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~Intrude~ ・・・FLOW ニセアカシアの香る朝に・・・






それは土曜の休日、いつもより少しノンビリと目覚めた朝。

淀んだ部屋の空気を追い出すつもりで窓を開け、傍らにある
ラジオのスイッチを入れた瞬間、ある感覚のドアがスッと開く。

イントロから最初に浮かんで来たイメージは、幌を降ろした
ロードスターだったのだけれど。


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ゆるゆると伸びやかにうねるFLOWがやがて高みに至る頃
流れ込む甘やかな風の中、相棒はそのシルエットを変えた。

ニセアカシアの花開く季節は短いぞ、という囁きが耳に届く。
「ならば、ガレージから引き出すべきはスポーツスターだ」と。


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流れるようにたゆたうようにビッグボアのロングストロークが
ハミングする領域へ・・・きっと誰かが導いている声だろう。

初夏の日差しに照らされたアスファルトは、まるでギブスを
嵌められたかのように動きの渋いサスを通し、応えて来る。


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今はもっと寝かせて良い、もっとスロットルを開けても良い。
キミのまだ新鮮なミシュランを、裏切らせたりはしないよ。

時に腱鞘炎を誘発するほど重く遊びの多いクラッチを握って
大外から振るアプローチでつま先に力を込め、シフトダウン。


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瞬時にカムの山が長いプッシュロッドを介して前時代的に
大柄なロッカーアームを蹴り、タコメーターを跳ね上げた。

躍動の向こう、ステップの先がチチッと路面にキスする感触。
ミラーが夏草を叩くアペックスで、出口を睨み右手をひねる。


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2000・・・3000・・・3500・・・シフトアップ・・・2000・・・2500・・・
機関車の動輪の如きクランクは弾みを増して高らかに歌う。

デュラララ・・・デュロロロ・・・デュララララララ・・・!
5速3600rpm、全てのビートとノイズが調和するハミング。


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ハーレーには歴代、グライドというモデルが継続されている。
グライド、グライディング、グライダー。それは、風に舞う心。

マシンが鳴らす喉の音、ジャスト・ミキシング・チューニング。

それは例えビッグシングルでもクォータークラスの4気筒でも
ある瞬間に得る福音、最も機嫌の良い機械が奏でるサウンド。


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ニセアカシアの花開く瞬間は短いぞ」・・・ってかい。

その甘やかな匂いと白樺の並木が奏でる二重奏に導かれて
ダートトラック・バーに添えた腕は、まるでトンビの翼だった。


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きつねが「あいつとララバイ」を自身の聖書と称する理由は
この至福の感覚を見事に捉えている故のこと。


ある者は、究極の勝利を求めたあまりの闘争の果てに。
またある者は、不幸と絶望の淵へ晒された挙句に対峙する。


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しかし、どれだけの狂気と切れ味を宿した乗り手であっても
「楽しく乗れたらそれがサイコー!」と叫ぶ能天気な研二を
凌駕することは叶わなかった・・・これはひとつの「悟り」だ。

彼は常にハッピーとラッキーとエキサイティングを感性で追い
結果的に「誰よりも自在にZⅡを駆る男」になったのだから。


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バイクという道具で勝ち負けの白黒をつけたいだけの奴は、
サーキットへ行けばいい。

ナンバープレートを下げた愛車と公道でのライディングに
求めるべきは結局「その時その場で得る悦楽だけ」なのだ。


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※すみません、連載中の「北海道レンタカー旅日記」は余韻が
  強過ぎたため、掲載画像の選択と編集に悩んでいる次第。

  どうまとめたら良いのか思い描く日々でも時間は勝手に
  流れて行ってしまうので、「間奏」として今編を挟みました。


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ここでコッソリお伝えすると・・・「下閉伊グリーンロード」、
おそらく現在盛岡と久慈を結ぶルートでは最速のコース。

レコード盤的な溝を刻まれたコーナーも幾つかあるものの
特段に奥で巻いたり複合になったり・・・というトリッキーな
クセが無い、信号皆無で舗装良好な快速ルートですよ。


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もうひとつ、沿岸の「やませ」に襲われ冷え切った身体には
レストハウスうしおの磯ラーメンもオススメしておきます。

「海辺の食堂で900円支払うラーメン」としては損も得もしない
ジャストな量だけれど、「素朴な磯の味」を宿していました。

「暖簾をくぐった客の期待を裏切らない姿勢」は、きっとこれから
正当に評価されるべき日本のスタンダードになると思うのです。
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テーマ : ツーリング
ジャンル : 車・バイク

tag : スポーツスター もの思い 岩手 盛岡 ツーリング 初夏 ニセアカシア

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No title

疲れはとれましたか?
体調整った?

ニセアカシアの甘い香りは
この季節としては湿気が少ない分
強烈すぎず、しかしはっきりと主張をしてくれて
季節を存分に味わえる朝を
連日満喫しています。

藤の花も寒いところは満開
日当りのいいところは散りはじめ

さらには
ねむの花まで咲いている。

季節感はミックスされているように感じます。
(無理やりブレンド・・・みたい)

何れ乾いた空気
完全ドライな路面
オープンスポーツ4輪でも
排気量にかかわらず2輪なら
この上ない良い日ですね~

エンジン音も排気音も綺麗に響く
最高です。

そう、メチャクチャ楽しんですよ!

クマゴロウ師匠へ。

>疲れはとれましたか?体調整った?
いや、リラックスして我がままに旅を楽しんで来た
つもりだったのに。あまりにも大きな非日常との
ギャップが無自覚な疲れを呼んでいたのでしょう。

5月一杯は妙に疲れやすくて腸炎に掛かったり
前月から引きずる肩の痛みが増したりして少し
体調を崩しておりました(今は体重が増すほど
快調を取り戻しております)。

野花や山野草にはまるっきり疎い自分ですが
ニセアカシアの匂いは「季節のマイルポスト」と
認識している次第。

盛岡だとほぼ5月末から香り始めるんだけれど
実はこちらでは既に消えてしまったんですね。
「あっ、印象は強いけど意外に短命なんだ」と
ここ数年で初めて気づきました。

きつねは暇と天気の様子次第で山をブラブラ
海へブラブラとバイクで出掛けているので、
藤についても「いつもどこかで見掛けている」
感じの捉え方です。

そう言えば北海道旅最後の夜、札幌時計台の
傍らに咲いているのはライラックだ、と姉貴に
教えてもらったことを思い出しました。
あれも此方では見る事の叶わない花なのかな。

いつもなら気候の落ち着くG/W明けから梅雨入り
までの一ヶ月が最高なんですが、今年はどうも
乱高下でなかなか安定しませんでしたね。

良いシーズン、良い天気。乗れる機会を逃さずに
満喫したいものです。
プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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