憩い的な森の日々。 ~セロー、その後~









今日のTOPは、「After The Good-Bye」的なナンバーから・・・。


突然とらみさんが姿を消した夜からちょうど2ヶ月。前ブログの最後に
上げた鮮やかな虹と昨晩の三日月に、少し思うところあっての選曲。

あの七色の橋を渡った彼女、今は三日月に抱かれ眠っているのかな。

とらみさんが住んでいた頃は決して近づいて来なかったスズメたちが
玄関先で賑やかに遊んでいるのを眺めつつ、ブログ打つ休日の朝です。


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さて前回の報告通り「山落し事件」の後、早々に小修理を終えたセロー。

ラジオから流れる梅雨入り宣言を嘲笑うかのように好天続きの休日は、
もちろんぶらぶらヒョイヒョイと山道へ連れ出し、仲良く道草食っています。


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現在は目下、昨秋の台風の影響が少ないR106より南寄りのコースを
探索していますが、それでも予期せぬ通行止めは多々あるもの。

根田茂~砂子沢~早池峰と繋ぐ県43号は知る人ぞ知るエダ林道の
宝庫だけれど、沢に土管を通すためカットアウトしている道も。

でも、ムリはしないと決めました。「行けないものは、行けない」んだと。


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ガラスのように澄み、水底の石を数えられる淵に魅かれ一服していると
スルスル泳ぎ回る少し大きなシルエット・・・あっ、イワナだ・・・。


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この県道、きつねが把握しているだけで「至・大ケ生林道」「至・紫波」
「至・早池峰ダム」と大きく三通りの分岐があったのだけれど。

距離を稼がず観察するスタンスに徹すれば又、見えて来るものがあり。


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あれ・・・砂子沢の分岐にループ出来る林道があるじゃんか。

山越えの八木巻を降りたら、沢伝いの毛無森を戻って来ればいい。
なんとなーくなんとなく、「全線ダート」の匂いがプンプンするぞ?


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結果から報告するとコレ、八木巻は「大当たり」! 最後こそ完全な
登山道の入り口に当たり川に遮られるものの、10km越えの未舗装路。

あまり高くない山なので眺望は望めない代わり、管理が良く低リスク。
とても気持ちよく散歩出来ます。


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しかーし・・・せっかく褒めたのに、毛無森林道は完全にOUT(悲)。
なんと上から下まで法面全て崩れ、大木に道を塞がれておりました。

こーいうところこそ入り口に「路面崩壊のため通行止め」って看板
建てとかなきゃダメぢゃん・・・これじゃ徒歩でも通過出来ないって。


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サイドバッグに詰めて来た缶コーヒーは、再びの八木巻越えを終え
管理人さんが居る鮭の養殖場まで降りてから味わうことに。

「あの界隈はここ二ヶ月、熊の目撃情報が絶えない」とのponさん
情報を活かすことにしたワケです。


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次の休みは月末に当たったため、各種お支払いや確認手続きだのの
所用を早々に終えてから、隣り町のお馴染み林道へブラリ。

いやもうホント梅雨に入ったの?月初めの頃の方が肌寒く雨続きで、
よほど入梅っぽかった気がするんだけど?


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日向ではカンカンと夏至過ぎらしい強力な陽射しに照らされるけれど、
森の中へ入ってしまえば乾いた空気と相まって、爽やかそのもの。

紫波古稲荷の脇から入る山王海~葛丸ラインは走り慣れたコースで
新鮮味を期待せず・・・ただ、山の空気に触れたかっただけ。


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あと一つ目的があるとしたら、一度だけ訪ねられた「奥羽山系を見渡す
幻の牧野」の入り口を確かめること、かな。

「アレは確か、新山のゴルフ場へ至る道の途中に隠れていたはず」
とキョロキョロ周りを見渡しながら進むも、結局再発見には至らず。


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ここは一方通行指定だから、逆ルートの方にあったのかもしれない。
もう日も傾いているし、「捜索は後日改めて」・・・ですね。


10%以上の急勾配が続く、アスファルトに苔が生えたつづら折れを
ゆっくりと降りて・・・最後の一服は石鳥谷の田園を眺めながら。


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今日の散歩でちょっとだけ驚かされたのは、山王海ダムの傍らで
大規模な山林伐採が進んでいたこと。

ただでさえ「一帯がツキノワグマの巣」と評されているエリアなのに
(実際、年に2~3回走れば一度という確率で遭遇します)。

管理や手入れの一環でもあることは理解出来るけれど、これだけ
どこの山でも一気に進めてしまうのって、どうなんだろうね・・・。


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少々もの思いしながら缶コーヒーを飲み干す頃、視界の左隅から
銀色の小さなものが、ゆっくりゆっくり進んで来ました。

あれはボンバルディアかな・・・スマホを取り出して確かめてみると
札幌から来たJAL機の様子。花巻までたった55分で着くとは、凄い。

きつねメが鉄路で札幌へ行った時は、13時37分にこっちを発って。
向こうに着く頃には、くたびれ果てた21時少し前だったのに。

※ 現在は新幹線新函館開通のお陰で約2時間短縮されています。


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「よくよく考えると、目と同じ高さで飛ぶ飛行機の姿を真横から見たの
初めてかもしれないな。」

チャレンジングな賭けという蛮行に至らなくても、セローは楽しい。
共に走る、ただそれだけで童心に帰してくれるキーを持っているから。

大切なことは視野を広げること、いろんなことを面白がれるマインド。
そして、バイクが怖がることや嫌がることを、無理強いしない遊び方。

それで十分。だって岩手のフィールドは、こんなにも広いんだもの。
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セローへ。お詫びの修理と化粧直し。







今日のTOPには、梅雨に入ると思い出してしまうナンバーを。


テレビ出演した際の破壊力凄まじいぶっちゃけキャラが災いしたか
なかなか再評価も成されないシンガーだけれど。

これ、和製ディスコ・ソウルとして素晴らしい出来だと思ってるの、
俺だけかな・・・?


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さて前回、きつねメのミスコースから「苦渋の崖下落し」を味あわせて
しまったセロー。

滑落距離こそ長かったものの、良くも悪くも雨で湿った土のお陰で
救出に難儀しつつもマシンのダメージは最小で済みました。

先の記事ではココに触れなかったけれど、乗り手の方もほぼ無傷。
筋肉痛と打撲痛以外の被害はありません。

まあ走りながらコケた訳じゃないので、当然と言えば当然だけれど。
これを機会に紹介すると、きつねメの林道向け装備はこんな感じ。


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オフ用の派手でゴツいモトパンやジャケットは好みじゃないので、
普段着のデニムやスウェット等の下に膝やひじ用のプロテクターを
仕込んで、トライアル・ブーツを履いています。

実はセローを引きずり下ろす際に一度、バイクと倒木の間に足を
挟まれてしまったのですが・・・このブーツのお陰で踝とか脹脛への
ダメージを避けることが出来ました。

ただでさえフロントタイヤが跳ね上げる小石や踏んで起こした枝で
脛をカンカンとヒットされることが多い未舗装路、ブーツは履いた方が
良いものと思います。


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人車とも(極度の疲労と脱水症状以外)ムリ無く自走で戻って来た
とは言え、やはり割れたり欠損したりしたものも少々ありまして。

この際なのでムチャさせてしまったセローへの詫びの意味も込めて
劣化が気になっていたスモールパーツも、ついでに交換することに。

馴染みの親父さんの店へオーダーした純正品よりもWebikeへ発注した
社外パーツの方が、ひと足早く到着。


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今回「最も痛恨の破損部品」となったのは、実は左右のミラー・・・。
タカツのオフロードⅡ、左右揃えると3500円もするんです
(ヤマハの右側は逆ネジ仕様のため、余計に高いのよ。涙目)。

「だったら突き落とす前に外すか、せめて内側に畳めよ!」と思うよね。

うん、俺もそう思う・・・でも憔悴している時は、そういう冷静な判断が
出来ないんだよなあ・・・これも経験のうち、か。


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エンドが裂けたグリップは純正だと左右で2500円を超える値段なので、
安価で雰囲気を壊さないキジマMX(型番201-481、セット定価900円)
へ交換します。

ただ、内外ともツバが薄い分だけ純正よりも短いんですよね。


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グリップを外したら割れていたスロットル・ホルダーに軽くショックを
受けつつ見なかったことにして(←おい)厚いエンド部をサンダーで
3ミリばかりカット。

あとはコニシのGPゴムボンドを塗りたくって装着します。


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うん、収まりも佇まいも純正風。イイ塩梅でキマったんでないかい?
ちなみにグリップの着脱は、コンプレッサーを使うと格段にラク。

逆側の穴を塞いでエンドからエアを吹いてやれば自ら膨らみながら
抜けてくれるので、接着剤が乾く前ならやり直しも楽勝なのです。

・・・ってコレ、自転車屋さん直伝のテクニックなんですけどね。


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追って翌日、バイク屋のオヤジさんから「届いたよー!」と連絡を頂き
引き取って来たのが、これらのコマゴマしたパーツです。

今となっては純正部品も個人でネット発注出来る時代ではあるけれど
「だからウチみたいな小さい店はツラいのさ」と微笑まれると・・・ね。

消え行く街角の二輪店を惜しむ気持ちがあるのなら、少々の価格差や
ポイントは置いといて、御近所の贔屓のお店にオーダーしましょうよ。


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「きつねさん、発注リストからウインカーのゴムプラグが漏れているけど
コレは要らないの?」

パーツナンバー 1KH-83345-00 プラグ・ブラインド。

上下左右反転して使えるウインカーレンズ故に必要となる防水のメクラ。
転倒でレンズを落としてくれば、確実に一緒に失くしているモノです。

「・・・ね?ウチの店で頼んで良かったでしょ?ネットで買うと、こんな事は
パソコンも指摘してくれないもの。」


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そして痛恨の発注パーツ・その2、「少し曲がったのかな?」と試しに
レンチ掛けて直そうとしたらパクン!と折っちゃったクラッチ・レバー。

昨年、岩の上でゴトンとオネンネされて交換したばかりなのに(泣)。
レンチを掛けた場所をミスしたがために、1300円の余計な出費です。

これも「ついで」、当の昔に破れ提灯となっていたワイヤー・ブーツも
一緒に取り換えました。


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それから・・・衝撃で取付ステーから内側に曲がったため、帰宅時に
リアタイヤと擦れて裂けてしまったツールボックスも交換。

3RW系用の四角くスリムな工具箱は使い勝手が悪い上、古くなると
フタがどこかへ飛んで行ってしまう「困ったちゃん部品」(笑)。

きつねメのカモシカさんはブロンコや中期以降のモデルに採用された
ふた回り大きいものへ取り換えてあります(部品番号4JG-21107-00、
無加工のボルトオンで取り付け可能)。

ステーに入った小さなクラックが悲しいけれど、機能に問題ないなら
「良し」としなければ。



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これまた直接、機能に差し障りのある部分ではないのだけれど。

30年近い月日を経て劣化していたテールランプの台座のゴムとか
着脱の度にめくれていたサイドカバー差し込み部のゴムブッシュも。

こーいうところが気になっている自分は、セローを道具として割り切り
ボコボコのコテンパンには使えないんでしょうね・・・やっぱり。


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これも今回の事件以前から既にボトムケースの裏側で割れていた
ブレーキディスクのガード。

本当はもちろんフォレスト・グリーンのものが欲しかったのだけれど
「色付き」は製廃になって久しく、ホワイトしか手に入らないようです。

せめて部分的に同色のカッティング・シートでアレンジしようか?
とも考えたけれど、このままでも違和感無さそうなのでOKに。


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それから、時折りお漏らしの症状を見せることがあったキャブの
ドレン・スクリューも交換しておきます。

先端をよく見比べると、古い方には変な凹み癖が付いていますね。
長さも若干詰まっているような・・・減っちゃったのかな?


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リア・ウインカーのステーも左右揃えて内側に寄せ、曲げ直しました。


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最後に残った大物(?)が、滑落時に枝で片側を裂いてしまったフロント
フォークのブーツ。

当初は「純正価格6500円かぁ、けっこう高いよなぁ。」と頬杖ついて
ぼんやりモニターを眺めていた訳ですが。

否ちょっと待てコレ左右Set価格じゃない!左右揃えると1万3千円!?


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あまりの値段に腰を抜かして「何か代用の利く社外品は無いか?」と
慌てて検索したところ、真逆の意味で驚きの先達のアイデアを発見。

いやあホント、目の付けどころが冴えたヒトもいるものです。

クロカン4WD定番の強化ショック・ランチョの補修用ブーツが、なんと
寸法から蛇腹の数までほぼセロー純正まんま!だとか。


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ペラペラなビニール素材の純正に対し、シリコンゴムと思しき肉厚の
マテリアル・・・これで2本買って送料/税込み2500円ですよ奥さん。
(ヤマハさん、コレ読んでます?是非取り寄せ比較して下さい。笑)。

そのまま無加工でも付いてしまうのですが、ちょっと見た目的に裾の
長さがカッコ悪かったので、きつねメは少しだけカットしてみました。


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それにしても不思議・・・何故こんなにジャストフィットしちゃうのかな。

もしやランチョさん、昔、ヤマハのフォークブーツを流用したことでも
あったんじゃなかろうか。

さておきこの画期的な流用手法を最初に思いついたセロー乗りさん、
きっとジムニーとかランクルも所有される方に違いありません(笑)。


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かくして、真新しいフォークブーツとディスクガードが「卸したての靴」
みたいに少し気恥しい佇まいだけれど、セローの復旧作業はこれにて
完了であります。


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全ての工程が完了した黄昏、しばし屋根を叩いていた雨音も止んで
ガレージのシャッターを上げれば・・・

去り行く雨雲の群れをバックに、みごと鮮やかな虹。それもかすかに、
ダブル・レインボー!

きつねメが二重に掛かる虹を見たのは、実に二十数年ぶりのことです。

煙草に火を灯し、ゆっくりと端から霞んで行く七色のアーチを眺めつつ
「この夏は何か良いことあるのかな」と微笑むアラフィフでありました。

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きつねとセロー、危機一髪! ~君子、送電鉄塔に近寄るべからず~






嗚呼カッコいいなぁ、ヒムロック。やっぱ`90年代の音もイイわ。


なんというか、声とヴィジュアルとアレンジの一体感が凄い。
完結してるパッケージングっていうか、完成度が高いんよね。

この頃の彼を手掛けていたアレンジャーは誰だろう?

理屈はともあれ、聴いているだけでジッとしていられなくなる。
「よし、行こっ!」ってバイクに乗りたくなる、テンション上がるもの。


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イカした曲をTOPに置いた割に、その理由が実は非常に情けなくて。

「調子こいて冒険気分を味わっていると、かなりちょうどイイ目に遭う」
と〆た前回の予告通り、判断ミスからキッツい体験をして来た・・・と。


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いや、北東方面の林道探索で台風に荒らされたままの現状を知り
「北西方向で楽しむべか?」というチョイスをしたところまではOK。

割と早い時間に出たので、まず肩慣らしに馴染みのコースを選んだ
・・・つもりだったんだけど。


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アプローチ直後から「あれ?こんなところに公園なんかあったっけ?」
「こんなところに東屋なんか建ってなかったハズなんだけど?」という
違和感があったのに。

馬鹿だよね、「では新たなるコースを開拓すっか!」とか思っちゃった。
ここでちょっとは疑えよ、俺。


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きつねの林道経験則発動、「高圧鉄塔の先に道を望むべからず」。

四輪の轍が消えたところで、はい、早くもフラグ立っちゃいました。


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でもねー・・・今シーズンの冒険気分に背を押され、魔が差した。
例え行き止まりのコースでも、進めなかったら折り返せば良し、と。

鉄塔の下に広場的なスペースが広がっていたことも、今思えば
ある種の「トラップ」だったんだよなぁ。


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ハハハ・・・ノーサスなヤン車のタイヤとタメ張れる鬼キャンバーで、
更にニンゲンひとり歩ける分の巾しかねーよ・・・。

しかもスイッチバックする他に下りる術の無い、鋭角つづら折れ。

もう嫌な汗しか出て来ねーわ。


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絵面のイイ画像でしょ?セローのカタログ写真に使えそうな程。

でもこの時のきつねメは、既に半分死にかけてました。

全力で切り返しまくり180度向きを変え、引き返しを試みたものの
リアタイヤがどんどん地面をほじくり、ただの1cmも前進出来ず。

試しに歩いて目下の様子を探りに行った結果が、↓コレ。


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いやもう笑うしかなかった・・・だって最後、アルミのハシゴが掛けて
あるんだもの・・・そりゃマトモにバイク降ろせるハズ無ェって・・・。


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「ここから上がれない以上、もう下へオトすしか生還の道は無い」。

さすがにきつねメ、最後は腹を括って燃料コックをOFFにしました。

「済まねぇ、セロー。お前の生命力の強さに賭けるしかねーんだ。」

サン、ニー、イチ・・・ドーン・・・!


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滑落標高差、30m以上・・・想定したラインに沿って落とすために
身の危険を感じたほど、もう思い出したくもない長き地獄の苦闘。

前日まで雨が続き地面が湿気っていたお陰で、ハンドルバーが
法面に突き刺さるんだよね。



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なにしろ自分自身も立っていられない斜面なので、寝転がったまま
腕~背中の力のみで切り株に刺さったセローを引き出す、という。

そしてリカバリー可能な場所へ降ろすため、木々の密集した場所を
避けて向きを変え、再び自ら愛車を突き落とす・・・その繰り返し。

根性決めてセローを横倒しにしてから、トータル2時間ぶっ通し。
身体を守るため、どんなに暑くてもスウェットを脱ぐことが出来ず。


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自分の荒い息遣いと沢の音しか聞こえない森の中、クマの襲撃の
恐怖も心身の焦りと消耗を一層加速させました。

これほどおっかねェ思いをしたのは、黄昏迫る雪の沢内の山中で
クルマのキーを落とした時以来です。

※ 帰宅後試しに体重を測ったら、前夜より3kg痩せておりました。


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それにしてもセローの秘めた生命力、掛け値ナシでマヂすげぇ・・・。
フロントフォークの建て付けが少しズレただけで、普通に走るんだよ。

「とにかく、水!なにより今はまず、水!」と木陰の自販機を探して
コルセットの露出も構わず汗だくの上着を全て脱ぎ、安堵の一服。


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上から下まで泥だらけだけれど、ひと目なんか気にしていられない。
何も考えず・考えられず、しばらく魂と腰の抜けた身体を休めました。


あ、キャブからオーバーフローしてら・・・直してやらないと・・・。


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何とか自走でアジトへ帰りつき、フローリングにぶっ倒れ込んで2時間。

打撲痛なんだか筋肉痛なんだかワケ分からない重い身体を起こして
まず最初に始めた行動は、パーツの在庫確認。


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嗚呼ネット社会のありがたみ、ヤマハの場合は自宅に居ながらにして
部品在庫の状況や個々の価格を調べられるんですな・・・。

走るための機能は何ひとつイカれなかったものの、壊れてしまったり
失くしてしまったりしたパーツをひとつひとつ、拾い出します。


ぼんやり検索しつつ湧いて来た感情は、大切な長年の愛車を自らの
判断ミスで傷めつけてしまった、心の痛みと辛さや悲しさでした。


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発注した部品の到着を待ちつつ、勤務から戻った夕暮れ時には
セローをジャッキに掛けて、ダメージの再見分を・・・。

滑落しつつ木の幹にヒットしバウンドしていたリアのホイールや足回り、
スイングアームの付け根のフレームも、異常ナシ。

前後共リムに酷い振れは無く、スポークにも緩みは見られません。


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「コンセプトが決まってから発売までの間、開発スタッフは試作車両を
作る都度に交代で山へ持ち込み、とっかえひっかえ転ばして壊した。」

「転ばせばどこが壊れるのか徹底的に試しに試して、帰って来ては
ダメージ対策を施して、再び山へ持って行っては走らせて転ばした。」

求めたものは転びにくい扱いやすさと、転んだ後のリカバリー性能。
あの開発ストーリーは本当だったのか、とつくづく実感させられました。


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なにもかも 悲しく 見えるけど  何もかも 壊れた リアルでも

思い出まで 捨てたら 許せない  いま二人 ひとつに なれるから


・・・「手許にあること」「いつでも乗り出せること」が、いつの間にか
アタリマエになっていたけれど。

「山を降ろすことは諦め、ナンバープレートと書類だけ外して捨てる」
選択が憔悴の中でも浮かばず、なんとしても連れて帰るつもりだった。

無意識に生まれ育っていたセローとの絆、今回の一件で思いがけず
身を以って確かめることになりました。


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既にあっちこっちコマゴマとしたパーツの交換を終えた愛車は、今も
元気に林道を駆け回っておりますが・・・。

小ネタいろいろな小修理の過程は改めて、記してみたいと思います。

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初夏の林道探索、行ったり来たり。 ~R455、今度は南へ~







「タイトルがノーテンキだから中身までオメデタイ」とは、限らない。

ちょっといろいろ思うところあり、今回はそんなナンバーをTOPへ。


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普段乗りのKeiと散歩用自転車の異色コンビによるイレギュラーな
「隣県一泊ちっぽけ旅シリーズ」を連載しちゃったきつねメですが。


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もちろんその後の休日は天候に恵まれる都度バイクを連れ出し、
夏至に近い日の長さに甘えてのランブリングを楽しんでおります。

って言っても「近場=ゴリラ」と「ダート狙い=セロー」が主軸になって
ロードスターとスポーツスターはガレージで眠らせてばかりだけれど。


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今月上旬の某日に狙ったのは、旧R455・早坂高原のてっぺんから南。

前回の「岩泉から葛巻へ抜けるつもりが廃道ツアーになっちゃった編」
へのリベンジとして、今度は逆にR106・旧川井村方面を目指します。


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この界隈は10年前の早春、生まれて初めて野生の狐と出会った
思い出のルート・・・。

まだ黄金色も艶やかな冬毛のコートを纏う、大きく美しい狐でした。


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「全国の肉食獣消費者の皆さーん!岩手の食用短角牛は、
こんな大らかな緑の丘でのびのびと育っているんですよー!」

と声高にアピールしたいものの、今年産まれの仔牛の無垢な瞳が
コッチを向くと、なんだか宣伝し辛い気持ちになってしまうきつねメ。


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さて櫃取・釜津田・大川は川内八戸大規模林道線・・・久々とはいえ
概ね風景も出る先も読めてしまっています。

結局は現R455の高原下辺りへ戻ることを理解しつつ、短いながらも
過去の記憶が薄い小川集落行きの左折を選んでみましょうか。


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ケムリとナンチャラの例えじゃないけど、ノンビリ走りつつも周囲を眺め
素敵な見晴らしを求めて「高い方」を望み、解放されたエダへ道草。

イーハトーブ・トライアルを連想させる穏やかな丘陵を越えて行けば、
初夏の空が広がって。ついついエンジンを止め、胸一杯の深呼吸。


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しかし・・・この日の林道探索ツアーも、結論から言ってしまうと実は
ほぼ全滅に近くて前回の「R455からの北行き」と同じ質でした。

盛岡から見て北東の方角は全て昨夏の台風直撃でかき回されており
各集落を繋ぐ主要幹線の復旧だけで、今も手いっぱいなんですね。


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「通行止め」「立ち入り禁止」「この先行き止まり」、いずれの看板も
立っていようがいまいが「行けるモンなら行ってみろ!」的な有り様。

喜んで挑戦するのはトライアルの修験者とゲロ道変態だけでしょう。
梅雨の今時期にソロで入れるコンディションでは、決してありません。


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この状況、画像から読み取ってもらえます?そう、旧川井村エリアも
「被災地」なんです。

全国のニュースで長く取り上げられたのは複数の死者が出てしまった
岩泉の老人介護施設ばかりでしたけれど。

それすら「川の氾濫の大きさを読み切れなかった田舎の老人ホーム」
「その責任の所在」という取り上げ方でしかありませんでしたよね。


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国道を逸れて現地の枝道まで入り込むと痛いほど分かるけれど・・・
あの台風被害の実態は、違う。報道とは全くかけ離れているんです。

岩手県土の八割は「ヒトが住めない山岳地帯」とされているから、ことに
大都市圏の住人には想像が難しいぐらい、極端に人口密度が低い。

でも「数人しか死者が出なかった」=「小さい被害で済んだ」訳じゃない。


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「四方1万k㎡に渡る広い範囲を、グシャグシャに潰された」「でも住人が
あまり多くない地域で、ほとんどの人の避難が間に合った」だけのこと。

「偶然に運良く、台風がギリギリかすめて早い速度で去って行った」。

そのルートからたった50km南西に暮らす自分ですら9か月も経ってから
初めて・改めて、直撃地帯の凄まじい荒れ方と大きさを知った訳です。


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こんな案件を目の当たりにすると、ネットのニュースも個人のツイートも
含めて、口コミとかマスコミが如何に偏った出来事しか流していないのか
身に染みて、よく理解出来ます。

見出しの数に事欠くと、タレント某の発言が炎上しただの不倫だ浮気だ、
てな手軽に耳目を集められる下世話記事でページを埋めたがる姿勢を。

皆の目を向けなければ・報じなければ・注目を集めなければならない
大切なことは、こうして他にいくらでも隠れているのに・・・と。


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集落の人々が命を繋ぐライフ・ラインを切り開いた後は「以前の暮らし」を
取り戻して行かなきゃならない。

先祖代々の山森と暮らし木々で生計を立てて来た住み人たちの活路は
「山オヤジ」こといすゞTW・・・老兵の貴方たちの肩に掛かっていますよ。


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ヘッドライトの保護枠が歪み荷台のアオリも膨らみ切ったテーダブの
傍らには、小道をひとつ足早に横切る小さなシルエット。

六月の陽光を避けて涼む猫たちもまた、心優しき主と共にあの台風を
乗り切った逞しい生存者。言葉が通じるなら、話を聞いてみたいもの。


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アッチの脇を入っては沢掘れと倒木に道を遮られて折り返し、はたまた
ソッチの枝に入っては路面丸々の崩落に止む無くUターンを強いられ。

結局は避けたはずのオヤクソク・川内八戸大規模林道のテッペンへ。

たまたまランチタイムを楽しんでいたワゴンRのオーバー還暦コンビは
それこそ震災被災地・釜石から、フキを採りに遠征して来たそうな。


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「ありゃあ頭が白いからトンビじゃねえな。大きい方は多分ワシだわな。」
「ほれ、空中戦やってる小さいのはタカの夫婦さ。縄張り争いだべよ。」

自身も自宅や会社を津波に流されたという好々爺からオニギリ渡されて
恐縮しつつも思い掛けないお昼ご飯を調達してしまったきつねメ。

「道中お気をつけて」と挨拶を交わし、絶景を満喫しつつ頬張りました。


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道なりにそのまま下れば、勝手知ったるR106・「道の駅かわうち」。


そこへ至る風景も出る場所も分かり切っているルートほど退屈な
ものもないから、あえて来た道を折り返してT字路を逆へと。


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初夏の昼下がり、沢沿いに小さく連なる釜津田のひなびた集落には
昭和由来の建物が、よく似合いました。


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突然現れたきつねのセローで、ちょっと驚かせてしまったのかな。

トコトコ県道を渡って行った、カフェオレ色の毛並み輝くネコさんは
きっと近隣のお宅へ御厄介になっているコなのでしょう。

「家に閉じ込められる窮屈な都会暮らしなんか、俺は御免だね。」


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陽も傾き始めた緑のトンネルをかいくぐり、水辺の匂いに誘われて
川縁へとセローを降ろしてメンソールに火を灯し、しばしの一服。


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野生の動物はアナグマ一頭しか見掛けなかった代わり、あちこちの
集落で日向ぼっこするネコを目にすることが多かった林道ツーリング。

「シアワセのカタチってナンなんだろ?」ということにふと思い至ったり
軽いアタマを巡らせてみたりもする次第であります。


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山のてっぺんで釜石爺さんズに頂いたオニギリも、消化した頃合い。

R106に合流する距離と間合いも読めて来たので、久々に山奥カフェの
「朱利」さんへ立ち寄ります。

「あらまあ、お久しぶりだこと。いつ以来だったかしらねぇ。」


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アジトとの距離やルート取りの関係で、ここを通るのは大抵11時とか
15時半・・・時間の都合上、毎回コーヒーばかり頼んでいるけれど。

今回は初めて、山菜入りの美味しいお蕎麦も頂くことにしました。

「こっちでは今年はクマ、けっこう出て来ています?」
「まだ雪の残る頃から見掛けた昨年に比べて、ずっと少ない感じ。」


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またソッチの話かよ!と呆れられそうですが、朱里さんの敷地にも
実はかなりの年季を積んだ、立派な道祖神が鎮座しております。

「狐はねー、年々人馴れして来て。今は夜な夜な現れてウチの犬を
からかって。仔育ての時期だし、ドッグ・フードが欲しいみたいよ。」

どうも離れの空き家か小屋に一家で棲みついている気がするそうな。


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小さなスプリットのリア・ウィンドゥを持つ丸屋根の背中から察するに、
多分1960年以前のものと思しき県北バス。

「盛岡から宮古まで片道4時間」(現在のR106なら2時間を切ります)と
言われた砂利敷きの狭隘国道を知る、静かなる半世紀の忘れ形見。

引退後も小屋になり狐さんの隠れ家になり、大自然の中でいろいろと
退屈しない日々を送っているようでありますね。


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櫃取湿原のある丘を越え再び沢辺まで降りて、橋脚の下からくるりと
這い上がればR106・松草駅界隈・・・ここで県171号もオシマイ。

あとは黄昏の国道を淡々とクルーズすれば、日没前に余裕を残して
小一時間ほどでアジトへと帰り着けます。


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単にR455をR106まで南下するだけの道程なのに、あっちこっちで
道草を食っては折り返して、今回も総走行距離200km越え。

「R455を北へ」編と「R455を南へ」編を通して得た現在の結論としては
「盛岡以東・R106より北の未舗装林道は台風被害によりほぼ全滅」。

但しその多くは地域の基幹産業たる林業に欠かせないルートなので、
そのまま放置され廃道になる可能性はさほど高くない、と思います。


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「それにしても、日に何度も『通行止め』の看板を目の当たりにしたり
その傍らを試しに抜けてみたりしていると、感覚が何かマヒする。」

・・・なんとなーく薄々と、そんな自覚が芽生えてはいたのですが。


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梅雨の合い間の好天に誘われてウキウキ冒険気分を味わったりして
いると、思わぬところで足元すくわれる結果が待っているかも。

ダート・ランナーの皆さま、くれぐれも御用心を・・・と、次回に向けて
ナニか意味深な余韻を残しつつ、今回のブログは〆としておきますか。

テーマ : オフロードバイク関連
ジャンル : 車・バイク

「ココロのゼンマイ巻き戻し」の、ショート・トリップ ~外伝~







今日のTOPには、「故郷」をお題に据えて思い浮かんだ曲をひとつ。


きつねメは彼女の全盛期には未だ小学高学年~高校生だったから
リアルタイムでは「流行りのケバい歌手」「テレビでよく聞く歌」という
認識しか持っていなかったわけだけれど・・・。

それから数年経って「並より少し音楽好き」の自覚が芽生えた辺りに
彼女のスタイルやスタンスについて、ふと捉え直したことがあります。

いや・・・それ以前の音楽シーンについてもよくよく時代背景を交えて
考えると、実はすんごく衝撃的でエポックなヒトなんだよね・・・彼女。


沢田研二のバトンを継いだ`80sの傾奇者、道化の皮を被ったバサラ。


アンルイス


それまでの「フォーク?歌謡曲?ニューミュージック?ロック?」という
とかく縦割りの壁を設けたがる聴き手のジャンル分けや評価軸に対し
思い切りよくデカいバズーカを放っちゃったのが、彼女だったのです。


`70年代までの「女性シンガー」と言えば、今よりもずっと世間が狭くて。
演歌を除けば「実力派シンガーソングライター」か「アイドル」かの二択。

そんな時代、意図的にお茶の間へ「KAYO」というカオス・コンセプトの
爆弾を仕掛けたのがアン・・・これが見事に妖しく美しい大輪の花火を
咲かせたことから、後のガールズ・ロックバンドが支持される土台を
築き上げてくれたのではないか?・・・ときつねメは夢想する次第です。


一般家庭のリビングにヘヴィメタを普及させた聖飢魔Ⅱ、同じく全国の
校舎にパンクロックを轟かせたブルーハーツと並び、正当な再評価を
受けるべき80年代J-POPのトリックスターでは?と感じるんですね。


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さて・・・「きつねも故郷を見よ」というコジツケではありませんが。

天気がいまひとつ冴えなかったお休みは、月末の用足しがてらに
盛岡駅西口の官民複合高層オフィスビル・マリオスまで出向いて、
こんな小冊子を入手しました・・・その名も通称「ヘノライダー」。


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正確には『戸ノライダー・ポケットマップ』と言う、二戸市観光協会が
発行元の「まさかのライダー向け官公庁公式ツーリングマップ(!)」。

但しその名の通り市町村名に「戸(のへ)」の付くエリアしか徹頭徹尾
掲載していないので、「その隣り」は潔いまでに全く掲載されておらず。

地図としてはユーザー視点に於いてヒジョーに使い勝手が悪い(笑)
「超『戸の付く町・のへファースト』主義」な一冊となっています。


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隣接の久慈も種市も葛巻も田子も敵に回しカットオフした割り切りッ振り
たるや、ロシアン・ゲートに揺れる某国の新大統領もついうっかり空母を
派遣したくなる勢い・・・これってスマホの地図アプリ等で補完しないと、
ルート繋げて読めないぢゃないのよ・・・バイク乗り的に(涙目)。

でも文字通りのポケット版なので、特に県道・林道・農道のエダ道では
ページ開いてパッと見で出る先の見当をつけられる、便利な一冊です。


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先日の「通行止め林道紀行による衝撃の余波」という訳ではないけれど。

なんとなく城址公園まで遠回りして盛岡歴史文化館に立ち寄り、以前
いつの間にか林道で失ったセロー用の方言バッヂも補填して参りました。

「岩手の自然を愛する旧南部藩在住のローカル・ダートランナー」を示す
アピール・バッヂと言えば「きゃっぱり」と「すっぱね」のペアはマストです。


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そのちっぽけさ(とオンボロさ)加減により、単車好きはもとよりバイクに
全然興味の無い層にまで無駄に好奇心をそそらせてしまうゴリラにも、
「さわんないでいやよいやなんだってば」と無言の拒絶オーラを放つべく
セキュリティシステム的なニュアンスで、「ちょす」バッヂを装着しました。

否むしろこのバッヂだけ逆に盗難に遭いそうな気がしないでもないが。


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さて・・・毎回冗長の思いつきダラダラ書き流しブログ故、本編では
結局最後まで触れられなかった「アレ系」の話をまとめて。

きつねメが「アレ系」と評するのは「世間で誰もがチヤホヤする様な
メジャーでプレミアムな極上名車/レストア済み旧車」とは対照の
ある意味「下世話物」とか「日陰の外道」となる趣味ベクトルです。


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自分が秘かに「道祖神」と呼ぶ道端廃車体は、リサイクル法の施行と
隣国のオリンピック時に中古金属高騰が重なった辺りを境に、辺境の
我が岩手からもずいぶんと姿を消してしまいました。

しかし・・・その法の手も及ばず外国人バイヤーすらサルベージしない
「年季の入った聖なる道祖神」が県北山岳エリアには存在します。


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それは持ち前のデカさ故に誰も欲しがらず、誰も再生活用しようと
考えず、おかげで滅多に注目する人がいない禁断のジャンル・・・。

そう、「廃パス」なんです。

実際のところキャブオーバーボディの一般的なバスは、よっぽど興味を
持たない限りは「箱型だから新旧さして変わらず、みんな同じに見える」
というのが一般的なイメージだと思うんだけれど。


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でもね・・・古いクルマやバイクの魅力を深く理解していればいるほど
これ系の滋味もじっくり味わえ、得た考察の結果にも驚かされるのです。


観察のポイントは、まず①ヘッドライトの数 ②フロントガラスの分割数。

四灯式のヘッドライトなら`65年以降(稀に二灯車を後年改造した例アリ)。
逆にフロントガラスは一体モノに近いほど大型ガラスの成型技術が進んだ
後年式・・・という風に、時代背景も読み取れるわけです。


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➂ 履いているタイヤ(ラジアルorバイアス?スノーはスパイクの有無?)

④ 背中のシルエット(丸ければ丸いほど・窓数なら少ないほど古く希少)


こうして「きつねの変態視点」で査定して行くと、国道106号以北の県道や
林道はおそらくもう全国規模ですら「オバケ銀座」と評していいレベルで
空恐ろしいほどすんげえ古いヤツばかり眠っている宝庫なんですね・・・。


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ボディ・サイドをしばし眺めると「これってアポロ(腕木式方向指示器)を
外して代替えしたマーカーなんじゃない?」と思える縦長の灯器があり。

そう考えるとフロント・ウインカーも妙に後付け感が見えて来たりしてね。


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これらが雪深いこの地域で生き残った理由は「山岳農家の倉庫」という
正当な理由を認識されていることや、昭和30年代の日本工業製品に
共通なオーバー・クオリティによる耐久性のお陰なのでは?・・・と。


ここで興味深いのは、観察ポイント⑥ 地域毎にカラーリングが違うこと。


北の県境からR106界隈までは本来「紅白の県北バス色」が主流なはず
なのに、岩泉~葛巻で見掛ける廃車体は旧中央バスとも岩手県交通に
多々ある国際交通払い下げとも異なる、独特の塗り分けなんです。


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画像を持ち帰ったその日のうちに検索を掛け、疑問の答えが得られる。

なんともありがたい世の中で・・・R106川井以北~R340の岩手側にて
多く見られるあの「バス小屋」の出自は、ほぼ旧国鉄バスであることが
判明しました。

県交通・県北・国鉄には古くからの紆余曲折的な事情があり、それぞれ
地域によって棲み分けが成されていたんですね。

もちろん廃パスたちも自然と馴染み深い路線に根を下ろして余生を
送っている次第で・・・たぶんこれから先も、ジャンル問わず日本人が
好きな「超お宝プレミア祭り」のお神輿に載せられず、穏やかに土へと
還って行くのでしょう。


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「道祖神の道祖神たる姿」の後は「土に還りたくても還してもらえない」
生涯現役お達者倶楽部的な南部藩の守護神・いすゞTWシリーズ。


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今も全国で活躍する大型レトロ車の花形・ボンネットバスの中でも、
このトラックと同じ顔立ちを持つ「TSD改」の半数以上は我が県から
旅立って行った車両・・・と言えば、驚かれる向きもあるのかな?


今期の朝ドラにて女学生姿の有村架純嬢を乗せていたオレンジと
肌色のボンネットバスも顔立ちこそ少し違うけれど、実はTSD改
(山形交通で走っていた個体で、あのスタイルはかなり特殊です)。


「終戦後に進駐軍が持ち込んだGMC 6x6を設計母体に持つ」という
噂もある、山岳県土ならではのタフな総輪駆動の老兵たち。

強靭な地力の強さと走破性は「国産最強の大型量産クロカン車」との
呼び声も高く、実際「ユニックとウインチが標準仕様?」と思えるぐらい
高い装着率を誇っているのも特徴となっています。


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同地域ではキャブオーバーの後継機を見掛ける事もたまにありますが
「主力機は今以ってテーダブなんじゃないか」と感じる程の遭遇率。

wikiでは「民間向けの生産は1986年まで」とありますが、旧車専門誌に
よると「平成に入ってもディーラーではカタログを置いていた」との事で
(きつねメも`89年に厚木のヤードで左ハンドルの新車が相当数並んで
いるのを見たことがあります)、以降も受注生産を行っていたはず。


で、今回改めて検索していて「あんなの、どこに行ってもナンボでも山で
まだ走ってるだろ?」という岩手県民的の常識を覆す驚愕データを発見。


しかもまさかの岩泉町公認ブログで発表された数値か!(クリックで白目)


47都道府県での生き残りのうち、なんと半数近くが岩手県登録車両。
しかもその7割が県北に集中・・・いや本当、全国規模で眺めた場合
これほど希少なトラックだとは、夢にも思っていませんでした(絶句)。

ただ、ここ数年で少し気掛かりなのは「まず動けば値が付く」とまで
言われたTWでもナンバープレートを外された個体の姿を見る機会が
ジワジワと増えて来たこと・・・。


最も大切なフレームや機関/駆動系そのものが参ってしまったのか、
或いはいすゞからの重要部品の供給が終了してしまったためなのか。


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生まれも育ちも岩手の林道好きとしては、親しみをも込めて秘かに
「山オヤジ」と呼んでいる馴染み深い現役クラシックトラックなだけに。

勝手なファン心理ながら「これから」を心配しているきつねメであります。

テーマ : オフロードバイク関連
ジャンル : 車・バイク

プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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