FC2ブログ

夏を見送り、秋を迎えに。 ~水平線へ走った日~







いやー・・・まるで夏のブレーカーをバチンと落としたような
信じ難い「いきなり秋モード」のここ数日。

ひと一倍暑さを嫌う汗かきぎつねもあまりの気候の激変ぶりに
ついて行けず、戸惑いの日々を送っている次第。


MA_2018082006533480e.jpg


職務の緩急の関係上「中旬だけ仕事が薄い」と盆前後のみ
お休みのスパンが近かったきつね氏。

そりゃもう天気予報とニラメッコしていた訳でありますが・・・
雨雲が東に去った空模様はさておき、着る物に悩みました。

海を見に行くことだけは決めていたものの、東西どちらでも
「海岸線まで峠越えの100km」ってのが盛岡ですから。


MB_20180820065335ed3.jpg


相棒は乗り手に似て暑がりな、驚異のカロリーバーナーこと
スポーツスター

革ジャンを出すか夏物重ね着か迷った末に後者を選択し、
2ヶ月ぶりのお目覚めで向かったのは古巣のホームコース。


MD_201808200653388e5.jpg


しかし流石は本州一寒い藪川を擁するロングワインディング。

行きがかりで流すドゥカティSSとハイペースなランデブーを
楽しみつつ、レストハウスの暖かい缶コーヒーが恋しかった。

「面白い曲がり方するねぇ。ハーレーって意外に速いんだな。」

「いや俺、実は今どきのハイパースポーツの方が苦手なんです。」


MF_20180820065341475.jpg


「久慈まで行くの?あんまり飛ばすと免許も命も危ういよ?」

「アハハ、この先はホームじゃないもの。ツーリングですって。」

もうお爺ちゃんだというドゥカ遣いのオヤッサンに見送られて
目指したのは、初夏に見つけた「しもへいグリーンロード」。

龍泉洞の先から分岐し一気に田野畑まで突っ切る快走路。
今回は逆サイドから北上を試みようか、って企み。


MG_201808200653436e8.jpg


それにしても、秋風を連れて来た前日までの怒涛の大雨が
ウソのように滔々と流れる渓流の、なんと澄んでいること!

川面の近くに降りて「さかな目」に切り替えたなら、ヤマメや
イワナの姿を見つけられそうなほど。

ここでボケーッと過ごすのも・・・否、今日は「海」コレ絶対!


MH_201808200653448a5.jpg


そしてお目当てのグリーンロード。シーサイドラインへ繋がる
県44もそうだけど、ホント走る上で要らないものが何も無い。

開通してまだ2年の綺麗な路面、癖のない中高速コーナーで
伸びやかなアップダウンを繰り返す、ピュアなカントリーロード。

ここを教えた身の回りのバイク乗り数人からも、「アレはちょっと
すげぇルートだ!」と口々に興奮を伴うインプレが返って来た。


MI_20180820065346172.jpg


こーいう日のため、こーいう道を走るために、スポーツスター
手放せない。

パワーも軽さもひとつの正義だけれど、それだけが全てじゃない。

スロットル一発でリアタイヤをグイッとアスファルトにネジ込んで
巨躯を震わせ突進させる、バッファローの如き野蛮な乗り味。

二輪が抱く一文字を「快」とするなら、コイツは「豪快」なんだよ。


ML_20180820065412104.jpg


あれよあれよという間に田野畑の北へ出てR45をナンボも辿らず
昼前に着いたのは、毎年夏の見送りと秋のお迎えをする浜辺。

オートバイに乗り始めた頃からずっとお気に入りの、十府ヶ浦


MJ_20180820065347d8c.jpg


あの津波以降は、心の何処かに復興の様子を見に行っている
感覚があったけれど。

ふと気付いたら、今年は「それ」がもう胸の中に無かった。

ただ純粋に、あの水平線と広い空だけが観たくて訪ねていた。


MN_2018082006541517f.jpg


失われた思い出の景色への嘆きが、痛みと共に自然に消えた。
これが「風化」だろうか・・・いや、違うんじゃないか、と思う。

戻らない過去への執着や感傷に浸り続けることと、教訓を
残して未来へ活かすこととは、やっぱり別なものだから。


MM.jpg


無機質で巨大な防波堤が全て出来上がってしまったなら、
ロード・サイドから眺めた今日の景色もまた「過去」になる。

バリケードの柱に寄り掛かってメンソールに火を灯し、重機の
歌を聴きながら潮風の日向ぼっこ。

ここに、時間を割く。だって今日の目的地は、ここなんだもの。


MO_20180820065416949.jpg


「後のメシは久慈まで上がって土風館の漁師丼」と決めたものの、
何かイベントでもあるのか?ってな驚愕の混雑ぶりに腰が引けた。

差し向いの路地を進むと、いちばん奥にラーメン屋さんを捕捉!


MP_20180820065418bc5.jpg


スープを呑んで鼻から息を抜くと、五臓六腑に磯の香が行き渡る。
いや、ジャケットの選択を間違えて冷え切った身体に心底染みた。

気張ってトップグレードの「磯(1300円)」を頼まなくてもイイと思う。
セカンド級の「浜(900円)」でも、期待通りのラーメンが味わえる。

しかし建屋からヒトまで徹底的な昭和感、ある意味すごい(笑)。


MQ_20180820065419587.jpg


尻上がり的に気温がアップして行く午後、海辺を後にする頃には
もうウェア選びのミスを悔やむ肌寒さは消えていた。

久慈もあちこちに面白いものが潜んでいそうな町だから・・・
いつかミニベロを持ち込んで、自転車散歩を楽しんでみたいね。


MT_20180820065424552.jpg


スポーツスターで走る時は、折り返しも重複もナシの一筆書き。

内陸縦貫のR4へ回るルートにも幾つか選択肢があったけれど、
きつねはもう十分に目的を達しマインドも満たされていたから。

ここは素直にスタンダードなR281へ乗り、王道の平庭経由で。


MV_201808200654274cf.jpg


高原を名乗るだけに、さすが平庭。8月だってHOTを常備。
そう、まだ盆が明けたばかりだって事を途中で忘れてた(笑)。

肌触りの硬い風に強張った四十肩は、クラッチを握る左手にも
腱鞘炎の予兆を引き起こす。

適度な休憩を怠れば、左腕全てを使ってレバーを引く羽目に。


MU_201808200654258a6.jpg


熱いブラックコーヒーのプルタブを引いて白樺の並木を眺めつつ
しかし思い直す。

ポジティブに考えよう、「休み休み走れば大丈夫乗れるんだ」と。

だって久しぶりに走らせたスポーツスター、こんなに楽しいもの。
身体の調子に合わせて乗ればいい・・・それだけのこと、さ。


MW_201808200654285fd.jpg


日なたのアスファルトに半時間ばかりアグラをかいた後は、
まるでクラッチの重さが半分になったような錯覚。

自分の肩幅に対して広過ぎるダートラ・ハンドルも見直して
細いグリップを使えるミリ・バーに換えると、肩凝りも少しは
軽くなるだろうか。


MX_20180820065447c7f.jpg


それにしても・・・なんとまあ、呆れるほどに高い空。

もう夏日なんて戻って来ない気がするほど、完全な「秋」。

少なくとも、あのウンザリする程ベタベタに汗をかく湿度は
怒涛の雨を降らせた雲が東へ連れ去ってくれたに違いない。

カラリとした空気はスポーツスターにとってもきつねにとっても
もちろん大好物。


NB_20180820065453c18.jpg


星が瞬く夜空にパーカーを羽織り、延期になっていた花火を眺め
長い長い夏にさよならを。



さあ、幸せな季節の始まりだ。ぐいっと背伸びして、深呼吸しよう。
スポンサーサイト

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い スポーツスター ツーリング 津波 震災 十府ヶ浦 ラーメン

六月の週末、昭和ぎつねのモーター・ウィーク見聞録。 ~IWATEモーターサイクルフェスタ編~







嗚呼・・・本当は「梅雨時期に合うナンバー」として原曲の方を
載せる心積もりだったのに・・・一度聴くともうダメだ(笑)。

ということで(←え?)今回も罪深い「たすくこま」氏の動画を
拝借してしまいました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


季節が一か月以上引っくり返ったような寒さだった上半期、
そして梅雨入り宣言を覆する軽い空気の中~下旬を経て。

最後の最後で「いやごめんマジで梅雨だから」みたいな
予報が並び出した、6月末な今日この頃。


先の「北海道北・旅日記」シリーズをやっと書き終えた途端に
いささか気が抜け、更新をサボっていた次第なんですが。


PJ_201806240722071dc.jpg


当地の今月中盤は季節の風物詩・ちゃぐちゃぐ馬っコと並んで
乗り物好きな地元衆の恒例行事、「焼走りモーター・ウィーク」。

第二日曜は二輪新車の試乗展示が主題な「IWATEモーター
サイクル・フェスタ 夏の陣」


翌第三日曜は全く同じ会場で、四輪の「焼走り旧車ミーティング
in八幡平」
と、逆スタンスのイベントが連続開催になる次第で。


PM_20180624072231563.jpg


エンジン載った乗り物なら輪っかの数問わず齧りたがるクセに
一度も新車を買ったことが無く、万人に旧車認定される車種は
「玄関の置き物」と化したZ50Z-k1しか所有しない悪食ぎつね。

それでも上手いこと指定休に当たれば、やっぱりチョイと覗きに
出向いてしまうワケでありますよ。


PK_2018062407220928b.jpg


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、今月の勤務シフトをカレンダーと照らし合わせてみたら。
今回は申請した訳でもないのに、両方バッチリ「休」の印が!

って事で、まるで4月並みの気温を示すネット予報を睨みつつ
当日朝に季節外れな皮パンや革ジャンを引き出していると。

やがて半クラを当ててバックする、耳馴染みを覚えた排気音。


PA_201806240721548c6.jpg


「何かビミョーな雲行きだけど、スポーツスターの方を出したね?
それじゃあ会場で逢おう。」


いやいやトライアル師匠・へーさんだって、リハビリ終えていたら
この天気でも単車を連れ出していたでしょ?

少し遅れた出発でR4を北上すると、そこから3キロも進まずして
へーさんのVR-Bに追いつき、後になり先になりランデブー。


PQ_2018062407223792b.jpg


開場から一時間半程経った頃合いでパーキングに着いてみれば
もうそこは「整然と等間隔で並んだ王蟲の群れ単車の海」・・・。

きつねメの直後に着いたGL1500のオーナーも「まさかこの時期に
熱線入りのウェアを着る羽目になるとは。」と苦笑いする肌寒さ。

盛岡市内でも朝はTシャツ一枚で居られない冷え込みだったのに。
少なく見積もっても標高700mはあるココでこの台数が揃っている。

北国ライダー持ち前の「意地と見得の見せどころ」ってところかな。


PG_20180624072203260.jpg


袖擦りあうも他生の縁」ってか? 位置を狙った訳ではなく
単に入場順で誘導されただけなのに、お隣りがコレだもんね。

`00辺りのヤツかなあ・・・きつねの白馬と僅か数年違いの1200S。

シルエットを崩す改造や過剰なデコレーションを嫌った仕立てに
「同類」の匂いが強く漂う、ほとんどスッピンなスポーツスター

残念ながら最初から最後まで遣い手とはスレ違いだったけれど。
たぶん相手も帰り際、ウチのヤツを眺めてニヤリと微笑んだはず。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


PC_2018062407215706e.jpg


国内メーカーではホンダを除く(←何故出て来ない?)各社、そして
KTMとか宮城からはドゥカティやトライアンフ、もちろんハーレーも。

あの手この手で彼方此方から新車を集めて展示する主催者さんや
各代理店の皆さんの努力には、アタマが下がる。

実際、「結構大変なんだよアレ。参加するお店は偉いよー。」
馴染みのヤマハ屋のオヤッサンも言っていたし・・・。

ただ、試乗するには希望車種を決め事前に申し込む手続きが
必要だったり、有料だったり人気車は順番待ちだったり。


PN_20180624072233a6d.jpg


きつねメ的には手許のラインナップを特に崩す気もなくて。
もし仮に狙うとしたら「ミドルのスーパースポーツ」。

そうなるとKTM390の一択で、他はあまり気をそそられない。

へーさんと共に「中古も並べてくれたらいいのにねぇ。」とか
「一般人のフリマも受け付けてくれたら面白いのに。」なんて
勝手なことを言いつつ、会場内をブラブラと。


PD_2018062407215893b.jpg


唯一しばらく滞在したのは、マニアックなヤマハSR専門店
New Gateさんのブース。

「この日に合わせてお客さんを集めてツーリング」という
ひと工夫を入れ、過去の販売車を並べてもらっていた。

コレがねぇ・・・お店と乗り手の感性を如実に伝えていて
自分も師匠も「センスに隙が無いよね」と感心するばかり。

もしも体力が落ちて「終活」を意識し所有台数を絞る日が
訪れたら、きつねのラスト・ワンはSR500になるだろう。

そんなシンプルなバイクライフも、悪くないと思うんだ。


PE_20180624072200dcf.jpg


昼前に家路に着くへーさんを見送り、ちょっとご飯でも・・・
という辺りで今度は「北の師匠」クマさんと合流。

長年の紆余曲折からイタリアン贔屓となったクマ師匠は
最新のドゥカに試乗したそうだけれど、その眉間には皺が。

例えばきつねメがポルシェのパナメーラやカイエンに対して
覚える違和感(なんで天下のポルシェがよ?って。笑)と
同じ質の・・・「媚び臭い匂い」がお気に召さない様子。


PF_20180624072201068.jpg


各種の規制に縛られて青息吐息のエンジニアが出せたのは
「マイルドに振った乗りやすさ」という開き直りなのか、と。

そーなんだよね。インジェクションでガス絞って触媒も組んで
ABSの装着も強いられて、重いわ走らんわ値段髙いわ。
造る方も買う方も辛いばかりで、楽しくもありがたくも無い。

実用要素の強い四輪なら「致し方ナシ」と思えても、バイクは
ほぼほぼ100%趣味の乗り物だから・・・パーキングに集う
フリーダムな時代の単車たちの方が、輝いて見えてしまう。


PH_20180624072204ed2.jpg


地球の空気がキレイであるべきなのは言うまでもないけれど。
そのために牙もキレもパンチも失えば存在意義が怪しくなる。

ヒトは何を求めてオートバイに乗るのか?何を愛するのか?
その「解」は乗り手の数だけ在るのだろう。

でも「スリルと刺激」をゼロにすることは、きつねには許せない。
絶対の安全と安楽さを追うなら、四輪には敵わないのだから。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


PI_20180624072206bdc.jpg


「きっと`00年代以降に設計されたオートバイを買う事なんて
俺には無縁で終わっちゃうんだろうなー。」



頑固で野蛮でアシの出来も酷いのに、バカみたいな底力が
もたらす迫力と古典的な美しさが故に強い愛着を抱く愛機と
峠道を駆け下りながら、そんなことを思う昭和アホぎつね。


・・・まさか、ひと月も経たずに「手のひら返し」が訪れるとは
全く考えてもいなかったんだよなあ
・・・そう、この時までは。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


PV_20180627071241f37.jpg


ホントは翌週の四輪旧車ミーティングまでで一つの記事に
まとめるつもりだったんですが。

いつものクセで長々とノーガキこいちまったため、今回は
モーターウィーク・前編という事で、一旦ここで締めましょう。


えっ?「最後の意味深な一行はナンなのよ?」・・・って?

まあまあ、これも話せば長い展開になるので少々お時間を
下さいな。

テーマ : イベント
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い スポーツスター IWATEモーターサイクルフェスタ

~Intrude~ ・・・FLOW ニセアカシアの香る朝に・・・






それは土曜の休日、いつもより少しノンビリと目覚めた朝。

淀んだ部屋の空気を追い出すつもりで窓を開け、傍らにある
ラジオのスイッチを入れた瞬間、ある感覚のドアがスッと開く。

イントロから最初に浮かんで来たイメージは、幌を降ろした
ロードスターだったのだけれど。


XA_2018060420143126a.jpg


ゆるゆると伸びやかにうねるFLOWがやがて高みに至る頃
流れ込む甘やかな風の中、相棒はそのシルエットを変えた。

ニセアカシアの花開く季節は短いぞ、という囁きが耳に届く。
「ならば、ガレージから引き出すべきはスポーツスターだ」と。


XB_20180604201432dbb.jpg


流れるようにたゆたうようにビッグボアのロングストロークが
ハミングする領域へ・・・きっと誰かが導いている声だろう。

初夏の日差しに照らされたアスファルトは、まるでギブスを
嵌められたかのように動きの渋いサスを通し、応えて来る。


XC_20180604201434e0e.jpg


今はもっと寝かせて良い、もっとスロットルを開けても良い。
キミのまだ新鮮なミシュランを、裏切らせたりはしないよ。

時に腱鞘炎を誘発するほど重く遊びの多いクラッチを握って
大外から振るアプローチでつま先に力を込め、シフトダウン。


XD_201806042014357ab.jpg


瞬時にカムの山が長いプッシュロッドを介して前時代的に
大柄なロッカーアームを蹴り、タコメーターを跳ね上げた。

躍動の向こう、ステップの先がチチッと路面にキスする感触。
ミラーが夏草を叩くアペックスで、出口を睨み右手をひねる。


XF_20180604201438663.jpg


2000・・・3000・・・3500・・・シフトアップ・・・2000・・・2500・・・
機関車の動輪の如きクランクは弾みを増して高らかに歌う。

デュラララ・・・デュロロロ・・・デュララララララ・・・!
5速3600rpm、全てのビートとノイズが調和するハミング。


XE_20180604201437a53.jpg


ハーレーには歴代、グライドというモデルが継続されている。
グライド、グライディング、グライダー。それは、風に舞う心。

マシンが鳴らす喉の音、ジャスト・ミキシング・チューニング。

それは例えビッグシングルでもクォータークラスの4気筒でも
ある瞬間に得る福音、最も機嫌の良い機械が奏でるサウンド。


XH_20180604201441844.jpg


ニセアカシアの花開く瞬間は短いぞ」・・・ってかい。

その甘やかな匂いと白樺の並木が奏でる二重奏に導かれて
ダートトラック・バーに添えた腕は、まるでトンビの翼だった。


XI_20180604201443720.jpg


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


きつねが「あいつとララバイ」を自身の聖書と称する理由は
この至福の感覚を見事に捉えている故のこと。


ある者は、究極の勝利を求めたあまりの闘争の果てに。
またある者は、不幸と絶望の淵へ晒された挙句に対峙する。


XK_201806042015024af.jpg


しかし、どれだけの狂気と切れ味を宿した乗り手であっても
「楽しく乗れたらそれがサイコー!」と叫ぶ能天気な研二を
凌駕することは叶わなかった・・・これはひとつの「悟り」だ。

彼は常にハッピーとラッキーとエキサイティングを感性で追い
結果的に「誰よりも自在にZⅡを駆る男」になったのだから。


XJ_201806042015014d1.jpg


バイクという道具で勝ち負けの白黒をつけたいだけの奴は、
サーキットへ行けばいい。

ナンバープレートを下げた愛車と公道でのライディングに
求めるべきは結局「その時その場で得る悦楽だけ」なのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


XN_201806042015074a3.jpg


※すみません、連載中の「北海道レンタカー旅日記」は余韻が
  強過ぎたため、掲載画像の選択と編集に悩んでいる次第。

  どうまとめたら良いのか思い描く日々でも時間は勝手に
  流れて行ってしまうので、「間奏」として今編を挟みました。


XL_2018060420150488b.jpg


ここでコッソリお伝えすると・・・「下閉伊グリーンロード」、
おそらく現在盛岡と久慈を結ぶルートでは最速のコース。

レコード盤的な溝を刻まれたコーナーも幾つかあるものの
特段に奥で巻いたり複合になったり・・・というトリッキーな
クセが無い、信号皆無で舗装良好な快速ルートですよ。


XM_201806042015059ea.jpg


もうひとつ、沿岸の「やませ」に襲われ冷え切った身体には
レストハウスうしおの磯ラーメンもオススメしておきます。

「海辺の食堂で900円支払うラーメン」としては損も得もしない
ジャストな量だけれど、「素朴な磯の味」を宿していました。

「暖簾をくぐった客の期待を裏切らない姿勢」は、きっとこれから
正当に評価されるべき日本のスタンダードになると思うのです。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

tag : スポーツスター もの思い 岩手 盛岡 ツーリング 初夏 ニセアカシア

春を迎えに、南行き。 ~「ハズした今期初ツーリング」顛末記~







今回は、の嵐に遭うと無性に聴きたくなるナンバーを。

当時から「女子ウケのアニソンバンド」と勘違いした世評の裏で
多くのギター小僧から熱い支持を受けていた実力派。

未だ表立って取り上げられる事のない彼らを正当にリスペクトして
くれる腕利きの外人さんがいる。嬉しい、とても。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


OA_2018041509494999e.jpg


麗らか暖か日々ホクホクだった3月後半、浮足立って例年より
早く起こした「きつねンちの居候たち」なんだけれども。

いやどうしたモンだか、月が変わるなり季節も反転したようで。
最高気温も10℃を挟んで行ったり来たり、寒が戻りっ放し。


OC_201804150949521aa.jpg


「どこかで日和と休日のマッチがキマる日に合わないかな」
と、延々週間予報とのニラメッコが続いた次第でありますが。

4/12、晴れ。気温MAXで18℃・・・待望のタイミングが来た!

かくして革ジャン羽織るのももどかしく、バッテリー積んで以降
出撃の機会を先送りにしていたスポーツスターを引き出します。


OE_201804150949554e1.jpg


南行き最高の定番ルート、県37号をチョイスして向かうは一関。

県南で長く足止めを食らっている前線を、自ら出迎えに行く
年中行事の「一番ツーリング」をここで決行。

往復200Kmを越えれば都合6ヶ月前の炭酸が抜けたガソリンも
あらかた入れ替えられるだろう、という目論見でもあります。


OB_20180415094951287.jpg


しかし、盛岡ではその予兆すら感じなかった事態が郊外にて
発覚・・・うかつにも「注意報/警報」欄を見過ごしていました。

実は吹きさらしの里では冷たい西風が猛威を振るい、気温が
どうとか言っていられる条件じゃなかったのです。

止む無く相棒に風除け役をお願いし、コンビニでコーヒータイム。


OD_20180415094954bc4.jpg


北上辺りでお茶を濁してシッポ巻いて戻るか、と思案していると
その目の前を快音響かせケーターハム・スーパーセヴンが。

笑顔で手を振り合い「俺も行こう、いっぺん決めたら不退転だ」
と再び南下の道をたどることに。

なにしろ県37は、走り出したら止められない快走路だものね。


OG_2018041509495819f.jpg


昨秋履き替えたばかりのミシュラン・コマンダーに身を任せ、
信号皆無なルートで半年ぶりに野太いトルクとビートを堪能。

ゆるゆると伸びるワインディングで遊んでいると、時折り風が
途切れてフワリとの陽を受けるポイントがあったりして。

今日の発見は、県37の終わり間際から分岐する広域農道。
これでもう退屈なR4には一切乗らず、県境まで走れることに。


OH_2018041509500067d.jpg


「もしかしたらコレ、昔走ったことがあるコースかな?」とも
思ったものの、こんな道標があれば記憶に残っているハズ。

なにしろ周囲の景色がどの道でもよく似通っているもので、
コイツに会うまで確信が持てなかったけれど。

眠れる水冷Zのおかげで「お初の開拓」が実証されました。


OI_20180415095001d60.jpg


初通行の南行き農道もまた、シグナルレスの丘が連なって
「なんちゃって北海道ビュー」が満喫出来る好ルート。

こりゃあ見晴らし良いところで一枚・・・と小高い場所から
エダへ入ったら、なんとも無粋なテッパン敷き。

ここにも殺風景極まりないソーラー畑をこさえるつもりか、
ヤツらは。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


OK_20180415095004b27.jpg


西風の強い日は雲の流れも当然早く、事前予報がアテに
ならないってことを忘れておりました。

陰りの中で枝を揺らす淋し気なを見上げ、「やっぱり
バイク乗りの勘が戻っていないなぁ」とボヤくきつねメ。


OL_20180415095026f25.jpg


ベストな頃合いはあと数日後か、と堤防へ上がって振り返り、
しかし愕然とする光景に「やはりそうか」とショックを受けました。

本当は分かっていました。県内では2年前に報道されていたから。
でも、いくらなんでも根こそぎバッサリ行かないだろ、とも。

いや甘かった。まさか本気で「全部」やっつけちまうとは・・・。


OM_20180415095027424.jpg


そこにはもう過去の幻を重ねて眺めることも出来ない程、
変わり果てた川縁の姿しか残っていなかった。

誰が一昨年までの、あの一面淡い桃色に包まれた景色を
この画像に対して思い描けるだろう。

実際に目の当たりにしてもなお信じられない衝撃だった。


ON_20180415095028b34.jpg


道行く誰に訪ねても「残念としか言いようがない」と肩を落とす
護岸工事のための並木の撤去。

大震災がソーテーガイのキョーフという後押しの武器になった
ことは疑いの余地が無い訳だけれども。

しかし「そうまでして」「何が何でも」必要な工事だったのか?
市民の宝物だったたちを断たずに施す余地は無かったのか?


OP_2018041509503001a.jpg


あの甘やかな香りに満たされ昼酒を酌み交わすオジサンたちも
のびのびバレーボールやサッカーに興じる子供たちも、或いは
堤に座ってお菓子を片手におしゃべりする学生たちの姿も。

多分きつねメが生きている間、もうここに見ることは叶わない。

せめてもの抵抗、露店で買うつもりだった焼きそばをコンビニに
求め、オニギリを乗せようとしたら・・・巻くつもりの海苔は
秒速20mで護岸の彼方へ去って行ってしまいました・・・嗚呼。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


OS_201804150950342dc.jpg


瞬く間に冷たくなってしまった焼きそばを無理やり平らげ、
ダダ下がりなテンションで「長居無用」と背を向けるきつねメ。

胆沢ダムは昨夏訪ねているし、県13を帰るのもありきたりだし。
ここは久々にR4を向こうへ渡り、北上川沿いに北上しようか。

確か県14が東の川縁に沿って延びていたはず、と。


OQ_2018041509503104d.jpg


往路で使った県37~広域農道に比べるとダイナミックさに
欠ける、集落を繋いだ割とちまちました印象の強いルート。

それでもR4よかマシかな・・・と走り出してみたら意外な程
更新されており、存外快適に流せるようになっておりました。


OT_20180415095036bf1.jpg


コーナーリング自体は好きだけれど、スポーツスターはやはり
ドーン!と豪快に突き進む走らせ方の方が向いているからね。

なかなか止まぬ頬を冷やす強風から早々に逃れるためにも、
江刺界隈以外ゴチャゴチャの無いレイアウトはありがたかった。


OV_201804150950394e9.jpg


あまりの寒さに身体がこわばり「40~50km置きの休憩」という
マイ・ルールをも自ら破って、ほぼ一関から花巻までイッキ走り。

いつもの「滑走路の丘」へたどり着いても安堵感は皆無のまま、
逆にむしろアジトへ着くまで気が抜けないようなマインド。

缶コーヒーの味を感じる余裕もないなんて、余程のケースです。


OW_20180415095040bcd.jpg


北西からはヒタヒタと不気味に迫る、不吉に低い雲の絨毯。
今朝何度も確かめたはずの降水確率すら、ハズレかよ・・・。

この直後にシールドをパタパタと雨の滴が叩き始め、いよいよ
腹を据えて帰路へのクラッチを繋ぎました。


OY_20180415095101b85.jpg


「来るなら来い、残り40km突っ切り通してやる」という覚悟と
「ここで気を抜けば確実に風邪を連れて帰る」という不安と。

それでもどこか心の隅で「バイクってそういう乗り物だったね」
と奇妙な懐かしさを感じながら、スロットルを開け続けます。

幸いにも結果オーライ、小雨に祟られた区間は僅か数キロ。


OZ_20180415095103829.jpg


夕暮れ前に10リッター強の新鮮なハイオクをタンクへ注いで
アジトに無事たどり着き、まずはヒーターとお風呂を焚いて。

くたびれた身体に鞭打って、愛馬の汚れを落としてやります。
しかしこの後、今まで経験したことのない症状が・・・。


OZ2.jpg


なんぼ長風呂に浸かろうがヒーターに当たろうが全く身体が
暖まらず、たまらずベッドに飛び込んでしばらくダウン。
小一時間ほどウトウトして、ようやく気力が戻って来ました。

アレもある種の低体温症だったのかな・・・自分でもビックリ。

いずれにせよ今年の当地、「本番」はもう少し先の様子です。

テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い スポーツスター 冬眠明け ツーリング

春彼岸の頃 ① ・・・仔馬、オン・シーズンへのスタンバイ。







季節の移り変わりは誰にとっても心動くもの。

冬から春へのそれは殊にドラマティックでお題に据えやすいのか、
印象に残る曲が特に多いような。

3月に入って思い浮かんだナンバーを数曲聞き比べ、今日は
コレをTOPに。

「J-POP一発屋ベストテン」にしばしば名の挙がる彼女だけど
「永遠の朝」や「クリスタル・ハネムーン」等、名曲も多いよ。

次の給料が出るのを待って、ベスト盤を発注しようっと。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


SA_20180319182251dfe.jpg


さて「乗るにはまだ寒いものの、何かムズムズ動きたくなる」
ビミョーな心情の今日この頃。

昨秋の点検で確か燃料ホース関連の劣化を指摘されたなぁ、と
仔馬の主治医・モンタナMCのマスター・I間さんの許を訪ね、
フューエルホースを仕入れて来たんですが。

SC_201803191822531b3.jpg


いや、いざそのホースを外してみてハッとしました。

アホやな、きつねメ。要注意だったのはメインホースじゃなく
その裏の「負圧を取るライン」の方だったのよ。


SE_201803191822568ab.jpg


そうそう、「ソレがヒビ割れて外気吸っちゃうと出先で突然
エンジン掛からなくなるよ?」って脅されたんだった(笑)。

で、引っこ抜いてみると見ての通り「貴様のカルマは何色だ?」
「コイツの材質はスポンジか?」ってぐらいボーロボロ。


SG_20180319182259b57.jpg


ちなみにI間さん曰く、仮にASSYとして純正部品を発注しても
何故か「XL1200S用だけ廃番」になっているそうな。

こんなン1200Cや883と共用でも良さそうなのに。無駄に謎いよ。


SH_20180319182301c07.jpg


「昔ながらのピンクホースは流石に勧められませんけど、
乗り物汎用の耐油性二重ホースでオッケーじゃないスか?」

内径4m/mって事で、ゴリラとZOOKを直していた頃にアストロや
ストレートで仕入れてあったストックがココで活きましたよ。


SI_20180319182334ca1.jpg


T字ジョイントはそのまま再使用してサクサクと出来上がり。

いやあ、ツーリングに出た後で冷や汗かく前に取り替えといて
良かった良かった・・・15年前のホースはもう信用ならんね。


SJ_20180319182336970.jpg


とかなんとか言いつつ、タンクを外す工程を横着したために
配管繋げる際、指が攣りそうなほど四苦八苦するんですが。

フューエル・コック背面のダイアフラムとキャブを繋ぐ理由は
分かるけれど、このタンク下の謎部品の役割は・・・ナニ?


SK_2018031918233744e.jpg


もちろん燃料ホースも、元のモノに準じてコルゲートを巻いて
ついでにホース・バンドまで再使用OKなヤツに交換です。

何でもかんでも「フレームとヘッドのスキマ」に纏められた結果
佛恥斬烈寸前に陥った負圧配管の劣化っぷりを見ると、怖い。

なんせコイツの心臓は驚愕のハイパー・カロリーバーナー。
各配線類の被膜の状態まで心配になって来ます。


SL_2018031918233964e.jpg


にしても、左サイドの飾り気無さが淋しくて組んだカウベルホーン。

その間延びした優しく丸い音質共々気に入っているんだけれど。
コック下がキレイに連なるレイアウト、あまり良くないんだろうなぁ。


SM_20180319182340fa5.jpg


そう、裏面のナットがほぼマトモに燃料ホースと干渉するんだよ。

ホーン~取付ステー~車体側ステーと貫通するマウントゴムの
植込ボルトが長いので、短いナットに代えられないんだわ。

そのうちココは機会を見て、ちょっと何か細工しとくかなー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


SN_20180319182342fa8.jpg


「キレイに乗ってるね」 「程度いいなぁ」 「大切にしているね」

同好の士の皆様、暖かなお声掛けをありがとうございます。

そうなんです。大好きなお気に入りです。タカラモノなんです。

でも、ナンボ洗って磨いて小まめなオイル交換を心掛けても
それだけじゃ健康を保てないんだ・・・相手は機械だから。

「ちょっと前に購入した21世紀のスポーツスター」な筈なのに。

早朝出発で宮城の旧車ミーティングへ寄り道しながら山道を
越え、落札前に秋田まで下見へと出向いたあの秋の日。

ソレは気付けば既に13年も前の出来事だったんであります
(新車購入した先代オーナーもまさか「過去の愛車が未だに
きつねメの許にある」とは、考えてもいないでしょう。笑)。


NQ.jpg


ブレーキ・ホースもディスク・プレートも前後ハブのベアリングも、
遥かカンサス・シティの工場からライン・オフした時のまんま。

HDでは採用例が極少ない豪華なフル・アジャスタブルのサスも
オーバーホールの工賃がよけいに高く付くシロモノですから。

これまたXL-Sにのみ僅か数年しか採用されなかった点火コイル
入手共々視野に、次のドック入りに向けた貯金をもういい加減
始めた方が良さそうです・・・(涙目)。


SO_20180319182343aa7.jpg


※ 気温が上がるのを待って午前遅くに作業し始めたこの日は
バッテリーを繋がぬままに黄昏の冷え込みへ至ってしまいました。

なにしろご覧の通り、2年前に自作したチャージ・ハーネスの被膜も
ミッションの熱にヤラれて既にズッタボロな状況なので。

ココをついでに「ヒューズ入り」へ作り直してから搭載しようか、と
考えている次第でありますよ。

テーマ : バイクのある生活
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い スポーツスター メンテナンス 修理 オイル漏れ 旧車 岩手

プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR