ毛スッポ抜けた衝動が過ぎったものの。

大体にしてチャリ持ち込めるのかよ、新幹線って・・・
(はいソコ、「アジトまで宅急便で送れば?」とか言わない)


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ここまで三日がかりの別天地による旅補正が掛かりまくって
いることは抜きにしても、しかしいちいちカッチョイイ。

スラブ・ユーラシア研究センターなんて地理だか歴史なんだか
生態系なんだか、何を勉強するのか想像もつかないんだが。

名を消されたブランクもあるっていうことは、長い経緯の中で
消滅しちゃった学部もあるよ、ってことなんだべなぁ。


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国立大学なら大抵こーいう古い初期の建屋も一つぐらいは
遺されているけれど、時期が近い為か小岩井っぽい雰囲気。

この手の魅力的な古い建築物がどうも一軒二軒の規模じゃなく
残っていそうな敷地だけに、グルッと巡ってみたくもなる。


あの門前の中古チャリ買う?やっぱ買っちゃう俺?(←馬鹿)


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迫る特急の発車時間に世俗な野次馬根性を阻まれつつ、
差し当たりクラーク博士への御挨拶だけは済ませなければ。

オッサンぎつねも遅ればせながら大志を抱くよ、ソレが
何なのか不惑過ぎてもよく分かってないけど・・・こんこん。


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「サッポロの朝」を垣間見る散歩も、そろそろタイムリミット。

相変わらず旅慣れず垢抜けない大荷物をガラガラ引きずり
チェックアウトを済ませ、ガラス張りのエレベーターから
見下ろす街へと「しばしのお別れ」を・・・。


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このタイミングでこの缶のレタリングを見せるのはズルいだろ、
北海道コカコーラボトリング。

ジョージアの甘ったるいロング缶を飲むの、いつ以来だろう。

喫煙スペースを探しながら目に入る、「スーパーおおぞら」
「特急すずらん」「特急カムイ」の文字がひとつひとつ心を揺らす。


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手許に残ったチケットを握り函館へ向かう「スーパー北斗」に
乗り込んだのは、10:40。

小雨降る午後のこの駅へ降り立ったのは僅か4日前なのに、
もう10日以上も前のような気がした。

赤いヴィッツで未だ見ぬ北の果てへ海岸線を飛ばしたことも
現実だったのか幻だったのか不思議に記憶がぼやけている。


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穏やかな内浦湾の水面や、時折りアナウンスされる駅名が
「アンタはまだまだ遠い旅路の上だよ」と教えてくれるのに。

終わっちゃった、って。長く未踏だった道北を巡る旅の夢も、
或いは「北海道の海岸線を一周する」5年掛かりの目標も。

既に心から何かがストンと抜け落ちたような淋しさがあった。


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前回まではもう一度、特急に乗り換えて海峡をくぐっていた
函館には、いきなり見慣れた東北新幹線が滑り込んで来る。

正確には市街地から相当離れた「新函館北斗駅」なので。

残念ながら乗り換えに40分程の猶予があっても、大好きな
名物・ラッキーピエロのチャイニーズ・チキンバーガーや
ハセガワストアのやきとり弁当を望むことは出来なかった。


ラキピもハセストも北斗駅前に進出してくれないかな(切望)。


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まだ函館にいるのに乗り込んだ途端もう新青森に着いた様な
奇妙な感覚に浸っていると、師匠へーさんからメールの着信。

「昨日退院したよ!駅まで迎えに行くから、到着時間教えて。」


いかに南の端っことは言え、北海道を発って僅か2時間チョイで
我がホームタウンへ帰りついてしまうのは、やはり驚異的だ。

クーラーの効いたサンバーと師匠の好意をありがたく感じた
初夏らしい盛岡の黄昏をウィンドウ越しに眺めながら・・・。

「この旅を懐かしく恋しく思うのは、もう少し先のことかな」と
ボンヤリもの思う中年ぎつねなのだった


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かくしてたった四日の旅程を延々と一か月近く掛けて綴った
「春の道北レンタカー旅日記」も、これにて連載終了。


・・・実はこの後、あまりに大きな旅の余韻が全く抜けなくて
しばらくの間「思い出と現実の二重生活」みたいな暮らしを
送る羽目に陥り、贅沢な悩みにしばらく抜け殻となりました。

そのぐらい、ホッカイドーの旅って充実感が大きいんだよね。
例えロクに観光もせず、ただただ走りづめの日々であっても。

「これから秋にかけてはフェリーも宿も予約の争奪戦になる」
と耳にするけれど、それでも行ってみる価値はあるよ。


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さて、次に北の大地へ渡れるのは何時になるのかな・・・。

その日を夢見て、またシゴトも貯金も頑張らなくっちゃね。

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「リエゾン」もまた変わりなき、旅路の思い出さ。 ~ゆるゆる中年ぎつねは最北端を目指す Vol.6~






パッとしない梅雨寒の日々も、振り返れば既に一週間超。

きつねメは勤務シフト調整の都合上、普段より些かお休みの
多い月初めとなったものの・・・やっぱり間が悪いんだなぁ。


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そこで気分だけでもパリッと行きたく、TOPにはシャッキリと
ノリの効いたアレンジによる「Sunny」を。

いや、青空に遭う確率そのものは悪くないんですよ。
幸い雨に祟られることもなく、バイクを出せているのだし。


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ただ、アジトから走り出してみると想定以上に風が冷たくて
不本意ながらまた戻り一枚重ね着して再出発・・・って。

でも日陰の道に進むとやはり寒く、林道にチョッカイ出して
標高を稼ぐと更に身体が冷えて、の繰り返しなんだよね。


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それでは日当たり良い低山のお散歩林道へ、と河岸を変えて
出向いてみれば・・・「森のラスボス」と御対面しちゃったり。

まあセローでヤマばっかり走っていると年に一~二度は
彼らの姿を見掛けるので、特段珍しい話でもないんですが。


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さてさて、未だ未完な「ヒグマの国ドライブ行記」の続き。
今日は道北ぐるり・3日目の午後のオハナシを。


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「道の駅 おんねゆ」で昼食を済ませ、トマト色のヴィッツは
午後のR39をひたすら西へ。

立ちはだかるは石北峠。ダダッ広い原野ばかりな北海道では
道南編でも道東編でも片手の数しか記憶がない「峠」越え。


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とは言うものの、生まれも育ちも山岳県・岩手のきつね的には
「ウチの里じゃ『峠』として扱われないレベルだなぁ」、と。

「急カーブ注意の標識と矢印貼られたガードレールに警戒して
減速進入してみたら、拍子抜けするほどユルかった」


これは北海道経験がある岩手ライダー共通のあるあるネタ。


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ヘアピンも意地悪く奥で巻くような複合コーナーも無く、お陰で
ほぼほぼブレーキを踏む機会がないまま標高1000mのピークへ。

背後にまだ僅かに残る雪を眺めながら「長く厳しい冬の間も
幹線道路のお役を果たすには、このぐらいじゃないとダメか。」

なんて独り言。


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岩手の地方道なら国道からの分岐地点に「冬季通行止め」の
バリケードが置かれるけれど、北海道ではソレがほぼ無いとか。

ショートカットはおろか近隣に迂回路も無い広大な北の大地。
数を絞って確実に動脈を活かすことが最優先課題なのだろう。

「ルート・チョイスは自己責任」、本州とは別の意味でハードだ。


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峠を向こうへ越えれば、長いトンネルとストレートの構成で
東側よりも直線的に降りて行く。

コーナーは無くとも勾配がキツい分、積雪時にはこっちの
方がおっかない路面になるかもしれない。

それにしても道幅の広さも手伝ってか、風景がカナダっぽい。


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「大雪湖ダム→」の表記に、今も白く化粧した彼方の銀嶺が
大雪山系の峰だったことにようやく気付く。

傍らに建てられた解説を読むと、帯広方面から延びたR273は
全国でも唯一の「ダムの突堤を渡る国道」なのだそう。

この界隈経由での道東はもちろん未経験、これも宿題かな。


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湖面を渡る風との陽射しに誘われてアスファルトにアグラを
かき、メンソールに火をつけた瞬間・・・思わずギョッとした。

目に入った衝撃の光景、それは左サイドシルに長く深く入った
強烈な窪み。

否そんなバカな。どこをどう思い巡らしてもアテた記憶ないぞ俺。


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慌ててレンタカーの営業所に電話確認したところ、貸与される際に
入っておいたオプションの「安心パック」で万事フォローされる事が
判明し、まずは差し当たりの安堵。

それにしてもいくら乗り慣れぬ借り車とはいえ、あンだけ派手に
擦ればその時点で自分でも気付くよなあ。


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ホッとしたようなスッキリしないような、どうにもモヤモヤの気分を
「でも結局は負担ゼロなんだし割り切って楽しもう」と切り替え。

たどり着いたのは道北・最後のランドマークとなる層雲峡。
これも札幌の姉貴のレクチャーによる、イチ推しスポット。

「紅葉が抜群に冴えるお気に入り」て、季節ズレてるよアネキ


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でも、きっとまだが始まったばかりの層雲峡も悪くなかった。

岩手にももちろん「峡」の付く名所や渓谷は幾つかあるけれど、
ぐるりと周囲を囲むように切り立った光景は初めてだと思う。

小さな社を包むように咲く桜たちも、まだ初々しい色あい。


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渓谷の狭間の僅かな土地に肩を並べひしめき合う宿の数々に
「道内ではこういう光景って希少なんだろうな」と実感が湧く。

それにしても白樺の並木の、なんと若々しく眩しいことよ・・・。

山影のここが訪れる人々を迎える本格的なシーズンには少し
早いようで、背後のホテルも手入れを進めている最中の様子。


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パーキングを後にしてR39を更に下ってもなお傍らに層雲峡は
続く・・・このルートって渓谷の底をなぞって行くんだね。

石北峠を上り始めて以降のヒンヤリとした山の風は、標高を
下げるに従って再び初夏のソレに移り変わって行った。


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さて、層雲峡を降りて来た辺りで時間は15:00の少し前。
ホンネでは気力と時間が許す限り、下道クルーズで通したい。

しかし「北海道・最後の夜」の今宵はチョイと予定が・・・
っていうかソレ以前に、今朝ってば4:00起きだったんよね
(一応うつらうつらと二度寝してはみたものの)


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ってことで上川ICからは自動車道に乗り、札幌までワープを。

旭川はきつねのフェイバリット・バンドのひとつ、安全地帯に
所縁の深い街だから寄ってみるだけの意義もあったと思う。

ただ、道程上もマインドの面でも今回は寄れるタイミングじゃ
無くて、残念ながらスルー。

美瑛や富良野は4年前にすっかり同じ時期の道南で一度
お邪魔しているから、高架の上より通過で失礼をば・・・。


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それにしても高速移動のなんとラクなことよ。

正直なハナシこの時点で意識が半分飛んだまま巡行していて、
それでもナンも問題無かった(苦笑)。

始終高い両壁に視界を阻まれていてもアップダウンの向こうに
垣間見る平野の広がり感や屏風の如き十勝は、北海道のもの。


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距離を進むにつれフロント・ウィンドゥが羽虫で汚れ行く様子に
ぼんやり「あー、ホントは5月ってこういう季節だよね」と。

゛MAJIで気絶する5秒前゛モードのまんま100km/h巡行ってのは
頂けないだろう、と心のハザードが灯ったので、少し休憩。

四季の花や草に疎いきつねメだけれど、このPAに咲いていた
可憐な花に魅かれた。なんていう花だろ。北海道の固有種?


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快晴に茜の色味が増した頃、足掛け三日の道北巡りを終えて
ようやく札幌の街へ帰って来た「トマト色の可愛いヴィッツ」。

この時点でとっくに17:00を回っていたので、結果的にはやはり
上川から高速に乗って正解だったんだろうなぁ・・・と思う。

旭川界隈で足を停めていたら札幌着は間違いなく19:00を
過ぎていただろう。


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紋別を出てからここまでの走行距離、本日も400kmOVER。
それでも岩手軸のツーリング感覚では、300km程度な感じ。

レシート上の計算では22.5km/Lをマークしているものの、
レンタカー慣れした店員さんによる給油だと「ギリ入れ」は
しないからね。

おそらく実質は20km/L丁度ぐらいだったんじゃなかろうか。

優秀で親切なカーナビの誘導で、100万都市の帰宅渋滞に
オロオロまごつくこともなく無事に借り出し先の営業所へ。


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都合1100kmの道のりにも剥がれずに3日間頑張ったリアの
「HOKKAIDER」マグネット・ステッカーを剥がして、返却。

自分では決して購入しない系統の車種だけれど、思い出の
日々を共に過ごした旅の相棒との別れは、かなり淋しい。

・・・で、件の「左サイドシルの深い凹み」も免許証のコピーと
サインの一筆のみで、一銭のペナルティも無く手続きを完了。


しかしアジトへ帰宅後、旅の画像をデジカメからPCへ取り込む際
よくよく観察して気付いたんだけども。


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↑この写真はVol.1で掲載した「渡道最初のセイコーマート」で
撮ったもの・・・営業所を出て以降、最初に立ち寄った場所。

距離にして10km未満、時間とすれば貸与後僅か30分足らず。

しかしその間、一度も車道から外へは出ていないのに・・・
よくよく見ると既にこの時点で凹んでいたんでありますよ。

無実を証明する手段は無く「100パー俺じゃない」とも言い切れず。
でも俺判定では99%ぐらいヤラかしてない自信が在るんだよね。


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※ 但し、例えば他車による飛び石でウィンドゥにヒビが入ったり
些細な扱いミスで修理を要された場合も、休車期間の代償を
請求されるケースがあるのだそうな。

きつねメの場合は3日で約2500円の出費を上積みしたけれど、
最後まで楽しい旅を過ごしたいなら「オプション安心パック」は
ケチらずに加入しておくことを、強くおススメしときます。


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さて・・・つまるところ損失ゼロの結果オーライを差し引いても。
愛着が湧いた可愛い相棒の負った傷に対するモヤモヤを、
ようやく探し当てた宿のシャワーで流していると。

デスクに放置したスマホが震えて、新着メールのお知らせ。
「仕事から上がって、もうロビーまで迎えに来てるよー!」

旅路の感慨と感傷に浸るには、ちょっと早い・・・そうなんだ、
最後の北海道ナイツには、ナビゲーターを待たせているから。


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そんなわけで延々引っ張った「きつねの最お気楽・道北旅」
レポートも、次ブログにて最終回。

編集とUPまではもう少々のお時間を下さいませ。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い 北海道 ドライブ

最北端ドライヴィング・デイ、最終日の幕開け・・・グッバイ、水平線の日々。 ~ゆるゆる中年ぎつねは最北端を目指す Vol.5~







「明日は雨か。妙に肌寒いけど、まさか梅雨入りじゃないよね?」

いやあ直前まで夏日が続いただけに、読みが少し甘かった・・・。

きつねの盛岡シティはこの間、例年より数日早い梅雨入り宣言。
お陰で勤務調整上思いがけず頂いた二連休も、予報と藪睨み。

南東北へのショート・トリップを狙ったものの、結局断念した次第。


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でもダークグレーな雨雲の間隙を突き、紺狐号を出せただけでも
時期的に「御の字」と考えなきゃいけないのかな。

タンクに残る昨秋入れた古いガスを燃やし尽すべく、人気の絶えた
某湖畔で全開カマしつつ脳裏によぎった一曲を今回のTOPに。

フル・ステン特有の耳に来る籠もり音が4500rpmを境にレッドまで
官能的な調律音を轟かせ、「カムに乗るってなァこういう事さ」と
ほくそ笑む瞬間。


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空が泣きだす前に立ち寄ったコンビニのパーキング、差し向いに
停めたアルファロメオ156のダンディな乗り手が親指を立てる。

「カッコイイね!」笑顔を添えた会釈で返しつつ「自慢の相棒さ。
アルファのV6もセクシーだけどコイツもROCKなマシンだろ?」と
心ひそかに胸を張った。

アジトに収めてバッテリーをカットオフし、充電ハーネスを繋いで
畳んでいた幌を立てた後・・・振り返ってやっぱり思うんだ。

「いつか八戸発・苫小牧行きのフェリーに最初に載せてやるのは
スポーツスターにすべきか、それともコイツにするべきかな。」


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地平線や水平線を追うひと時、延々と緩やかにうねりながら
長く延びる黄昏のストレートで、横顔に夕陽を浴びながら。

もしもスピーカーからこのナンバーが流れたら幸せに満たされ
5速入れっパでスロットル踏みながら胸一杯に溢れる感情に・・・

きつねはきっと涙するのだ、年甲斐も無く。

The Another Star。この国の枠内で頷かせてくれる土地は
おそらくあの北の大地以外にない、と思えるから。


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憂鬱な梅雨時、束の間の青空に誘われた妄想はさておき。
時間軸を3週間ばかり巻き戻した5/21、道北も三日目。

前ブログで書いたようにオカミさんから御助言頂いた通りで
なんと朝4:00カッキリ(!)一枚こっきりの薄いカーテン越しに
ストレートな快晴の日の出を喰らって、強制的に起床。


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「文句無いサンライズオーシャンビュー」って書くと平野ノラが
馬鹿デカな携帯片手に扇子振って踊り狂いそうなんだけど。

それが仮に港ド真ん前だと、漁船の出入りを仕切る兄さんが
ハンドマイク片手に張る絶叫で叩き起こされちゃうのな。

それでメシ食ってる兄さんや釣り客をメインに据えた民宿に
罪は無い・・しかしお願いだから二度寝させてくれ、ぐぅ。


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もう一度目が覚めてみれば、枕元のスマホは7:00を表示。

バタバタと部屋の整頓やチェックアウトの支度を整えてから
シンプルな朝御飯を・・・今回のですっかりトキシラズの
ファンになってしまったきつねメ、やっぱり目がハート。

「朝日は観られた?今日はどう巡って札幌に戻るの?」と
問うオカミさんに日の出の写真を見せつつ、ひとつ相談。

「網走まで行けば北海道沿岸一周の悲願が叶うんだけど
距離的にサロマ湖から北見を目指した方がラクか、って。」


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ここで振り返った寡黙なオヤジさんのメガネがキラリと光り、
真顔で返して来た言葉が・・・否、いま考えてもシブかった。


「意義だ。きみにとって、そこへ向かう意義が確かにあるのなら
たかが一時間そこそこのロスなど問題のうちに入らねぇだろ?」



たった一言、時間にして10秒で核心をド突かれる思いがした。
流石は北限オホーツクの漁師、胸中をスパッと斬ってよこした。

もしヒトと出会い得心することがの意義なら、これは真骨頂。


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前夜、紋別大山オホーツク・タワーまでオトナ毛抜いて全開の
ヒルクライムをカマしてしまったレンタ・ヴィッツはそのせいか
450km走って29Lの給油となり、惜しくも20km/L達成ならず。

しかしまあすげェハナシ・・・実は事前に組んでいた構成だと
「一日350km縛り」でプランニングしてあったはずなんだよね。

結局はサロベツ湿原界隈で彷徨ったり宗谷丘陵を巡ってみたり
シーサイド・ランに飽きると道道へ寄って道草食ったりしたので、
高速など使ってないのにサラッと400km/日を越えちゃってる。


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「ホントは『気に入った風景を見つけたら時間なんか気にせず
ノンビリ過ごすため』に取ってた余裕だったのにな」と、苦笑。

給油口ギワギワまで淹れたガソリンスタンドを背にして国道へ
向かう視線の先には、これまた可愛い共立ドイツ号の姿も。

フンボルト・ドイツはヰセキ/ポルシェ同様の空冷ディーゼル
だそうで、きっと道北エリアの気候と相性良いんだろうね。


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きつね的には実は高倉健の映画「網走番外地」以外に
固有のイメージを持っていない網走市。

一周達成の他にコレと言って特に訪ねたい場所がある訳じゃ
ないけれど、でも行ったら行ったで何か掘り出しそうな気も。

エッジの効いた意見をくれた「民宿まるたけ」のオヤッサンに
申し訳ないぐらいユルユル曖昧な感覚に迷っていると。

おっとォ、油断禁物・・・「速度取締機設置路線」の看板が
ピッチ狭めてきたら、気を引き締めて巡行しなければね。


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この時間なら急がなくても早けりゃ30分で着くよ、と笑われた
サロマ湖には呆気なくスルスルと着岸。

宿の取り方、遡ってどの季節のどの時間にココを目指すかで
見せる姿や訪問者の受ける印象は全然異なると思うけれど。

冴えた日の出と裏腹に薄い雲が覆ってしまった中途半端な
このタイミングでは、さほどのインパクトが無いランドマーク。


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さて、どうする。道道まで選択に入れると紋別以北とは違い
案外自由度は高いものの、網走行きを確定するとなると
市街地通過や女満別回りを見込む必要が出て来るのだが。

奇妙なもので、まるで水先案内人のようなペースメーカーが
目の前に現れ「ついて来な」と言わんばかりにきつねの駆る
ヴィッツを引っ張り始めた。

1ナンバー登録変更された北見ナンバーのプラドは明らかに
地元現場屋の仕事車で、鮮やかな快走ぶりを見せる。

今回ので見つけた法則は、「道南/道東エリアのクルマは
旭川ナンバーのクルマより確実にハイペース」ってことだ。


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道筋に物流産業都市を有する函館/釧路/室蘭ナンバーの
普通登録車は明らかに巡航速度が速く、北見/札幌もまた
それらに準するスピードで飛ばす。

しかし恐るべきはコレ・・・なんと大男二人載せたミラバンが
時速レッドカードkmギワギワなのに食いついて来た!

軽ターボの侮れない瞬足ぶりは自分のアシ・けーたろーで
重々承知しているものの、テキは明らかに非過給機仕様。
おい、俺はストレート・エンドまでに追い越し完了出来るけど
ミラバンじゃ次のコーナーに突入しちゃうってばよ!


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速度に見合った素敵なライン取りで滑らかに引っ張ってくれた
旧型プラドと命知らずなミラバンは、どうも同じ現場へと向かう
仕事仲間だった様子(←現地での会話が想像つくね。苦笑)。

お陰さまでパンダさんからお縄を頂くことも無く想定外の時間に
能取湖の畔まで到達。

結局は「網走市」の青看板をくぐったところで満足した自分に
気づき、信号の並ぶ市街地まで走破する気分にならなかった。

今は「約一周」でいい。だって正確には松前エリアとか積丹半島も
まだ未踏のままだから・・・市内は道東を走る時に取っておこう。


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幾つか立ててあった想定ルートのうち良いバランスの一本を選んで
R238を少し折り返し、オホーツクの海に別れを告げた。

一昨日に石狩湾へ出て以来、延べ二日間に渡りずっと駆け抜けた
「左手に水平線を眺め続ける憧れの」もここでひとつのピリオド。

次にこの海や景色を眺めに来られるのは、いつになるんだろう。

名残惜しくそんなことを思った時、また今朝のオヤッさんの言葉が
脳裏をかすめてハッとした。

「大切なのは行く意義、きみにとっての。」・・・うん、「意義は意思」。

また来よう!という確かな思いがあれば叶うんだ、自分次第で。


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北見市の向こうへ出られるように道道7号から内陸へ入ると、
また可愛いヤツのお出迎え。きつねメの好きなヰセキTB。

思わず路肩に寄せて、傍らで近所のヒトと談笑する老人に
「写真撮っても良いですか?」と声を掛けると、二つ返事。

「まだ畑仕事に使ってンだぁ。現役で動くよォ。」


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「50年も前のトラクター、仮面ライダーは珍しいっしょ。」
やっぱりコッチじゃ、そのあだ名で通用するんだ。

「持ち主と一緒でくたびれたボロだけど、元気だよォ。」
真っ黒く灼けた肌で無邪気に笑う。乗り手も可愛いよね。

後は内陸を札幌へ帰るだけの行程。でも、良いスタート。


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ツーリングまっぷるや観光地図なんかでは見渡すばかりの
牧野が続く丘陵の道道写真を、よく目にする。

もしかしたらこの7号でも、あんな素敵な風景が・・・と少々
期待したものの、地方道一桁台はどこでも単なる幹線路。

あの手のフォトジェニックな景色は、たいてい千番台だもん。


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ハハハ、むしろ「北海道っぽい」ってよりも「岩手っぽい」。

こういう渓流に沿った切り通しみたいな見晴らしの狭い道、
県北の九戸や軽米辺りによくありそうだもんね。

どうも北見へ向かうには更なるショートカットがあるものらしく
これまた他のクルマと全く遭遇しない快走路だった。


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並ぶ信号のゴー・ストップで流れが良くない、という市内を
避けて西へ出るべく道道245号へ繋いで。

しかし「地方道あるある」、地元民以外馴染みのない集落の
表記が書かれた標識(←コレあんまり意味ないと思う)に
振り回されて少々オロオロウロウロ。

行き先設定しないと、ナビもあんまり当てにならんからね。


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ちょっとしたロスはあったものの、午前の内に無事「道の駅
おんねゆ」
へ到着。

ここは数日前にリフレッシュした特大のカラクリ鳩時計が名物と
いう話だったんだけど、何故か12時に動いていた記憶がない。


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本州の道の駅の倍ほどダダッ広い敷地でトイレを探していると、
今回の路では全然見掛ける機会が無かったトレーラーたち。

国道39号は北見と旭川を結ぶ、都市間物流の動脈だからね。

あの姿を目にすると「ああ、もう道東/道央が近いんだな」と
沿岸よりグッと上がった気温共々、実感が湧いて来た。


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用を足し、「さて昼飯でも」と財布を取りにヴィッツへ向かえば
そこにはキレイに磨かれたCB400。

「短期間しか作らなかった『四本マフラー』かい、珍しいね。」
まだ若いオーナーに声を掛ければ「ひと目惚れでした。」と。

訊けば、冬場預けていたバイク屋さんから車検完了の連絡を貰い
いま引き上げて来た帰りだそう。

満面の笑顔で「今日が今季初乗り、晴天に恵まれて嬉しい」と。


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20℃を超えるだろう強い日差しの中、やはり岩手とは季節感が
一か月以上違うんだなぁ・・・。

バイク談義も気付けば小一時間。昼を少し回ったタイミングで
頂いたのは、「ジンギスカン・ラーメン」。

味噌の中にタレとラムの味が染みた味付けも良かったけれど。

カウンターの末席で汗するきつねに「今日は暑いっしょ?」と
勝手口の戸を開けた、オカミさんの素朴な気遣いが嬉しい。


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午後一時半、再びヴィッツの車首を西へ向けたレンタ・ヴィッツ。

道北ドライブ・デイズも残るは半日・・・いささか長くなったので
今回のUPはこの辺りで〆としますね

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「何も無い」という贅沢を掘り出す、オホーツクの旅。 ~ゆるゆる中年ぎつねは最北端を目指す Vol.4~







先月末からしばらくの間、初夏を通り過ぎ夏本番を思わせる陽射しが
続いたきつねシティ・盛岡。

しかし今日の黄昏時は、おそらく遥か上空に寒気が入り込んだため
まるで雨上がりのように空気がクリアに澄んでいた。

肌にヒンヤリ心地よい風に誘われて、定時勤務から帰宅するなり
ちょっとゴリラを散歩に連れ出したのだけれど。


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いや何だか、半月前に味わった「北の大地」の雰囲気そっくりで
傍らの自販機に求めた缶コーヒーにもいささか格別な感触が。

そんな訳で今宵も引き続き、5月の道北独り旅レポートを綴ります。


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さて、「日本のテッペン」宗谷岬で日本海に背を向けたきつねメ。
午後から今度はひたすらオホーツク海に沿って道北旅を続行。

これで今回もし網走まで行ければ、過去二度の旅を併せて
ほぼ「北海道の外縁一周」を達成出来たことになる次第。


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・・・プランニングの時点である程度の予想はついていたけれど。
ここまで潔く徹底的に「何も無い」と、むしろ逆に凄いと思う・・・。

ある意味「ホントにナンも無いのか確かめに行ったら想定以上に
ナンも無かった」ので、ヘソマガリなきつねメはたいそう驚いた。

何しろ、ナンも無いことを政府か自治体が自ら証明した施設まで
国道上に設置されていたのだから、やはり常識とは桁が違う。


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トンネルを模した奇妙なシェルターが、一般道に覆い被さっている。
こんな構造物が国道上に設置されたのは、多分北海道だけだろう。

このゴツくデカく不愛想なトンネルもどきこそ、このエリアの象徴。
車線両端が公式の駐車帯で、長さは100メートル以上あるのかな。

後から調べてみたら、横殴りの吹雪や豪雨に襲われた場合の
緊急避難場所として作られたものだそうな。


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本州の大半の地域なら最寄りのコンビニや「道の駅」に寄れば
用が済むはずのトイレと自販機を、わざわざ設置してある。

そう、季節によっては「ここにわざわざ設置しないと通行者の
生命が危ないレベル」で、マジに「なにもない」んだわ。

例えば真冬の深夜にココを走るのは、どんな感覚だろ・・・。
ふと立ち止まり妄想してしまった。


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半年先のココは、いま自分が目にしている景色と同じ場所とは
全く思えないような表情を見せているはずだから。

出向いた先が同じであっても季節や天気、或いは時間が少し
ズレただけで、その土地のイメージはガラッと違ってしまう。

それは、趣味で出会った場合と仕事絡みで知り合う場合では
受ける印象も変わるだろう人間関係にも、似ている気がした。


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まあ、たかだか中年ぎつね如きが哲学者を真似て眉間に皺を
寄せてみたところで、誰も何も得なんかしないわけだけれども。

ちょっと大きな全道版観光マップを広げた程度では記述が何も
見当たらない程、ただただ「右手に草原、左手が水平線」という
ド真っすぐな道をアクセルも一定のまんま延々とクルーズ。

たまーに「海岸線から国道が逸れそう」と思えば傍らにシッカリ
海に沿った道道が現れるので、そこはナビを無視して直進。


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うん・・・どこでも多分そうだけれど、効率は脇に除けといて
「高速より国道」「国道より地方道」の方がイイ出汁を味わえる。

すごい話・・・これは絵になる部分だけトリミングしたんじゃなく
フツーにズームして撮っただけの一軒家が、こうなっちゃう。

「お隣りの家」まで10km以上は離れているんじゃなかろうか。
特に冬場なんかどーいう暮らしになるのか、想像も出来ない。


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放っとくと「目を開けたまま眠る魚」とか「立ったまま寝る馬」
的な半ば意識の飛んだ行程になるので、意図的に休憩。

いやホント誇張も冗談も抜きで、下手すると前後はおろか
対向車すら10分ぐらいは見掛けないこともあるからね。

神威岬の小さな公園でツーリングまっぷるを捲ってみるも、
「ココは逃すな」「コレだけは観とけ」なんて情報は皆無。


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あの「ホッカイダー」ブランドまで立ち上げた小原サンの徹底
取材を以ってしても、「海から離れない限り何も書けない」。

水平線を国道から拝める場所はNHKの放送事故並みにレアな
ノコギリの如きリアス式海岸を常識とする岩手県民としては。

実は「前日の日本海側からほぼ全線ブッ通し、もうお腹一杯で
飽きるぐらい大海原眺めっ放し」なシチュエーションなんて概ね
夢か幻のような信じ難い幸せアワーなんである。


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実はマヂで居眠りの夢の中、目覚めたら三途の川の向こうに
立ってました・・・なんてオチだったら洒落にならんなあ、と。

国道巡航エンジン回転数常時1300rpm(!)というヴィッツの
ハミングが危い子守唄に聴こえ始めた頃、100kmぶりぐらいで
我らがセイコー・マートを発見。

「最後にコンビニ見たの、おそらく二時間ぐらい前ですよ?」と
店員さんに告げれば、「北海道の中でもココは田舎なのよ」。


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延々と続く水平線に「飽きた」だの「照り返しで目が痛い」だの
遠く若き日の海水浴以降に呟いた記憶がない気分を覚えて。

今夜の宿への到着時間が読めて来た黄昏の辺りから、少々
傍らに延びる農道にも道草のチョッカイを試みたりして。

いや常日頃、セローで脇道に林道を探すクセが根付いている
身としては、美味しい景色が潜んでいそうで気になってね。


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岩手でも県北なら珍しくない白樺並木も、ここではまだまだ
新鮮な黄緑の葉が陽射しにきらめいていて眩しく映った。

ゆるゆる大らかに延びる丘陵をぐるりとループして海沿いの
R238へ戻ろうと思えば、ただそれだけでこの景色だもの。

そりゃあ誰でも禁煙車のヴィッツを降り、うんと背伸びしながら
メンソールの一本に火を点けたくもなるだろうさ・・・。


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予約した民宿のある紋別まで50kmを切り、「あと一時間なら
日没を眺める余裕も持てるかな?」と心を緩めた辺りで。

ほらほら、ウカウカしていると国庫へ要らない旅費を納める
トラップに引っ掛かりそうになっちゃったりもするワケよ。

それでも道警は良心的なもの、トバし放題な60km/h区間で
アミ張っているケースは今まで見たことが無いと思う。

北海道の速度制限は例外なく欧米流儀なスタイルのようで、
「街の郊外が50km/h」「街中に入ったら40km/h」と判り易い。

「飛ばしちゃダメなトコで踏んだらお縄」、コレは理に適っている。


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宿に着き荷を降ろした頃合いが、きっとちょうど晩飯どきかな。

じわじわ近づく黄昏に街の匂いが漂う少し手前で、きつねメは
不思議なオブジェを目にした。

路肩へヴィッツを寄せてしげしげと見上げれば、`60年代の
フォードソン・スーパーデキスタ。

もう片側の門柱には、リアフェンダーに埋まるヘッドライトが
特徴的な昭和30年代後半のクボタL-20。


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御役御免となったオールディーズ・トラクターが、何故か
「○○牧場」と掘られた大木の上に載せられている。

現代の市販MAX級特大トラクター(我が岩手でこのクラスを
使っているのは八幡平山麓の一部のみ)を以てしても小さく
見える程、各地にとんでもなく広大な牧野が広がる北海道

柱のテッペンに乗せられるほど小さな彼らも、半世紀前の
この地では多分家宝や財産になる高級大型機だったはず。


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牧場の玄関先に可愛い旧型トラクターを据えるのは、この地域
独特の風習なのか・・・ほらまた一台、デキスタさんのシルエット。

スカイブルーのCIカラーを持つ北海フォードは当時の販社の
名前通り、北の大地では珍しくもないポピュラーなモデル。

でもね・・・彼らが海を渡って来た頃の為替レートを思えば
(今は1ドル100円チョイだけれど昔は定額360円だった!)
例え直せないほど壊れたり大きい新型に買い替えたりしても。

「爺さんがコイツに賭けたお陰で今の我が牧野があるんだ」
「オヤジがデカい借金してでも手に入れたかった夢なんだよ」
となれば・・・それは安易に手放す気になれるはずもない。


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きつね自身も、思い入れの持てないクルマやバイクは買わない。

熟慮の末に手に入れ、共に暮らして思い出や慈しみの日々を
積み重ねたお気に入りは、目先の利益とか世間的な値打ちに、
まして正体も見えぬエコという流行語の天秤に掛けたりしない。

出来るだけ一緒にいたい、その気持ちこそがタカラモノだから。

「旧車あるある的なプレミア祭」の神輿にも載せられることなく、
カマボコ屋根の畜舎に代々守られた北海道のトラクターたちを
なおのこと愛おしく思える次第なんだわ・・・。


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四季を通して額に汗するオーナーと共に活躍して来た名機の
多くは2WDから4WDへと主役の座を譲ると同時に、より貧しい
東南アジアや南米諸国、或いはアフリカ大陸へ海を渡って去り
今も現役のまま余生を過ごしている、と耳にしたことがある。

電子制御に頼らぬ機構ゆえ壊れたパーツは汎用モノで代用が
利いたり、単純な部品なら田舎町の鉄工所でも造れるからね。

「なんとなくエコっぽい」っていう風潮が正直きつねは大嫌いだ。
何が地球にとって本当に優しい選択なのか、マジで考えるべき
時代に来ていると思うよ。


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昔気質の港町ならでは・・・古風な倉庫が多く残る街、紋別

宿へ至ったはずのナビ・ガイドが終了を告げても、それらしき
建物が周囲に見当たらず、しばし港湾界隈を徘徊していた時。


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いやあ、コレが視野に入った瞬間、きつねメも流石に息を呑んだ

おいおい、廃車から浜風に晒され続けてもう何年経ってるんだ。
こんなところでこんな風に、「桃さんのふそうT」を目にするとは。

そう、故・菅原文太が大きなワッパを握った人気映画シリーズ
「トラック野郎」のもうひとりの主役、一番星号の同型車なのだ。

想像するに、「同作の中では北海道が重要な位置付けを担って
いたが為、あえてここに定置されたまま」なのではないかなぁ。

ブンさん演じるダボシャツ姿の桃次郎が唯我独尊で暴れ回った
昭和ホッカイドーの景色を妄想するひととき
(←コレ是非クリック)。


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魂の矢折れてフレームまで朽ちた「Tの残骸」を目にした後で、
ようやく目的の宿が見つかった。

確かに予約の電話を入れた時、受話器から聴こえた第一声は
「はい、伊藤釣具店です!」だったっけ・・・(微笑)。

こんなタイプの兼業民宿は当然漁師さんとも繋がりが深いから、
引き当てた時点で「土地の新鮮な美味い飯」が約束される。

例え畳敷きの部屋の佇まいに昭和のエレジーを感じたとしても
一泊2食付き6000円を切る価格なら、文句を言うべきではない。


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彩り的にはインスタ映えせぬ地味な絵面に見えるかもしれない。

しかし港町の宿で「この手の料理」を食する事が出来なかったら
それは相当に不幸な成り行きだ、と考えた方がいいだろう。

なにしろ正体が化けぎつねであるが故、味覚もヒト一倍鈍感な
俺ですらも口に含んだ途端にお箸が停まってしまう、逸品揃い。

そもそもハッカクの焼き魚やトキシラズの刺身など、食べたこと
あるヤツの方が非常にレア!ってなシロモノなんじゃなかろうか。

更に添えられた味噌汁は毛ガニ丸ごと煮込みバージョンだったり
店主自身の釣ったカレイまで刺身になってたりするのだから。

一度食すれば誰でも悟れるよ、「地場産に勝る贅沢は無い」とね。


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その日の新聞をたどり日没時間を調べてくれたオカミさんが、
「これは大変!夕映え観たいなら晩ご飯を早く出したげる!」
と腕まくりで用意してくれた御馳走をバリバリ喉にかき込んで。

これまたオカミさんが「この街で一番好きなイチ推しスポット!
陽が沈み切る前に出来るだけ急いで !」と猛プッシュして
寄越したのは・・・紋別大山という高台にそびえた展望台。


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エンジンオイルの焼ける匂いがするほどヴィッツを飛ばしても
残念ながらわずかに日没には間に合わなかったものの。

コレはオススメしてくれたオカミさんに深く感謝する光景だった。

正確にはオホーツク・スカイタワーという名称を持つ建造物で、
高さ的には概ね東京タワーとサシぐらいなものなんだけれど。

ところが周囲には、ここよりも高いものが視界に何も無かった。
つまり掛け値ナシで、ガラス越しに360°見渡せる場所なのだ。


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熱いコーヒーを片手に、気づけば過ごしていた一時間・・・。

視界の左に長く茜を残しつつ、右にトワイライトへ沈む知床。
そして眼下にポツリポツリと灯り始める、紋別の街明かり。

如何に日曜の夜とは云えど、この遥かな絶景をたった独りで
心ゆくまで味わえる瞬間は、銭金になど換算出来ない贅沢。


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「下手すりゃ羆が出る道路だから、気をつけて行きな」とは
漁師網を繕いながら渋い横目で呟いた、宿主さんの言葉。

スキー場の傍らをつづら折れの急勾配で駆け上がる丘の上。
よくぞこんなところにこんな粋な施設を建てたモンだ、紋別市。

やはり北海道民のセンスは全国平均よりひとつ図抜けている。


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「今夜の子守歌は、漁船が奏でるディーゼルのノイズかぁ。」

500mlの缶ビールをふたつ空けたほろ酔いで浴室に向かうと
すれ違ったオカミさんは思い出したように、こう告げた。

「そうそう!お客さんに振った部屋は窓から朝日も拝めるのよ。
今時の夜明けは・・・そうね、4時よりも少し前だったかしら?」

あのですねオカミさん、只今の時刻は既に22:30なんですが?


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かくして翌朝も寝不足確定、ロンリー・ジャーニーマンに手厚く
心優しく、しかし故にシビアな北海道旅は三日目へと続きます。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い 北海道 ドライブ オホーツク 紋別

The North Peak Of Japan ・・・立ってやったぜ、最北端!・・・  ~ゆるゆる中年ぎつねは最北端を目指す Vol.3~







・・・観ろよコイツら、この完成度と迫力で「演ってみた」なんだぜ・・・


何処かからカッぱらって来たようなフレーズは脇に置いといて。

「誰の作品でもどんなジャンルでも俺のモノにしてやる!」という
野獣の如き気迫とハングリーさは一聴の値打ちアリと思います。

自慢の声量をあえて抑え平たいボーカルで歌い始める桜井サン。
それはTHE ALFEEならではの第一級ハーモニーを引き出す技。


「誰かがこれを やらねばならぬ 期待の漢が 俺たちならば」


昭和男が腕まくる必殺フレーズ。波動砲の威力も5割増だべよ?


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さて、一回リアルタイム記事を挟み滞っていた「道北」の続き。
アレは既に半月前の話になるのか・・・長いような短いような。


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さておき最大の目標だった最北端・宗谷岬に到達したものの、
求めていた「最果て情」にはどーも雰囲気が欠けまくり。

大所帯な我が職場への土産をざっくり選んで宅急便の荷札を
書き終えた頃、「札幌の姉貴」からのメール着信が目に入る。

「最北端に行くなら『稚内ドーム』はオヤクソクだよね?」

あああ!そー言えば!真冬の人や悪天候に見舞われた
ツアラーが集まって寄り合うドームの写真、何度も観たわ!


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スマホの検索欄に宗谷 ドームというワードを叩き込むと
この土産物屋から100mしか離れてないじゃんよ、ウホホ。

↑・・・この画像をご覧になった皆さん、お気付きだろうか。
そう、何かビミョーに違う。きつねの脳裡に浮かぶものとは。

この際「ビミョーぢゃねぇよ!」という春菜@ハリセンボンの声で
絶叫する北海道フリークの罵倒を無視し、言い切ってしまおう。


「俺にとってのドームはコレだ!だってそう書いてあるじゃん!」
※ もちろんBGMは鈴木雅之の「違う、そうじゃない」。


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記憶の中のエンタシスの如き優雅な柱や完全なる半円の半円
(なんやソレ)を描く庇は、羨望のあまりに脳内美化された姿。

たとえ漁協のオッチャンが、錆にまみれたバネットの荷台から
底引き網を広げ始めたとしても、それが現実というものなのだ。

己に言い聞かせながらオトナの階段を上ったきつねの瞳には
心持ち虚しくかすかなサハリンの島影が映るのみであった。


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「いかん、自分に嘘ついたらヲヤヂの仲間入りじゃないか!」

恥ずかしいほど全力でトマト色なレンタ・ヴィッツに乗り込むなり
スロットルを踏んだ中年ぎつねは、謎の雄叫びを上げる。

「お、俺の、俺的な宗谷感は、こ、こんなモンじゃないィッ!」
※ もちろんBGMは聖飢魔Ⅱの名曲、「EL DORADO」。

~ 早く行け 早く行け  見失わないうちに たどり着け
   早く行け 早く行け  夢にまで見た EL DORADO
 ~ 


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「実は本来行くべき方向とはまるきり逆向きだった」真実が
つまびらかにされるのは、ここから36時間後の事なのだが。

さておき商店脇の路地から背後の丘へと駆け上がる真紅の
ヴィッツとオッサンぎつねメは、ここで「求めていたマヂガチ式
宗谷ワールド」と差し向いになる夢を目の当りにする。

そうだ、俺が求めていた宗谷イズム、否むしろ宗谷リティは
こういうカタチでこそ結実するべきものだったのだよ・・・!



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嗚呼もう何このロマンチックが有り余る満たされ感(←ゲスかよ)

乏しい有休と貧しい残高放り込み、連日の寝不足共々あちこちに
ヘルニア抱えた身体へ鞭打ってまで得たかった「極北までして
来ちゃったよ俺」魂、今ここに極まれり・・・!



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今を去ること34年前、それまでの道南方面行きから何故か唐突に
小学校と同じ東北ドサ周りツアーへ変更された中学の修学行。

ずうっと後に同じ中学校卒という5コ下の青年から、「はあ?いや
オレらフツーに北海道行ったっスよ?函館、楽しいっスよね!」

と満面の笑顔で告げられた、あの不条理な敗北感や屈辱感。


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長く閊えた胸のシコリ(マンモグラフィー系じゃない方)
コンプレックスとも間宮海峡の風に吹かれ綺麗さっぱりオサラバさ。

「淫乱バスガイド バック発射オーライ」 「人生ことごとく結果オーライ」
座右の銘とする無駄に誰得っぽい人生経験を持つきつねメ。

かくして午後を回った頃、宗谷丘陵を駆け降りたレンタ・ヴィッツは
日本海の突端に背を向けオホーツクをなぞるように、南下を開始。


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身も蓋も無いハナシ、の二日目半分の時点でクライマックスに
とっとと到達してしまう旅程だったため、以降は実質リエゾンです。

但し単車乗りなら誰しも御承知の通り「自ら走っている時間こそ
最大の目的にして観光になる」
モンだ・・・と。


きつねメにとっての北海道旅は、乗り物という手段が変われども
視点や興味はバイクに乗る時と同じまま。

もし関心をお持ち頂ける方は、宜しければ以降もお付き合いの程
よろしくお願い致す次第なんでありますよ。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い 北海道 稚内 宗谷 ドーム

プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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