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誰も知らない DEAD or ALIVE ~台風一過、伐採林道の死闘~









天気予報は「曇りのち雨」。でも、陽光に照らされ目が覚めた。

まずはパソコンを叩き起こして、一時間予報とニラメッコ・・・。
うん、雨が降りそうなのは15時を回ってからだ。

なにしろ今は、バイクに乗らずににいられない最高の季節。
行けるモンなら、走り出さないテはないだろう。


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大丈夫、西の山に雲が掛かり始めてから帰っても間に合うかな。

ホントはまた「未知の道」を探って、冒険したいところだけれど。

まあ今日は昼過ぎぐらいに帰途に着ける、近場で遊ぼう。


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いつもならS神社脇から登坂を開始する、お馴染み林道。

ただ、一度だけ見つけたことのある「幻の丘」の入り口を
確かめるには、南の逆回りにヒントがあるように思えた。


・・・ん?こんなところに脇道なんか在ったっけ・・・?


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いらっしゃい、と誘わんばかりの砂利敷きは数百メートルで終了。

ちょっとした広場の先は、マディの匂いが濃厚な赤土の細道。

なにしろ台風一過から僅か数日、掘れているとしたら相当深い。

コイツは罠フラグなのか、はたまた知られざるルートの始まりか。


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まだ真新しい幅広なキャタの轍が、キレイに沢掘れを潰している。

お陰で道沿い、縦方向の溝は皆無なのだが、しかしヨコが深い。

延々アップダウンのラクダこぶ、ザブザブと水溜まりを突っ切る。

ビビッてスロットル閉じると、次の坂でレロッて登れなくなるから。


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木々の間に間に差す明るい9月の陽光が、おいでおいでと誘う。

ついつい午後の予報の傘マークなんか、忘れちまうんだよなあ。

マッドな路面に尻を振ってもマインドが背中を押す。イケイケだ。


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後から思い返せば、予兆を感じていた。そう、確かにこの場所で。

*sei姉の言葉を思い出す。「謙虚に向かい合い、心の声を聴け」。

チラリ小さくよぎる「この先はマズい」という予感に、従うべきだった。


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予感の元は、坂の角度。ここに至るまでより、微妙にキツく見えた。

そう、手前の凹に出来た水溜まりも相応に深かったのだ。

勢いよくツッコんだセローのリアタイヤは、しかし窪みに負けて掻く。

ブロンッと最後の声を上げ、そこでエンジンは止まってしまった。


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セルを回して一速で吹かす。1ミリも前に進まずテールが沈む。

いくら前後に揺すり反動を掛けても、左右にすらビタイチ動かない。

慌てるな。セローを斜面から落とした時よりは、確実に勝機がある。

水を抜いて底を手で掘る。邪魔な丸太や枝を掻き出し、放り出す。

少しずつセローが前後に動く。ふと「ホップさせたらよ?」と閃く。


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前足を縮めてポンっとホップ・・・ちょっとずつ向きが変わり出す。

上半身全てを前後に使い、反動でホップ・ホップ・ホップ。

真横を向いたところで一速入れっパ、リアで掻きながらホップ。

渾身の力で泥底を蹴り飛ばしたら・・・一気に、出た。脱出だ。

スタックから一時間、人車共々全身ドロドロずぶ濡れだけれど。


SL.jpg


ヌルヌルと滑るグローブ、クラッチを握る左手が攣って痛む。

疲労困憊クッタクタ、元気のゲの字の欠片もありゃしない。

これがドライだったら道々横たわる伐採の木の枝や幹を見て
むしろ早々に引き返していただろう、伐採林道。

勢い勝負で判断を誤った・・・しかし不思議と負けた気がしない。


SN.jpg


広場まで戻ったところでメットを脱ぎ、グローブと上着も放り出す。

ここでようやく気付いた。もう全身くまなく汗だく、湯気が立っている。

山へ入る前に必ず仕入れる癖がついていた缶コーヒーに救われる。

ホント絶対何かしら、水分を持ち歩くべきなんだなぁ、林道屋は。


SO.jpg


県道を帰る道々、風で冷やされる身体に時折りゾワゾワした。

気を抜かずピンと張って淡々とスピードをキープしつつ、つくづく
思った・・・「スタックしたのが近場で良かった」と。

見た目ドロドロに汚れても「負けた気がしない」理由は、ふたつ。

前回の危機と違い「一度も転んでいない」「セローを壊していない」。


SP.jpg


帰宅するなりビショビショで気持ち悪い衣服を全てタライに丸投げ。

「さて風呂とメシと洗車、どれからヤッツケようかと思案していると
フジツボのエキゾーストを轟かせてギャランに乗ったへーさん参上。

「おー、イイ感じだねぇ。山でずいぶん遊んで来たね?」とニヤリ。
「『遊んで来た』っつーより『弄ばれて来た』って感じっス」とお返事。

徐々に低く厚くなって来る雲を傍らに睨みつつ、小一時間の談笑。


SR.jpg


細部までしつこく入り込んだ赤土の泥を掻き出していると、いよいよ
閃光が視界の隅にチラつき遠く空が轟き出した。

トツットツッと背を打つ大粒の滴を感じて、ガレージの軒下へ移る。
直後にドッと周囲が霞むほどの烈しい雷雨・・・やれやれ、紙一重か。

結局は風呂もメシも洗濯も後回し、本日も我ラマダン也、ってね。


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「お帰りなさい、今日もご苦労様でした」と流れる黄昏のFM聴きながら
ワックス掛けてチェーンの手入れも終え、やっと自分のシャワータイム。

洗剤入りのタライに突っ込んだカーゴパンツやデニムを、ワイン造りで
ブドウを踏むように・・・マッパなオッサンの足で踏んでも色気は無いが。


久々に61kgジャストの値を指した体重計の上で、ホッと安堵の溜息を。


SM.jpg


「二輪二足・行けるトコまで大冒険」は、セローにとってコンセプトの内。
望外な死闘に全身筋肉痛で疲労困憊、でも何故か心身ともスッキリ。


流石に当分勘弁だけれど、全力使い切りのデトックスも、たまには良いか。
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テーマ : オフロードバイク関連
ジャンル : 車・バイク

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随分ヤンチャしましたね(笑
「謙虚に向かい合い、心の声を聴け」
その結果進んでまずまず軽傷ですんだのだから良しとしましょう👍
たまには盛大に泥んこ遊びも乙なものですヨ。

しかし、そのタッパで61㌕?!
うわ…どうしよーワタシ…ヤバイ>_<

No title

まずは無事帰還出来て何よりでした。

んー、なんか見たことがある入り口の雰囲気・・。(Kダムに向かう途中?)
私が想像するに奥久名滝に向かう林道かもしれませんね。
ジムニーを買う以前、その滝まで歩いて(笑)行ってみたいなと思って、
周辺を地図で調べたことがあったんですよ。
私が行った時はまさに作業の真っ最中だったらしく、重機が置いてあったので
入れませんでしたが、個人的にも気になっていた場所ではありました。

私もボチボチ近隣の探索に出かけようかなと思っていますが、最近の豪雨で
以前通った道でもだいぶ様相が変わっていたりしそうですね。

Sei姉へ。

>「謙虚に向かい合い、心の声を聴け」
イケイケの途中で小さく「あ、この先ヤバそう」と
勘付く声が出ていたのですが・・・勢い止まらず
進んじゃったんですね(笑)。

以前の姉さんのコメに例えるなら、喉の渇きに
耐えられず水場の前の沢へ降りちゃった感じ。

まあそもそも、台風が去ったばかりの林道へ
わざわざ出向くこと自体、理性がどっかに
行っちまってる気もするんですけど(笑)。

>しかし、そのタッパで61㌕?!
流石に自分でも驚き。どんだけ体力消耗して
いたんだか・・・。でも昨晩測ったら64kg超えて
いたので、安心してね
(ってどんな安心なんだソレ?)。

琢麻呂さんへ。

いやもう、セロー置いて帰るワケにもいかないので
必死でしたけど・・・物理的に引き出せない訳でも
進退路が手詰まりな訳でもないので。

一歩引いて「なんとかなる」と判断出来た分だけ
前回の崖落としよりは危機感が薄かったかな
(むしろ四輪のソレよりは脱出の手数があった)。

滝は・・・おそらく方向的には概ね合っていると
思うんですが、何しろ「仕事が済んだら用済み」
となるピストンの伐採道だから、ハイキング用の
ルートは別にあるように思います。

この時点では重機の音は既にテッペン辺りから
聞こえていました。
下の広場の方でチェーンソーの音も聞こえたので
それこそ滝へ向かう登山道の手入れをしていたの
かもしれませんね。

No title

すげ~~泥 (^^;
この深さの泥から一人で無傷で無事帰って来たのだから、立派な勝ちですよw
たしか高身長なハズのこんのすけさん、かなり絞りまたね
自分も体脂肪もっと落とさなきゃ・・・

ハックニー軍曹さんへ。

いやー、以前なら伐採系林道とか度を越したマディは
避けて通っていたんですけどね。
安全性を考慮に入れてトラブーツ履くようになってから、
むしろ何かマヒしつつある気がするきつねです(苦笑)。

コースの難易度そのものは、チーム組んでアタックする
ハードコアな山屋さんから見れば笑っちゃう低レベル。

・・・ただ、泥沼って底が見えないんですよね・・・。
深さも沈んでいる物も、「入ってみないと分からない」。
がっつりロックを喰らう異物に当たらず済んだだけでも
幸運だったかも?と、今更ながらゾッとしていたり。

ちなみに背丈、以前MAXで176cm超えていたんですが
もしやヘルニアで頸椎が年々縮んでいるのか、今年
遂に175cmの壁を切ってしまいました(涙目)。

多分、蓄えた体脂肪の分だけ基礎体力があるんです。
例えば生命力とか火事場のホニャララ力的な(笑)。
でもソッチにウェイトを持って行かれた分、大切な何か
欠けているのかも・・・ナンだろ?謎ですよコレ?

あ、アレだ、ニンゲンとは身体の構成が違うんだよ。
なにしろ半妖怪の化けぎつねだからっ!ね?ね?
プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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