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夏を見送り、秋を迎えに。 ~水平線へ走った日~







いやー・・・まるで夏のブレーカーをバチンと落としたような
信じ難い「いきなり秋モード」のここ数日。

ひと一倍暑さを嫌う汗かきぎつねもあまりの気候の激変ぶりに
ついて行けず、戸惑いの日々を送っている次第。


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職務の緩急の関係上「中旬だけ仕事が薄い」と盆前後のみ
お休みのスパンが近かったきつね氏。

そりゃもう天気予報とニラメッコしていた訳でありますが・・・
雨雲が東に去った空模様はさておき、着る物に悩みました。

海を見に行くことだけは決めていたものの、東西どちらでも
「海岸線まで峠越えの100km」ってのが盛岡ですから。


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相棒は乗り手に似て暑がりな、驚異のカロリーバーナーこと
スポーツスター

革ジャンを出すか夏物重ね着か迷った末に後者を選択し、
2ヶ月ぶりのお目覚めで向かったのは古巣のホームコース。


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しかし流石は本州一寒い藪川を擁するロングワインディング。

行きがかりで流すドゥカティSSとハイペースなランデブーを
楽しみつつ、レストハウスの暖かい缶コーヒーが恋しかった。

「面白い曲がり方するねぇ。ハーレーって意外に速いんだな。」

「いや俺、実は今どきのハイパースポーツの方が苦手なんです。」


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「久慈まで行くの?あんまり飛ばすと免許も命も危ういよ?」

「アハハ、この先はホームじゃないもの。ツーリングですって。」

もうお爺ちゃんだというドゥカ遣いのオヤッサンに見送られて
目指したのは、初夏に見つけた「しもへいグリーンロード」。

龍泉洞の先から分岐し一気に田野畑まで突っ切る快走路。
今回は逆サイドから北上を試みようか、って企み。


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それにしても、秋風を連れて来た前日までの怒涛の大雨が
ウソのように滔々と流れる渓流の、なんと澄んでいること!

川面の近くに降りて「さかな目」に切り替えたなら、ヤマメや
イワナの姿を見つけられそうなほど。

ここでボケーッと過ごすのも・・・否、今日は「海」コレ絶対!


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そしてお目当てのグリーンロード。シーサイドラインへ繋がる
県44もそうだけど、ホント走る上で要らないものが何も無い。

開通してまだ2年の綺麗な路面、癖のない中高速コーナーで
伸びやかなアップダウンを繰り返す、ピュアなカントリーロード。

ここを教えた身の回りのバイク乗り数人からも、「アレはちょっと
すげぇルートだ!」と口々に興奮を伴うインプレが返って来た。


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こーいう日のため、こーいう道を走るために、スポーツスター
手放せない。

パワーも軽さもひとつの正義だけれど、それだけが全てじゃない。

スロットル一発でリアタイヤをグイッとアスファルトにネジ込んで
巨躯を震わせ突進させる、バッファローの如き野蛮な乗り味。

二輪が抱く一文字を「快」とするなら、コイツは「豪快」なんだよ。


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あれよあれよという間に田野畑の北へ出てR45をナンボも辿らず
昼前に着いたのは、毎年夏の見送りと秋のお迎えをする浜辺。

オートバイに乗り始めた頃からずっとお気に入りの、十府ヶ浦


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あの津波以降は、心の何処かに復興の様子を見に行っている
感覚があったけれど。

ふと気付いたら、今年は「それ」がもう胸の中に無かった。

ただ純粋に、あの水平線と広い空だけが観たくて訪ねていた。


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失われた思い出の景色への嘆きが、痛みと共に自然に消えた。
これが「風化」だろうか・・・いや、違うんじゃないか、と思う。

戻らない過去への執着や感傷に浸り続けることと、教訓を
残して未来へ活かすこととは、やっぱり別なものだから。


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無機質で巨大な防波堤が全て出来上がってしまったなら、
ロード・サイドから眺めた今日の景色もまた「過去」になる。

バリケードの柱に寄り掛かってメンソールに火を灯し、重機の
歌を聴きながら潮風の日向ぼっこ。

ここに、時間を割く。だって今日の目的地は、ここなんだもの。


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「後のメシは久慈まで上がって土風館の漁師丼」と決めたものの、
何かイベントでもあるのか?ってな驚愕の混雑ぶりに腰が引けた。

差し向いの路地を進むと、いちばん奥にラーメン屋さんを捕捉!


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スープを呑んで鼻から息を抜くと、五臓六腑に磯の香が行き渡る。
いや、ジャケットの選択を間違えて冷え切った身体に心底染みた。

気張ってトップグレードの「磯(1300円)」を頼まなくてもイイと思う。
セカンド級の「浜(900円)」でも、期待通りのラーメンが味わえる。

しかし建屋からヒトまで徹底的な昭和感、ある意味すごい(笑)。


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尻上がり的に気温がアップして行く午後、海辺を後にする頃には
もうウェア選びのミスを悔やむ肌寒さは消えていた。

久慈もあちこちに面白いものが潜んでいそうな町だから・・・
いつかミニベロを持ち込んで、自転車散歩を楽しんでみたいね。


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スポーツスターで走る時は、折り返しも重複もナシの一筆書き。

内陸縦貫のR4へ回るルートにも幾つか選択肢があったけれど、
きつねはもう十分に目的を達しマインドも満たされていたから。

ここは素直にスタンダードなR281へ乗り、王道の平庭経由で。


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高原を名乗るだけに、さすが平庭。8月だってHOTを常備。
そう、まだ盆が明けたばかりだって事を途中で忘れてた(笑)。

肌触りの硬い風に強張った四十肩は、クラッチを握る左手にも
腱鞘炎の予兆を引き起こす。

適度な休憩を怠れば、左腕全てを使ってレバーを引く羽目に。


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熱いブラックコーヒーのプルタブを引いて白樺の並木を眺めつつ
しかし思い直す。

ポジティブに考えよう、「休み休み走れば大丈夫乗れるんだ」と。

だって久しぶりに走らせたスポーツスター、こんなに楽しいもの。
身体の調子に合わせて乗ればいい・・・それだけのこと、さ。


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日なたのアスファルトに半時間ばかりアグラをかいた後は、
まるでクラッチの重さが半分になったような錯覚。

自分の肩幅に対して広過ぎるダートラ・ハンドルも見直して
細いグリップを使えるミリ・バーに換えると、肩凝りも少しは
軽くなるだろうか。


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それにしても・・・なんとまあ、呆れるほどに高い空。

もう夏日なんて戻って来ない気がするほど、完全な「秋」。

少なくとも、あのウンザリする程ベタベタに汗をかく湿度は
怒涛の雨を降らせた雲が東へ連れ去ってくれたに違いない。

カラリとした空気はスポーツスターにとってもきつねにとっても
もちろん大好物。


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星が瞬く夜空にパーカーを羽織り、延期になっていた花火を眺め
長い長い夏にさよならを。



さあ、幸せな季節の始まりだ。ぐいっと背伸びして、深呼吸しよう。
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コメント

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No title

こんにちは。
どこまでも青い空とカモメがとてもいい感じですね。
猛暑続きの中、この秋のような天気はありがたいてす。
磯の香り広がる澄んだスープのラーメン、そそられました!

ひろろろろさんへ。

ようこそ、いらっしゃいませー。

自分の愛用するコンデジは、色彩の取り込みが
すんごく気まぐれなんですが・・・今回はパリッと
「見たまんまの海と空」を撮ってくれました。

しかし「カモメと青い空」をテーマに据えた途端、
何故か一羽も飛んでくれなくなるという謎現象。
県民性同様、やはり動物もシャイでヘソマガリ
なんだべが・・・?

>磯の香り広がる澄んだスープのラーメン
期待値オーバーでもアンダーでもないジャスト。
県北沿岸の磯ラーメンは多分ハズレが少ない
(=シンプルな)良いメニューだと思いますよ。

なにしろ素材が間違いないものですから、ね。

もうすっかり、秋ですね!

確かにあの津波は、風化することはないですね……。
でも、今は写真の青空や水平線が、気持ちよかったです!

あと、写真見てラーメン食べたくなりました(笑)

イシイさんへ。

いらっしゃいませー。

「涼しいのは今日だけかな?」と毎日
思っているうちに、どうもホントに秋に
なっちゃった感じですね。

沿岸の津波被災地でも今回訪ねた北は
南より被害が少ない分だけ復興も早く
見えます。

南の陸前高田や大船渡はまだまだで
『海を見に行ったのに工事現場を見て
戻って来た」印象の方が強いんですよ。

未だにいろんな事柄で決着がつかず、
「復興や風化って何?」と考えさせられる
ことが多いです・・・7年経っても。

磯ラーメン、北海道は地方や季節によって
いろんな個性があるんでしょうね。
食べ比べも面白そうです。

No title

>しもへいグリーンロード
これは面白そう・・というのが、写真からでも
その片鱗が伺える気がしますね。

それと同時に記事を拝見して思ったのは、沿岸を
「被災地」としてみるか、「観光地」として
みるかで、目にするものも変わるのだろうなと。
今までの自分もそうなのですが、被災地として
意識すると、どうしても当時の爪跡や復興工事に
目が向いてしまうんですよね。
沿岸も今では、お祭りやイベントなども復活しつつ
あるようですから、我々も素直に観光地として
楽しみに行く感じで良いのかもなあと思います。

ということで、初オープン走行はグリーンロードに
行ってみましょうかね~。

琢磨呂さんヘ。

>被災地として見るか観光地として見るか
あれから7年、そろそろ地元の人たちの生活も
落ち着いて来たのではないかと思います。

春の沿岸南部編の時も書いたことだけれど、
出向く側の我々は沿岸=被災と抱き合わせで
捉えることからそろそろ離れても良いのでは?
と考えているんです。

諸条件から復興のスピードが早い北側へは
「ただ海が観たくて行く」行動を今回自然に
取れました。
南側にもそういう日が早く来て欲しいんですが。

沿岸南部に対し現状思うのは「仮設で眺めの
いい海辺の公園を作れないか?」ということ。
復興途上の風景は、ただ道すがらにでも伝わる。
次のステップは「海を見に来る人を呼ぶ」ことと
感じるわけです。

最短の避難場所を確保出来る立地で、確実に
避難誘導出来る程度の台数に絞った浜辺の
パーキング的な公園をポツポツと複数個所に
作るだけで、「どこもまだ土埃舞う現場」という
印象は大きく変わってくる気がするんですね。

震災以前同様な「純観光客」は震災以降との
客筋と違って来るし、いずれはそうなります。
三陸道が全開通すれば各々の街が何かしら
「ICから降りて来てもらえる魅力」を備えないと
先が見えなくなる・・・必須の課題じゃないかな。

リアス式海岸をR45よりも内陸寄りにスルーする
三陸道からは、ほとんど水平線が見えません。
「磯の匂いが届く浜辺の公園」、第一歩はきっと
それだけでも十分。

この日きつねがしたように「海を眺め海のものを
食べ帰りたい」さえ叶えば、内陸の人を呼べる。
すごくシンプルなんです。各地の特色はそこへ
集ったヒトたちからヒントを貰って育てたら良い。

先月陸前高田に行ったから、今月もし行くなら
大船渡にしよう・・・そんな風にヒョイと思いつき
訪ねられるようになってほしいですね。

>グリーンロード
R455を岩泉町内で龍泉洞への県道に左折。
龍泉洞前をスルーすれば案内標識があり右折。
途中二箇所の十字路に当たりますが、どっちも
突っ切ってまっすぐ行けば田野畑のR45です
(最後の十字路を左折すると普代まで更に
ショートカット、との未確認情報も)。

今の酷暑が過ぎた後なら、ロードスターでも
きっと楽しいルートと思いますよ。

因みに盛岡~グリーンロード~久慈~平庭
~R4岩手沼宮内~盛岡、ほぼ寄り道ナシで
270kmの走行距離でした・・・参考までに。