「ココロのゼンマイ巻き戻し」の、ショート・トリップ ~前編~








不意の家出から三週間、待てど暮らせど帰らぬとらみさん。

「俺の気配があれば、ひょこひょこ戻って来ることもあるのかな。」
と、仕事帰りから遅い日没までアジトの草むしりにも励んだけれど。

その間、近隣の人に声を掛けつつ、なんとなく思うところがあった。

たぶん、ホントに根拠のない「たぶん」だけれど・・・彼女は何か
ある理由から、どこかにホームステイしているのではないか。


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神社の境内で開かれた猫の集会。その場の取り決めにより彼女は
どこかへ派遣され、そのことを告げるためにあの夜、狐が現れた。

そんな妄想が脳裏に浮かぶ中、ぎっしり雑草を詰めた70Lのポリ袋を
燃えるごみの集積所に積んで行く。

何にせよこの一か月、短い間にあまりにも出来事の波が荒過ぎた。
「待つ想い」に変わりは無いけれど、もう自分の時間を巻き戻そう。


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快晴の朝に目指したのは、「風車が並ぶ尾根の道」・上外川。


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まずあの谷を渡る風を越え、葛巻の山懐で縦横無尽に遊ぼう。


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ってしかし・・・既に5月も下旬に入ろうというこの時期に、コレか。


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かつてゴールデン・ウィークにも同様の「壁」に当たったことは
あったものの、まさかまだ居座っているとは思わなかった。


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・・・例えスコルパ持って来ても、コレ超えるのはムリ、絶対・・・。


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エセ北海道ポイントまで引き返し、「さて」と、しばし思案。

時間だけはある。ならば、山ひとつ向こうの安家越えを狙うか。


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もう十年近く前に訪ねた時は国道を早々に逸れ、タイトで長い
氷渡経由のルートから入ったけれど。


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龍泉洞をスルーし県七を北上する初めての「王道コース」で
きつねは複雑な気持ちを抱くことになる。


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さすがに一桁県道だけあって、ルートしてはもう文句なく良い。

「なぜ今までこの道を走ったことが無かったのか」と自分でも
不思議に思えるほどの快走路だから。


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但し初夏の抜けるような空の下故に、土砂で酷く荒れた路肩の
凄まじさが、異様に際立って目に映る。


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昨夏の終わり、大平洋からという常識外の上陸により勢力を持って
散々暴れた台風10号の爪痕は、今も深く残ったままだった。


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四方に深く山が迫る安家の集落は、かつて「取り残された昭和」の
風景が色濃く残されて、きつねの心を和ませてくれたけれど。


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流域にダムを持たず護岸工事も受けていない美しい安家川は、
しかしそれ故にかつてないほどに荒れ狂ったのだろう。


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歌舞伎揚げの包装を思わせる三色ビニールの庇が褪せた商店も、
コンクリ作りの塀や建屋の佇まいが懐かしいガソリンスタンドも。

もう昭和原風景のあの面影は、何ひとつすら残ってはいなかった。


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「報道されない事」は「何も起こらなかった事」と、イコールじゃない。

メディアは、行政は、何を見ているのだ。何をしているのだ。

震災時と同じ感情が沸く。奴らの仕事は、使命は、一体何なんだ?


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「上外川を越えられないなら、相棒はスポーツスターでも良かったか」
と実は道中独りごちていたけれど、しかし結局セローで正解だった。

本来舗装であるべきはずの幹線が、ダートに化けていたのだから。


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アジトを出る前の天気予報では、県下全ての降水確率が夜まで
ゼロだったはずなのに。安家の集落から西に、明らかな重い雲。

ロードサイドの「至・九戸」という表記を信じるなら、それは正直
想定の枠を越えてのとんでもない遠回りに至ってしまう・・・。


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「止む無きショートカットを強いるなら、掟を破る他に術は無し」か。

既に長くなったので、以降の顛末は後編にて綴ることにしよう。


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まあ、この辺のベクトルも込みで書けたら、ちょっと面白いかな?
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プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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