空梅雨はやちねランブリング紀行 「SIDE B」









リアルタイムで解散を知って以降、何年経ち何歳になってどの曲を
聴いても、胸で「なにか」がチラリ・キラリと一瞬瞬き、秘かに疼く。

そんな彼らの曲の中から、今夜はこのナンバーをTOPに。

実は日本映画界指折りの鬼才、故・深作欣二監督もこの曲を愛し
葬儀の会場でも流されていたそうです。


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きつね自身は彼ららしい荒削りな元アレンジの「1000」版の方が
好きだけれど。

ともあれタイプも世代も当然様々なれど、バイク乗りの心の中には
誰しもこのリリックのような想いが宿っているように思えます。


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さて・・・ザンザン降りの夕立ちに見舞われたお陰でスカンと晴れた
翌日、再びセローに跨り今度は田瀬湖を目指したものの・・・。

前回の大迫探検があまりに楽しかったため、「紫標識の誘惑」に
どうにも逆らえません。


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田瀬界隈にも面白そうなエダワキの匂いが多々あるんだけれど。

「素通りしても結局は後ろ髪引かれるんだろ?」ってことで、
盛岡寄りから入ったのと逆に、遠野側最後の紫標識から突入。


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さっそく四輪の轍を頼りに枝道をつつき始めたものの、ワハハ。
なんじゃこの夏草の濃さ・・・こりゃダメだろう。


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やっぱり廃道だわコレ・・・で最後は物理的に進めなくなりました。


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「ここは良いかな?」「ここもダメくさい」と周囲をキョロキョロと
見回していると、やがて堂々「ココ林道入り口」との表記が。

「一応通行禁止だから何があっても知らねーよ。でも気をつけて
通ってね」みたいないつもの建て前が、珍しく見当たらない。


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そう言えば前回も、そーいうお役所口調の看板が全然無かった。

盛岡界隈の管理/伐採道とは違い、かつての集落間道路をそのまま
残している・・・という生い立ち故なのかなぁ。


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特に「至・どこそこ」とか「林道なんちゃら線」的な表記も無かったので
いったい何処から入って何処に抜けるのかも分かんないんですが。

でもよく管理の手が入っていて、見晴らしポイントこそ少ないけれど
走り心地がいい散歩道でありました。


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たぶん外川目の東端から入ったので、ここは内川目なのかな?
素敵な土壁の納屋は、かつて何を仕舞っていたのだろう。

こういう建物の片隅って古いバイクが眠っていたりしそうで、少々
気になるよね・・・なんて思っていると、紫標識・第二弾がドドン。


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ええっ、ここってまだ外川目地区内なのか。

こっちからもにゃんこ山に通じていることを知る一方、本命はやはり
「宇瀬水牧野」の文字。


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以前から高台に出る都度、「ずいぶんあちこちに牧草地があるけど
そのアプローチがつかめないんだよな」と感じていただけに、これは
胸躍るHITの予感。


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「牧場への入り口、やっと見つけたー!」とウキウキ登るも、しかし
たどり着いた先の看板には無情にも「道路洗掘で通行止」の文字。

洗堀ってナンだよー、そんな言葉聞いたことないよー・・・と嘆くも
なお頂上へ向かって伸びる舗装路に望みを賭けます。


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もちろんそっちこっちに美味しそうなエダワキが生えているものの、
概ね幾らも進まないうちに牧柵に行く手を阻まれます。

いやしかし山腹でこの景色なら、先はかなり明るい気がする。
しかも個人牧場じゃなく公営だから、開いているゲートもありそう。


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そしてルートの頂きへ到達・・・ぱあっと一気に広がった視界に
思わず鼻息も荒く、「いよっしゃあ」!


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草原越しに遠く連なる山々を睨む、ちょっと古ぼけた北海フォード。

「昭和五七年農用地開発公団事業」と記されたボンネットから、
既に現役35年の個体であることが分かります。

この公用表記がきつねは好きで、かつて県内で目にした中では
「昭和三二年」という怖ろしく古いマッセイもありました。


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午後も作業するためか、事務所の向こうに延びた牧草地には
これまた「疫病対策のため立ち入り禁止」のオヤクソク表記も
見当たらない柵が開かれていたので、ちょっぴりお邪魔します。

・・・と・・・いや、絶景!今までウロチョロしていた大迫の山懐を
テッペンから眺めると、こんな深い土地だったのか・・・!

遠く近くいくつもの山がひしめきあい、この風景を作っています。


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それぞれの谷あい毎に集落が点在しているから、あれほどの数の
山越え林道が四方八方に延びているんだよね・・・。

クルマや舗装路が行き渡るまで各々の谷に住む人々がどんな
暮らしをしていたのか、想像することすら難しい山深さです。

それにしても素晴らしい。ハイジとオンジとトライさん(←ココ不要)
が、今にも斜面を駆け上がって来そうでありますよ。


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あまりにもあんまりな景色なので(謎)、深入りすると牧野のヒトに
怒られるかな?と折り返しを探ると、間もなく有刺鉄線で行き止まり。

本当に入っちゃいけないところには、ちゃんと対策が施してありました
・・・っていうかコレは本来「ウシの脱走防止策」という気もするが。

しかしいつも思うけど、ウシってゆっくりゆっくり気付かぬうちに、
ヒタヒタとみんなコッチ寄って来るので、なんか地味に怖い(笑)。


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意気揚々と牧野から舗装路へ戻り「さてどこへ抜けるのかな?」と
今度は山麓へ向けて、木蔭の涼しい道を駆け下りたわけですが。

うーん・・・素敵なHITはプレシャスの連鎖を連れて来るのかな。
コーナーを抜けると、また思いがけない出会いがありました。


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前回はカモシカとアナグマの画像を得ることが出来たものの
唯一撮り逃してしまった動物、ニホンジカとの遭遇です。

ホントはコーナーの向こう側に親子で佇んでいたのだけれど、
母さん鹿は即座に傍らの夏草へ退避してしまいました。


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「ごめん、怖がらせるつもりはなかったんだよ。」と声を掛けるも、
まだ幼いバンビちゃんには入れる木々の隙間が見つけられず。

「どうしよう、ママとはぐれちゃう!」としばらく戸惑っていた様子。

やがてすぐ近くから「キョッ、キョッ」という母さん鹿の呼び声が
聞こえて、ようやくブッシュへ飛び込んで行きました。


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鹿の親子には悪かったけれど、思いがけず可愛いもの見ちゃった。

カモシカは過去にも撮れたことがあったけれど、鹿は俊敏なので
今まで撮ったことなかったんだよね・・・とホクホクしていると、
やがて次の分岐が現れました。


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経年で文字が掠れてしまったのか、意図的に塗りつぶしたのか。
緑色の標識には、かすかに「広域基幹林道・内川目線」の文字。

ここもヤクショのタテマエは設置されていなかったので天下御免。
ってかココ、まだ外川目地区だったのかよ。


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さてどれどれ・・・と踏み入れた途端、なんと三本も分岐の交差が。
エダワキじゃなくてどれもホントに整備されているっぽいなぁ。

さすがに左手へ降りるとアッという間に終わってしまいそうなので
ここはひとつ、最も遠回りっぽい「上りの林道」をチョイスします。


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うん、これも良質!「ハズし」の予兆が全く感じられないキレイな
ダートが延びておりました。

あの四叉路の雰囲気から察するに、おそらくどのルートを選んでも
道のコンディションはこんな感じなんじゃなかろうか。


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あの牧野のような極上の絶景はもう期待出来ないだろうけれど、
それでも西へ戻るコースがこんなに楽しいのなら、文句ナシです。

早池峰寄りの大迫はホント、引きが強いというか、懐深いというか。

R396はもちろん県25も43も何度となく走っているのに、何故今まで
こんな林道パラダイスに気付かなかったのかなぁ。


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ほとほと感心しつつデジカメを取り出そうとセローを停めた瞬間、
目の前を横切って行ったのは・・・うわ、またカモシカじゃないか!

鹿が撮れなかった前回とは逆に、今回はカモシカを撮り損ね。
・・・ってまあそう毎回都合良く、何でも撮れるワケないけどさ(笑)。


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牧野界隈のウロチョロも含めて、今日のダートランは既に三本め。

ずいぶんスタンディング・ライドの時間が長かったので集中力よりも
先に太腿がパンパンになってしまい、ちょいと一服。

クルマがすれ違えそうなスペースに停まってふと振り返ると、傍らに
小さなお地蔵さんが据えてありました。

かつては集落を行き来する人々も、ここで荷を降ろし一息入れつつ
道中の無事を祈ったものなんでありましょうね。


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実はこの道に入ってしばらくした辺りから、なんとなく感じていたことが
峠を越えた辺りからジワジワと強まっていました。

「このコースって、なんか見覚えがあるような。もしかしたら前回もココ
逆回りで走ったんじゃないか?」

切り通しの落石を知らせるパイロンこそ初めて目にしたものの、どうも
この雰囲気とかシーンって、記憶にあるような気がするんだよなー。


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木々の向こうに見える景色も、前回路傍のカモシカに叱られた辺りや
高圧鉄塔辺りから見渡した山々の眺めによく似ているし、ね。

たぶん下の集落に沿った道が県43、右手に早池峰ダムがあるはず。
・・・やっぱりこの間、ここ通ってるのかなあ、俺・・・。


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「お地蔵さんの峠」で休憩してからナンボもまだ走っていないのに
再び太腿がくたびれたので、またコーヒーと煙草を出して一服。

別にシートに座ったまんまでも走れるぐらい沢掘れも少なくて整備の
行き届いた路面ではあるけれど。

チョコチョコとタイヤが左右に流されるんで、落ち着かないというか
気持ち悪いんだよね・・・未舗装路のシッティング・ライドって。


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例によって傍らにヴィクトリノックスを置き「クマ出るなよクマ出るなよ」
と心中で呪文を唱えつつ。

それにしてもなんでこんなに居心地良いんだろう、大迫の林道は。

梅雨の合い間の好天とはいえ、ワキやエダの入り口を覗いてみても
他では必ず感じるポイントがある「陰の気」が、ここでは匂わない。


KL.jpg


もちろん天気の冴えない日や夕刻以降に入ったらソレ相応に世界が
違って見えるだろうけれど、二日間に渡って散々徘徊しても一度も
「自然の結界」に触れることがないケースは、滅多にないもの。

たまたまそういう時期・そういう道ばかりに当たったものか、或いは
何か別の理由が存在するのか、いささか興味が湧いて来ました。


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KM.jpg


幸い黒く大きな山の主に遭遇することもなく麓の里まで戻って来た
ものの・・・あれ?出る先はこんなところだったの?

そう、「前回走った道かも?」という予想は見事に覆され今回もまた
「御新規さんルート」だったことが判明したワケです。

同エリアなのだから林道の雰囲気がソックリであっても不思議は
ないけれど、しかし双子のような景色や道筋だったなぁ。


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缶コーヒーのお代わりを自販機に求めつつ青標識を眺めれば、
早池峰ダムから逸れた無表記の矢印が。

このパターンは大抵集落最後の家で途絶えるものですが、こと
大迫に関しては何か期待が持ててしまうんですよね(笑)。

さすがに毎回毎回同方向へ出向くほどきつねメもモノ好きでは
ないので、「いつか」の宿題・オタノシミに取っておきましょうか。


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ちなみに・・・「新しい林道だ!」「すてきな景色の連続だ!」と
うひゃうひゃ徘徊を楽しんでいた分、里に降りた頃にはとっくに
午後の日も傾いておりまして。

通りがかった食堂全ての店先で「本日終了しました」「只今準備中」
「定休日」とつれなくフラれてしまい、結局はコンビニの駐車場の
片隅で遅いランチを頂く羽目に陥りました(涙)。


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まあ、全方位「当たり」を引き当てられるほど人生甘くないよ、俺。

かくして夏至からひと月の日暮れ前、ダートを楽しんだ分だけ汚れた
愛車の埃や泥を落とし、充実の一日をぼんやり振り返るきつねメで
ありました。
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テーマ : オフロードバイク関連
ジャンル : 車・バイク

プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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