ソウルを、くれないか。 ~代車は自分の映し鏡~








これ・・・リ・アレンジされてるのかなぁ・・・何度聴き返しても、シビれるわ。
もともと好きな曲ではあったけれど、このパンチと伸び、文句なく気持ちいい。

その気持ち良さをどう表現しようか、ビール片手に言葉選びをしばし楽しむと
やがてひとつの「解」に思い当たり、胸にコトン!と何かが音を立てて落ちました。



「胸のすく感じ」・・・そう、これだ・・・きっとそのレシピは・・・SOULだ、と。


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愛車・けーたろーが車検整備へドック入りしている間の代車として
手許へお借りしているのは、10年前の15万㌔走ったホンダ・ライフ4WD。


すごーく正直なホンネを語ると、「自身ではまず選ばないクルマ」です
(但しひとつ前の型の極上5M/Tを見つけた時は、見積もりまで取った)。


まあ旅先のレンタカーと同じで、普段視野に入らぬ車種に乗らされる点では
ある意味新鮮なので、期間限定なら体験を面白がる機会でもあるけれどもね。



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ライフの美点を挙げるとしたら、まずは「灯油が積みやすいフロアの低さ」。
これは以前お借りした初代フィットもそういう設計だったので、期待通り。

リアハッチの開閉位置自体がこれより20cmは高い我が「けーたろー」の場合、
満タンのポリタンクをコンテナの高さまで上げるのに、相当の腕力を要します。


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それから(後で語るデメリットと引き換えに)、前席より一段高いヒップポイントの
おかげで、後席から前方への眺めも良好。

リアシートを最大限後ろに配置したのか、運転席を175cmのきつねに合わせて
後方一杯に調整しても、後席に座ってみて背面に膝が当たらない。

実は同じことを330グロリアで試すと、後席のきつねは「体育座り」なんですよ。
軽の寸法でこの居住性は、ある意味でスゴいこと・・・なのかもしれない。


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それから↑の画像で囲った「サイドウィンドゥの見切り線」が、ほぼ水平なこと。

ユーザーのほとんどが購入時には考えていないだろうけれど、コレ大切です。

何故か?というと、ここがあまりにナナメっているクルマは「真っ直ぐバック駐車」を
難しくしてしまうんですね・・・無意識にここを「基準線」としているから。

ええ・・・これがほぼ直線だったキャロルでは一度も難儀したことがなかったのに。

ややナナメってるけーたろーに乗り換えた途端、バック駐車が下ッ手クソになった
きつねが申すのだから、間違いありませんよ・・・(5Dr版は割と水平なんですが)。


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あとは、ライフに限らず「コレ系」のオヤクソクである、窓の大きさと室内の明るさ。

お借りしている現在が「春の陽射しに真冬の気温」という2月の北東北ですから、
これは精神衛生上非常によろしいことでして。

ヒーターのダイヤルをもう一段絞るほどの温室効果もあったり致しますよ。


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しかしバッド・サイドは、その利点が全て裏目に出ているんですけど・・・。


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まず、運転席のヒップ・ポイントが「トゥデイの頃そのまんま?」と疑うぐらい低い。

クルマの姿勢自体がアップライトなので、立てりゃイイのか寝そべりゃイイのか。
何度調整してもドライビングポジションが、どーにもキマらないんであります。

ペダル類を「上から踏む」のか「前に蹴る」のか、どっちかにしてもらわないと
腰痛持ちのきつねはコレで長距離掛ける気になれないのね。


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それから、「切った後に手を離しても直進位置に戻れない」妙なパワステ。
電動パワステにありがちな俗に言う「センター付近が曖昧なフィール」ってヤツ。

なんかねー、ステアリング・シャフトをクランプやブッシュでキツーく縛ってる感じ?
「重い」んじゃなくて「シブい」・・・アシスト・モーターが逆に抵抗になってるんだなぁ。

ハンドリングそのものは、切れてほしい分だけ切れて狙ったラインに行けるけど
タイヤの接地感は全くのデッド・・・圧雪凍結路では命取り、正直乗りたくないっス。


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そしてたぶんコレは、このテに望んではいけない要素の筆頭なんだろうけれど・・・。


実は「運転していて、加減速がちっっとも楽しくない」んであります。


900㌔近い車重を660ccNAでなんとか走らせるためのセッティングなんでしょうが。
クリープからジワッと加速する時こそ自然なものの、少しの負荷でもキックダウン。

その加速自体もエンジンがガーゴー言いながら吹けつつスピードの上昇は緩慢で
「ホンダってバイク・メーカーだったよな?」と首を傾げたくなる出来だったりしてね。


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と・・・まあ、小姑的なマニア視点で語ると、チマチマ言いたいことはたくさんあります。



リアフロア・スペース拡充とバネ下重量軽減の良いトコ取りのようでいて、しかし
やっぱりストローク不足が否めぬ、もったいないドディオン・アクスルの使い方とか。

サイドミラーは寸法/曲率抜群の優れ物なのに、極端に小さく遠いルームミラーとの
連携がチグハグで死角が大きく、アブない設計に煮詰めの甘さを感じ取ったり、と。


但し「雨風凌げる楽ちんな移動手段としての自動車」と捉えると、大した問題じゃない。


15万㌔オーバーなのに軋み音ひとつしないし、世代が少し古い「けーたろー」に比べ
チープな印象も激減しているし・・・実際のところは概ね、良く出来てるんですよね。


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さて・・・「出来の評価」と「好き嫌い」を別の視点として分けまして・・・。

ひねくれ者なきつねメ個人にとっての率直なジャッジメントとなると、やはり
結論は「これは、身銭切ってまで買いたいとは思わないクルマだなぁ」。



それは「ミッションがオートマかマニュアルか」というほど単純な話ではなくて。
独り者な自分の生活に対し、エニシングをもたらしてはくれないクルマだから。



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普段の足とは別にバイクたちやロードスターを持つ自分は、他者から見たら
きっと贅沢で欲張りなヤツに見えるんだろうけれど。


※ この辺りの事情と考察は、また機会をあらためて書くつもりですが。


ただ、二輪とスポーツカーを介して「乗り物への価値観」を得て来た立場で
言わせてもらえるならば。


「そのクルマを迎えて以降、今までの生活に新たな刺激とか潤いを得られる
存在ではないのなら・・・その乗り物には、お金を支払う気にはならない。」


その肝は何?と問われたら、答えは冒頭の曲にリンクさせた、「SOUL」の有無。


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ワゴンR



思えば・・・いまの軽ハイトール・ワゴンの起爆剤となった初代ワゴンRには、
開発陣の「マンネリな軽市場に一発ガツン!と変化球を投じてやろう」という
遊び心と野心があって・・・それが爆発的なヒットに繋がった訳だけれども。


自ら蕎麦屋に入ってぺペロンチーノを求めるような愚を承知の上で語るなら
「それが標準に据えられて長い今となっては、その分野は煮詰まっていて
いろんな意味で退屈かつ、つまらないジャンル」と感じます。


「ヒトも荷物もたくさん乗れて便利でしょ?軽なのに品が良くてラクチンでしょ?」


しかし・・・「売れているライバル」「それを買う層」を延々と研究し追い続けた結果、
その究極の姿はどんどんタクシーやらバスとか電車とかに近づいて行ってしまい。

その結果、むしろ「自動車の持つ本質的なダイナミズム」からは乖離しちゃったね
・・・とすら思える次第なのです。


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シティ




スカスカなトルク感と引き換えに、マブチの模型用モーターの如く天井知らずに
快く回るエンジンと、剛性感がまるで無く心許ない代わり、軽快この上ない走り。


「10万㌔でホンダ・タイマーが動作する」とか「右をぶつけたら左も曲がる」とか。

「事故後フレーム修正機に掛けて直すも、雪道に残った轍は妙に太くなる」とか。

「年式新しく走行距離の短い個体でも、事故歴アリなら下取りはタダになる」とか。


21才の頃のきつねはホンダに対する悪評も承知の上で、GA-1シティが欲しくて
ローンを組みました。


当時の悪友が愛用していた先代のシティ・ターボやワンダー/グランド・シビックの
鮮烈な加速と、もうとにかく美しくカッコ良かったデュエット/サイバーに渡る二代の
CR‐Xに、10代の頃から延々と長く恋焦がれ片想いしていたから・・・ね。



ドマーニ




ロードスターに乗り換えた後も、勤務先の社用車として「ジェミニという名のドマーニ」に
触れる機会が多々あって。

平成生まれとしての質感のアップ・デートは多少あったにしても、昭和生まれのシティと
変わらぬテイストには「やっぱりホンダのクルマって、良くも悪くもこんな感じだよね」って
苦笑いした思い出があるのです。



さて・・・ここ10年の同社製品、他メーカー車に比べ遜色ない完成度を得たようだけれど。


逆に「ホンダじゃなくちゃ!」とユーザーがこだわりたくなるような独自の個性や乗り味って
果たして何か、持っていましたっけ・・・?


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「ユーザー自身が運転出来る乗り物からは、操縦する爽快感を奪ってはならない」。


それはもう自転車のレベルから始まって、小型船舶や自家用ジェット機に至るまで
通ずる魅力の本質とか存在意義なんじゃないのかな、ときつねメは考えています。


その視点をないがしろにして便利さと安楽さを追求すればするほど「移動の道具化」に
歯止めが掛からなくなり、究極のところは「他人にハンドルを預ける」公共交通機関と
値打ちが変わらなくなってしまうのだから・・・。


実際、こういう軽ワゴンに乗せられて育った子供たちは「クルマってこういうモンだ」という
価値観しか抱かないし、自らがハンドルを握る年齢になっても「便利な交通手段」としか
捉えられず、「面倒なクルマの運転よりゲームの方が面白い」という結論に至るでしょう。



メーカー自身が選び歩んだ「お客様に喜ばれる商品作り」は「機械の匂いをひたすら消す」
ベクトルだった・・・その結果、悲劇か喜劇か自ずと「ユーザーのクルマ離れ」を招いている。


「失われた20年」を経た昨今、やっと「ドライブする喜び」に価値本質を見出して舵を切り直す
メーカーが増え始めたように思えるのは、果たして昭和育ちの時代錯誤な中年ぎつねだけ、
なのでありましょうか?
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テーマ : ひとりごと
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い ホンダライフ

プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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