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乗り手もマシンも、みんなJUNKだけれど。 ~愛機たちの冬支度を開始した日~







今日のTOPに挙げたのは「我がアジトのテーマ・ソング」に
掲げたいぐらい、ずーっと大好きなナンバー。

「ウチの車庫のシャッターにステンシル当ててスプレーを噴くなら
この曲のタイトルがいい」って思っている程のお気に入り。


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゛皆さんの力で、このポンコツを動かして下さい゛・・・か。

きつねの愛車たちも、今までそうして動かして来たけれど。
そのうち自身の体まで、そーなっちゃったりするんだろうか。


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遥か南方を西へ横切って行った台風の影響が及んだのか。
月の変り目を跨ぎ「雨が降って虹が掛かってまた降って」と。


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落ち着かぬ日々が続いた後の休みは、気温の面でも単車に
乗れそうな好天に運良くヒット。

まるで世間のカレンダーにそぐわぬ指定休な身の上だから
今月の勤務表を睨めば、そのタイミングは決して多くない。


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前夜から今朝まで晴れた夜空が約束する放射冷却により
摂氏2℃を切る今季最低記録の気温には身構えたけれど。

太陽が昇り暖まって行く大気をゆっくり推し量りながら。
装備をガッチリと固めれば、それも案外に心地好くてね。


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紅葉の残り香を求めるように県道を逸れ、ローカル・ロードで
左右にコーナーを切り返しつつミシュランをジワジワと暖めて。

「いっそこのまま陽が落ちるまで南の県境辺りを狙い、更に
長いラスト・ライディングを楽しんじゃおうか?」
とも思った。


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西風の頬を撫でる硬さと、背を仄かに暖める優しい日差し。

デュロデュロと重く長い波動を伴う、大股なグライド感。

でも路傍でデジカメのシャッターを切った瞬間に、考え直す。

「あっ・・・コイツって来春早々に、次の車検なんだった!」


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ガレージの住人の中で最も扱いに気を遣うスポーツスター
四輪同様、実走して暖めなければ抜けないミッションオイルの
持ち主。

だからフル装備で郊外散歩に出たのでありますよ。


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南向きの行って来いで都合70km走った後、いつもの添加剤
求めて主治医さんに立ち寄るも、急用でお留守。

やむなくオートバックスで代用品になりそうなものを探して、
その場で適量注入。


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冬眠作業後より、入れて少し走って効果を行き渡らせて
それから寝かせた方が良い」
という話を試したかった。

・・・そしてタンク外にこぼすというオヤクソク・・・(泣)。


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ガス満タンで帰宅後「ミッションケースが冷える前に」と
オイル吸収パックを据え、大慌てでドレンを抜いて。

・・・そしてパック外に漏らすというオヤクソク・・・(悲)。


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エンジンとミッションのオイルを同時に抜こうとすると、
双方のドレンがパックのサイズ的に厳しい距離なので。

昼飯を調達し食っている間にイイ加減抜けたようなので
各ドレンを締めた後、フィルターも交換。


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しかしハーレー用のフィルターって総じて塗装が厚いのか、
レンチが素直にハマらず、ゴムハンで叩き込む確率高し。

フレームやクランクケースに阻まれるので、バンドタイプや
チェーンタイプのレンチが使えないのよ。


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新フィルターの中を毎度のレブテック金缶で満たしてやって
「あらよっ」と装着。

ミッションとドライサンプ・タンクに新油を注ぎ、一段落・・・。
でも、ここからまたひと仕事しなくちゃ。


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毎秋調整するプライマリー、今回は十分な張り具合で無問題。
今シーズンはあまり距離を稼いでやれなかったからなぁ。

ということでここからは来春に備え、シャケタイVer.への変更と
排ガス濃度に影響して来そうなエアクリーナーのメンテを。


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きつねンちのXL1200SはエレメントをK&N ハイフローに換えて
あるんだけど・・・理由は「高効率でパワー出るから」ってより
「洗って再利用出来るから」という貧乏くさい観念。

むしろ使い捨てのクセに高価過ぎるんだ、純正エレメントが。


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これがK&N専用クリーナーと塗布オイルのパックなんだけど。
何年振りに見たっけ、この箱(マイレージ1000km/年なので)

高校時代の担任は三年間ずっと英語の先生だったのに、
ヨコ文字が未だよく分かんないので大体テキトーに解釈。


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きつねの解読では「埃をブラシで落としたらクリーナー液を吹き
10分ぐらい放ったらかしたら水で洗え」と書いてある様子。

・・・エエのんか?マジに水でエエのんか?・・・(自問自答)


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ホントは日なたとか暖房器具の傍とかでノンビリ乾燥させる
仕様なんだと思う。

きつねは良い子がマネしちゃダメな最終兵器で水気を切るよー。

※濾過の要がコットン・ガーゼだったりするとエアプローの圧で
毛が飛んで逝っちまって、用を成さなくなるかもね。


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せっかちな紺之介は、細かいことに四の五の言わない生物。
陽が落ちて寒くなる前に、とっとと終わらせたいんである。

でも箱裏説明には「一周いっぺんオイル吹いたら10分投げて
もっかい一周吹け」的な何かが書いてあった・・・ようだ。

タイヘイヨーの向こうのヒトは10minuteって言葉がお好きらしい。


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ブツクサ言いつつオヤクソクの細工を施したキャブ本体も、
その合い間にシャケタイ的な方向へ戻しておきやんす。

ニードルの嵩上げワッシャー、やっぱ2枚で十分だったなー。
ミクスチャーは2.5回転戻しから1回転戻しへ絞るよ、っと。

いつかはS&SスーパーE・・・否、独り言よ、独り言。


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見果てぬ野望という名の妄想のリリックの棒読みはさておき。
予定していたメニューは存外早めに終わらせられたので。

もー外装と言わずフレームと言わず添加剤やらオイル類やら
あちこちダラダラ垂らした後始末を兼ね、洗車とワックス掛け。


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シロート細工のマフラー・エンドから何やら不満げに低く大人しく
プトプトプトプト謳いつつ(実はホントにブスカスと調子が燻る)

燃料コックをオフにし、キャブ内のガソリンを燃やし尽して終了。
ガス欠状態でエンジンが止まったらバッテリーを降ろしましょ。

なにしろ車検満了は、今よりきっと寒く作業が辛い4月の上旬。
「あとは書類を揃えるだけ」でスタンバイさせたかったのさ。


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「これでも要調整となりそうな案件はライトの光軸ぐらい?」
ってトコまでスポーツスターを仕上げても、まだ黄昏少し前。

5リッター容量のオイル処理箱には未だキャパがあるので、
もうひと仕事ヤッツケるか・・・と引き出したのは、ゴリラ改。


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コイツはアジトの前でアイドリングさせるだけでも十分温めて
オイルを抜けるけれど、タンクの半分しかガソリンが無い。

ホンネを言うと、日々のチョイ乗り散歩号の座を「カラス」こと
Dトラッカー125に譲り「半隠居の身」となったゴリラ、少しは
走らせてみたかったのね。


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記念撮影に向いた場所を探してウロウロしている道中で、
エグザ〇ルかぶれの兄ちゃんが乗ったエクストレイルに
少々マクられたので・・・うっかりオトナ毛を抜いてみた。

否アブねアブね。その色褪せたSUVの後ろにツケてたのは
なんと、赤色灯装備の真っ白いFJR-1300P!

いや驚いた、11月に入っても未だ張ってるとは思わなんだ。


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VFR800が交機の主力だった頃にも、一台だけGSF1200Pが居た。
そしてCB1300がメインとなった今でもただ一台、FJR-Pが居る。

一県警ワンメイクス独占となると癒着を疑われるため、あえて
入札で高くつくのも承知で他メーカー機も混ぜている
、とかさ。

そのレア機を駆っている白馬の王子様は隊長さん、とかね。

巷の噂は本当だろか・・・いやー、珍しいモン見ちゃったな。


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腰上がDAX70純正同等と憶測されるゴリラ改には不相応な
ヤマハのプレミアムを奢ったのは、「4L缶なら安かったから」

セローのシフト・タッチが劇的に良くなって2000km越えても
好フィールが続くオイルだったので、同じ粘度番手指定の
ゴリラもカラス号もコレひと缶でワン・シーズン保たせようって
ことなのっス。

カラス号がバトンタッチしにやって来た初夏より後となると
昨年ほどコキ使われることもなく過ごした為、見た目は艶々。


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なのでゴリラに掛けた手間は、延びて緩んでいたチェーンの
調整と埃落としぐらいのものでありました。

次のスプロケは、希望の丁数のものが手に入るのであれば
やっぱり超ジュラよりも鉄モノの方を選びたいところかな。

「こっちはレースに使おうってんじゃないんだ。あまり神経質に
チューンするなよ?」
@ポルコ・ロッソ(←「紅の豚」好き。笑)


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本来なら一か月近く前の「下北半島 小さな旅紀行」を優先で
連投すべき流れなんでありますが。

アレはきつねメ的に盛秋から晩秋へ至るケジメの色味が濃い
イベントなので丁寧に時間を掛け掛け書いていると、以降の
「リアルタイムで載せたい冬支度とどうしてもカブるんですよ。


そんな訳でしばしの間は、気ままに時間軸が一か月ぐらい
アッチ飛んだりコッチ戻ったりすると思いますが、何とぞ
ご容赦下さいませ・・・。
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テーマ : バイクのある生活
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い セロー Dトラッカー125 ゴリラ スポーツスター 冬眠 車検 下北半島 冬支度

拝啓、チコさま。 ~ボーッと生きてる中年狐で、いやはやどーも、すみません~







今日のTOPには、後頭部へ不意打ちで金属バット振り下ろされた程
ショックを受けた動画を載せてみた。

自分の心の芯を喰われた衝撃の向こうに、強い否定が生まれた。

アラフィフのオッサンが青臭いことを言うのもナンなんだけれども。
その詞をどう受け止めるべきか、実は未だに困惑しているのだ。


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この曲を聴いた後にしばらく咀嚼の間を置き浮かんだのは、
何故か「チコちゃん」だった。

そう・・・過去にNHKが産んだキャラとしては最もエッジの
効いた存在にして、並の大人を凌駕する驚異的な智識を
蓄えた異形の5歳児・・・それが「チコちゃん」だ。


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正直なところ、面白い。近隣のマダムよりもお上品な口調で
出演者に万遍なく気の効いた「振り」を投げ掛けるところは
むしろ局アナのスタンスをカッぱらう勢いすら見せつける。

就業前の幼児としては在り得ない振る舞い。だからこそ
そのギャップが人気を呼んで日々の話題にもなるのだろう。


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だけどきつねは、あのコが苦手だ。一層正確に評するなら
「ああいうタイプのニンゲンが大嫌いだから」苦手なのだ。

彼女が取り上げる事案は概ね、大半の社会人にとっては
「今日を生きる上では右でも左でもどっちでもいい」ネタ。

そーいうレベルの雑学を武器に大上段ですっくと立つ五歳児。


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他人の知識のスキやアラをわざわざ大げさに取り上げた上で
高々に「ボーッと生きてんじゃねぇよ!」と声を荒げる。

相手が知らなそうなこと・考えたことも無さそうな点を突いて
「アタシの何倍も生きてんのにそんな事も知らねーのか」と。


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こーいう言動は実にオトナ毛ないが、それを折り込んだ故に
5歳児設定としたなら、作り手の人間性も相当あざといだろう。


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未だ黄昏の冷え込みが覆う前に、カラス号で偵察へ出た午後。
「ずいぶん太陽も空も白くなってしまったなぁ」と感じていた。

だから翌朝、一桁前半をマークした放射冷却の大気に触れて
少々たじろいだものの、スカッと抜けた空が背を推してくれた。


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冬眠前に出来るだけ、新鮮なガソリンで満たしてやりたいけれど。
しかしスポーツスターを出せる機会は、今日を逃せば後が無い。

スロットルを開ければ間髪置かずにリアタイヤへ野太い地力を
伝えてしまうコイツは、路面が冷えると乗り手の命をさらうから。


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バッファローの安い皮でしつらえられた中古パンツの中には
タイツを仕込み、ショットの皮ジャンに包んだウェアはユニクロ。

ムッシュ・ビバンダムの如く着膨れたきつねの姿はさておいて。
しかし・・・R46を西へ向かい訪ねた田沢湖は、素敵だった。


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盛岡のアジトから仙岩峠を越えてのマイレージ、たかが60km。
望めば125ccのカラス号ですら難なく走れる距離なんだけどさ。

でもね、例えセローやDトラ125より倍のハイオクを喰うとしても。
県境の峰を越えるシーンで選びたい主役は、コイツなんだわ。

自分で振り返ってみても、やっぱりそれで正解だったと思うよ。


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「季節の喝采」とでも言えばいいのか。湖畔の道は大手を広げ
落ち葉という名のレッドカーペットを、きつねに歩ませてくれた。

早朝から陽光が暖めた落葉の甘い匂い、セロファンのように
彩を添え続ける木々の様々な紅葉が現れては見送って行く。


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心底「生かされている」って、思った。この瞬間のためにね。

齢を追う毎に日々積まされて行く、義務という名のウエイト。

生き続ければ生き続けるほど、否応なく積まれるバラスト。

叶うならば四季に揺蕩い浮いて、彷徨っていたい我が魂へ。


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「アンタはアンタらしく心のままに生きろ。ありのままに。」

幸せの値打ちを届けて寄越した、真紅と黄金を貫き届く陽光。

単車が与えてくれる、ダイレクトな「速度」という名の魔法。

バイクというデバイスを通し増幅される比類なきリアル感。


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或いは澄み切った空、淀みを知らぬ湖面の蒼、そして最後の青い空。

己の命を否定する要素が、その瞬間では淘汰されていた。

「生きろ」という声に包まれた。「この楽園にまた逢いたいなら
次のこの季節まで、その命を紡ぎ続けろ」・・・という声に。


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理屈のエレメントをスッパ抜いた高みより届く、生命の肯定。

あの甘やかな陽射しに抱かれた刹那の道、きつねは思った。

「好きも嫌いも、誰の価値観の天秤にも掛けさせないぞ」と。


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俺は口が裂けても声に出して「自分が好きだ」なんて言わない。

過去に出会った人間の中、その言葉を容易く口に出せる奴は
まず十中八九ロクな生き方をしていなかった。

問題課題や後悔懺悔の後になって「でも自分が好き」なんて
カミングアウトされても、もう何の解決策も生まないってのに。


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自分の過去へ目を逸らさずに理解しよう、と試みる人間なら。

突き詰めれば突き詰めただけ、吐けなくなる「自分が好き」。

これまで幾つの罪を犯し幾つの嘘をつきどれだけの人々を
傷つけて来たか、アンタ自身もう分かっているんだろ?


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その羞恥の向こうでどの口がほざける?「自分が好き」、などと。

生い立ちからこれまでをどう辿っても、きつねは自分が嫌いだ。

望みが叶うものならば、砂のようにさらさらと消えたい程に。


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だけど、速度がもたらす一瞬の煌きや恍惚の彼方を知った今。

巡る四季を意図せず突然に断たれることが、こんなにも惜しい。

異邦人の如く寄る辺無く軽い身の上に、未来へ一筋の光を差す。

だからきつねは天候が許す隙あらば、バイクに跨ってしまうのだ。


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元々己の望むと望まざるとを問わず、産み落とされ授かった命。

それを嫌うの嫌われただのと、身勝手な他人の視点や物差しで
測ってしまうこと自体、実はおそらく「奢り」なんじゃないのか、と。


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この現世にポンと生かされちまった以上最後まで世間の荒波を
泳ぎ切る他に、選択肢なんか無いんじゃないのかなって思う。

その海の水がどんなに「知識」とか「情報」とかいうシロモノの
押し売りで汚されていても、浮かび続ける他に術はないんだ。


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きつねは思う。田舎に生まれて住んでいて良かったな、って。
バイクの魅力を教えてくれた親父の許に、生まれて良かった。

「アブない乗り物」と承知の上、いつも笑顔で送り出してくれる
懐の大きなオフクロの子として、生まれて良かった。


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北東北の四季の移ろいは良くも悪くもメリハリが効いていて。

「秋になった」「冬が来る」「春の匂いがする」「そろそろ夏か」
風の便りに逐一予感を手繰り寄せて過ごす成り行きとなる。

だから肌で知るのだ。この幸せな季節が終わりつつあることも。


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幸せに満たされ明けた翌勤務日は一転、大荒れに見舞われた。

昨日午後にきつねの背を暖めてくれた色とりどりの木の葉たちは
多分ひとたまりもなく、全て枝から削ぎ落とされてしまっただろう。

「四季の移ろいをその瞬間に掴んでおく」って、そういうことだ。


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帰宅して間もなくアジトの呼び鈴が、宅急便の到着を知らせた。

その予兆から数日前にオーダーしておいた「冬支度の品々」が
段ボール箱の中から次々とその姿を現す。

全てたかだか前世紀的なOHVや2バルブSOHCのエンジンに
高価な化学合成オイルを指定するなんて馬鹿馬鹿しい、か?

否、「気は心」さ。 アイツらは皆、酷暑に弱い空冷だからね。


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なあ、チコちゃんよ・・・ただその日放映のネタ探しのために
スタッフ総掛かりでネットで拾い集めたような情報ってさ。

日々の飯食い種へと一生懸命向き合っている世間の大人に
対し、声高に怒鳴り散らせるぐらいの重みがあると思うかい?



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収録を終えた渋谷スタジオのテラスで頬杖つき、遠くを
眺める三頭身が引いた長い影。

そんな画を思う俺は、やはり相当ヘソマガリなんだろうか。

気が向けば誰でもいつでも検索出来る誰得的な情報より。

ボーッと生きる時間に得る何かの方が、俺にとってはずっと
大切に感じられるのだけれど・・・な。

tag : Dトラッカー125 スポーツスター ツーリング 田沢湖 紅葉

夏を見送り、秋を迎えに。 ~水平線へ走った日~







いやー・・・まるで夏のブレーカーをバチンと落としたような
信じ難い「いきなり秋モード」のここ数日。

ひと一倍暑さを嫌う汗かきぎつねもあまりの気候の激変ぶりに
ついて行けず、戸惑いの日々を送っている次第。


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職務の緩急の関係上「中旬だけ仕事が薄い」と盆前後のみ
お休みのスパンが近かったきつね氏。

そりゃもう天気予報とニラメッコしていた訳でありますが・・・
雨雲が東に去った空模様はさておき、着る物に悩みました。

海を見に行くことだけは決めていたものの、東西どちらでも
「海岸線まで峠越えの100km」ってのが盛岡ですから。


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相棒は乗り手に似て暑がりな、驚異のカロリーバーナーこと
スポーツスター

革ジャンを出すか夏物重ね着か迷った末に後者を選択し、
2ヶ月ぶりのお目覚めで向かったのは古巣のホームコース。


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しかし流石は本州一寒い藪川を擁するロングワインディング。

行きがかりで流すドゥカティSSとハイペースなランデブーを
楽しみつつ、レストハウスの暖かい缶コーヒーが恋しかった。

「面白い曲がり方するねぇ。ハーレーって意外に速いんだな。」

「いや俺、実は今どきのハイパースポーツの方が苦手なんです。」


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「久慈まで行くの?あんまり飛ばすと免許も命も危ういよ?」

「アハハ、この先はホームじゃないもの。ツーリングですって。」

もうお爺ちゃんだというドゥカ遣いのオヤッサンに見送られて
目指したのは、初夏に見つけた「しもへいグリーンロード」。

龍泉洞の先から分岐し一気に田野畑まで突っ切る快走路。
今回は逆サイドから北上を試みようか、って企み。


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それにしても、秋風を連れて来た前日までの怒涛の大雨が
ウソのように滔々と流れる渓流の、なんと澄んでいること!

川面の近くに降りて「さかな目」に切り替えたなら、ヤマメや
イワナの姿を見つけられそうなほど。

ここでボケーッと過ごすのも・・・否、今日は「海」コレ絶対!


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そしてお目当てのグリーンロード。シーサイドラインへ繋がる
県44もそうだけど、ホント走る上で要らないものが何も無い。

開通してまだ2年の綺麗な路面、癖のない中高速コーナーで
伸びやかなアップダウンを繰り返す、ピュアなカントリーロード。

ここを教えた身の回りのバイク乗り数人からも、「アレはちょっと
すげぇルートだ!」と口々に興奮を伴うインプレが返って来た。


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こーいう日のため、こーいう道を走るために、スポーツスター
手放せない。

パワーも軽さもひとつの正義だけれど、それだけが全てじゃない。

スロットル一発でリアタイヤをグイッとアスファルトにネジ込んで
巨躯を震わせ突進させる、バッファローの如き野蛮な乗り味。

二輪が抱く一文字を「快」とするなら、コイツは「豪快」なんだよ。


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あれよあれよという間に田野畑の北へ出てR45をナンボも辿らず
昼前に着いたのは、毎年夏の見送りと秋のお迎えをする浜辺。

オートバイに乗り始めた頃からずっとお気に入りの、十府ヶ浦


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あの津波以降は、心の何処かに復興の様子を見に行っている
感覚があったけれど。

ふと気付いたら、今年は「それ」がもう胸の中に無かった。

ただ純粋に、あの水平線と広い空だけが観たくて訪ねていた。


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失われた思い出の景色への嘆きが、痛みと共に自然に消えた。
これが「風化」だろうか・・・いや、違うんじゃないか、と思う。

戻らない過去への執着や感傷に浸り続けることと、教訓を
残して未来へ活かすこととは、やっぱり別なものだから。


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無機質で巨大な防波堤が全て出来上がってしまったなら、
ロード・サイドから眺めた今日の景色もまた「過去」になる。

バリケードの柱に寄り掛かってメンソールに火を灯し、重機の
歌を聴きながら潮風の日向ぼっこ。

ここに、時間を割く。だって今日の目的地は、ここなんだもの。


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「後のメシは久慈まで上がって土風館の漁師丼」と決めたものの、
何かイベントでもあるのか?ってな驚愕の混雑ぶりに腰が引けた。

差し向いの路地を進むと、いちばん奥にラーメン屋さんを捕捉!


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スープを呑んで鼻から息を抜くと、五臓六腑に磯の香が行き渡る。
いや、ジャケットの選択を間違えて冷え切った身体に心底染みた。

気張ってトップグレードの「磯(1300円)」を頼まなくてもイイと思う。
セカンド級の「浜(900円)」でも、期待通りのラーメンが味わえる。

しかし建屋からヒトまで徹底的な昭和感、ある意味すごい(笑)。


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尻上がり的に気温がアップして行く午後、海辺を後にする頃には
もうウェア選びのミスを悔やむ肌寒さは消えていた。

久慈もあちこちに面白いものが潜んでいそうな町だから・・・
いつかミニベロを持ち込んで、自転車散歩を楽しんでみたいね。


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スポーツスターで走る時は、折り返しも重複もナシの一筆書き。

内陸縦貫のR4へ回るルートにも幾つか選択肢があったけれど、
きつねはもう十分に目的を達しマインドも満たされていたから。

ここは素直にスタンダードなR281へ乗り、王道の平庭経由で。


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高原を名乗るだけに、さすが平庭。8月だってHOTを常備。
そう、まだ盆が明けたばかりだって事を途中で忘れてた(笑)。

肌触りの硬い風に強張った四十肩は、クラッチを握る左手にも
腱鞘炎の予兆を引き起こす。

適度な休憩を怠れば、左腕全てを使ってレバーを引く羽目に。


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熱いブラックコーヒーのプルタブを引いて白樺の並木を眺めつつ
しかし思い直す。

ポジティブに考えよう、「休み休み走れば大丈夫乗れるんだ」と。

だって久しぶりに走らせたスポーツスター、こんなに楽しいもの。
身体の調子に合わせて乗ればいい・・・それだけのこと、さ。


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日なたのアスファルトに半時間ばかりアグラをかいた後は、
まるでクラッチの重さが半分になったような錯覚。

自分の肩幅に対して広過ぎるダートラ・ハンドルも見直して
細いグリップを使えるミリ・バーに換えると、肩凝りも少しは
軽くなるだろうか。


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それにしても・・・なんとまあ、呆れるほどに高い空。

もう夏日なんて戻って来ない気がするほど、完全な「秋」。

少なくとも、あのウンザリする程ベタベタに汗をかく湿度は
怒涛の雨を降らせた雲が東へ連れ去ってくれたに違いない。

カラリとした空気はスポーツスターにとってもきつねにとっても
もちろん大好物。


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星が瞬く夜空にパーカーを羽織り、延期になっていた花火を眺め
長い長い夏にさよならを。



さあ、幸せな季節の始まりだ。ぐいっと背伸びして、深呼吸しよう。

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六月の週末、昭和ぎつねのモーター・ウィーク見聞録。 ~IWATEモーターサイクルフェスタ編~







嗚呼・・・本当は「梅雨時期に合うナンバー」として原曲の方を
載せる心積もりだったのに・・・一度聴くともうダメだ(笑)。

ということで(←え?)今回も罪深い「たすくこま」氏の動画を
拝借してしまいました。


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季節が一か月以上引っくり返ったような寒さだった上半期、
そして梅雨入り宣言を覆する軽い空気の中~下旬を経て。

最後の最後で「いやごめんマジで梅雨だから」みたいな
予報が並び出した、6月末な今日この頃。


先の「北海道北・旅日記」シリーズをやっと書き終えた途端に
いささか気が抜け、更新をサボっていた次第なんですが。


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当地の今月中盤は季節の風物詩・ちゃぐちゃぐ馬っコと並んで
乗り物好きな地元衆の恒例行事、「焼走りモーター・ウィーク」。

第二日曜は二輪新車の試乗展示が主題な「IWATEモーター
サイクル・フェスタ 夏の陣」


翌第三日曜は全く同じ会場で、四輪の「焼走り旧車ミーティング
in八幡平」
と、逆スタンスのイベントが連続開催になる次第で。


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エンジン載った乗り物なら輪っかの数問わず齧りたがるクセに
一度も新車を買ったことが無く、万人に旧車認定される車種は
「玄関の置き物」と化したZ50Z-k1しか所有しない悪食ぎつね。

それでも上手いこと指定休に当たれば、やっぱりチョイと覗きに
出向いてしまうワケでありますよ。


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さて、今月の勤務シフトをカレンダーと照らし合わせてみたら。
今回は申請した訳でもないのに、両方バッチリ「休」の印が!

って事で、まるで4月並みの気温を示すネット予報を睨みつつ
当日朝に季節外れな皮パンや革ジャンを引き出していると。

やがて半クラを当ててバックする、耳馴染みを覚えた排気音。


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「何かビミョーな雲行きだけど、スポーツスターの方を出したね?
それじゃあ会場で逢おう。」


いやいやトライアル師匠・へーさんだって、リハビリ終えていたら
この天気でも単車を連れ出していたでしょ?

少し遅れた出発でR4を北上すると、そこから3キロも進まずして
へーさんのVR-Bに追いつき、後になり先になりランデブー。


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開場から一時間半程経った頃合いでパーキングに着いてみれば
もうそこは「整然と等間隔で並んだ王蟲の群れ単車の海」・・・。

きつねメの直後に着いたGL1500のオーナーも「まさかこの時期に
熱線入りのウェアを着る羽目になるとは。」と苦笑いする肌寒さ。

盛岡市内でも朝はTシャツ一枚で居られない冷え込みだったのに。
少なく見積もっても標高700mはあるココでこの台数が揃っている。

北国ライダー持ち前の「意地と見得の見せどころ」ってところかな。


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袖擦りあうも他生の縁」ってか? 位置を狙った訳ではなく
単に入場順で誘導されただけなのに、お隣りがコレだもんね。

`00辺りのヤツかなあ・・・きつねの白馬と僅か数年違いの1200S。

シルエットを崩す改造や過剰なデコレーションを嫌った仕立てに
「同類」の匂いが強く漂う、ほとんどスッピンなスポーツスター

残念ながら最初から最後まで遣い手とはスレ違いだったけれど。
たぶん相手も帰り際、ウチのヤツを眺めてニヤリと微笑んだはず。


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国内メーカーではホンダを除く(←何故出て来ない?)各社、そして
KTMとか宮城からはドゥカティやトライアンフ、もちろんハーレーも。

あの手この手で彼方此方から新車を集めて展示する主催者さんや
各代理店の皆さんの努力には、アタマが下がる。

実際、「結構大変なんだよアレ。参加するお店は偉いよー。」
馴染みのヤマハ屋のオヤッサンも言っていたし・・・。

ただ、試乗するには希望車種を決め事前に申し込む手続きが
必要だったり、有料だったり人気車は順番待ちだったり。


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きつねメ的には手許のラインナップを特に崩す気もなくて。
もし仮に狙うとしたら「ミドルのスーパースポーツ」。

そうなるとKTM390の一択で、他はあまり気をそそられない。

へーさんと共に「中古も並べてくれたらいいのにねぇ。」とか
「一般人のフリマも受け付けてくれたら面白いのに。」なんて
勝手なことを言いつつ、会場内をブラブラと。


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唯一しばらく滞在したのは、マニアックなヤマハSR専門店
New Gateさんのブース。

「この日に合わせてお客さんを集めてツーリング」という
ひと工夫を入れ、過去の販売車を並べてもらっていた。

コレがねぇ・・・お店と乗り手の感性を如実に伝えていて
自分も師匠も「センスに隙が無いよね」と感心するばかり。

もしも体力が落ちて「終活」を意識し所有台数を絞る日が
訪れたら、きつねのラスト・ワンはSR500になるだろう。

そんなシンプルなバイクライフも、悪くないと思うんだ。


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昼前に家路に着くへーさんを見送り、ちょっとご飯でも・・・
という辺りで今度は「北の師匠」クマさんと合流。

長年の紆余曲折からイタリアン贔屓となったクマ師匠は
最新のドゥカに試乗したそうだけれど、その眉間には皺が。

例えばきつねメがポルシェのパナメーラやカイエンに対して
覚える違和感(なんで天下のポルシェがよ?って。笑)と
同じ質の・・・「媚び臭い匂い」がお気に召さない様子。


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各種の規制に縛られて青息吐息のエンジニアが出せたのは
「マイルドに振った乗りやすさ」という開き直りなのか、と。

そーなんだよね。インジェクションでガス絞って触媒も組んで
ABSの装着も強いられて、重いわ走らんわ値段髙いわ。
造る方も買う方も辛いばかりで、楽しくもありがたくも無い。

実用要素の強い四輪なら「致し方ナシ」と思えても、バイクは
ほぼほぼ100%趣味の乗り物だから・・・パーキングに集う
フリーダムな時代の単車たちの方が、輝いて見えてしまう。


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地球の空気がキレイであるべきなのは言うまでもないけれど。
そのために牙もキレもパンチも失えば存在意義が怪しくなる。

ヒトは何を求めてオートバイに乗るのか?何を愛するのか?
その「解」は乗り手の数だけ在るのだろう。

でも「スリルと刺激」をゼロにすることは、きつねには許せない。
絶対の安全と安楽さを追うなら、四輪には敵わないのだから。


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「きっと`00年代以降に設計されたオートバイを買う事なんて
俺には無縁で終わっちゃうんだろうなー。」



頑固で野蛮でアシの出来も酷いのに、バカみたいな底力が
もたらす迫力と古典的な美しさが故に強い愛着を抱く愛機と
峠道を駆け下りながら、そんなことを思う昭和アホぎつね。


・・・まさか、ひと月も経たずに「手のひら返し」が訪れるとは
全く考えてもいなかったんだよなあ
・・・そう、この時までは。


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ホントは翌週の四輪旧車ミーティングまでで一つの記事に
まとめるつもりだったんですが。

いつものクセで長々とノーガキこいちまったため、今回は
モーターウィーク・前編という事で、一旦ここで締めましょう。


えっ?「最後の意味深な一行はナンなのよ?」・・・って?

まあまあ、これも話せば長い展開になるので少々お時間を
下さいな。

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~Intrude~ ・・・FLOW ニセアカシアの香る朝に・・・






それは土曜の休日、いつもより少しノンビリと目覚めた朝。

淀んだ部屋の空気を追い出すつもりで窓を開け、傍らにある
ラジオのスイッチを入れた瞬間、ある感覚のドアがスッと開く。

イントロから最初に浮かんで来たイメージは、幌を降ろした
ロードスターだったのだけれど。


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ゆるゆると伸びやかにうねるFLOWがやがて高みに至る頃
流れ込む甘やかな風の中、相棒はそのシルエットを変えた。

ニセアカシアの花開く季節は短いぞ、という囁きが耳に届く。
「ならば、ガレージから引き出すべきはスポーツスターだ」と。


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流れるようにたゆたうようにビッグボアのロングストロークが
ハミングする領域へ・・・きっと誰かが導いている声だろう。

初夏の日差しに照らされたアスファルトは、まるでギブスを
嵌められたかのように動きの渋いサスを通し、応えて来る。


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今はもっと寝かせて良い、もっとスロットルを開けても良い。
キミのまだ新鮮なミシュランを、裏切らせたりはしないよ。

時に腱鞘炎を誘発するほど重く遊びの多いクラッチを握って
大外から振るアプローチでつま先に力を込め、シフトダウン。


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瞬時にカムの山が長いプッシュロッドを介して前時代的に
大柄なロッカーアームを蹴り、タコメーターを跳ね上げた。

躍動の向こう、ステップの先がチチッと路面にキスする感触。
ミラーが夏草を叩くアペックスで、出口を睨み右手をひねる。


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2000・・・3000・・・3500・・・シフトアップ・・・2000・・・2500・・・
機関車の動輪の如きクランクは弾みを増して高らかに歌う。

デュラララ・・・デュロロロ・・・デュララララララ・・・!
5速3600rpm、全てのビートとノイズが調和するハミング。


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ハーレーには歴代、グライドというモデルが継続されている。
グライド、グライディング、グライダー。それは、風に舞う心。

マシンが鳴らす喉の音、ジャスト・ミキシング・チューニング。

それは例えビッグシングルでもクォータークラスの4気筒でも
ある瞬間に得る福音、最も機嫌の良い機械が奏でるサウンド。


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ニセアカシアの花開く瞬間は短いぞ」・・・ってかい。

その甘やかな匂いと白樺の並木が奏でる二重奏に導かれて
ダートトラック・バーに添えた腕は、まるでトンビの翼だった。


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きつねが「あいつとララバイ」を自身の聖書と称する理由は
この至福の感覚を見事に捉えている故のこと。


ある者は、究極の勝利を求めたあまりの闘争の果てに。
またある者は、不幸と絶望の淵へ晒された挙句に対峙する。


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しかし、どれだけの狂気と切れ味を宿した乗り手であっても
「楽しく乗れたらそれがサイコー!」と叫ぶ能天気な研二を
凌駕することは叶わなかった・・・これはひとつの「悟り」だ。

彼は常にハッピーとラッキーとエキサイティングを感性で追い
結果的に「誰よりも自在にZⅡを駆る男」になったのだから。


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バイクという道具で勝ち負けの白黒をつけたいだけの奴は、
サーキットへ行けばいい。

ナンバープレートを下げた愛車と公道でのライディングに
求めるべきは結局「その時その場で得る悦楽だけ」なのだ。


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※すみません、連載中の「北海道レンタカー旅日記」は余韻が
  強過ぎたため、掲載画像の選択と編集に悩んでいる次第。

  どうまとめたら良いのか思い描く日々でも時間は勝手に
  流れて行ってしまうので、「間奏」として今編を挟みました。


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ここでコッソリお伝えすると・・・「下閉伊グリーンロード」、
おそらく現在盛岡と久慈を結ぶルートでは最速のコース。

レコード盤的な溝を刻まれたコーナーも幾つかあるものの
特段に奥で巻いたり複合になったり・・・というトリッキーな
クセが無い、信号皆無で舗装良好な快速ルートですよ。


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もうひとつ、沿岸の「やませ」に襲われ冷え切った身体には
レストハウスうしおの磯ラーメンもオススメしておきます。

「海辺の食堂で900円支払うラーメン」としては損も得もしない
ジャストな量だけれど、「素朴な磯の味」を宿していました。

「暖簾をくぐった客の期待を裏切らない姿勢」は、きっとこれから
正当に評価されるべき日本のスタンダードになると思うのです。

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プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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