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最北端ドライヴィング・デイ、最終日の幕開け・・・グッバイ、水平線の日々。 ~ゆるゆる中年ぎつねは最北端を目指す Vol.5~







「明日は雨か。妙に肌寒いけど、まさか梅雨入りじゃないよね?」

いやあ直前まで夏日が続いただけに、読みが少し甘かった・・・。

きつねの盛岡シティはこの間、例年より数日早い梅雨入り宣言。
お陰で勤務調整上思いがけず頂いた二連休も、予報と藪睨み。

南東北へのショート・トリップを狙ったものの、結局断念した次第。


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でもダークグレーな雨雲の間隙を突き、紺狐号を出せただけでも
時期的に「御の字」と考えなきゃいけないのかな。

タンクに残る昨秋入れた古いガスを燃やし尽すべく、人気の絶えた
某湖畔で全開カマしつつ脳裏によぎった一曲を今回のTOPに。

フル・ステン特有の耳に来る籠もり音が4500rpmを境にレッドまで
官能的な調律音を轟かせ、「カムに乗るってなァこういう事さ」と
ほくそ笑む瞬間。


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空が泣きだす前に立ち寄ったコンビニのパーキング、差し向いに
停めたアルファロメオ156のダンディな乗り手が親指を立てる。

「カッコイイね!」笑顔を添えた会釈で返しつつ「自慢の相棒さ。
アルファのV6もセクシーだけどコイツもROCKなマシンだろ?」と
心ひそかに胸を張った。

アジトに収めてバッテリーをカットオフし、充電ハーネスを繋いで
畳んでいた幌を立てた後・・・振り返ってやっぱり思うんだ。

「いつか八戸発・苫小牧行きのフェリーに最初に載せてやるのは
スポーツスターにすべきか、それともコイツにするべきかな。」


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地平線や水平線を追うひと時、延々と緩やかにうねりながら
長く延びる黄昏のストレートで、横顔に夕陽を浴びながら。

もしもスピーカーからこのナンバーが流れたら幸せに満たされ
5速入れっパでスロットル踏みながら胸一杯に溢れる感情に・・・

きつねはきっと涙するのだ、年甲斐も無く。

The Another Star。この国の枠内で頷かせてくれる土地は
おそらくあの北の大地以外にない、と思えるから。


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憂鬱な梅雨時、束の間の青空に誘われた妄想はさておき。
時間軸を3週間ばかり巻き戻した5/21、道北も三日目。

前ブログで書いたようにオカミさんから御助言頂いた通りで
なんと朝4:00カッキリ(!)一枚こっきりの薄いカーテン越しに
ストレートな快晴の日の出を喰らって、強制的に起床。


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「文句無いサンライズオーシャンビュー」って書くと平野ノラが
馬鹿デカな携帯片手に扇子振って踊り狂いそうなんだけど。

それが仮に港ド真ん前だと、漁船の出入りを仕切る兄さんが
ハンドマイク片手に張る絶叫で叩き起こされちゃうのな。

それでメシ食ってる兄さんや釣り客をメインに据えた民宿に
罪は無い・・しかしお願いだから二度寝させてくれ、ぐぅ。


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もう一度目が覚めてみれば、枕元のスマホは7:00を表示。

バタバタと部屋の整頓やチェックアウトの支度を整えてから
シンプルな朝御飯を・・・今回のですっかりトキシラズの
ファンになってしまったきつねメ、やっぱり目がハート。

「朝日は観られた?今日はどう巡って札幌に戻るの?」と
問うオカミさんに日の出の写真を見せつつ、ひとつ相談。

「網走まで行けば北海道沿岸一周の悲願が叶うんだけど
距離的にサロマ湖から北見を目指した方がラクか、って。」


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ここで振り返った寡黙なオヤジさんのメガネがキラリと光り、
真顔で返して来た言葉が・・・否、いま考えてもシブかった。


「意義だ。きみにとって、そこへ向かう意義が確かにあるのなら
たかが一時間そこそこのロスなど問題のうちに入らねぇだろ?」



たった一言、時間にして10秒で核心をド突かれる思いがした。
流石は北限オホーツクの漁師、胸中をスパッと斬ってよこした。

もしヒトと出会い得心することがの意義なら、これは真骨頂。


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前夜、紋別大山オホーツク・タワーまでオトナ毛抜いて全開の
ヒルクライムをカマしてしまったレンタ・ヴィッツはそのせいか
450km走って29Lの給油となり、惜しくも20km/L達成ならず。

しかしまあすげェハナシ・・・実は事前に組んでいた構成だと
「一日350km縛り」でプランニングしてあったはずなんだよね。

結局はサロベツ湿原界隈で彷徨ったり宗谷丘陵を巡ってみたり
シーサイド・ランに飽きると道道へ寄って道草食ったりしたので、
高速など使ってないのにサラッと400km/日を越えちゃってる。


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「ホントは『気に入った風景を見つけたら時間なんか気にせず
ノンビリ過ごすため』に取ってた余裕だったのにな」と、苦笑。

給油口ギワギワまで淹れたガソリンスタンドを背にして国道へ
向かう視線の先には、これまた可愛い共立ドイツ号の姿も。

フンボルト・ドイツはヰセキ/ポルシェ同様の空冷ディーゼル
だそうで、きっと道北エリアの気候と相性良いんだろうね。


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きつね的には実は高倉健の映画「網走番外地」以外に
固有のイメージを持っていない網走市。

一周達成の他にコレと言って特に訪ねたい場所がある訳じゃ
ないけれど、でも行ったら行ったで何か掘り出しそうな気も。

エッジの効いた意見をくれた「民宿まるたけ」のオヤッサンに
申し訳ないぐらいユルユル曖昧な感覚に迷っていると。

おっとォ、油断禁物・・・「速度取締機設置路線」の看板が
ピッチ狭めてきたら、気を引き締めて巡行しなければね。


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この時間なら急がなくても早けりゃ30分で着くよ、と笑われた
サロマ湖には呆気なくスルスルと着岸。

宿の取り方、遡ってどの季節のどの時間にココを目指すかで
見せる姿や訪問者の受ける印象は全然異なると思うけれど。

冴えた日の出と裏腹に薄い雲が覆ってしまった中途半端な
このタイミングでは、さほどのインパクトが無いランドマーク。


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さて、どうする。道道まで選択に入れると紋別以北とは違い
案外自由度は高いものの、網走行きを確定するとなると
市街地通過や女満別回りを見込む必要が出て来るのだが。

奇妙なもので、まるで水先案内人のようなペースメーカーが
目の前に現れ「ついて来な」と言わんばかりにきつねの駆る
ヴィッツを引っ張り始めた。

1ナンバー登録変更された北見ナンバーのプラドは明らかに
地元現場屋の仕事車で、鮮やかな快走ぶりを見せる。

今回ので見つけた法則は、「道南/道東エリアのクルマは
旭川ナンバーのクルマより確実にハイペース」ってことだ。


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道筋に物流産業都市を有する函館/釧路/室蘭ナンバーの
普通登録車は明らかに巡航速度が速く、北見/札幌もまた
それらに準するスピードで飛ばす。

しかし恐るべきはコレ・・・なんと大男二人載せたミラバンが
時速レッドカードkmギワギワなのに食いついて来た!

軽ターボの侮れない瞬足ぶりは自分のアシ・けーたろーで
重々承知しているものの、テキは明らかに非過給機仕様。
おい、俺はストレート・エンドまでに追い越し完了出来るけど
ミラバンじゃ次のコーナーに突入しちゃうってばよ!


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速度に見合った素敵なライン取りで滑らかに引っ張ってくれた
旧型プラドと命知らずなミラバンは、どうも同じ現場へと向かう
仕事仲間だった様子(←現地での会話が想像つくね。苦笑)。

お陰さまでパンダさんからお縄を頂くことも無く想定外の時間に
能取湖の畔まで到達。

結局は「網走市」の青看板をくぐったところで満足した自分に
気づき、信号の並ぶ市街地まで走破する気分にならなかった。

今は「約一周」でいい。だって正確には松前エリアとか積丹半島も
まだ未踏のままだから・・・市内は道東を走る時に取っておこう。


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幾つか立ててあった想定ルートのうち良いバランスの一本を選んで
R238を少し折り返し、オホーツクの海に別れを告げた。

一昨日に石狩湾へ出て以来、延べ二日間に渡りずっと駆け抜けた
「左手に水平線を眺め続ける憧れの」もここでひとつのピリオド。

次にこの海や景色を眺めに来られるのは、いつになるんだろう。

名残惜しくそんなことを思った時、また今朝のオヤッさんの言葉が
脳裏をかすめてハッとした。

「大切なのは行く意義、きみにとっての。」・・・うん、「意義は意思」。

また来よう!という確かな思いがあれば叶うんだ、自分次第で。


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北見市の向こうへ出られるように道道7号から内陸へ入ると、
また可愛いヤツのお出迎え。きつねメの好きなヰセキTB。

思わず路肩に寄せて、傍らで近所のヒトと談笑する老人に
「写真撮っても良いですか?」と声を掛けると、二つ返事。

「まだ畑仕事に使ってンだぁ。現役で動くよォ。」


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「50年も前のトラクター、仮面ライダーは珍しいっしょ。」
やっぱりコッチじゃ、そのあだ名で通用するんだ。

「持ち主と一緒でくたびれたボロだけど、元気だよォ。」
真っ黒く灼けた肌で無邪気に笑う。乗り手も可愛いよね。

後は内陸を札幌へ帰るだけの行程。でも、良いスタート。


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ツーリングまっぷるや観光地図なんかでは見渡すばかりの
牧野が続く丘陵の道道写真を、よく目にする。

もしかしたらこの7号でも、あんな素敵な風景が・・・と少々
期待したものの、地方道一桁台はどこでも単なる幹線路。

あの手のフォトジェニックな景色は、たいてい千番台だもん。


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ハハハ、むしろ「北海道っぽい」ってよりも「岩手っぽい」。

こういう渓流に沿った切り通しみたいな見晴らしの狭い道、
県北の九戸や軽米辺りによくありそうだもんね。

どうも北見へ向かうには更なるショートカットがあるものらしく
これまた他のクルマと全く遭遇しない快走路だった。


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並ぶ信号のゴー・ストップで流れが良くない、という市内を
避けて西へ出るべく道道245号へ繋いで。

しかし「地方道あるある」、地元民以外馴染みのない集落の
表記が書かれた標識(←コレあんまり意味ないと思う)に
振り回されて少々オロオロウロウロ。

行き先設定しないと、ナビもあんまり当てにならんからね。


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ちょっとしたロスはあったものの、午前の内に無事「道の駅
おんねゆ」
へ到着。

ここは数日前にリフレッシュした特大のカラクリ鳩時計が名物と
いう話だったんだけど、何故か12時に動いていた記憶がない。


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本州の道の駅の倍ほどダダッ広い敷地でトイレを探していると、
今回の路では全然見掛ける機会が無かったトレーラーたち。

国道39号は北見と旭川を結ぶ、都市間物流の動脈だからね。

あの姿を目にすると「ああ、もう道東/道央が近いんだな」と
沿岸よりグッと上がった気温共々、実感が湧いて来た。


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用を足し、「さて昼飯でも」と財布を取りにヴィッツへ向かえば
そこにはキレイに磨かれたCB400。

「短期間しか作らなかった『四本マフラー』かい、珍しいね。」
まだ若いオーナーに声を掛ければ「ひと目惚れでした。」と。

訊けば、冬場預けていたバイク屋さんから車検完了の連絡を貰い
いま引き上げて来た帰りだそう。

満面の笑顔で「今日が今季初乗り、晴天に恵まれて嬉しい」と。


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20℃を超えるだろう強い日差しの中、やはり岩手とは季節感が
一か月以上違うんだなぁ・・・。

バイク談義も気付けば小一時間。昼を少し回ったタイミングで
頂いたのは、「ジンギスカン・ラーメン」。

味噌の中にタレとラムの味が染みた味付けも良かったけれど。

カウンターの末席で汗するきつねに「今日は暑いっしょ?」と
勝手口の戸を開けた、オカミさんの素朴な気遣いが嬉しい。


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午後一時半、再びヴィッツの車首を西へ向けたレンタ・ヴィッツ。

道北ドライブ・デイズも残るは半日・・・いささか長くなったので
今回のUPはこの辺りで〆としますね
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ジャンル : 車・バイク

tag : もの思い 北海道 ツーリング

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No title

この曲のチョイスはナイス!これはイイ!!

さて、いやあ朝5時半にココを見た時の・・・「意義」にはズシっと来ましたね。
あ~、これは旅ではなく人生観だと。(見方を変えれば人生は旅・・か。)
その意義(意志)とは人の(外野の)価値観だとか、常識と呼ばれるモノとかが入って行けない領域・・・そこに自分なりの価値があるのであれば、それを確かめても遅くは無い・・・そう感じました。

こういう言葉がスラっと出て来る方が歩んで来た時間の中身の濃さというか経験というのは凄いんだろうなあ・・・と思ってしまいます。
なかなか言えないですよ・・・こういう言葉は。

ナベエさんヘ。

いいよねぇ、スティーヴィー。スローな方も
ソウルフルな方も北海道にはよく似合います。

Another Star、実は初日に鰊番屋から羽幌へ
急ぐタイミングでこの曲が掛ったんですが・・・
盛り上がるクライマックスで前方に車影ナシ。

ここぞとばかりに全て窓開けて、ボリュームも
アクセ〇も全開!ゆるゆるとUP~DOWNする
海岸道路を飛ばしながら、絶叫しましたね。

だって前方一杯に広がるのが、あの夕映え。
そこにこのグルーヴだもん、シビれない方が
どうかしてますってば・・・。

>「意義」にはズシっと来ましたね。
シチュエーションと旅補正から来る説得力も
確かにあるけど、でもこういう場面でスッと
こんな言葉が出る辺りに「ヒト」が見えるよ。

多分あのオヤッサンは漁師の経験があるんだ。

自然を相手に釣れても釣れなくても海に出る。
自営業の人なら多かれ少なかれ皆抱えている
「意義」という意識が、一層強い職種だから。

最新情報最優先的なイマの世は、ともすれば
ネットで拾った能書きや他人の視線が先立つ。
空気読めてないか、イタいか、叩かれるかと
誰かにツッコまれる事を過剰な程怖れている。

ただ「一回コッキリの人生、それでいいの?」と。

何を思い描くも書くもどう動くのかも自分次第で
良いはずなのに、要らない予備知識で事前に
頭デッカチになり「でも」「だって」の繰り返し。

理由も理屈も挟まず。好きだから、やりたいから、
乗ってみたいから、行ってみたいから・・・。
その衝動でムーヴし続けた先にオリジナルな
「自分」が出来上がると思うんですよ、本当は。

だけど便利なはずの情報の怒涛の波が逆に
感情にブロックを掛けたり足を引っ張ったりして
余計無個性で無表情な世の中を作ってしまって
いる気がします。

「バイク乗りとは他人の話に乗らず、自分の
思い入れに乗る人種である。」
これはヤマハSRXのキャッチコピーだったかな。

誰かの言葉を解説するほどヤボなことは無い
けれど、オヤッサンが口にした「意義」の先には
人生がある・・・それは間違いないでしょうね。
プロフィール

狐ヶ丘 紺之介

Author:狐ヶ丘 紺之介
1970年生まれの乗り物好きな中年ホンドギツネ(オス)。
クルマもバイクも好きなのに、精神構造が基本アナログ。
四輪はM/T派、二輪はキャブ派という典型的な昭和男。

ニンゲンに化けたは良いものの21世紀の流れに乗れず、
世間と森の境目辺りでひっそりブログを綴っております。

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