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追憶の彼方から現れた、それは小さなカフェ・レーサー。







松の内が明けたとはいえ、まだ新年おめでとうな気分が抜けない
今日この頃。

今回のTOPは少しひねり、懐かしい北欧のディーヴァの作品を
引っ張って来ました。

冬至から半月ばかり過ぎ、目に見えて長くなった黄昏までの時間。
職場からアジトへ帰る頃の街並みに妙に似合う一曲であります。


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さて、少し前に「衝動買い直前まで行った魔改造SR」の話を
書きましたが。

「出会うなりひと目で胸ぐら掴まれたバイク」が、もう一台。
かのSRとは対照的に、ほぼ新車時のままの小さなヤマハです。

これもかつて所有歴があり、手放したことを悔いているGR50。

最終型のコイツは不思議なことに年式も程度も瓜二つな兄弟、
二本サス最後のGT50と並んで中古車置き場に潜んでいました。


QC_20171225192239e73.jpg


もう既にレーサーレプリカ全盛な`80年代半ばの高校時代。
しかしヒネたきつねは`70年代のカフェレーサーに傾いてね。

同級生からは「あんな古く冴えないバイクのどこが良いの?」
と、誰ひとり共感を得られなかったけれど。

レディー・メイドな高性能車よりも、たとえ仕上がりが素朴でも
荒くても個性を発するオートバイが、ずっと好きだった。

そんなきつねメにとってGRは身の丈で手が届く魅力的な存在。
但し「不人気だから『あれば』安いけどタマそのものが無い」と。

最終的には、短命に終わった二輪雑誌「バイク・コネクション」
(ミニトレの再生記事を連載した関係で読者にもヤマハ原付の
ファンが多かった)の読者欄を通じ、青森の方から譲られました。

彼は長距離トラックのドライバー、南行きの荷にGRを潜り込ませ
こっそり盛岡の流通センターで降ろして行ってくれたのです。


Ql_201712251922530f7.jpg


これは彼の主力機で、当時定番だったRDのスイングアームと
ロングのリアサスでレイダウン。
エンジンも確かMR80のものに載せ替えられていたはず。

チャンバーは野口かな・・・作りが荒っぽいメーカー不明の
バックステップは、きつねメのGRにも装着していましたね。

パターンが面白いタイヤは、確か泉モータースから出ていた
レース用ではないかと思います。

彼は後にRD50を再生し始めたものの、外装の程度が酷くて
「そっちで手に入らないかな?」と相談の手紙が来たりして。

エンジンが焼きついて廃棄されるというRDを貰ったので一式
磨いて送ったところ、「これが廃車の部品?」と驚かれました。

青森は海が近いから、スクラップ屋に持ち込まれた当初は
まだ生気があったとしても、ヤードの中で錆び朽ちてしまう。

「内陸は良いよなあ。そっちの解体屋を覗いてみたいよ。」
そんな返事の手紙を貰ったことを、今でも覚えています。


Qk_20171225192251d3f.jpg


これもバイク・コネクション誌を通じてやり取りしていたヒトの
2型GR50で、東京某区のナンバープレートが付いています。

パッと見は早矢仕辺りのリアサスと4速GT50用の丸テールが
目立つ小カスタム車だけど、実はエンジンも後期CDI系に丸々
載せ替えられていました(MR50用だったかなあ)。

きつねメのGRもRX50用の7.0psに換装していたので、電装の
移植についてあれこれ相談に乗ってもらったはず。

自分のマシンは素人なりの手作業でヘッド面研に挑戦したり
ポート加工を施したり、YSR50用のレッドモール・チャンバーを
奢ったり・・・。

でもバックステップを装着するためには、スイングアームの
ピボット・ボルトを長いものに換えなければならず、「特注」
という手段に思い至らぬまま未完で手放してしまいました。

せめて写真だけでも撮っておけば良かったなぁ。俺の馬鹿。


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遠い目をして眺める古い画像と昭和の思い出話はさておき。

しかしナンの気なしに覗いたプレハブ小屋の中で突然再会した
最終型のGRは過ぎた時代の分だけよりクラシカルさを増した
佇まいで、「うわァやっぱりカッコいい!」ときつねを釘づけに。


QD_20171225192241483.jpg


但し、仕入れ後に施されただろう化粧直しの分を差し引いて
眺めると実走までに結構手が掛かりそうなコンディション。
平成に入る頃には廃番になっていたノーマル・タイヤから、
良くも悪くも全てが新車時パーツのままだろう事も伺えます。

そしてバックミラーに貼られた付箋には、こう書かれていました。

「15万円」。

何をどうすれば幾らが適正価格になるのか、それはきつねにも
分からないけれど。少なくとも自分はそこで我に返りました。

だって青森からやって来た俺のGRって、1万5千円だったもの。
当時既に10年落ちでヤレていたけれど、ゴムや樹脂の部品は
みんな生きていたもの。

どんなヒトが購入するのか、次オーナー像を想像出来ないままに
黄昏の駐車スペースへと踵を返すきつねメでありました。


キミももう、御縁の遠くなった存在なんだね・・・さよなら、GR。


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さてここからは「ひねくれぎつねによる独り言」でありますが。


TR.jpg


自分自身も(半分行きがかり上の理由があったとはいえ)
一台だけ、プレミア付きの価格で買ったバイクがあるから。

他人や世間の価値観をとやかく言う資格は無いけれども。

なんかね、「旧けりゃ高い」「少なけりゃ高い」「それでも
買う奴がいたらオッケー」な傾向って、少々歪な気がする。

儲けるためなら何でも祭りの神輿に担ぎ上げて良いのかな。
適正な評価や価格の落としどころは別なんじゃないの、って。


10年前に隣県の旧車フリマで見た最初期型のGRも「16万円」と
告げられたものの、それは全バラからの見事なフルレストア車。

当時まだヤマハから出た新品部品をほぼ全て組んだために
パーツ代と塗装費だけで15万・・・手間考えたら赤字だよ、と
趣味人のオーナーは苦笑いしていました。


そのことを考えると本当にあの黒いGR、正札で買う人が果たして
いるんだろうか・・・って。


二輪でも四輪でも、「手間暇掛けてフルメンテナンスを施して
プロがご飯食べるのに見合ったプライス」ならば納得は行く。

でも「同じ車種だから同じ値段付けてもそれが妥当」とばかりに
ロクな手入れもせず見た目だけキレイに磨いたものを、素人が
オークションに出して相場を作るとしたら・・・おかしくないかな?
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テーマ : ひとりごと
ジャンル : 車・バイク

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No title

2&4はバブルが続いてますねえ・・・
4輪だと国産ではスカイラインですねえ・・・最近ではハコスカよりもケンメリの方が高いようにも思います。
異常ですよ・・・書類があるってだけでエンジンもボンネットやフェンダーといったフロント周りが無いのに値が付くハコスカとか、保管状況が悪いけどケンメリGT-Rが出てたり。
それに引っ張られてジャパンも値上がり・・・そこまでして買う?

あと5年もすればまずハジケるんじゃないか?と思ってますが。

今、弄っているNA6なんてYオクの中古パーツだらけですよ・・ただ、新品でDラーから普通に買えるものが、トンデモナイ価格で出てるのには笑いますが。

ナベエさんへ。

今記事については、いつものナベエさんとの会話を
底に敷いて書いたつもりでいます、実はね。

長期に渡り大枚はたいて維持して来たオーナーに
申し訳ないけれど、きつねにとってのスカイラインは
「GT-Rを除いてせいぜい100万円のクルマ」です
(ゴーン就任以降のR34から後はノーカウントです。
スカイラインとしての信念など全く無いものなので)。

大体ぶっちゃけ庶民の皆さんは薄々気づいていると
思いますよ・・・「んなわきゃねぇだろ!」って。
ゼッツーもCB750fourも余程の訳アリ(極初号機や
新車時から一度も登録歴がないとか)でない限りは
「せいぜい相場100万じゃねーの?」が総意かと。

名車と騒がれる`70年頃のクルマやバイクは総じて
自分も好きだけど、ただの2000GTとか750フォアの
K1以降に200万も出さないだろ普通、と思います。

修理費にナンボ掛けてもそれは「乗り続けたい・
維持したいがための愛」であり、プレミア上乗せ
する質の材料じゃないでしょ・・・って。

買い乗り楽しんだ分だけ値も下がるのが当然。
この辺りの意識が持てないところに日本人の
価値観の貧しさが漂っちまうんだよなぁ
(自分の手許でグズった以上に次のオーナーが
手を焼くことも身に染みて分かっているだろうに)。

2年ほど前に人づてで聞いた話なんですが・・・
コッチの某町でなんと書類付きのZ432をタダ!で
貰った人がいるのだそうです。

ただ、開かずの倉庫内で数十年眠っていた個体で
床も全て錆び落ち、ギリギリ形を留めているクズ。
「このまま出し惜しみしてもどうせ朽ちるだけだから」
と、馴染みの旧車好きに進呈したんでしょうね。

もしきつねだったら、そのヨンサンニは貰いません。
だって再生出来ない俺にとっても邪魔なだけだもん。
そういう視点で考えれば、かのZの前オーナーは
至ってマトモで健全な思考の持ち主だと分かります。

旧車バブルは遠からず自ずとハジけますよ・・・。
とんでもない相場でもかつての憧れに対してゼニを
払うアラカン世代が、四葉のマークを付ける頃には。

そうでなくても少子化が進んだ上に省燃費車やEVが
多数派を占めた暁にガソリンそのものがトンデモな
価格に跳ね上がるでしょうしね・・・(苦笑)。

きつねはNAを今のまま朽ちるまで乗ると思います。
だってレギュラーガスが500円/Lになったり税金が
倍額になったら、とても維持して行けないもの(笑)。

博物館に入れられるレベルのNAロードスターなんて
他所にナンボでも存在しているのですから。

No title

最近は90年代の車も、海外で高値取引されている車種などは、国内でも相場が高騰
しているみたいですね。
先日聞いたところでは、400台限定のインプレッサ22Bは国内市場でも1000万!の
中古価格を掲げているのが珍しくないとか。
いかに新車価格が500万の車とは言え、現状渡しの中古車が倍の値段になるって
どうよ?という感じなんですけどねぇ(^^;。

まぁ海外で高値取引されるのはさておき、その引き合いを見越したように国内の流通
価格までがのっておかしくない?と個人的には思うのですが・・。
なんかこう。万一この値段で買ってくれたらラッキーみたいな、そんなノリを感じて
しまうんですよね。
結果的に、純粋に乗って走って楽しみたいという層が買えず、結局業界の低迷に
拍車をかけているだけなんじゃなかろうか・・という気がしてしまいます。

琢麻呂さんへ。

>`90年代車の値上がり
この辺りのクルマに関してはいろんな要素が絡んで
高騰しているように見えますね。

国内では数年前の「13年超車買い替え補助金制度」
(別名「税金下取り」)に旧車増税という飴と鞭で、
相当数の残存車が解体に回されてしまったし。

反面外国では映画「ワイルドスピード」等の影響から
対米輸出されなかったスポーティー車が知られて、
そこへ件の「旧車輸入緩和枠」が丁度ハマった。

こうなると完全に売り手市場の出来上がりですが
殊に`80~`90年代車だと我々もリアルタイムで
知っているクルマなので、「ナニその値付け?」と
よけい首を傾げてしまいますよね。

インプの22Bって作り手のスバルにとっては多分
「ラリーでの活躍を熱く応援してくれたファンへの
サプライズ・プレゼント」だったと思うんです。

オーナーになったうち何人かは投資目的の購入に
走ると読んでいても、本来はコスト度外視で弱点を
補ったマシン・・・WRCワークスの匂いをより強く
味わってほしい、という意図の企画じゃない?

1000万のプライス・タグを見た作り手の胸中は
おそらく素直に喜べず複雑なんじゃないのかな。

>結局業界の低迷に拍車をかけているだけ
ホント目先しか見えぬ無粋な馬喰だらけですね。
そのクルマの産まれた背景や作り手/買い手の
想いなんか、まったく眼中にない訳ですから。

「本気で欲しい奴はナンボでも出すだろ」?
そういう思考を、日本の商業道徳上では
「相手の足元を見るスケベ根性」と呼び恥じて
いるはずなんですけど、ね・・・。

No title

 「旧いバイクは高く売れるから,うちは旧ければ何でも買うし売るよ!」
 80年代から旧車通販を手掛けていた某店で,バブル末期の90年代初頭に店長から訊いた話です。
 確かその時は,某誌の広告に掲載されていた\50万の最終型250SSを見に行ったのですが,当時約20年落ちの
TY250に\30万のプライスタグが付いていたのは衝撃的でしたっけ。
 因みにそのお店,あまり整備が得意そうには見えませんでしたが,ハーレー等に手を広げつつ現在も健在です。

 ご指摘のとおり,最近は,旧車本体の程度による価格差が小さくなっている気がします。
 「その値段で買っても乗れるように仕上げるには,通常の中古車の価格帯を優に超えちゃうでしょ!」って感じの,
強気なプライスタグを掲げた「レストアベース」と言う名の夢の残骸が,オークションにも店舗にも多い事。
 安いベース車を仕上げるよりも,高価でも最初から程度の良い個体を入手した方が,後のトラブルも最終的に掛
かる費用も少なくて済む場合が殆どなんですけどね。
 まぁ,かく言う僕も,外装・マフラー欠品のベース車と余剰部品で2号機を組み始めてしまいましたが…(笑)。

 売る方は「ボロでも人気車だからこの値段でも売れるだろ!」と強気,買う方も「人気車がこの値段なら安いな,
何とか安く走るように出来るだろ!」と強気,かくして強気相場の出来上がり。
 「高値でも買う馬鹿がいるから,値段が上がり続けるんだよ!」
 良く聴かれる言葉ですが,相場と程度のバランスには限界が有りますから,僕もこのバブル相場は後5年も持たな
いと予想します。

 現在の旧車バブルの再来は,潤沢な資金で当時の憧れを手に入れようとするアラカン世代と,投機対象として見
ているトレーダーもどき,そして「売らんかな」の姿勢で値段を釣り上げる業者の思惑が,複雑に絡み合って形成し
ているのではないでしょうか。
 しかし哀しいかな,旧車の部品供給には限りが有りますので,掲げるプライスタグと反比例して程度は下がり,トラ
ブルを解決出来ずに不動となる個体も増えていくことでしょう。
 
 個人的には,欲しい車もバイクも既に手元に在りますし売る気も無いので,本体価格の高騰は全く蚊帳の外なの
ですが,中古部品相場と盗難リスクの高騰は勘弁願いたいものです。

jinさんへ。

いやあ、本文やお返事で自分が書き切れなかった
部分まで代弁して頂いたようで、確かなお察しに
感謝(というかjinさんの本音ぶっちゃけ?苦笑)。

確かにレア機だけれど`90年代前半にTY250へ30万!
ナニ考えてんのかワケ分かりません・・・。
新車時から未登録でミックアンドリュース直筆サイン付
とか言うのなら考える余地もありますけど(笑)。

jinさんが見に行ったお店、大体見当付きますよ。
何ページも使って客を煽る派手な広告のアソコかな。
もしかしたら整備やレストアは下請けの小さなお店に
丸投げしているのかもしれません。

大体あの頃って、どんなに生き残りが少ない機種でも
オフ系にはまるで値段が付きませんでしたよね。
DT-1や初期ハスラーをレストアする人が現れたのも
`00年代以降のように思います。

もっと早く注目を集めていたら400クラスのRT-1や
TS400だって残存数がもっと見込めただろうに・・・
(ミニトレ系から入門しただけにスクランブラーから
トレールに移行する辺りのOFFも好きなきつねメ)。

リンク記事で書いたようにもし体力的にも経済的にも
現状維持がムリになった時は、SR500を手に入れて
半隠居を決め込もうか?と考えてもいるのですが。
その時は近郊のスペシャルショップにお世話になる
心積もりでいます。

そのSRに特化したお店の中古車は、値が張ります。
但し納車時の整備状態はおそらくパーフェクト。
ひと目を引く関東の有名老舗店のカスタム車よりも
「完調のSR」を渡してくれる、そういうお店なんです
(新車時の不備まで補完された仕様ですもん)。

そのお店のブログを拝見したりお邪魔したりする度
「相手の素性が分からないような個人売買である
オークションを軸に相場が出来上がるって異常だ」
と考えさせられるんですよ。

ただでさえ少子化でニーズが先細りだというのに、
若者は「リスキーでお金が掛かる趣味」として二輪を
敬遠する世情です。
免許取得の費用も高く、車両を所有しようと思えば
維持費も保険代も高い。新車価格だって環境対策や
安全装置の義務化などで吊り上がる一方でしょう?

せっかく興味を持ってくれた層がいたとしても踵を
返されるような市場作りは、あってはならない事だ。
せめて入門用の中古車ぐらいは意図して垣根を
下げておかないと・・・って、きつねは考えるのです。

※自分の考える旧車世界のお手本は、英国四輪。
二輪のトラやBSAなんかはトンデモ相場だけれども。
最終期のMGなんかは今も日陰者扱いで安い上に
シンプルで素人でも手を掛けやすく、部品だって
未だに手に入るそうですからね。

DIY整備を齧りながら「ナマのマシンのフィール」を
お小遣いで楽しめるなら、悪くない素材じゃない?
趣味の乗り物って本来そういうモンじゃなかった?
・・・と、そんな風に感じている次第です。
プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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