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果たして何が導いたものなのか・・・。~思案と葛藤の出会い~







またしても肌寒い雨に祟られた休日の午後、さすがにきつねメ
退屈なオヤスミを無為にやり過ごすことへ抵抗を覚えた訳で。


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ふと宇霊羅なる忘れかけたキーワードが脳裡に浮かんだため、
馴染みの食堂で期待を裏切らぬネギ味噌ラーメンと格闘しつつ
ちょっとばかりの遠出を企ててみたんだけれども。


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昭和40年台前半には貧しい寒村揃いだった岩手じゃレアなはずの
高価な舶来トラクター、岩9ナンバーを下げたインターナショナルに
出会っていた時点で、この日は「何か」が取り憑いていたんだろう。


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友釣り漁の要領ではないけれど、こういう時は不思議なもので。
旅先へ向かう時に予兆的なものを見掛けることが、ままある。


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宇麗羅の里は現バイパス国道から一本逸れた旧街道筋にて
ひっそりと存在していた。

貴方がその読み仮名をストレートに解読出来ないのであれば、
「今回は御縁がない件なんだね」と巣通りで去って行けば良い。


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「通りすがりの兄やん、モノの値打ちが分かるヤツにだけ
アイツと対面出来る道筋が自然に開けるモンなんだよ。」


きつねの来訪を待っていたように止んだ雨上がりの商店街。
いやいや俺はただ、道中で綻んだ桜に導かれただけなのさ。


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複製品ではなく、長年の手入れで往時の建物が健在している。

それにしてもシブいよ。年に数回は通っているルートの外れに
いぶし銀のこんなストリートが残されていたとは、知らなかった。


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漆喰の白壁を持つ蔵はリニューアルで若返ることも出来るけれど
「崩れる三歩前」で踏ん張るリアリティを湛えた土蔵は、珍しい。

かつて盛岡市内で目に出来たのは、もう四半世紀前の事だから。


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通りに面した巾も奥行きもデカい旧様式建築の「あるある」好例。
視界に入った瞬間の佇まいから、きつねは商標を悟っていた。

我が街の「菊の司」や「あさ開」もコレに似た外観を保っている。
こんなケースは大抵、土着な老舗の造り酒屋さんなんだよね。


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最高気温が10℃に達しない人影まばらで中途半端な初
土曜日。

うっすら陽光が元気を取り戻してかすかに青空も見え始めた
その時、ふと得た視界にきつねのアンテナが振れてしまった。


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ほの暗い車庫の向こうに見える後ろ姿は、ワンテールのJ3?
否ステアリングが右側に無い・・・レフティの三菱ウィリスか?

しかし盛岡近郊で気に掛けている、かつて「岩1」ナンバーを
掲げていたナローのJ3とも何処かディティールが違っている。

しつこく道路沿いから眺めていると、傍目には完全な不審者。
こんな時には勇気をふり絞り、正面突破を試みるべきだろう。


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「あら、ニイサンもあのテがお好き?存分に見て行って!」
そろそろ70代と思しきオカミサンは、笑顔で迎え入れてくれた。

「邪気を含まぬ純粋な心で接すると初対面でもこんな場面が」?

否、多分違う。ヒトならぬ何かがセットアップしてくれた必然だ。
そうでなければピンポイントでこんな案件に遭遇する筈もない。


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果たして乗り物半妖怪たるきつねが御対面した相手は・・・

もしやと?勘が働いた通り、当の三菱ジープの母体となった
本家のWWⅡ ウィリスMBだった。

残念ながらオーナーである旦那さんから直接詳細を訊く事は
叶わなかったけれど、大震災前年を最後に休眠しているとか。

戦前生まれの亡父が少年時代に見た「進駐軍のJEEP」を前に、
オカミサンはこうのたまったのだ。

「もし良かったらアンタ、このクルマを引き取る気はない?
ウチのダンナは目が衰えて、もう乗る事が出来ないのよ。」



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一年ぶりに訪ねた砂浜、水平線を眺めながら友人に電話。

「成り行きは分かったけどソレは多分誰にも乗りこなせない。」

「だね、全段ノンシンクロのミッションは俺でも扱えないもの。」


熱意と幾許かの維持費が用意出来れば、まだ路上に還れる。
逆に言えば、精気が宿っている今のうちに活かすべきだ。

但し部品供給率こそ万全な反面、並みの旧車とは別の意味で
70年前(!)のJEEPはとても高いハードルを抱いているのだ。


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クルマを健康体に戻す事は出来ても、ソレを運転すること自体が
今となってはかなりの修行を要するかもしれない。

「真ん中のペダルがスロットルだった」という戦前期のダットサンの
変則レイアウトを思い浮かべるきつねメ。

JEEPには、強烈な思い出も思い入れも語り尽せないほどある。
決して嫌いじゃない、むしろ好きなクルマのTOP10に入る存在。

でも遺構級のウィリスとなると多分「クルマとして扱えないクルマ」
俺の許には引き取れない。もし魅力的な値を提示されたとしても。
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テーマ : クルマ趣味って、いいね!
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い ウィリスMB JEEP wwⅡ 宇麗羅

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非公開コメント

No title

確かに普通じゃお目にかかれなさそうなトラクターにJEEP・・・すごい巡り合わせですね。
これを引き取るとなるといろんな意味で覚悟が必要になりそうな感じです。
でも、こういった古い車が動いているところを生で見てみたいです・・・。


今回の記事に出てくる写真、どれも渋くて素敵でございます。
復活してまた北へ赴くのが楽しみですわ〜!

Altriaさんへ。

お返しのコメントを頂き、ありがとうございます。
ヲッサンになると昭和期の繁栄の足跡ばかり追い
遠い目をする時間が多くなる。良くない傾向だよね。

※ひとつヒントを語ると・・・ナンバープレートで
県名の後ろの数字が一桁の四輪は昭和40年代
前半の生き残り、新車時からその県を出た事が
ない歴史を持つ車両の証し。
下の四ケタにハイホンが付いていないものだと
もっと古く貴重な昭和30年代の登録になります。

JEEPは1940~`50年代に様々な国で作られて
今も世界中に沢山のファンやオーナーがいて。
そのお陰でおそらく部品供給には悩まずに済む
珍しい機種でもあります。

という事で実はボディに関してもフィリピン製の
レプリカが手に入るため、今回目にしたJEEPも
どこまでモノホンなのか?はオーナーにお尋ね
しない限り分からない個体なんですよ・・・。

古いマシンはメカの生気の息づきが色濃くて、
アイドリングする様子を眺めているだけで全然
飽きません。
宮城界隈も旧車のミーティングは盛んですから
ぜひMyagi号でイベントを訪ねてみて下さいね。

>復活してまた北へ赴くのが楽しみですわ〜!
高速や幹線国道のバイパスをたどるだけだと
なかなか往年の滋味満ちる風景に触れる事が
出来ないんですけど・・・。
もし時間がある時は、ぜひ「あえて」一本外して
田舎道へ立ち寄ってみて下さいね。

関東圏なら間違いなく観光地に挙げられる様な
昭和期の街並みがごっそり残っている土地も、
案外あるものですよ。

No title

いや・・・でも待てよ・・・と考え直しまして、まあ、ちゃんと教えてくれる方が居ればノンシンクロも扱えない訳じゃないか・・・と。
問題は誰が?です。

例えば・・・トラックの多段ミッション。
この動画
https://www.youtube.com/watch?v=KF5WOxM3ceQ
そしてこれ
https://www.youtube.com/watch?v=Ko0jSLtwuro

Wクラッチを使う方法とそうでない方法があり、それはドライバーの選択やその状況で変わりますが、ギアをロストした時のクラッチを使わずにギアの噛み込みだけの操作をする・・・というのがポイントでもあります。
そんなに神経質ではないんですよ。

パワーが取り柄だけのズボラなアメリカ人が扱える訳で、戦争中に新兵にも扱えるのです・・・実際に新兵も1週間位でまあ、なんとか扱えるようになりますしね。
何せ壊れないんですよ。

ナベエさんへ。

ハハハ、「浜辺からの電話」のお相手にコメント
頂いてしまいました・・・いつもありがとう。
乗り物に対し萌えるツボのみならず、幅広さでも
奥行きでも躊躇なく興奮を伝えられるヒトとなると
そうそういませんから。

車好きの中でも何故かジープは蚊帳の外扱い
される事が多いんだよね。メカと歴史に興味が
あれば、ジムニー以上に魅かれる存在なはず
なのに、ねぇ。
                 
しかしつくづく思うけれど・・・こういう動画に
目を付けているヒト、相当レアじゃない?
ふたつの動画は見事なまでに操作が両極端。

ひとつ目の方は8分過ぎるまでクラッチペダルに
一度も足を乗せてない!

某コル姉の父君もM/T乗用車を自在にノークラで
走らせられる達人だそうですが、コレは上手い。
赤いHi/Loスイッチはサブミッションの切り替え用
だよね、メカ的にどんな仕組みなのかなぁ。
アクセル踏みっパでON/OFFしてるよねコレ?

「スロットルを抜く間合いでギア入れる」手法、
実は自分もセローでも時折りやってることに
今さら気付いてしまいました。
むかしコメントした「シフトペダル連動でわざと
失火させるバトルシフター」に近い理屈です。

対して二つ目の方はオールド・ケンワース!
動画撮影のためにあえてギアを鳴かせている
けれど、見ている方がヒヤヒヤしました。
シーンによって4回も5回もクラッチ踏み直して
・・・重機を乗せたR45の四十八坂だったら多分
ギア入る頃にはバックしちゃってる(苦笑)。

>何せ壊れないんですよ。
実はきつねメもこの記事を書いた後に同じ事
考えておりました。
「なんぼ豊かな米国でもエリアを選ばず逐次
即時直せるような戦局だっただろうか?」と。

たぶん免許持っていようがなかろうが誰でも
何時でも乗れるタフさを要求されたはずで。
その要求に応え得たからこそ各国に求められ
長く現役でいられたんじゃないかな・・・って。

スロットルON/OFFの間合いを掴んでシフトする
のは、オートバイと同じこと。
ノンシンクロのギア鳴りにいちいち神経尖らせず
「習うより慣れろ」で意外に乗れるものなのかも
しれませんね、オールド・ジープも。

No title

いつも楽しんで拝読しています。

今回の掘り出し物には驚きました。しかもご主人はもう運転できない。奥様は早く処分したい。いろいろな事情を妄想できる旧車ですね。この先、このジープを乗り継いでくれる方は出てくるのでしょうか。。他人事ながら心配になってしまいます。いつかお金持ちのコレクターに渡るのことになるのでしょうか。。。

私も古い車やバイクは好きですが、どうしても自分の幼年期から10代までに憧れたものが欲しくなります。憧れからなのだと思います。このオーナーさんも、戦後に進駐軍が乗っていたジープを見て、その強烈な思い出と共に生きているのでしょうね。

ひろきちさんへ。

ひろきちさんのCBのO/H、自分も興味深く
読ませて頂いています。

>今回の掘り出し物には驚きました。
知己も縁もない田舎町に不意に出掛けたくなり
行った先でコレですからね。
何かの理由で導かれた様な気持ちになりました。

乗り物に関しては多様な縁を持つ↑ナベエさん
(彼もNAロードスター乗りでに非常に詳しい)
に真っ先に連絡したのも、いてもたっても
いられないほど興奮を覚えたが故です。

予算的に何とかなりそうなら自分が一時購入し
預かって乗り手を探そうか、とまで考えたけれど
それもちょっと難しそう。

実はこのJEEP、ウインカーが無いんですよ
(幌の後部にも「NO SIGNAL」のステンシル)。
それでも車検を通せる年式、となると本物の
確率がかなり高い。おいそれと手が出せる
値段じゃないかも、と二の足踏んでいます。

JEEPばかり3台乗り継いだという旦那さんに
お会いして直接話してみたかった。
サイドバルブのエンジンルームも見たかったし
思い出話や譲りたい相手はどんな人なのかも
お聞きすることが出来たと思いますからね。

>幼年期から10代までに憧れたものが欲しくなる
最新モデルの良さも、認めないわけじゃない。
でも「身銭切ってでも」という魅力は、何故か
幼年~思春期に何かしらの思い入れを抱いた
モデルや、その雰囲気を湛えたものに限られて
しまうんですよ。

自分にとってのスポーツスターも、そうです。
若い頃、峠でめっぽう速い遣い手に出会った
ことにもカルチャーショックを受けたのですが。
カワサキWやCB750の頃の「鉄のオートバイ」
「オイルとガソリンの匂いが滲む佇まい」に
魅かれている面が、いちばん強いですね。

亡父は盛岡に進駐軍がやって来た時代に、
GMCの6輪駆動トラックが砂利を蹴飛ばして
スピンターンで去る姿に衝撃を受けたそう。
「あんな国と戦争したら勝てるワケない」、と
(当地のバスは木炭焚いて走ってました。笑)。

あの眠れるJEEPをまた生かしてあげられるよう
良い嫁ぎ先探しをお手伝い出来たらいいな、と
思っているこの頃です。

No title

ほんとですね、ショールームに飾られるのではなく、
いつまでも道具として走らせることのできる方に、
引き継いでもらいたいです。

ひろきちさんへ。

このJEEP、どんな由来でいつ日本に渡って来て
今のオーナーの許に収まったのかは分からない
けれど。
以前は北海道を走ったり震災前年に日本海側を
旅したりしていたそうです。

実はこの幌の右側、画像加工で消した部分には
ステンシルで奥様の名前が書かれていました。
旦那さんと旅を共にしたのでしょう・・・対応して
頂いた際にも「ダンナの無用で邪魔な乗り物」
という雰囲気は無く、自身も愛情を抱いている
様子が伺えました。

「休眠させて8年の月日が経ち、所有する事にも
満足出来た。だから朽ちる前に可愛いJEEPを
次に生かしてくれる人の許へ送り出したい。」
きつねメがオカミサンとの会話から受け取った
印象は、終始そんな暖かなものでしたから。

やっぱりこの先もバトンを継いで走らせてくれる
誰かに届けたいな、と思った次第であります。
プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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