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きつね的「秋のお出迎え」 ~魔法の呪文は、アサギシオオシダ~







「せっかくの休日なのに、また今回も『曇りのち雨』・・・かぁ。」

ベッドで目覚めるなり、何故かアサギシオオシダというワードが
アタマの中をグルグルと巡る、奇妙な朝。


前回が「絶好の天気を通院で台無しにされる件」に見舞われて
落胆しただけに、予報が覆ることを期待していたんだけれど。

結局ドンヨリな空に気分を切り替え、「ここしばらく300km/月しか
走っていないけーたろーで温泉ドライブにでも行こう」、と決めた。


しかし・・・タバコを求めて「みえるひと」ことトキ婆ァの店に寄り、
ついついアサッテ方向な長話に興じて・・・気付けば正午だ。


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考えてみればこの一か月、行動範囲が「市内と隣りの市町村」。

半径50km越えはスポーツスターで県南を走った時が最後だから
実に二ヶ月も海や県境の向こうへ出向いていないことになる。

「オンシーズン真っ只中に、これだけ遠出しなかったことなんて
免許取得以降じゃ前代未聞。見えない紐に繋がれた犬みたい。」

「意図していないのになぜか遠くへ行けないor行けなくなる、か。
ま、そういうこともあるわね。後から理由が分かるんじゃないの?」


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「そー言えばコレのブレーキランプ球、こないだ片ッポ切れたんよ。
近親の不幸の前兆とかいう、不吉なヤツじゃなきゃ良いけどなー。」


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窓を降ろしたけーたろーでバイパスを走っていて、ふと気付く。


・・・アサギシオオシダアサギシオオシダ・・・あれ?東の方から
青空が覗いてないか?


直感で「今日は降らない」と思った。リクツ抜きの本能で確信した。
降らないのならバイクが良い。浅岸~大志田なら、セローの出番。


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慌てて乗り換え走り出したから、「さあアプローチはどうするよ?」と
心の声に訪ねるばかりで、ついぞ昼飯を取り損ねてしまう。

あ、昨日の晩からナンも喰ってない・・・24時間ラマダンかよ俺。

さておき胸中のコックリサンは、「上米内→NO」 「飛鳥牧場→NO」
「R455経由→NO」 「R106経由→YES」というお導き。

ふむ、では「いつの間にか忘れたアプローチ」を探ってみっか?と
県36・「平成市民の森」辺りから通じていた林道を思い出す。


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が、かつて通じていたハズのソレは見た目ほとんど廃道と化した上に
御丁寧にチェーンで封鎖されており、通行不可。

試しに傍らで草刈りに励むオヤジさんを呼び止め、先を尋ねてみるも
「ハイキング・コース?あんまりバイクで走っちゃいけないんじゃない?」

・・・おいおい「あんまり」て・・・そんなアバウトな・・・ま、止めとこう。


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結局些か不本意ながら「第三のアプローチ」としては割り合い平凡な
綱取ダム・旧やる気地蔵経由のラインをチョイスする成り行きに。

同系ルートお約束の銭掛峠越え線は毎年のように走っているので、
まずまずの変化球だから「心の声」を反映したものになる・・・のか。


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でも、結果として「強い直感」と「心の声」に従ったのは正解だった。

やっぱり雲の流れ方がいつもとは違っていたようで、見る見る間に
青空の大きさが増して行き、森に生気が戻る時の確かな感触を得た。


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今回は午後の限られた時間のラフロード・ランではあるけれども、
休憩タイムをより多く長く取れたなら、野生動物とも出会えたはず。

ヤマの息遣いが明らかに違う・・・全ての木々が、深呼吸している。


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進捗を選ぶのに機嫌を伺わねばならないほど深い山じゃないものの
それでも「ゲートが開いている」感覚を得るのは、嬉しくて楽しいもの。

あまりにウキウキ元気良く飛び込んだせいなのか、集落の中でひとつ
見知らぬ枝道に紛れ込んだら、その先に「ん?」と首を捻る林道が。


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セローを手にして以降の十年で、「盛岡の奥座敷」区界手前界隈は
もう走り尽くしていたはずなのに・・・このコース、初めてじゃないか?


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この界隈は谷こそ深いものの標高は大して高くなく、牧野もない。
だからなかなか映えた「見晴らしポイント」を望めない。

おかげでどの写真も似たようなものばかりになっちゃうんだけど。


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その代わり、日なた・日陰・沢の傍・木々の表情が変わる都度
いろんな匂いや空気を楽しめる。


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先月の長雨のせいか、時折り深い沢掘れが現れ「飛ばすなよ」と
警告を促す路面を読んでいたら、未舗装交差点だ。

そっか、ここは「建石林道」って言うんだ。やはりお初のルートだ。


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以前関東の林道事故について「同じ様なダートでも地方によって
しきたりが違う」「同コンディションでもコッチでは走れる」と書いた。

要は自治体の考えひとつでロープを張ったり張らなかったりする。
だから一律に「林道=ダメ」と考えるのは如何なモンか?と。


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何しろコッチでは逆に「行けるモンなら行ってみやがれ!」ってな
ここまで鬼掘れしたコワい林道ですら「通行禁止」の表示が無い。


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轍の真ん中突破を試みる一休さん的な猛者も居るだろうけど。
正直ソロ・アタックではアブいので、交差点まで引き返した。


だって数キロ進んで行き止まりなら、再度この道を戻るんだぜ?


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結局、割と整備の良い建石のメイン道路に沿って進む成り行きに。

それにしても陽が生気を呼び起こした森の中は、清々しいばかり。


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なんかねー、ウキウキとしみじみがシェイクされて幸せな気分。
「あー、この時間、この過ごし方を望んでいたんだなぁ」って思う。

居るべきところに居て、自分らしく遊んでいる。イキイキしてる、って。


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時には調子こいて、また自らフラグ立てに行ったりして(笑)。


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一速ホールドの行きは良い良い、帰りは・・・おいおいすげートコ
登って来ちまったな俺(※ この程度はセローなら割と平気)。


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少し林がまばらになった辺りで、向こうにR106のループが見えた。


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なるほどなー、道中で一度もJR山田線とクロスしなかったのは
浅岸~大志田ルートの内懐をクルッと回るコースだったからだ。

それでもほぼダートだけで30kmは走ってる・・・なんで今まで
こんな素敵な道の存在に、気付かずにいたんだろう。


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R106との接続で一服していると、不意に背後から声を掛けられた。
「今日はクマと逢いませんでした?」

微笑みを浮かべた、自分よりやや年上な軽ワンボックスの男性。

訊けば元はKDX200に乗っていたものの、燃費の悪さに懲りて
今はXR250を駆るローカルのダート・ライダー。


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「ここよりもう少し上で左に入ると、例の交差点に出るんです。」

「さっき行ったら田んぼ脇で、数十センチ沢掘れしていましたよ。」

「ウチらは数人で組んで走るから・・・」という彼の住所を聞いて
ピンと来た。

「もしかしたらソレ、某ガソリンスタンドの店主さんのチーム?」

ビンゴだった。あのダート・マスターの一味なら、この辺りは当然
ほとんど「庭」の内のようなモンだろう。


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「ヒマな時間にお邪魔すると、建屋の中で雑談して一時間。
家にお邪魔すると二時間ぐらいは、バイクとヤマの話してる。」

うん・・・分かる。あの人当たりの良くて優しいマスターとだったら
大好きなバイクのこと、何時間でもおしゃべり出来そうだもの。

そう言えば彼と初めて会ったのも、同じR106の川内だったっけ。

「じゃ、今度またどこかの山で!」 「了解。マスターによろしく!」


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四方八方からムクムクとせり上がって来る入道雲を眺めつつ、
さっきの彼の言葉を思い出した。

「盛岡は予報の裏をかいて晴れたけど、花巻で土砂降りだって
いまラジオから流れていたよ。コッチ選んでラッキーだったね。」


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起き掛けにアタマを巡っていた「アサギシオオシダ」というワードの
ループは、やはり何かある種の「お告げ」だったに違いなかった。

だとしたら今日の彼や件のダート・マスターの一団とは、きっと再び
そう遠くないうちにどこかで出会う。そんな御縁の予兆かもしれない。


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入道雲を振り切っての帰りがけ、「まだ日が高いから」とアジトへ
戻る前、もう少しだけ遠回りをして缶コーヒー・ブレイク。

そしてようやく、すすけた心のプラグがきれいに焼けた実感から
「自分のしたかったこと」に、コトンと胸落ちの音を聴いたのだ。

そうか、俺は「自分の秋のお出迎え」がしたかったんだな、と。


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今月に入ってから盛岡地方気象台は、「梅雨明け」を撤回した。

結局日々雨雲に覆われたまま、何時から何時までが夏だったのか
判然としないままに、八月を越してしまった。

だからこそ全身で「秋」を受け止めたかった。そのためには前回の
「半日ブラブラ」じゃ、心のくすみを晴らすことが出来なかったんだ。


前回と今回、合わせて一日・・・そう、丸一日の自由が必要だった。


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黄昏に向け広がる雲の隙間を縫い、マンダリンの陽が街を染める。

汚れたセローを洗って磨いて、しかし気分はスッキリとクリアだ。

明日もし雨が降っても、きつねはもう平気。憂鬱になんかならない。

だってキッカリ、「秋を迎える儀式」を済ませることが出来たから。
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No title

最近はなんだか、雨が基本みたいな天気ですよね。
今日は午前中、それまでの快晴が嘘のような大雨が降りまして、
それが嘘のように再び晴れるというあたり、雨にあたるという伝説?の
花巻まつりらしいのかなあ・・なんて思ったりしております。

普段の生活でも、足場の悪いところを歩くときはおのずと慎重になりますし、
逆に舗装路のような平坦な路面であっても、それに安心して歩いていて、
ほんのわずかな凹凸につまづいて転んだりもしますよね。
「注意書きが無かったから危ないと思わなかった」なんていうようじゃあ、
どこを走ろうが一緒ですし(^^;。
生活への密接具合もあるのでしょうが、その辺で「何もかにも語らねくたって
分がるべ?」というのが、当地の林道に対する考え方なのかなと思ったりします。

と、つい理屈っぽくなってしまうのはあれなんですが、9月は各種イベントも
目白押しですから、楽しんでいきたいところですね。

琢麻呂さんへ。

花巻祭り、開催期間が割と長めのせいもあるのか
「どこか一日、必ず雨に祟られる」というジンクスが
あるみたいですね。
実は盛岡八幡宮の大祭も、まあ同じです(笑)。

>何もかにも語らねくたって分がるべ?」
岩手の林道は大別して、かつての山越えの街道筋
(現在も集落間連絡路として機能)、山中にある畑や
炭焼小屋へのアプローチ、伐採林道の三種類だと
思います。
そしてコレに渓流釣り/山菜採り/散歩という御当地
三大レジャー愛好家も便乗活用しているのが実情。

ヒマさえあればあっちこっちの未舗装路にチョッカイ
出しているきつねとしては、どの林道もほぼほぼ
キレイだな・・・という印象があって、不法投棄の
粗大ごみはもちろん空き缶やおやつ袋の類いも
ほとんど見掛けないんですよ。

これには管理者側の努力があるのが大前提だけど
人口に対する林道の絶対的な数を差し置いても
「自然への県民の意識の高さ」があるのでは?と
感じています。
事故が少ないこと(クマ関連は割と多いけど)も含め
閉鎖にまで踏み切る理由が無いんでしょうね。

路面がマズかったら慎重に走るか、あきらめろ。
山や森が好きだったら入っちゃダメなトコに入るな。
いつまでも自然を守りたいなら問題を起こすな。

「全てに於いていちいち言わねくてもすったなごど
常識だおん、分がるべじゃ」というのが行政上でも
県民性でも共通のスタンス、暗黙の了解。

「ゆっくり走ろう建石林道 まわりの森や林は
動物たちや小鳥たちのすみかです 盛岡市」

これは撮影し損ねたけれど道中に設置されていた
立て看板の言葉・・・岩手らしさの象徴ですよね。
プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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