毎秋恒例・あかぎつねの北帰行 番外編 ~日曜朝にだけ現れる、幻の街~








今日のTOPには、ルーフを開けたロードスターでワインディングを
駆け抜ける時にドハマりする、バックファイアの音が聴こえそうな
ナンバーを・・・(って、シュール過ぎるMVが残念だけど)。


大沢さんのスタイルが変わってしまったのか、世情に合わせたのか。

活動休止直前の疾走感溢れるモンドグロッソが好きだっただけに、
きつねメは再開後の閉塞した世界観に失望しているひとりです。


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さておき下北半島ひとり旅も二日目、八戸のビジネスホテルで
目覚まし時計が鳴ったのは、夜も明け切らぬ5時30分。

昨夜の賑わいが嘘の様に静かな日曜朝のメインストリートから
暖機もそこそこに今日の旅程をスタートします。


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重い瞼をこすりつつ早朝出撃を決行して向かったのは、しかし
僅か数キロ先の舘鼻埠頭。

この画像だけ眺めると「漁港で日の出でも撮りたかったの?」と
思われるでしょうが・・・それは明朝のハイライトまで持ち越し。


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そこから一つ振り向けば、朝も早よから超市民カーニバル状態。
紙コップのコーヒー持ち歩くのすら危うくなる程の人波であります。

もし他地域の人を事前情報ナシで「今日は八戸のお祭りなんだ」と
連れて来たら、相当高確率でダマせちゃうんじゃないだろか。


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実はコレ、規模/動員数とも日本一という噂もある「日曜朝市」。
驚くべきことに冬季を除く日曜は、毎週こんな事態が起きている!

ひとつ80円の手羽先フライから、一時は一台80万円の軽トラまで
(今は撤退しちゃったかな)露店で売っていたというカオスっ振り。

実は自身も数年前、気付いたら中古の双頭グラインダーや万力、
そしてリアル昆虫グミを持ち帰っていたことがありました(笑)。


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もちろん港町だけあり、誰もが期待している海の幸はお約束。

月~金曜まで陸奥湊駅の朝市(街の素顔が見られてシブい)で
プロを相手に商売されている魚屋さんも多数出展!

文字通り不調法なきつねメが見ても、もうあからさまに安いです。


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当然の帰結というかビフォー・アフターというべきか、炭火で焼いた
海鮮各種も味/プライスレシオ最強クラスで各店絶賛販売中。


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特筆すべきは「その場で即食前提系」のバリエーションが巾広く、
しかも押し並べてどれも烈しく安い!こと。

この賑わいっぷりから「お祭り価格」を連想していると、ホント度肝を
抜かれるぐらいお買い得なんでありますよ。


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もうね、普段大型スーパーで買っている弁当の価格がバカらしく
思えてしまうぐらいの超バリュー感。

つい食欲任せで暴走し、欲しいヤツをあれもこれも買い込むと
大食いぎつねでも大変なことになってしまいそう。


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会場が何しろダダッ広いので、まあまあそこはコーヒーを一杯。

米軍基地も近い関係なのか、はたまた市民の行動時間帯が
早朝から深夜まで幅広い為なのか、コーヒーショップの出展も
かなり多い印象。

それから何故か、鶏もの(手羽フライや唐揚げ)も豊富です。


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ヒトの波を避けて露店の裏側を歩き、めぼしい朝飯を物色しつつ。

食べ物ばかりじゃなく花や米軍払い下げの靴(大抵ビッグサイズ)、
中にはハンドメイドの木工品や小物類を売るお店もあります。


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これ、どんな素材で出来ているか分かる? そう、材料は「畳」!

小さいものだと小銭入れやカップ・コースターなんかもあるので
旅の御土産に最適なんじゃないかな。


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中には「おっ、マスターも好きだね?」と声を掛けたくなるような
クルマを看板車に使っている、粋なお店もあったりして。

前方のサファリ・ウィンドーを開け放してアピールしているのは、
アーリーモデルのタイプⅡ・・・きつねメより、ひと回り齢上です。


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結局小一時間の朝市散歩に満足した上でチョイスした朝ご飯は、
アサリ&ホタテご飯、そして平ガニ汁と一個売りの手羽先を三個。

これでお会計はジャスト1000円!・・・って、ちょっと凄くない?

特に平ガニ汁は、少しお高めの400円でも一食の価値アリでした。
とにかく蟹の出汁が濃いし、煮られた殻が柔らかいので剥かずに
噛めて美味しいので、ほんとオススメ。


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冬の潮風がことさら厳しい北の漁師町らしく、鍋物もいろいろ。
どれも味付け濃い目でご飯とビールが恋しくなるテイスト。

お腹を満たしたきつねメが市場を後にした7時過ぎには、既に
「売り切れ御免」の蓋を閉じられた鍋も出て来ていました。


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あー、ホントは「二日目・午前編」としてまとめたかったのに・・・。

興奮し過ぎて「舘鼻の日曜朝市」(←ここクリック)だけで記事が
ひとつ出来上がってしまいました。

息切れ起こしたきつねメのスタミナはさておき、前夜の横丁話と
合わせて「下北に行くなら是非『八戸前泊』を!」とプッシュする
理由をお伝え出来ていれば幸いな次第であります。


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平日泊りじゃないと行けないけれど、いつかはウィーク・ディの
『陸奥湊朝市』の様子も・・・と考えつつ、渡る都度に旅への
テンション高まる八戸大橋からクルージングをリ・スタート。

ここは「まさかり半島の柄の末端」、旅の本番はこれからです!
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毎秋恒例・あかぎつねの北帰行 ~第一章 「始まりはいつも八戸」~








きつねメの耳には「紅の豚」の世界観にも通じるダンディズムが
カッコ良く快く響く、大好きなアルバムから。


「Reflections」は一発目のイントロから一気にランブル・モードに
引き込み、「男のひとり旅はこうじゃなくっちゃ」と浸らせてしまう。


こじらせ厨二病がナンだって?去勢草食化よか相当マシだろうよ。


って訳で、みんカラ時代からお友達の皆さんにはお馴染みの
「毎秋恒例下北ツアーレポート」、久々にUPしようと思います。


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申請上は2連休のはずだった勤務に変更が加わり、思いがけず
予定の前日にもう一日お休みを頂くこととなりました。

ホントは仕事を上がった晩に高速カッ飛ばして向かうはずだった
最初の宿泊地・八戸までは、最短でたった130km。

しかし「朝寝坊してのんびり支度して、午後から下道で・・・」と
心積もりしていたのに、うっかり早起きで朝9時にはスタンバイ。


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天気予報も好転しているし、ブラブラ遠回りで寄り道しながら
行くのも良いかな・・・と、まずは土曜の空いたR4を北上。

真東に太平洋へ繋ぐR106経由では、あまりに距離があるし。
北東へ斜めに向かうR455は、岩泉の連続片側通行が辛いし。
R281とR340をリンクするルートとなると、逆に近過ぎてしまう。


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それなら既に10年近く走っていない、二戸から久慈へ渡る
R395を・・・という選択が、退屈承知なR4北上の理由。

しかし流石に長距離トラックの背中を一時間も眺めていると
飽きて欠伸も出て来るもので、気まぐれに一戸IC辺りから
傍らの県道へと逃げ出したきつねメ。


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これは賢明な判断だったようで、折爪岳界隈の裾を巡り集落を
結ぶ峠道は細いながらもすれ違うクルマすら少ない快走路。

ペースは上げられないものの、久々のロングに連れ出した
我が老ロードスターには程良い準備運動となったようです。


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そろそろ暖かい缶コーヒー頂きながら小休憩かな?と立ち寄った
パーキングに、旅姿のスーパーテネレと珍しいXL250Rパリダカ。

そろそろアラカンと思しきオヤジさんたちは、今朝宮古を立って
これから十和田湖を目指すそう・・・なのだけれど。

「いや、どっか景色の良い山で昼飯を食うつもりだったのにサ。
あんまり寒くてもう、それどころじゃねぇわ。」


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二台のバイクをよくよく観察すると、パリダカに驚愕アイテムを発見。

レッグシールド兼用で装着されているのは、なんとデカい工具箱!
いやいや、その発想は斜め上に斬新過ぎます。

ガスストーブと小さなゴトクにフライパン、テネレのオヤジさんは
「開けたら最後、全部食う」と袋詰めの肉を豪快に投入。マジか。

「ジップロックで小分け」という姑息な手は使う気無いらしいです。


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傍にいると「お裾分けを待つさもしいヤツ」と誤解を受けそうだから
ジワリと漂う美味しそうな匂いに背を向けて、旅路の続きへ。

北の師匠・クマさんのブログを拝見する都度、いつも「県北には
まだまだ未知のカントリーロードが四方八方伸びていそうだ」と
感じていたけれど。

標識に現れる「県道△△線」や「農免道○○線」がことごとく
傍らの丘へと延びているので、チョッカイ出したくてウズウズ。


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クマ師匠のスーパーシェルパにエスコートして頂いてセローで
界隈の散歩を楽しんだのも、気付けばもうずいぶん前のこと。

今秋は厳しいけれど、いつかグッツィ・スポルトとスポーツスターの
コンビでこの辺りを結んでクルーズを堪能してみたいものです。

九戸や軽米辺りを軸に良いルート組めますかね?とこの場を借りて
クマさんにリクエスト(笑)。

時期としてはむしろ秋よりも5月~梅雨入りぐらいまでの方が・・・
って、農繁期だと「トラクターの足跡」が酷くて向いていないか。


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最終的にR340へ合流し、一か月前に訪ねたばかりの久慈へ到着。
前回はここで折り返し南下、しかし今回はここから北が本番です。

正午を挟んで八戸までは僅か40km。うーん、やっぱり早過ぎたか。

ここから夕暮れまでどう過ごそうか、思案の信号待ちでふと脇見。
いやビックリ、脇見どころか二度見する羽目になってしまった。


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「探し物が忘れた頃に出て来るのも良くある話さ」と井上陽水に
笑われそうな展開・・・ウソだろ?かつて恋焦がれたFS-1か!

長寿だった2ストロークのメイト系エンジンで唯一5速ミッションを
装備する、短命に終わったスーパースポーツ。

同時期のホンダSS50やスズキAS-1と並んで、今となってはもう
滅多に見つからない希少種の一台です。


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「すみません、見せてもらって良いですか?」とお邪魔してみると
間近で観察すれば想定以上のミント・コンディション!

海際の街にも関わらず化粧直しを受けた跡が見られないのに
スポークもリムにもサビが全く無い・・・相当の箱入り蔵出しだわ。

こんなのがサラッと置かれているから、地方の輪店系の老舗って
侮れないし見逃せないんだよなぁ。


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本来一文字の低いハンドルが付くFS-1は`69~`70年の一年間しか
作られなかったモデル。

スリムで華奢なボディの至るところに「あの頃」のディティールが
散りばめられていて、ただ眺めていても本当に飽きない。

この日は店番の婆ちゃんしかいなかったので残念ながら由来を
尋ねることは叶わなかったけれど、売り物ではないのだそう。

半世紀経っても奇跡の3桁を示すオドメーターの数字が、何かを
静かに物語っておりました。


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あとはR45に乗って素直に北上、その道すがら何か面白いポイントを
見つけてみようと思ったら、早速「←侍の湯」なる看板が目に入った。

そっか、温泉に浸かるっていう手もアリアリだわ、と立ち寄り決定
(実は俗に言う「人工温泉」だ、と知ったのは旅を終えた後。笑)。

いやしかし、看板通りのダダッ広い浴場にどっぷり浸かりながら
視界一杯に眺める水平線は、なかなか贅沢なシチュエーション。


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「露天が無くてごめんね」とばかりにテラスを設置してあるのも
御愛嬌で、じっくり茹だった身体に浴びる10月の潮風が快い。

これで500円なら、人工温泉でも全然許せます(まだ言うか俺)。
マッパで海を眺めていられる幸せ、コレけっこう贅沢だと思うよ。


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「ここより青森県」という標識をくぐった辺りで県道一号へ逸れて
八戸線の踏切を渡り、黄昏の色濃くなった種差海岸へ。

「海辺と言えば漁港と砂浜」のイメージが刷り込まれたきつねメに
とって、草原の広がりが海へ続くこの景色は新鮮でお気に入り。

R45を伝って八戸入りする時、必ず立ち寄るスポットであります。


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「もっと高いところから撮った方が雰囲気を伝えられるのかな」と
丘の上手へ歩く途中、不意に背後から「プワァン!」と警笛。

海岸線に沿って走る旧国鉄時代のノスタルジックなスタイルが
八戸らしさに彩を添えていたキハ40系も、来春限りで引退とか。

投入される後継車両は最新のハイブリッド機だそうだけれど。
ここの景色にはどうにも似合わなそうで、ちょっと残念です。


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クラシカルなキハを見送った後に振り返った瞬間、そこからの
眺めにふと既視感が芽生えました。

道東に比べたらスケールは小さいけれど、見る角度を違えると
実は厚岸に似ているんだな、種差って
(ジブリアニメ「思い出のマーニー」の舞台となった地域です)。

ここで夕焼けを待ちたい気持ちが湧いて来たものの厚い雲に
陽射しも気分も遮られ、冷たい風に追われるように市内へ。


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肩に感じる空気がヒヤリ。水平線を背にした辺りで幌を閉じよう。


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八戸は昔から栄えた港、なおかつ大規模な工業都市でもあって。
大平洋に面しているために内陸に比べて雪が少なく冬も短い。

要は仕事があり活気もアリで、全体にいつも印象が若いのね。

いつ訪ねても華やかで元気な街の雰囲気から察せられるように
北東北の中でもクルマ好きやバイク好きが多い街だと思います。

バイパスの信号待ち、なんとなくマニアックな匂いがする店先で
宵待ちしていたのも、こんな風変わりな可愛いヤツだったりして。


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懐かしいなぁ・・・ポッケ改。フォーゲルや他兄弟機との混成車だね。
かつてきつねも憧れたアップ・チャンバーはオクムラかキタコかな。

`90年前後には全然人気が無くて、解体屋にもゴロゴロあったんだよ。
10代の頃にフォーゲルを3台、ポッケも1台所有していた時期がある。

もう時効だけれど、MR50用の6馬力エンジンを乗せたフォーゲルは
80km/h近い最高速をマークする快速車に化けたもの。

ゴリラを愛用する今でも、やはりデザイン・センスの細やかさでは
ヤマハ一連のミニの方に軍配が上がる気がして、大好きだなあ。

ミニトレは4速も5速もモノサス丸アームの80も持っていたし。
部品取りのRDもRXもTYも、あの頃はタダ同然で手に入った。

それにしても本命だったGR50改、なんで手放しちゃったんだろう。


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そんなもの思いをしている内に八戸名物「イッツー地獄」へ突入。


ここの市街地は本当に独特の流れ、バイパスから一歩入り込むと
途端にほぼ全ての通りが一方通行となってしまうんです。

このローカル・ルールは余所者にとって相当手厳しいモンなので
何度訪ねてもホテルに到達するには「ナビ頼り」。


画像を見返してふと気づいたけれど、目の前にいるタクシーって
盛岡では滅多に見掛けなくなったクルーだわ。達者で何よりです。


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予約してあった安宿にロードスターと旅荷を置き、頃合いを見て
夜の帳が降りた週末の街へ。

我が盛岡では、官庁街たる中央通りにマンションを建てられて
歴史ある大通り商店街も飲み屋中心の夜の街になったことに
古くからの市民が嘆きの声を上げている昨今。

でも・・・漁師町の八戸は、最初から余計なプライドなんか無い。


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ハナからガッツリ飲み屋街!ソレのどこが悪いんだ!とばかりに
もうほとんど街中縦横の「呑兵衛横丁」だらけなんであります。

潔く割り切った故の栄えっぷりをナマで感じていると、きつねメは
「古都のプライドにこだわるあまり時代に対応出来ず、ただただ
打つ手なく街が廃れて行くよりマシなんじゃね?」とも思えたり。

それにしても路地の佇まいがド演歌テイストで、ほんとシブい。


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もう自分の街では飲み歩く機会も無くなったきつねの鼻では、
残念ながら相性の良い店を嗅ぎ分けることが出来ないけれど。

八戸に馴染みの店を作れたら旅はどんなに楽しくなるだろう、
といつも感じている次第。

それにはまず、この街に酒好きな友達を作ればいいのかな
(試しにココ出身の職場の親爺さんにオススメを訊ねても、
「おひとり様じゃハードル高ェわな」と同情されるばかり。泣)。


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しかし「旅先ひとり飲み」に憧れる万年ビギナーにも優しい、
気楽に入れる通りが八戸にひとつ・・・それが「みろく横丁」。

きつねメが下北旅に「八戸の前泊」を取り入れるようになった
理由のひとつが、この横丁の存在だったんでありますよ。

コの字のカウンターを持つ小さなバラックが軒を連ねていて
「自分の店を持つための最初の一歩」というヒトが店子さん。

「近い将来に独立した店を構えたいヒトのために一画を期限付きで
借して実践で腕と勘、経験や人脈を蓄えてもらうステージを作ろう」

そんな平成横丁式システムは、ここが発祥の地なのだとか。


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各店のカラーも丸カブリしないように得意なジャンルが違えてあり、
ラーメン屋さんも焼き肉系も洋風なお店やバーも混在しています。

ガラス張りのバラックは、扉を開けずとも店内の雰囲気が分かるし
混み具合とか料理の種類や値段も外から見えるので気構え不要。

「外から丸見えで落ち着かない」「団体さんの時は入れず不向き」
「古い土着の店に比べると割高なことが多い」
という声もあるけれど、旅慣れぬ独り者には敷居の低さが嬉しい。


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これは一軒目で頂いた「オリジナルてんぽカレー」。

「てんぽ」は、焼き上げる前のフニャッと柔らかい南部せんべい。
これをナンに見立てて食べられるよう、キーマ風の挽肉カレーに
合わせてみたそうな。

発想も面白いけれど、カレー自体にコクがあって美味しかったです。


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二軒目は以前から気になっていた、貝の料理が得意なお店へ。

「ホッキ貝と鮭のお茶漬けに塩辛」の鉄板ゴールデン・コンボ。
これで空きっ腹の胃に染みないワケがない。

既にいらしていたお客さんがみんな地元顔馴染みの常連さん達で
会話に入れず早期撤退・・・居心地はその時々の運次第だね。


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「〆には八戸ラーメンを」で三軒目に突入。ここ、二軒目と対照的に
お客さんとの相性が良かった!(これが「みろく」の妙味なんです)

隣りに来た若いカップルのノリが良く、話し込む内にお題は互いの
出身地や職業へ・・・。

いや異色過ぎてビックリ。海〇係にマ〇サ系!ガチじゃねえか。
「これでJ〇Lと防〇庁と役人が並んだら、堅過ぎて逆に笑えるわ。」


この横丁は出張族や旅人同士の交流もしばしばな上に、地元民も
待ち合わせやラストの独り飲みに立ち寄ったりするようで、ウマが
合えば面白い耳寄り話や裏話で盛り上がれるんです。


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こうして気分良くホロ酔いモードなきつねは英気を養って安宿へ戻り
旅の一日目を終えたのでありました・・・明日は日曜、早起きするよ!

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気付けば「山の日」 ・・・お盆の支度とギャランと花火・・・







この曲を初めて聴いたのは、初めて買った赤いロードスターが
(4年落ちの中古で)手許に来て間もなくの頃だったと思う。

俗に言う「梅干しデフ」、サンバイザーの表面がテラテラの塗装で
1DINオーディオデッキ下が小物入れではなくメクラ蓋の`89年式。

これらが極初期モデルの特徴だと知ったのは、ずっと後のことで。
6年後、見た目が全く同じ`90年式を手に入れてからだったっけ。

ドライブしながら聴いていてジワジワと心に湧いて来る不思議な
マインドは今のNA8でも変わらない・・・色褪せぬ名曲かな。


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先月「お盆前に墓地や家の手入れをしたい」と休日申請してみたら
気前良く二連休を設定して頂いたので、昨朝は空模様を睨みつつ
菩提寺へ。

もしかしたら同目的のヒトで混むかも、と狭い駐車場が頭をよぎり
荷を最小限に詰めてゴリラで出動・・・この予測はビンゴでした。


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道中の街中はクルマもヒトも少なく、逆に墓地では「支度」ではなく
「本番」で拝みに来たヒトの姿が多い。

「ん?それはちょいと早過ぎない?」と思ったら、祝日でしたね。
金曜に祝い日を当ててお盆まで長期連休を作りやすくしたのか。


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小一時間ばかりで案件を済ませ「盆入り迎えたらまた改めて」と
お墓に手を合わせて・・・荷の軽くなった帰り道は、少し遠回り。

盛岡は「ここから故郷へ帰る人」も「故郷として戻ってくる人」も
多分同じぐらいいる街だけれど、初日は静かで穏やかな空気。

厚い雲が幸いして涼しく、帰省した人々の身体には優しそうです。


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早めの昼ご飯を経て、午後は(不意打ちで現れる親族への対策も
兼ねて・・・苦笑)アジトの大掃除。

とは言っても、ここ二年の冬季大断捨離フェスティバルが効いて
掃除機掛けるにもモップ掛けするにも至ってスムーズ、ほんとラク。

この時間で玄関掃除まで終えられたら久々にロードスターも磨いて
やれるかな?と思っていたら、バックで進入して来る野太い排気音。


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「親族で、こんな勇ましいエキゾーストのクルマに乗っているのは
居ないはずだが」と訝しみつつ振り返ると・・・あらまっ!

「やあ、忙しいところ?ゴメンゴメン」と現れたのはトライアル師匠の
へーさん、なんとギャランVR-4での来訪です。

いつもは駐車スペースの片隅にカバーを被って眠っているので、
改めて拝見するのは初めてかもしれません。


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師匠のお目当ては「一度視野に入ると、やっぱり気になってね」と
最近脳内グルグルになっちゃっているらしいNAロードスター。

非日常要素の強いものだけに、エコ実用一辺倒な風潮の現代では
何かのキッカケがないと購入候補のまな板には乗らないクルマ。

でも一方、気になり始めたヒトにはけっこうな引力を発揮するみたい。


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ひと回り年上のへーさんには、このメーターパネルがツボのひとつ。

紺きつね号のは二代目の`90年式を中古購入した際、既に運良く
装着してあって。

ずっと憧れていたお気に入りなので、乗り換えの際に移植したもの。

「当時は新品で3万2千円だったか。高価で手が出なかったんです。」
「いま買うと四万円以上するんだっけよ。」「えっ、マヂですか!?」

てっきり絶版になりプレミアが付いたのかな、と思って調べてみたら
KG WORKSさんでは今でも現役バリバリのラインナップ品。

あー、なるほどね。後ろから日が差すとエラく眩しい盤面の素ガラスが
防舷仕様に手直しされた分だけ、値上げされていたのか。


※ へーさんへ 「文字盤を替えたり空調パネルを化粧したりする
キットもあります」と紹介したのはRSプロダクツさんの製品です。
相応に値も張るけれど、掛けられた情熱と品質の高さは折り紙付き!


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クルマの事、バイクの事・・・とりとめのないおしゃべりの後で
ご厚意に甘え、件のVR-4のステアリングを握らせてもらうことに。

本当に少しだけ、数キロ運転させてもらっただけなんだけれども。


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不思議なことに「初めて乗った気がしない」最初から自然な感じで
何のケレン味も違和感も覚えず走らせることが出来るんですよ。

押し出しの効いた外観からすると「あれ?」と肩透かしを食うぐらい
大人しいインテリア、感覚の掴みやすいボディサイズ。

「3000rpm回せば全ての用は事足りる」意外な低速トルクの太さ。
遊びと切れ角やロールのリズムがナチュラルなステアリングと脚。

ところが・・・前方が開いたところで少しグイッとスロットルを踏むと
「3割増しの加速」であれよあれよという間に・・・!(以下略)。


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ナロー911


道中、最新のポルシェ・パナメーラと並走する瞬間があったけれど
「あのクルマってよく分かんないよね、ポルシェとして」と、へーさん。

「SUVのカイエンと並んで『ポルシェ好きは買わないポルシェ』って
気がします。ああいうの他社も作っているんだし」と、きつね。

「俺、叶うならナローの911が良い。小じんまりして可愛げあって。」
「ですね。パワーもサイズも『らしさ』を手の内身の丈で味わえそう。」

もう大馬力に任せてシャカリキに飛ばすヤツは欲しくないんだ。
むしろジンワリまったり流して味わえるようなものが良いんだよ、と。

師匠がNAロードスターに熱い視線を送る理由は、そこにある様子。

「でもこのギャラン、手放さない方がいいですよ。すごくイイもん。」

「うん・・・実は先日、息子のハチロクが売れたから置き場はあるし。
ロードスター買ったら車検毎に二年交代で走らせようか、ハハハ。」


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夕方から一時小雨が降り出し、中止かと思っていた郊外の花火大会。

帰省が間に合えば、NDでコッチへ向かっている親友・アッシ夫妻と
一緒に眺めようか・・・と考えていたものの、彼らからの返信は
「かつてない大渋滞の真っただ中。盛岡まで300kmあるのに」と。


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そうこうするうちに腹に響くような轟音がアジトへ届き始めたので
なんとなく落ち着かず、自転車を出してブラブラッと南の方へ。

「打ち上げても雲が低いから華が開いても見えないだろう」、とも
思っていたけれど、いやあまずまず見えるじゃないの。

しばし橋の歩道から眺めていたら、川面を走る風のお陰で「涼しい」を
通り越して肌寒く尿意を催したため、結局途中退出してしまった。


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盆中までスッキリしない空模様の予報が続く我が街・盛岡だけれど。
この9月のような気温が、せめて灼熱の都会帰りの親友夫妻を
少しでも癒してくれれば・・・と願う、きつねメなのでありますよ。

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ジャンル : 車・バイク

2X4で楽しむ春の日。 ~カフェレーサーとアルペンローダーの異種ランデブー~







今日のTOPには「異種コラボレート」と「爛漫の浮世を駆ける韋駄天」の
ダブル・ミーニングで、このナンバーを選びました。

お題は2X4・・・桜咲き誇る午後、あえて輪ッパの数が違う二機を揃えて
オープンエア・モータリングを試みる、という日記なんであります。


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そもそものキッカケは「北の師匠」ことクマさんが、ヴェルシス650を
ユーザー車検に持ち込むためにきつねの街を訪れる、という話から。

パニアケースを積むステー以外はフルノーマルの車両で既に光軸の
予備検も受けてある、との事だから不安要素はほぼゼロだけれど。

そこは「オッサンの春休み(別名・期間限定プータロー)」も終わりに
差し掛かったきつねメ、万が一に備えて工具を持参しお付き合いを。


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となればガレージから持ち出すのは自然とヨツワ、好天に恵まれた
この日ならもうロードスターの方で決まりです。

受けるラウンドは午後イチとなると・・・一発でクリア出来たならもう
その後のショート・ツーリングも約束されたようなもの。

実は想定したルートで最新の水冷ミドルとペースの合うマシンが
コレ以外手許に無い・・・という事情もあるんだけどね(笑)。


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「ポカポカなのかと思ったら、走ってみると案外風が冷たいね。」

陸事で待ち合わせた師匠、ヘルメットを脱いで笑うその背後には
ほのかな薄桃のソメイヨシノが出迎えています。

県境にほど近いクマさんの北の町では、まだ咲き始めかな?


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ここ数年で既に何度もユーザー車検の経験を積んで来ただけに、
段取りもまた慣れたもの。

首尾良くノントラブルでラインを通り、所要時間はトータル一時間少々
というところでしょうか。

「では日も長いことだし・・・N昌越えで湖まで流してみますか?」
「うん、ここからだとまあ概ねそのルートかな、って思ってた。」


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特段、コーナーが奥まで巻いていたり折れたりするようなクセのない
穏やかな峠道。

コンパスで弧を描くように綺麗な師匠のフォーム、素直に寝て曲がる
ヴェルシスの特性を追走で眺めてから・・・テッペンで一服。

「実はトランクに、工具と一緒にメットと革ジャンも積んで来ました。」
「ハハハ、もちろんそのつもりで。じゃ、取り換えっこしよっか!」

今度はクマさん×ロードスター、きつねメ×ヴェルシスのコンビで
ここから麓の湖畔までのランデブーを楽しみます。


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長い直線と中速コーナーが織り成す20キロ弱のワインディングを
お試しさせて頂いた、最新の水冷パラレル・ミドルツインですが。

なんというか、古式ゆかしい構成のバイクばかり所有する身には
なんとも不思議な乗り味のモデルでありました。

ヒョコッとシートもハンドルも高くオフロードバイク的に感じる視界に
表面積のデカいタンク、ビュロロロロ・・・と下から上まで淀みのない
力感を伴いつつ、ハイ・ギアリングで感覚以上に伸びて行くスピード。


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「いやー、なんの気ナシにコーナーを曲がった後でメーターの数字が
目に入って驚くんですよ、『ええっ?そんなに出てたの!?』って。」

「カチッとしていて出来が良く、何も意識せず自然に操れるでしょ?
自己主張の強いウチのイタリア勢と比べて、本当にオールマイティ。」

「ただ、アシの動き始めがシブいのと路面の感覚が掴みにくくて・・・。
何回転・何キロでも走れて、巡行速度の落としどころが分からない。」

「これって多分、欧州向けのロング・アルペンローダーなんじゃない?
夫婦のタンデムで一気にアウトストラーダやアウトバーンを駆け抜け、
アルプス山脈を越えて他国の街を訪ねる・・・という使い方に向けた。」


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大柄なポジションに高荷重前提のサス、柔軟でパワフルなエンジンの
持ち味・・・「バイクを楽しむ旅」ではなく、「バイクで楽しむ旅行」の友。

昨今はスクランブラーと並んで、オンとオフを掛け合わせたような
「アドベンチャー」と呼ばれる大型車が人気を集めているけれど。

ロングツーリングを前提に欧米ライダーの体格に合わせたそれらは
標準的な日本人の体力には正直、些かオーバーサイズに見えます。

憧れのビッグ・マシンを手に入れてしばらく経った後、「取り回しとか
持て余す程のパワーがちょっと辛いなぁ」とジワジワ感じ始めた辺りに
ヴェルシスを試すと・・・たぶん「見えて来る存在感」があるのでは?

但しその優しい特性と裏腹に、リアタイヤの消耗が意外なほど早くて
驚かされるのだそうですが(フロントのようにケバ立つちょっと面白い
減り方をしていました。笑)。


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平日で空いた湖畔のパーキングにて、少年のように地面に座って。

缶コーヒーを片手に談笑を繰り広げていると、気付けば春の空も
マンダリンの色味を増していました。

再びそれぞれの愛機に乗り換え、今度はきつね×ロードスターが
小岩井~滝沢ICまでのカントリーロードをエスコートします。

観光客のクルマもほぼ姿を消した黄昏、試乗で得たヴェルシスの
クルージング・スピードを勘案してペースを少し上げたのですが・・・。

師匠は650の二輪と互して走れるロードスターの「隠し持った爪」に、
些か目を剝いてしまった様子です(オトナ毛生えてなくてスミマセン)。


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R4を北へと帰るクマさんに近日の再会を誓い、きつねは折り返して
のんびりと春小谷地~裏小岩井を経由してアジトへ戻りました。

朝から最後まで好天に恵まれた空の下、師匠と遊ぶ充実の一日。
気心知れた友人と過ごす時間は、何よりも心の栄養になりますね。


「次はゴールデンウィーク明けた辺りに、グラディウスを持って行くよ。
今度こそKTMの390RCとの乗り比べを実現させてみましょう。」

うわ・・・そっちの方が「口座の残高が賭かりかねない」という意味で
もうガチの異種格闘技じゃないっスか、クマさん・・・うーん、悩ましい!

テーマ : ツーリングレポート
ジャンル : 車・バイク

おかえり、ロードスター。 ~いそいそ進める春支度、最後の一台~





私は「まな板の上のきつね」。歯医者に於ける患者は、そういうもの。

BGMに流れるAMラジオ、ノリノリなイントロが流れた絶妙な間合いで
センセーからは「ハイ、口を大きく開けて下さーい!」の無情な指示。

これ、二番の歌詞が思い出せねぇんだよなぁ、最後まで聴きてぇなぁと
内心眉間にシワ寄せつつ、リューターの高周波音にしたたる脂汗。

「もう麻酔効いてるけど、もしも痛かったら言って下さいねー。」
あのですね、口をパックリ開けたまま、ソレどうやって話せばいいの?

キュイーン・・・キィィィィンチリチリチリチリ・・・キィーン・・・。

「はい、閉じていいですよ。口の中を一回ゆすいでから続けます。」

気持ち悪く濡れたスウェットの背を起こし傍らの水を含んだところで
ようやくピートマック・ジュニアの美声が耳に届いた。

♪孤独な笑みを 夕陽に晒して 背中で泣いてる 男の美学♪

否、泣いてないよ?泣いてなんかいないよ?全然笑えないけど。


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「歯医者さんの治療あるある」的な小噺はさておきまして。

昔々その昔、うきうきデートに出向いた際、お相手の女性から
「なんかルパンっぽいクルマ」と謎な評価を頂いた思い出のある
我がロードスター。

Nさんのガレージに預けて一か月、ようやく車検整備から上がったとの
知らせを受けて引き取って参りました。

「納車の予定をフリーにしてもらって助かりましたよ。今春は何故か
例年より余計に仕事の依頼が多くて、全然休めなかったんです。」

とアタマをかくNさんの傍らには、タイミングベルトとテンショナーの
ベアリング、そして数個の古いオイルシール。

「オイル漏れの原因は結局カムの方でしたけど、ついでにクランクの
オイルシールとタイミングベルトも取り換えました。」


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「ウォーターポンプは以前手を掛けてあるので、10万㌔メニューは
まずひと通り終えた感じですかね。
後はリクエスト通りデフとミッションのオイル、ブレーキフルードまで
入れ替えておきましたから。」

事務スペースで手渡された明細書の最下段に書き込まれた請求額は
・・・いやいやNさん、ちゃんと工賃取って下さいね?大丈夫・・・?

「確かにエンジンの掛け始め、たまに鳴くタペットが一個ありますね。
あんまり頻繁だったり走らせても鳴り止まない時は、やりますか。」

ともあれシール類の固渋を防ぐためにも、もう少しマメに走らせて
やった方が良いな・・・とボンヤリそぼ降る午後の雨の中を帰途へ。


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春らしい南風がそよぐ次の休日には、さっそく冬の間に入れ替えた
ディレッツァを噛ませるべく、朝からジャッキアップ。

この日はちょうど日曜に当たったため、やがて近隣の国道からは
「くぉぉぉぉん!」「でゅろろろん!」と同好の志が駆るマシン達の
元気な咆哮も響き始め、少々ソワソワしつつも作業を進行(笑)。


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恒例の足回りチェックは、「当分保つと思いますよ」というNさんの
言葉通りブーツ類もしなやか。
タイロッドエンドのゴムも充填されたグリスで膨らんでいます。

アームやスタビのブッシュ類は数年前の車高調O/H時に全交換済。

それにしてもずいぶん長持ちするブレーキパッドだなぁ、アライブ。
毎年毎年、津軽海峡ラインでは相当酷使しているハズなんだけど。


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今回の車高セットアップは、以前の数値よりあえて前後5m/mアップ。

というのも引き取りの帰り道で「この状態ならバネにかなりプリロード
掛かっているはずなのに、むしろ乗り心地が良くなっているような?」
と感じたためで
(※昨年時点でもやたらフルバンプする程にはオトしていません)。


まあ、限界まで使い込んだBOSEタイヤからバリ山新品に換えたので
フェンダーとの隙き間もそんなに気にならんだろー、という見込みで
ありますよ。


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タイヤ交換は「ヒザでゆすってガタが無くなるギリギリまで手締め。
レンチを使うのはその後に」ってことで。

嗚呼、背後から耳に届くデュラデュラなアイドリングはドゥカティか。
おや、シグナル・ブルーで出遅れてリッター・フォアに抜かされたな。

くそ、疼くぜー、今日はぜってー最高の単車日和だよな。

・・・いかんいかん、今日はじっくり腰据えて、コイツを仕立てなきゃ。


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いやなに、シーズンはまだ明けたばかり。気持ち良く走れる休日は
これからまだまだナンボでも訪れてくれるさ。


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埃をたっぷり纏い薄汚れたボディを洗い終えたところで、午後3時。

「では、水気を切るためにひと回りドライブして来ますか!」

3桁国道で郊外へ出た辺りを見計らい、脇道へ入って幌を開け放つと

・・・いやもうヤバいわ、20℃近い陽気の中のオープン・クルーズって
こんなに気持ちイイもんだったっけ・・・うわあ魂溶けそう(昇天)。

日なたのロードスターはきつねの揺り籠。

元々切れ長な目は更に細まり、脳裏に浮かんだ「たゆたう」という言葉に
自然と笑みがこぼれて・・・・否、なんか違和感が。


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点検項目にも明細書にも「サイドスリップ調整」の文字は無かったハズ
なのに、何故かステアリングのセンターがミョーにズレてる。
さっき足回りをチェックした時も、もちろん変な力が掛かるような作業は
していなかったハズなんだけど。

あー・・・いやいや、思い出した。これ、預けに走った一ヶ月前の時点で
もうズレてたわ・・・引き取って来た時は勤務明けでボケてたしなぁ。


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えへへへへ・・・本職の皆さん、ごめんなさい。

ホントはタイロッドで調整すべきなんだろうけれど、きつねは俗に言う
インチキアダプターをコラムに噛ませてあるので、これで合わせます。

今期はディレッツァが再び偏摩耗する前に、機を見てキャンバーを
立てるべく「オトナのアライメント補正」へ出す心積もり。

いずれ再調整が必要になるでしょうから・・・どうかお見逃しを(笑)。


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それにしても、良い。何年乗っていても、ロードスターは走らせる都度に
いつでも生理的・本能的なところで「駆ける喜び」をもたらしてくれる。

ドライバーの操作に間髪置かずダイレクトに応える快さ、という点で
コイツは二輪と同じ価値観の線上にあるんだなぁ、と思います。

発表時の「乗れば誰でも幸せになれるクルマ」というキャッチコピーに
偽りナシ・・・それはきつねの街道レーサー仕様でも、ツルシでもね。


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現代のクルマより具体的に優れているポイントなんて何もないはず
なのに、たぶんフィールの点で上を行く現行国産車はほとんど無い。

「乗り味でヒトを魅了する」という視点では、乗り比べたことのある
身近なドライバー全員がNDよりNAの方に軍配を挙げています。

「工学技術の進歩って結局ナンなんだろう?」と、ただただ黄昏の
湖畔で首を傾げるばかりのきつねメなんでありますよ。


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そう言えば・・・4月の声と共に冬眠から目覚める動物たちの如く、
街で見掛けるスポーツカーがいきなり増える・・・という、ご当地
例年の風物詩の中で。

今期は何故か新規登録ナンバーを下げたNAロードスターの姿が
目立つように感じられます。

既に艶がほぼフェードしたクラシックレッドの初期型、逆に全塗装
したてと思しき程度の良いブラックのSスペシャル、等々。

いずれも昨年までは、市内近郊で目にした記憶がない個体ばかり。


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「マツダが純正部品の再生産に乗り出した」というアナウンスを受け、
何かしら新しいムーブメントが起こりつつあるのかもしれませんね。


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◎ 今日のおまけ ◎


時々の合い間を見ては今回の記事を打っていた、ある午前のこと。
きつねのアジトの前へ、聴きなれないサウンドのエンブレを響かせ
近づいて来るオートバイが。

「おや、何だろ?」と網戸の向こうへ視線を移すと・・・あっ、トライアルの
師匠・へーさん・・・そっか、遂に「イタリア娘」の公道デビューか!


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格安で嫁入りした長期放置のベース車を相手に、ほぼ一年を掛けて
へーさん自身の手によるセミ・レストレーションを受けたモトグッツィ。

フラッグ・シップたる同世代のルマン系が旧車バブルの神輿に担がれ
手の届かない存在になりつつある中、それでもなかなか顧みる人の
いないV35イモラ。


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「再生には相当苦戦する覚悟で手を掛け始めたけど、シンプルな作りと
パーツの入手性の良さが幸いして、思ったより呆気なく直っちゃった。」

「実は修理と化粧直しを進める間に、覗きに来た仲間に懇願されてね。
自分が乗る前に次の嫁ぎ先が決まっちゃって、名残惜しいんだ。」。

ルマンⅠ用のフロントカウリングに換装された出で立ちは入庫当初の
くすんでボケた姿が想像出来ないほど、パリッと決まって美しいもの。


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自分を含めて`80~90年代の外国製ミドルクラスには馴染みも印象も
薄く、別段食指も動かないバイク好きがほとんどだろう、と思います。

でも現車を目の当たりにするとコレ、醸し出される雰囲気がたまらなく
有機的で心を魅かれます。譲渡をせがんだヒトの心情、よく分かるもの。

「性能面については『どうせ大して走らないんだろうなー』って全然
期待していなかったのに、実際乗ってみたらフィールが凄く良かった。
メインのGL500改の印象が霞みそうで、逆に正直当惑してるよ。」


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もちろんマシン単体でも、長いこと見ていて飽きない魅力を十分に
持っているイモラだけれど。
何よりこのグッツィ、ライダーが跨いで実際に走らせている時の姿が
とても映えて、絵になるんですよ。

きつねが「ウチの前を通る時、ハッとする程カッコ良かった」と告げると
「やっぱりそう思う?俺も信号待ちでガラスに映る自分の姿を見て、
意外なまとまりの良さにちょっとビックリしたんだ。」とのこと。

車検は無事に取れたものの高回転の吹けが冴えないキャブレターを
微調整した後に、次のオーナーの許へ嫁ぐ予定だというイモラ。
しかしへーさんのガレージの奥には、まさかの展開が待っていました。

「自分用に同じコンディションのV35、また仕入れちゃった(!)。」

正にイタリア娘の魔性とレストア狂の心象たるや、恐るべし・・・ですね。

テーマ : 車関係なんでも
ジャンル : 車・バイク

プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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