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初春の空へ駆けて、ひとり。 ~「風立ちぬ」 雑感~







大いに期待させられた前日までの天気予報にまんまと騙され。

肌寒い曇天で開けた翌朝は、コチャコチャっと溜まった作業を
あれこれヤッツケるべくガレージに張り付いて過ごしました。


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ホントは・・・お日さまのマークしかない好天が約束されていた
ハズだったんだよ・・・嗚呼それなのに、それなのに(悲)。

否、それはそれでまずまず案件が進み有意義ではあるものの。


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「構想していた事」のステップが概ね一段落した辺りの午後から
ようやっと青空や陽射しが見え始めて、いそいそと支度。

生来の気の多さ故にアレやコレやと方向性がとっ散らかった
忙しない動き方だけれども、今日は走らずにいられなくてね。


それは・・・前夜観てしまった、「風立ちぬ」のせい。


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先週の金曜はハナからケツまで、マルチタスクのドタバタな仕事に
追い回された後なのに、更に欲かいて床屋さんへ出向いて散髪。

顔を剃って貰い洗髪タイムまで白目剥いて半ば気絶していたのに。
帰宅するなり放映を知り、大慌てで正座の勢いで鑑賞してしまった。


5年以上も前の作品なので、興味がある人は既に観ているだろうし。

キャスティングやあらすじとか裏話なんかは検索すれば出て来るし。

だからあらたまった内容紹介や野暮な解説やらは、スッ飛ばすけど。


「なぜ宮崎さんがコレを描かずにいられなかったのか」が伝わった。
全身全霊で描かれたからこそ、魂の芯を撃たれたのだと思うほど。


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皆が忘れた、或いは皆が分かっていつつも見て見ぬフリをしている
「本当は誰も逃れらぬ、ナマナマしくてイタくてツラい『生』の物語」。


「生」は「性」で「製」を経て時代に呑まれれば「所為」になってしまう。


主人公・堀越二郎は子供の頃から未来に至るまで、「飛行機」と
いう真っ直ぐな夢の定規に沿って生きた、ただそれだけの青年。

自分に与えられた条件を忠実に叶えたソレが、しかし時代の上で
結果的に、敵も味方も殲滅してしまうベクトルへ使われただけだ。


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但し開発した火薬を鉱山開発のダイナマイトから兵器へ転用されて
「こんなハズじゃなかった!」と平和賞を設けたノーベルとは、違う。

二郎は夢想し続けていた理想のカタチが、その両翼に兵器を吊るし
虚しい潰し合いの道具に使われることも、承知していたのだから。


それでも「飛行機のことしか知らない/考えられない」彼の中には
悲しいけれど、世が世であるが故に他の選択肢が無かったんだ。


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「カリオストロの城」のヒロイン・クラリスが人生で二番目の初恋
(矛盾してます?でも10歳の頃の初恋と全く同じ衝撃だったもの)
だった自分は、菜穂子に面影を重ねて余計に感情を入れ込んだ。

生きるべき道に邁進して輝く夫が眩しくて愛おしくて、契りを結ぶ。
菜穂子もまた、ピリオドが見える限られた命を煌き切って尽した。


「生」、「命」、「夢」、「恋」、「愛」。平和な時代ならば全て
キレイゴトで完結させることが出来ただろう・・・現代のように。


でもね、その五つの要素にはまるでトランプのジョーカーのように
「業」という名のネガでエゴな背中合わせの宿命を抱いています。



おそらく宮崎さんは自作をファンタジーというウソで覆い切って
作家生命を終える事が出来なかったんだろう、と感じました。


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あえて一瞬の幸せと救いのない物語を抱き合わせで描いた末に
「希望の描き方」という問いを、観る側に向けて放り投げたのね。

きつねの見出した答えは「それぞれがその時々、自ら信じている
プレシャスに従う他に、最善を尽くす術がない」というもの。

※しつこく言うけど、俺はどんな宗教にも傾く気はありませんよ?
  いやまあ、ウチのお墓は一応浄土真宗なんだけれどもね。



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きつねメの亡父は、ずっと飛行機が好きな少年だったようです。

モノゴコロついた頃には、故・摺本好作さんの紙飛行機集
(各ページを切り出せば紙飛行機を作れる本)が全て
揃っていたし。

物置のカーテンを開けると、昭和40年頃に書かれたという
太平洋戦争のパイロットによる戦記物が並んでいてね。

スバルやプリンス、引いては合併先である日産の自動車を
ずっと贔屓にしていたのは、どちらも旧中島飛行機の血を
引いていたためだったらしいし、さ。


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水平対向のBMWを、「最高の素材と精度や品質で造られた
音もなくアウトバーンを疾駆するスーパースポーツ」と夢見て。

だけどおそらくその向こうにメッサーシュミットやユンカースの
シルエットを重ねていたんだろうな・・・と感じていました。

風立ちぬ」は亡父に是非観せたかった、とつくづく思います。
オヤジが観たら自分ともまた違う感銘を受けただろう、と。


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オートバイって、闘争を逸れる平和への誓いと引き換えに
その翼をもがれた飛行機なのかもしれない、ともの思い

本当は、例えば映画の中でたびたび登場したシーンのような
小高い草原の上に立ち、青空と雲を眺めたかったけれど。

これも予報を裏切る北西からの風があまりにも冷たくて。
今日の珈琲は、未だ緑の乏しい草原の傍らで味わいました。


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人を幸せにする・・・そのためだけに生まれたオートバイ。
空を舞う羽は無い代わり、その分だけ背負った「業」もない。

自身を決してユーリョーウンテンシャなんて捉えちゃいない
きつねだけれど、「幻の翼」を忘れずにいたいと思います。


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それにしても深い物語だった。ストーリーそのものも、余韻も。


なにしろ「事情が分からないまま命を絶った少女の歌」として
永く耳から遠ざけていた主題歌の意味までもを、書き換えて
しまったのだから。


おかげでどう心の中でまとめるべきなのか、三日経ってもまだ
答えが出せていないものね・・・。


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◎ 追伸 ◎


Special Thanx To クマゴロウ師匠


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おかげさまで、例の発進~中速域までのグズつきはキレイに
解消されました。

カラス号同様、低く丸く調教された穏やかなサウンドも含め
文句ナシの逸品です。ありがとうございました!
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コメント

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こんばんは~

なるほど~幻の翼
そうですよね!

私もその翼に恋い焦がれ
恋の病のように何もかも手につかなくなり
週末のバイクに乗れる時間だけに
想いをはせるように
はぁ~
女子はそのようにバイクにはまっていくのです(*´Д`)

おささんへ。

昔、広井てつおという飛行機好きな漫画家さんが
「バイクは四輪よりも一層ヒコーキに近い乗り物。
曲がりたい方向へバンクさせるのは同じだから。」
といったようなことを記していて、膝を打った
思い出があります。

自分の身近には全くのメカ音痴なのに還暦過ぎても
ホンダの250を走らせるバアさんがいるんですけど。
先日今期初乗りを行った際「魂とか細胞というのか、
身体と心の奥から全てがパアッと開くのを感じた。
あの世界がきらめく感覚って、二輪独特だよね。」
と目を輝かせておりました。

オートバイの魅力は非常に抽象的で理屈に合わない。
ではそれは何?と問われれば「官能」だと思います。

「風立ちぬ」、理解出来ないヒトには全く分からず
掴みどころに悩んでとてもモヤモヤするそうですが。
理知と理論の人である主人公・二郎が飛行機に対し
執着したのは、結局官能に逆らえなかったから
(先達・カプローニ技師がそれを度々代弁している)。

堅物の二郎が美穂子と恋に落ちるシーンを通しても、
本当は純粋さにこそこだわった人間くさい人物である
ことも見て取れます。

今の世情って安全第一バリュー最優先主義ですよね。
何でも無駄を省き美味しいトコだけ持って行きたい。
危ない事には手を出さず、傷を負わぬよう理論武装。

でも本当は、そこから一歩ハミ出したところでこそ
「その人がその人らしく生きる値打ち」が生まれる
ように、きつねメは思っている次第であります。

寒かったですね~

予想以上に寒い1日で
それだけで疲れてしまいました・・・

駐車場を借りたおかげで不安なく
過ごせたことはとても感謝しています。

また、ゴリラ用マフラー
納得していただけて良かったです。
(自分自身、一番納得の製品と思って愛用しておりますし)
音・性能・ほぼノーマルルック
大きな問題はないと思います。

誰が言ってたか?
「無駄こそが人生、無駄こそが大事・・・」

合理的過ぎるのは
手段や手法で十分ではないか・・・と

そうそう
こう書いたら納得?

「遊びが大事、なのですよ。」
隙間だったり、幅だったり、余裕だったり、、、

『風立ぬ』
ストーリーについては
まだ見ない事にしているので?ですけど

クマゴロウ師匠へ。

土曜日の商用、ご苦労さまでした。
事前の予報では午前からもっと好天に恵まれる
はずだったんですけど、風も冷たかったし。
日曜は一気に気温も上がり、良かったのでは?

ゴリラ、本当は以前の中華マフラーのままで
一度油温を測り、クマさんに譲られたものと
交換して比べてみる予定だったんですが。
モノがいざ手元に来ちゃうと・・・やはり
組みたくなっちゃいますよね(笑)。

まだ軽く近所を回って試しただけなので、
フルに走ってどうなのか分からないけれど。
パッと開けてスッと出るフィールからは
全域で良い結果になりそうな予感がします。
パワーフィルターの吸気音が消えた辺り
からもバランス良さそうな雰囲気が。

>無駄こそが人生、無駄こそが大事・・・
トコロサンっぽいひとことですね(笑)。

仰せの通り、合理便利は手段や手法であり
目的に置き換えるものではないと思う。
お金の面でもそうだけれど、まず初めに
「何をしたいか」があるべきじゃないか。

したいことがないのに無理無駄を省いて
時間やお金や体力に余裕を作っても単に
「ヒマ」が残るだけじゃ意味がない、と。

エンジョイ・マインド・・・遊び心って
いちばん大切な事なのかもしれません。
ヒトがヒトらしく生きて行くために。