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「煽り」というワードが、ひとり歩きする怖さ。 ~あえて語る、「違和感」のこと~ 








つい先日、きつね的に「乗り物師匠 四天王」のひとりとして永く
付き合って頂いているヨッシー師から、久々に電話が来た。


腕利きベテラン塗装職人だったものの、勤務先の閉鎖と転職や
家庭事情の変化が重なり、少し疎遠になっていたのだが。

多忙で乗れずに不調を招いた愛車・ダイナローライダーの話が
ひと段落した頃合いで「アレ、どう思うよ?」と問われたこと。


それが今回のタイトルに据えた、「煽り運転」問題の件だった。


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これは時事トーク中でも、とてもナーバスで繊細な案件。
言葉を尽くし自分の考えを語らなければいけないお題だが。

それを承知で乗り物好きの視点から発するとしたら・・・
まず「論点がズレている薄気味の悪さ」を取り上げたい。


いちドライバー/ライダーとしてハッキリさせておきたいのは
連日メディアが取り上げる「東名あおり事故事件」の素性。


きつねメは、コトの軸足を「煽った/煽られた」と別のところで
考えるべきなんじゃないか?
と感じている。


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二輪ブームが過熱する最中で育ち、峠ブームの中で四輪の
免許を取った我が身を振り返ったとて到底「品行方正」とは
胸を張れないスタンスなんだが。

今回の事件で重きを置くべきは「煽り」という視点ではなく、
一連の展開における非常識な被疑者の逆ギレ行動では
なかったのか
・・・?ということなんだ、そもそも。


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実は何度か、あの事件と写し鏡に似た逆位相的な恐怖を
過去に数回、味わったことがある。


20年以上前・・・反社会勢力系(←ヤク〇)が未だ大手を
振って街を闊歩していた頃は「案外よくあること」だった。


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彼らの手段は概ね、誰もいない道をあえてグダグダ低速で
走る事から始まる。

後ろでイラっとし、追い越しを狙うとセンターラインに寄せる。
これを何度か繰り返した末、突然真横を向いて道を塞ぐ。

あちこち凹んだそのポンコツアルトやミラから肩を怒らせて
出て来るのは、鋭角剃り込み入れた眉毛の無いチンピラ。


「おめぇナニ後ろからイキってマクりくれてんのよ、コラ?」


要はヤンキー時代のインネンカツアゲ常套手段をクルマで
実行しただけ・・・乏しい小遣いか上納金を稼ぐために。

こんな時は瞬時に後続車がいないかミラーへ目を走らせて
「よし!」となればクラッチ蹴ってサイドを引いたものだ。


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東名の案件の被疑者は人格上、「奴ら」と何も変わらない。


誰から見ても邪魔になると分かっている場所にクルマを停め、
注意した善意の市民を追走掛けてマクり倒し。

挙句走行車線へ停めてスゴんで脅し、分かり切った惨劇を呼ぶ。


もう自分に非があった事すら分かってんだか分かってないんだか。


要は事故に至る運転がどうとかこうとか以前に人間性の面から
欠陥を追及するべきストーリー
なんじゃねーの・・・違うか?


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生まれも育ちも過疎な山岳県のスポーツカー・ブーマーで。
四季を通して長く地元の峠道にも慣れ親しんだ田舎ライダー。

そんな素性から自己申告すると、250ccクラス以上のバイクや
四輪なら、俺は「並みよりも少しペースが速い乗り手」となる。


老眼と鳥目の進行が早いことも自覚しているから、最早分別の
ないトバし方なんか、やりたくたって出来ないんだけどさ(笑)。


但し・・・その対象となる乗り物が絶対的に非力な黄色とか
桃色のナンバーを持つ小排気量まで至る趣味なモンでして。


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シンプルかつ貧弱なプリミティブ機・ゴリラ改72ccの巡行は
50km/hが精一杯なので、傍目にも不安定な走りっぷりから
「マクって抜く側」の気持ちも十二分によく分かっている。

長距離を掛けようと思えば窮屈極まりないポジションとか
バックミラーから眼を離せない気配りにくたびれた結果、
今夏にはDトラッカー125を嫁に貰った程なのだから。


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しかし「カラス号」こと当のDトラとて快適に落ち着く速度は
一般道の上限・60km/hが丁度良い頃合いなのだ。

まあそこそこ立派な車格とも相まって、後続車両視点では
「ノンビリ行くなら後ろに付くも良し、抜こうと思えば
いつでも安心して抜けるんだし。」という存在らしい。

ゴリラよりは後ろにつかれる頻度は少なくなったものの。
コイツで走る時もまた、速いクルマに追い付かれたら極力
早めに左ウインカーを点けるように留意している。


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抜く側の気持ちも抜かれる側の気持ちも、分かっていたい。
それはその時、乗っているものが何であっても・・・。

だからきつねは、例えばそれが林道帰りのセローの時も。
後続がついたら長い直線を選び、路肩に寄せて減速する。

勤務の関係でSOSを求められた営業車、次のフェリー便へ
載らきゃならない長距離トラック、便意を催した子を載せる
ミニバン・・・抱えた事情はそのヒトそれぞれだ。

結局皆「その時々で求めるペースが違って当たり前」じゃね?


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もうかれこれ四年前・・・函館からレンタカーを借り出し
生まれて初めて「自らステアリングを握っての北海道」を
旅した記憶は、未だ鮮明に残っている。

除雪用に広くとられた路肩と絶対的に少ない交通量、そして
ブラインドの少ない直線基調のルートが培った道民の伝統か。

とにかく「追いついて3秒で先方が道を譲ってくれる」作法に
強烈なインパクトを受けたものだった。


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正味の話・・・少なくとも大都市圏を除いた道南~道東なら
運悪くお縄を頂いた際の切符の色は、間違いなくほぼ「赤」。

とにかく本州の常識というモノサシで測れないほど各集落間や
都市と街との距離が乖離しているため、皆ペースが速いのだ。

町場から10kmも離れたら黄色ナンバーのクルマが居なくなる。
都市間移動を想定すれば、軽自動車という選択をしない流儀。

それはまるで欧州ローカル・ルートさながらなドライバーの運転
意識の高さに心底舌を巻く経験となり、熱心な北海道ファンへと
導く礎に据えられた(バイク/クルマ好きは必ず行くべき)。


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さて、論点を遥かなる北のモータリング・パラダイスまで
ブッ飛ばしてしまったところでひと巡りし、私的な視点へと
リバースさせますが。

きつねメが現在も憂慮する「行く末シナリオ」を一つ挙げると。


「ワタシは法定速度で走っている」「追いついて来た車が
一分ぐらい背後に張り付いていた」
「追い越した様子が
愛車のドラレコに写っている」
「ムカつくから動画UP」


正直申し上げて一度、教習所の教官から教えられた言葉を
反芻して頂きたい・・・こういうドライバーやライダーには。


「交通法規と実情の流れを勘案し、沿うように走りなさい。」

「ナナハンならナナハンなり、リッタークラスならそれなりに
持ち味のメリハリを利かせた走らせ方をさせなさい。」


(※ ↑自身も「課題はパーフェクトだけれどアクセルの開け方が
足りない」という理由で、二回限定解除から落とされたクチ )。



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そのクルマやバイクが、どれだけの静粛性を誇る高級機であっても。


「あなたのために用意された安楽優先の特別なリザーブ・シート」
なんかじゃないことを、お忘れではないですか・・・?


バック・ミラーは「バックの時に使うためのミラー」じゃないんです。

サイド・ミラーは「駐車場で子供を巻き込まない為のミラー」じゃ
ないんです。



「交差点で左折したクルマは基本その左折した先でも左レーンを
守らなきゃいけない!」ってコース上で厳しく習ったハズなんだが。

いつの間にか(3ナンバーの小型車区分容認以降か?)右レーンまで
はらんでもアタリマエ的に、勝手な常識へ塗り替えられてしまった。


こういうケースって最近、案外多くあるように感じられる。


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「私が私の感じる快適なペースで走っていたら、後ろに付かれた。」

「法定速度内だったのに追い越されたから、抜いた相手が悪者。」



あの・・・もしもーし・・・聴こえてますか?・・・もしもーし。


センターラインが黄色かったり白の点々だったりと場所により
わざわざ区分けされている理由。

日本で取得された免許を保持される方ならば皆さん
常識として、御存知ですよね?


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我のけつコさ追いついかれだら、相手が速いに決まってるべナ?

何がしら急な用ッコあって、先サ急いでるのがも知れねがべじゃ?

したらこっちはペッコばり、脇サ寄せで行がせてやれば良がべよ。

カッ飛ばさねば間に合わねェ時なんか、誰サでもあるべがらなス。

我は我、向こうは向こう。みーんなまんつ、お互い様だべ・・・な?



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コメント

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No title

仰る通り人間性の問題でしょう・・・あの事故の後も結構同じ事を繰り返したようですしね。
札幌に住んでた20歳の時にチンピラに似たような事をされた覚えがありますよ。

日本は相対的に速度が遅いのか?恐らく欧州(アウトバーンに連結する国々)の方がこういうマナーは良いような「気が」するのです。
まあ、ブっ飛んで行った先の事故の大きさは向こうの方が凄まじいと感じますし、だからこその防衛策もあるかと。
北海道もそういう速度が高めでの巡航が出来る環境というのも(あとは追って来る警察車両とか?)ミラーでの後方確認ややり過ごしに繋がっているのか?と思います。

ドラレコはネット動画投稿の道具という感じですかね・・・本来は違う用途だと思うのですが。
今日知ったドラレコの情報としては、自動車保険会社の特約でドラレコが月額850円程度で付く(要はモデムと同じレンタルでしょう)というもの。
単なるドラレコじゃなく、事故衝撃検知の段階でGPS機能で居場所&事故画像を保険会社本体が把握、通話可能で初動の役に立てようという内容なのだそうです(来年1月から適用となる感じです)。
高いか?安いか?は別として、知らない土地や山間部では良いシステムかもしれません。

ナベエさんへ。

>人間性の問題でしょう
「煽った」「煽られた」というクルマでの行動が
軸ではなく、主題は「逆ギレ」だと思います。

そもそもなぜ注意されたのか、自分の行いに
反省が無く「頭に来たから感情のままに動く」
・・・人間性の問題ですよね、まず。

>欧州と北海道
後ろに追いつく車がいる、ペースの違う車が
いる。それが当たり前だから譲る、譲られる。
「煽られている気がして何か気分が悪い」や
「抜かれるとなんか悔しい」という感情を
彼の地の人々は持っていないと思います。

むしろ周囲の流れに気配り出来ない本州の
ドライバーの意識低下が気になるんだね。
高齢化とクルマの大型化や車内静粛性が
キーになっているような・・・?

ドラレコが事故抑制やマナー向上に繋がる面は
あってもイイとは思うけれど
(事故の場所や状況が即座に保険会社へと
伝わるのは確かに有効)。

最近の「活用法」は何処か興味本位だったり
ストレス解消の他車叩きの道具になっている
面も見られたりして「なんだかな」と。

誰もが気持ち良く走れるようになってほしい。
クルマを介在させていても根本は「人と人」。
歩道や建物等でも自然と足早なヒトを先に
行かせる様に、他者を妨げたり危険な目に
合わせたりしない環境を望みたいですね。

No title

高速といえば、先日東北道の110km制限区間を
走る機会がありました。
今までより各車の速度差があるためか、追越車線を
塞ぐ車がいると、後ろが詰まるのも早いような気も。
こういう人はパッシングくらいでは気が付かない
ですしね。たぶん後ろ見てないでしょうから(^^;。

最近も、相手の運転に腹を立ててドラミラーを
折ったという事件があったみたいですが、これを
「あおり運転に該当するか・・」というのは、やはり
違う気がするんですよね。
たんなる暴力行為じゃないのかな?と。

確かにドライブレコーダーは、万一の際の証拠や
煽りの抑止にはなるかもしれません。
でも交通ルールって、車対車である以前に、人間
同士の対話と言っても良いと思います。
監視されているから悪い事は出来ないではなくて、
あくまで人間のモラルとか思いやりで守られるべき
ものかなという気がします。

琢磨呂さんヘ。

>高速の110km区間
施行されて話題になってから結構経っていると思う
けれど、未だ使用者側が「それをどう活かすか」に
馴染んでいない段階・・・なのかなぁ。

実はきつねメ、高速を使う機会が北行きばかりに
偏っているため、自身もあの区間を走ったことが
ないんですよ。

絶対的な交通量が少ない北東北だけあり、偶に
意識の低いドライバーさんも見掛けますね。
「高い料金支払ってでも早く遠くへ行きたい人の
ための道」だもの、普通に走る人は極力走行車線
キープで・・・って言葉にするまでもない事だと
感じるんですが。

>煽りとミラー折り
そもそもどこからが「煽り」なのか?という定義も
定まらないまんま世間が騒いでいる様に見える。
「煽られた」って本来は主観ではないの?と。
でも昨今の蛇行オラオラ暴力事件って、誰から
見ても「喧嘩沙汰」に分類されるものじゃない?

自身が「純粋に煽られた案件」を挙げるとしたら
むかし4速のミニカ・ライラに乗っていた頃かな。
大型トラックにリミッターが無かった時代、R4の
上り坂でしばしば港へ急ぐ冷凍車に背後から
マクられました。

怖いとは思っても鈍足車なので仕方なかった。
双方納得の理由があった上での事象だから、
直線で路肩に寄せれば向こうはさっさと抜いて
行って、イチャモンもいさかいもナシです。

本来の異なる事情による「煽った」「煽られた」の
典型がコレで、やはり昨今の喧嘩オラオラとは
モノゴトの質が全然違うでしょう?
アレらは「車を使った脅迫事件」という表現が
最も正しいのでは?と考えている次第です。

世間より表現への意識を高く持たなきゃならない
メディアが、深く考えずインパクト重視で安易な
言葉を乱発すると、本来の意味とはニュアンスが
ズレたままその言葉がひとり歩きを始めてしまう。

これも案外「今の世あるある」なんじゃないか?
しっかりしてくれよ報道各位、って感じますね。