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とある田舎のおんぼろカモシカと中年男に化けたきつねの、寝ぼけた独り言。








紺之介(中年男に化けた狐。以下「狐」) 
「なあ、カモシカどん。
実は昨晩、奇妙な夢を見て少しうなされたんだけどさ。」


セロー(機械カモシカ。以下「カ」)
 「ほぉ、そりゃあどんな?」


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狐 「その夢の中では俺、どうも牛か羊って設定みたいでね。」

カ 「ふうん、野良狐のアンタらしくもない。牧畜扱いってか。」

狐 「失礼な・・・。さておき、最初は杭も柵も見当たらないほど
   ダダっ広く開けた丘に、ノビノビと暮らしていた訳よ。」


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カ 「そりゃまた贅沢な。三食昼寝つきでおやつの草の中か。」


狐 「そうそう。ところが、時間が進むにつれて青空に薄く雲が
   掛かり始めて、お天道サンの機嫌が怪しくなって来た。」

カ 「アンタの存在の方が、人間にとっちゃ余程妖しいけど?」

狐 「余計なチャチャ入れてハナシの腰を折らないでくれる?
   ・・・で、雲が濃さを増すにつれ面積も減って行くんだ。」



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カ 「ふむ、面妖な。その雲はもしかすると、飼い主の事情に
   何かリンクしているような予感がするんだけれど?」

狐 「流石は長年の付き合い。ソレは良い質問ですね!」

カ 「イケガミさんかアンタ。で、そこからの展開は如何に?」

狐 「お察しの通りのストーリー。飼い主の懐具合に陰りが
   射すと、野原の面積が狭まって仲間の数が減るのさ。」


カ 「はぁぁ。ソレは住民的にいささか穏やかじゃないわな。」


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狐 「みんなが腹いっぱい食べて余るほど貰っていた餌も、
   ベルトコンベアで万遍なく適度に供給されるようになる。」


カ 「おっ、世界が狭まった代わり意外と福利厚生にも注力
   してもらってんじゃん。むしろ平等になったんじゃね?」


狐 「まあ飼う側的にはエコだし、俺らにとっては健康管理の
   面でメリットがあるわな。ここまでそこそこWin-Winで。」


カ 「ハイテク・ジャパンの面目躍如だね。でも『ここまでは』
   と区切ったのにも、何か理由がありそうに見えるなぁ。」



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狐 「ところが・・・ポツポツと降り出した雨が粒も数も増して
   気付くとザンザン降りの大雨に打たれていたワケで。」

カ 「おやおや、そりゃまた災難なことになっちまったね。」

狐 「黒さを増す低い雲が暗示するように、俺が暮らしていた
   丘の状況も暗転して行って、ついに実情が見えた。」


カ 「うへぇ・・・いやもうヤな予感しかしないんだけど?」


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狐 「過度期の瞬間に一度は適切に見えていたハイテクが
   進化した末に牙を剥いて、仲間を襲ったんだよ。」


カ 「考えられるのは面積を狭めた杭や柵に対する細工?」

狐 「上手い!全くその通り。飼い主は柵へ渡したバラ線に
   ソーラーや風力で得た電気をアンプ増力して通した。」

カ 「フライパンに載せずして焼肉が出来上がっちまうねぇ。」

狐 「想像しただけでエグい話だろ?だから生き残った皆が
   縮み上がっちまったのさ。」



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カ 「生まれた時から先の決まった牧畜とは言え、酷い展開だ。」

狐 「大らかだった昔を振り返れば、柵のバラ線にもスキマが
   あり、杭で区切られた向こうの景色に憧れる奴もいた。」


カ 「そりゃ動物の本能、一旦見ちゃえば行きたくもなるよ。」

狐 「そうさ。アウトローを気取るヤツほど柵の際まで寄って
   群れるし、度胸試しで杭の外へ冒険するのも出て来る。」



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カ 「ずいぶん人間くさい話になって来たね。で、どうよ?」

狐 「察しの通り、ルールを破った背徳の快感と抱き合わせに
   得た自由の結論は、『自分じゃ餌を取れない』ってオチ。」


カ 「ますます人間くさいことになった。で、出戻ったのね?」

狐 「悲しいよねぇ、流浪の先で悟りを開いて帰った故郷は、
   更に時代が進んで狭くギスギスした世界だったんだ。」



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カ 「狐さん、そこで遠い目をしない!でも何かと似てるよね?」

狐 「やはりアンタも、そう思う?だから多分うなされたんだよ。」

 「我々オートバイや自動車が今置かれている立場ソックリ。」

狐 「・・・もしも俺らの身体が高電圧のバラ線に焼かれても、
   『肉を焼く手間が省けた』と喜ぶ人間はいないだろうけど。」

カ 「『煮ても焼いても喰えないヤツ』が私らポンコツの共通点
   なんだしねぇ。」



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狐 「ゴメン、出来ればアンタに座布団10枚あげたいんだけど
   今の手許には掛け布団と敷き布団しかねえわ、スマン!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


自分自身、その人気の恩恵に与かってゴリラを再生した身なので
たいそうな事は言えないし、故にプリミティブなオートバイから
得られる「等身大的な素のバイク・ライフ」も心得ているつもり。


でも、ね。過剰なほど世相に委縮して「その向こう側」に
ビビっているバイク乗りってのも、どんなモンなのかな、と
正直なハナシ、不自然な印象を感じてもいるんだよなぁ。



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流行りに乗って、誰にも後ろ指を指されないスーパーカブ
バイクの世界を全て知った気になって欲しくは無いんだよ。

大排気量機にはその器に応じたダイナミックな感覚が宿り、
ハイパワー機には本能に訴える非日常的な恍惚がある。

スリルのつけ入るスキが無い人生なんて家畜も同然だろ?
だから毎年税金に大枚はたくオーナーが存在するのさ。


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「バイクはカブに始まりカブに終わる」・・・その神髄を
知っているのは、むしろ重量車の世界を巡った乗り手。


年齢と共に体力も視力も反射神経も覇気も衰えた末に、
「それでも」オートバイに関われるギリギリのボーダーが
実は「スーパーカブ」っていう少し寂しいオチなんだ・・・。


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ホンダさん、いっときのカブ・ブームに奢ってアグラかくなよ?
本当の勝負は「そこで得た夢を裏切らないプレゼン」なんだからよ。


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テーマ : スーパーカブ系
ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い セロー 林道 スポーツスター オートバイ スーパーカブ ゴリラ

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No title

ジプシーキングスによるマイウェイのスパニッシュ(?)版良いですね♪
映像もメチャ痺れる・・・CB500でしょうか

僕も中々遠出が出来ないのにユリシーズの税金、保険&整備etc いつまで維持できるかと考える事があります(;'∀')

本文の間に差し込まれた、アスファルトとVitz以外人工物が見えないあの景色、、、からの林道にレッカー??彼の地で何か試される様な展開があったのでしょうかww

ハックニー軍曹さんへ。

>ジプシーキングスによるマイウェイ
きつね的に「肩書ついたエライさんがカラオケで
得意げに歌うマイウェイ」の対極にある存在と
感じています・・・土や草や日なたの匂いが
するもの、ジプシーキングス版は。

ちょっとね、二日目午後から黄昏まで巡行した
オホーツクラインの画像を眺めていたら、
不意にこの曲が浮かんだんですよ・・・。
水平線を背に土埃を上げ走る大型トラクター。
このアレンジは原野を拓いた牧場主に似合う。

添えられた動画もまたイイんですよね・・・。
本文で柵外へ出て行った者の一節を入れたのは
このフィルムから得たインスパイア故。

廃墟の中で見つけた「過去」に立ち止まる繊細さと
旅に出ること・走り続けることに理由など要らない
という振る舞い、そのどちらも「単車乗りらしさ」。
日本ではこんなタイプの乗り手を見掛けなくなって
久しいけれど、‘70~80年代育ちの自分的には
今も「ライダー」ってこういうイメージなんです。

>彼の地で何か試される様な展開が?
3年ぶりの渡道旅は幸い大きなアクシデントも無く
ひたすら快適に楽しんで来られましたよ!

ただ、「北海道で過ごす時間」って非日常的じゃ
ないですか・・・余韻があまりにも大き過ぎて、
今までブログに纏められなかったという(笑)。
今回の記事は、しばらく更新をサボった後ゆえ
「ブログ再開のリハビリ書き」なんでありますね。

セローと林道の画像は、北海道から帰って来た
その後の休日に撮ったものです。
「無論北海道と同じ土俵には上がれないけれど
我が県土にもイイところはたくさんあるじゃん!」
と・・・これでようやく心の整理がつきました。

画像の重機積載トラック、大型三軸なんですよ。
あの林道をよくコイツで上がって来るなぁ・・・と
(一歩間違えればマジで崖下転落する巾)
驚いて撮った一枚です。

※CB500/550、よく気付きましたね。
シリンダーが直立しているので真横のカットだと
一瞬英国の直列ツインにも見える、という。
ノーマルの赤いTX650も絵になる一台ですな。
プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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