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うそでいい、「好きだ」と 言って。








自分の好きな曲にイマジネーションを重ねて、動画を作ってみる。

・・・その行為には本当に共感するし、俺だってやってみたい。

でも欧州高級ブランドのフラッグシップでミラーの鏡面が揺れたり
風切り音で会話が途切れたり・・・それはあり得んよなぁ、と。


かれこれ15年以上前の夏の夜の出来事を、ふと思い出すきつね。


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あン時はたまたまキャロルのエアクリーナーを換えていたから、
「ヘッドライトの球が片方切れた?あー、んなモンさっさと
直してやっから、そのまんまウチに来な。」
と電話を切った。


もしもあのコからのSOSがこんな状況下だったら、そっけなく
「バルブ買った用品屋に工賃払って取り替えてもらえよ」って
断っていただろうね。


いや・・・どうも携帯越しに届く声のトーンがおかしかったから
やっぱり慌ててパーツクリーナーの染みたウェスで手を拭い
「とりあえずこっち来い」と呼んでいたかもしれないけれど。


作業を終えて片づけに汗する傍らのラジオから突然聴こえた
「嫌いな歌手の好きな歌」に、ちょっと手が止まってしまった。


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15万円で引き取り6年愛用した「まめぞう」ことAA6RAキャロル


美味しいシーン総取りなロードスターに対し、地味なアイツが
ひと花咲かせた唯一の展開かもしれないな・・・あの時は。



端から裂けそうなほど劣化し切っているキャンバス・トップを
開け放った夏の星空へシートを倒し、ユッコは泣きじゃくった。


そのとき手を差し伸べられるのは、自分しかいなかったんだ。



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「もう自分を責めンな。関わって来た誰ひとりをもアンタは不幸に
していないんだから・・・さ。」


数少ないきつねの取柄、大きな手のひらでそっと髪を撫でると
手の甲で涙をぬぐい、彼女は大きな瞳を閉じて唇を差し出す。


繊細なユッコは、傍らに誰かがいないと地に足を立てられない
迷い猫のような女の子だったけれど。

彼女は、二人が別れた後も連絡が来る後輩の「元カノ」。



数日前に会ったアイツの横顔が鮮明に脳裡に浮かぶ故・・・
その先へと進むことは、自分自身が許せなかった。


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小柄でピュアでキュートなユッコは、やがてスカイラインを
駆る旦那さんの許へ嫁いで、今や幸せな二児の母。

元カレだったウスィーも同じように結婚し、若い頃の彼に
よく似たヤンチャな男の子に日々手を焼いているらしい。


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思い出は流れ去るランプ  嘘でいい、好きだと言って・・・か。


損な役回り、損な質だけど・・・答えは「NO」しか無かろうよ。
それでみんな幸せになれたら、別に俺は独りでいい。

青春のメモリーなんかさァ、空いた酒瓶に閉じ込め懐かしく
忘れた頃に引っ張り出して、眺めてみるだけでいいんだよ。


ウスィーもユッコも、きっともうバイクを降りて久しいけれど。

きつねは今でも降りられないんだ、単独飛行の日々からね。


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テーマ : バイクのある生活
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い オートザム キャロル Dトラッカー125

プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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