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セロー、仕切り直しの林道散歩。 ~春の匂いを拾いに、東へ~








風薫る五月、ゴールデン・ウィークも後半だというのにお天気は
全国的に冴えない様子。

もし晴れたら六戸の旧車ミーティングに行きたかったけれど。

シトシト巣穴の屋根を叩く雨音で目覚めた朝、せめて季節感に
沿った日なたの匂いがする曲を、TOPへ。


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そうそう、スポークを張り直してもらいチェーンやスプロケも
一新したセロー

初夏のような陽気に恵まれた先月最後の休日は、さっそく
R106・区界を越えた「東の山」へと連れ出した。


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この時期に田舎の踏切で列車を待っていると必ず脳裏に浮かぶ
「赤いスイートピー」。

山田線のキハが春色の汽車に該当するか否かはさておいて。
僅かな若芽の白樺並木を去る姿は、なかなか絵になるもの。


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しかし主人公の恋人像をあんなに明確に描いたJ-POPは珍しい。
松本隆さんって、ほんとにクオリティの高い仕事していたよなぁ。


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「恋をしようよ好き好き大好きこんなに切ない」ってばかりで
相手の姿が見えてこない歌には、説得力もリアリティも無い。

「結局お前、自分しか見てねえだろ」と薄っぺらに感じるから。


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そこを抜けないと、幾ら語彙と比喩の巧みな変化球を投げても
聴き手の心に刺さらないんだと思う。

主人公と相手の年齢と人柄や関係性、つまり物語を練ってから
主題に沿ったシーンを抜き出して、丁寧に言葉を紡いでいく。


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昔の歌謡曲の方が押し並べてオトナっぽく感じる理由のひとつは
多分その辺にあるんだろうな、と。

自分の作品を売ってメシ喰うつもりなら、小学生の作文レベルな
リリックで許されるハズが無い・・・んだけれども。


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今はソレを買う側も、既にそんな質と完成度を求める感性がない。
ただいっとき、耳触り良くノセてくれさえすれば、用が済む。

維持費が安ければ。燃費さえ良ければ。人がたくさん載れれば。
そんで極力キャッチーかつ便利な電子ギミックを盛ってくれれば。


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クルマやバイクが売れなくなった頃と音楽業界が沈んだ時期は
グラフの曲線が見事に一致している。

ただの道具では無かったハズなのに「味気ない生活ツール」の
座へ双方を貶めたのは、どこの誰だったのだろうね。


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まだ若い鹿が踊るように駆けて行った、行き止まりの林道。
エンジンを切れば、ウグイスの声と枝を揺らす風の音だけ。

トラブルでセローを寝かせていたのは、たった一週間なのに。
まるで手放した愛車を取り戻したかのように、とても嬉しい。


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バイクを手に入れることは、自分の世界を一つ手に入れること。

周囲数キロに渡ってヒトの気配を感じない山道へ踏み込むと、
そんな実感が色濃く胸に染みて来る。

冬には長く閉ざしていたドアだから、余計にそう思うのかな。


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プクプクと泡が上がる傍らの水溜まりをなんとなく眺めていたら、
気難しい顔をした森の住人が空を眺めに浮いて来た。

きつねがカメラを取り出しただけでまた泥の中へ還って行く
神経質な彼は、ヤマアカガエルだろうか。


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「ダーメダメ、バイクの連中は山を荒らすから絶対入っちゃダメ。」

゛入山禁止・もし立ち入る場合は住民の許可を得ること゛と
書かれた看板に従い、北海フォードに乗った牧野のオジサンへ
声を掛けると、剣もほろろに追い返されてしまった。


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この界隈は管理する地区とか住む人によって見解が全然違う。

例えば山菜やキノコ、野草の盗掘が目的ではないと分かれば
快くOKを出してくれる方も、少なくないんだけれど。

彼らの土地は彼らの庭。入られたら嫌と告げられれば、そこまで。


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ダートをスタンディングで走り続けていると、距離は舗装路の
半分も伸びないのに3倍ぐらい体力や神経を使う気がする。

好天下の振り替え休日で、更に周囲に飲食店皆無の山中と
あれば「道の駅」は大賑わい。端っこにセローを寄せといて。


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ココ来たらコレでしょ!汗だく承知のオーダーは勿論名物の
「ドラゴン麺」・・・久々過ぎてそのボリュームを忘れていた。

なにしろこれで並盛りだから、流石にライスは余計だった。
いや美味いから、結局は楽勝で全部平らげたけどね。


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駐車場の傍らからR106の下をくぐる小さなアプローチを使い、
しばし川縁で火照りを冷ましましょう。

それにしても今日は暑い。デニムジャケットの下に着て来た
スウェットをウエストバッグに仕舞って、丁度いい感じ。

※この日の盛岡は最高気温が26℃に達したそうな。納得。


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「ちょっとくたびれたから、帰りはところどころ旧道にチョッカイ
出すぐらいにして、ブラブラ戻ろうかな。」

トンネルのあるところ・大きな橋が掛かったところは、大抵
その脇に「昔の道」が手招きをしていて楽しいんだ。


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そしてサプライズ。国道の道中で一箇所、弧を描く大橋から
遠くへ大きな滝が視界に入るポイントがあってね。

ずっと気になっていたんだけれど、それを思いがけない程
近くで観られる旧道に出会えた。


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低く重い閉伊川の轟き、瞬く春の水面に釣られてしまうともう
素直に国道へは帰れない。

すぐ傍にもっと魅力に満ちた道と風景が潜んでいる、と思ったら
退屈なバイパスなんかおとなしく選ぶ気になど、なる筈がない。


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もちろん更に調子に乗って「エダのエダ」まで突っつき始めるので
やたらと行き止まりに当たってしまい、いつまで経っても全然
盛岡に帰れないんだけど・・・(笑)。

好奇心は尽きないものの、体力が先に音を上げそうな成り行き。


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実は早池峰山、北側からきつねが入り込むことを嫌う気配が
なんとなくいつも漂っていて、あまり探索したことが無い。

南の大迫は訪ねる都度に陽の気が満ちていて明るく迎えて
くれたのに、北はどうも「勝手口」的な雰囲気なんだよね。


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これだけ陽気に恵まれた春なら扉を開いてくれるだろうか?と
毛細血管の如く延びる林道を恐る恐る探ってみたけれど。

やっぱり例外を認めないようで、そのうち薄い雲のカーテンと
共に冷ややかな風が行く手から「待った」を掛け始めます。


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・・・ほーらね、最後は物理的に強制終了へと打って出た・・・。

まあ、スタミナも膝もリミットが見えている様な黄昏の頃合いで
未踏路を突き進むのは、そもそも得策じゃないからさ。

しかし、通行止めじゃなければ残り数キロでR106に着くってのに。
ここから折り返して、またダートを15km戻らなきゃいかんのかい。


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Touring as a Life・・・約束されたハッピー・エンドなんて無い。

その辺りは日々の暮らしや人生と一緒です。

でも反面、「無事是名馬」ってのもホントのことだからね。
スネたりゴネたりせず付き合ってくれてありがとう、セロー


際立つ様なプレシャスは得られなかったとしても、何事も無く
元気で帰って来られたなら、それはそれで幸せなことだもの。
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テーマ : オフロードバイク関連
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い セロー 林道ラン

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或る内気なフェネックさんヘ。

いやあ、こちらへコメントを残して頂けるとは・・・。
ホンドギツネの巣穴へようこそ、いらっしゃいませ。

果たしていつをキッカケにそうなってしまったのか
考えてみても分からない部分が多いんですけど。
特にネット普及後は言葉の扱い方が加速度的に
粗末になって来ている気がします。

それ以前の暮らしでは対象がまあ雑誌であっても
大抵のヒトが自然に「本(紙媒体)」を読んでいた。
音楽でも詞の占めるウェイトが今より高かったのは
聴き手の暮らしに文章が根付いていたためかな。

昭和スタイルのJ-POPを最後に継いだのは辛島
美登里と槇原敬之、その筋の先に居るのが多分
ポルノグラフィティとバンプ・オブ・チキンでしょう。

各々独自に消化/昇華した流儀のリリックを持って
他とは一線を画した作品に仕上げて来ますから。
どちらも相当な職人気質の持ち主なんでしょうね。

>無音が一番の贅沢
きつねメ、実は幼少の頃からラジオが大好きで。
思春期には俗に言う葉書職人(投稿マニア)だった
経緯も持っています。だからブログ書きなんだわ。

高音質のステレオ放送を売りにしていた筈の民放
FMがAMと変わりない質まで堕ちて以降、「煩い」
と感じたら躊躇なくスイッチを切るようになりました。
メロディーはイマジネーションを貰える潤いだけれど
もしノイズに落ちぶれたら聴く意味が無くなるので。

そういう意味で、エンジンを切れば風のもたらす音と
動物の気配以外なにも無い森の中はむしろ贅沢。
その居心地に「帰って来た」感覚すら覚える事も又
きつねを名乗る由来となっています。

昔のJ-POPの事に話を戻すと、ニューミュージック
以降のモードには情緒と色香が濃かったんです。
フォーク由来な清純さの極北が村下孝蔵とすれば
井上陽水のエモさを請けたのが安全地帯だしね。

そのアーティスト独自の世界観が聴き手を酔わせ
熱烈なファンを産んで行った・・・変化球だけれど
後のBOOWYやブルーハーツも鮮烈なスタンスを
持っていたから今でも伝説扱いされる次第です。

>単車を手に入れる事は自分の世界を手に入れる事
自分は大人になってから、クルマやバイクの後にもう
ひとつ「スノーボード」で扉を開いたんですけど・・・。
マスターした時につくづく思いました。きっとあらゆる
ジャンルに「ソレ」が潜んでいるんだろうな、って。

興味の無いヒトから見ると両手両足全てバラバラに
動かして乗りこなすそれらは、非常に難しく見える。
でも「面倒くささ」という壁の向こうで「官能」が
もたらす快感故に、今まで廃れず続いているのね。

楽器のセッションも、二輪/四輪で興じるバトルとか
スノボでトライを競う技と、きっと同じ質のモノです。

少々下世話な例えだけれど・・・理知を突き詰めた
合理性とか「便利でお得な事柄」も、結局はエロの
魔力に敵わないんです、人間も動物だから(笑)。

世の全てが日々のゼニ勘定に支配されたら芸術は
途絶え、世間の懐が押し並べて暖かくなると盛んに
転じる・・・それはクラシック音楽とか絵画の歴史で
実証されてるよね。

高度成長期からバブルが弾けるまでのJ-POPが
華やかに輝いて見えるのは「誰にも夢見る自由を
許された時代の産物だから」ではないのかな?

作り手のフィロソフィーが伝わるマシンが多い故に
これはクルマやバイクを見ていてもよく分かること。

誰もが認知しているはずなのに、よく考えると案外
その実態を誰も知らない・・・という妖艶な生き物。
それが「きつね」(←ナニこのニッチェな存在感)。

ポルコ・ロッソが自らの意思で飛ぶ自由を得る為に
豚に化けたように、自分が自分らしくある為に俺は
きつねでいたいんだよね。

巣穴に帰ると大きなシッポがはみ出す姿なので、
尖った前脚で綴れる文章は甚だ拙いけれども。
「ささやかながら生まれ育ち愛する郷土の魅力を
伝えられたら嬉しいな」と日々考えつつブログを
更新している次第でありますよ。
プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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