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失った季節を取り戻せ! ~重戦闘機、夏を迎えに駆ける~








忘るまじ 忘るまじ 忘るまじ  我らの 夏を

隠すまじ 隠すまじ 隠すまじ  我らは 夏よ

臆すまじ 臆すまじ 臆すまじ  我らは 夏よ

逃すまじ 逃すまじ 逃すまじ  我らの 夏を




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岩手のStay Homeが解けたのは、G/W明けの5月7日だった。

ところがはしゃいで林道散歩に出掛けた挙句、その日のうちに
セローを壊してしまい。

直している間も天候の乱高下が激しく、俺らしくない5月となった。


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そしてセローの修理が一段落した月の終わり、初夏の陽射しが訪れる。


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巻き返しに行こうと思った。コロナとトラブル、変則的な暮らしが続き
失った二か月間を取り返すため、無性に走りたかった。

充電器を外して、イグニションを回しプラグにスパークを飛ばそう。
待たせたな、相棒。恋しかったあの潮騒を、聴きに行こうぜ。


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「道の駅 石神の丘」で出会った、年季の入ったショベルFL。

壊れる・疲れる・カネ掛かる、でバイクライフも三拍子なんです。

荷造り紐で無造作に縛ったサイドバッグが、やけに眩しかった。


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葛巻はヒトより牛が多い土地。オートバイが良く似合う、牧歌の里。

その緑をいっそう輝かせるものは、生の喜びに満ちた季節だろうか。


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平庭で笑顔を交わし合った、ローカル・ロードのTON-UP BOYS。

セミレーシングの端がケロイドに溶けている。SSはそうでなくっちゃ。


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葉が落ちた時期なら見事な肌が並ぶ白樺の並木も、今は見渡す限り
緑の葉のドレスを纏っていた。


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光合成で大気いっぱいに満ちた酸素をエアクリーナーが吸い込み。

ラフなキャブがハイオクと混ぜ合わせて大地を蹴る。「快」の連鎖。


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R281を久慈の街へ降り切る手前。なぜ今まで気付かなかったのか。

「広域農道 おおのキャンパス」の青看板、誘惑が手招きしていた。


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3速ダラダラな山影のつづら折れに退屈を覚えたものの、抜けた先で
自分の勘に間違いが無かったことを教えられる。


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岩手の北の端は、久慈と二戸だけじゃない。かつてR395を走りながら
気になり続けたロード・サイドの向こう側。やはりパラダイスだったか。

新しいルートや新しい景色が得られなければ、それは「旅」じゃない。
単なる行脚を脱したければ、ひとつオヤクソクを外す。それが正解。


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大野、山形、軽米。森林地帯のイメージ色濃い県北東側の自治体が
しかし広大な牧野の連なりをもまた産む。

小岩井に続け!とばかりに岩泉もヨーグルトで名乗りを上げたけれど。
来て見りゃ分かるさ。この辺りのミルクの、間違いないだろう味が。


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北の大地へ渡れなかった春。心の隅に小さく畳んだわだかまりが、
スロットルと共に大きく開かれてスピードに昇華されて行く。

「快」、刹那のきらめき。ブルーとグリーンの境界線を飛ぶ、「快」。


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真冬、豪雪を体感しに出向いた「もの好き青森旅」のランドマーク。

「おおのキャンパス」が指していたのは、あの広大な道の駅だった。


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最後は海辺のどこに出るのかと思えば、久慈と種市の際に当たった。

正午を回ったその目の前に、「ドライブイン三陸」が用意されている。

「まあいいから入れよ、求めてるモンはあるから」ってことかい。


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こーいう時はケチらない。それが目的であったならば、「上の上」で。

今も県境を跨げない。ならば限られたエリアで頂ける幸を頂くまでだ。

それにしたってコレで大盛り1200円ならバーゲン、と無心に頬張った。


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磯スペシャルで満たされた店の前には、目的その②も併せてあった。

宮古より南はノンストップとなった三陸道。ならばノースサイド、どうよ。


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ハハハ。まさか3kmと走らずにまたR45へ降ろされるとは思わなんだ。

久慈市街を抜けた先、小袖海岸の十字路。お馴染みのトンネルか。


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リアス式海岸のノコギリ刃は、南より北の方が数等高く険しいから。

ただでさえ内寄りを通したR45より、更にトンネルぶち抜きと高架で
道路を作ろうってんなら・・・そりゃあ工期もグダグダになるだろう。

おかげで至るところ片側通行のゴー・ストップ。オイルが煮えちまう。


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本日の三陸、海岸線にやませを告げる雲はナシ。梅雨入り前の特権。

ジリジリと上げられた油温がたちまちに冷めて行き、相棒もご機嫌な
ハミングを奏でる。


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そして我が愛しき思い出の十府ヶ浦。青春の舞台だった駐車帯は
防潮堤工事の進捗に伴い、その姿を全て消してしまった。

朝日を目指して駆けた挙句、寝転がったテトラポットも既に無い。


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屋台のタコ焼きをつつきながら黄昏まで共に笑い転げたカップル。

潮騒に合わせて独り、スライド・ギターをつまびいていた旅の青年。

一期一会だった彼らの姿を重ねる情景は、もう永遠に帰って来ない。


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それでも、夏は来る。俺が新しい思い出を紡ぐ時間は、きっともう
大して長くはないが。

裾をまくったズボン。新しい景色に、新しい記憶を重ねていく世代。
それでも、夏は来る。これからも、変わることなく。


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そうだね。水平線は無くならないさ。防潮堤の向こうに、隠れても。

また来るよ。潮の香りと波の音が、恋しくなったなら。


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普代でハイオクをタンクに満たし、三陸の海へ背を向ける。

しもへいグリーンロード。25kmの区間に一時停止の交差点が
ただひとつあるだけの、ジェットコースター・ライン。

一昨年加わった、俺とスポーツスターのお気に入り。


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ゆるゆると上って下り、永くステップを削って弧を描くコーナーが続く。

時代遅れな双発の重戦闘機が、その翼を躊躇なくバンクさせて飛ぶ。

ワインディングという旋律の上、マシンという楽器でプレイに興じ続ける。

精神にも身体にも、雑味の入る隙は無い。ピュア。限りなく純粋な時間。


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エンジンの轟き、大股なビートに川面のきらめきは増し、胸は躍る。

季節の喝采。生きとし生ける者へ。スピードのアンプが加速を掛ける。

アンタは何故バイクに乗るのか。そこに方程式は要らない。肌で感じなよ。


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R455、岩泉。やれやれ、野暮な赤旗がやけに目に付く日だな。

・・・っていうか、そのブームの伸ばし方、アリなのかよ・・・(汗)。

※移動式クレーンの免状をお持ちの方ならゾッとする光景であります。


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盛岡へと戻るには最後の試練となっていたトリッキーな早坂峠も、
裾を長大なトンネルで抜かれ。時間が読めるようになって久しい。

現在の最後のレスト・ポイントは、「道の駅 三田貝分校」。

校舎のイメージに合わせ大音量で延々と流れ続ける童謡に辟易し、
時報代わりにいきなり鳴り出すチャイムには度肝を抜かれるが。


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エンジンの残響と風切りのノイズが耳から消える頃。向かいの橋に
立ってみれば、それはそれで川の瀬に合うような気もして許せるか。

さて、時刻は16時。きつねのアジトまでの残り60kmは、勝手知ったる
我らが湖岸のホームコース。


トータル300kmジャスト、古いガソリンを入れ替えるデイ・ツーリング
淀みの掛かったココロの洗濯をも十分に満喫させてくれた。

やっぱ走ってナンボだわ。バイクも、そしてライダーも、ね。


・・・・・・・・・・・


~ 今日の びっくりぽん! ~


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否まさか盛岡ナンバーのアヴェンタドールが存在するとは(驚愕)。

洗練された分だけカウンタックの様な野性味のオーラは薄いけど。

V12が高らかに謡うカンツィオーネには、やっぱり鳥肌立ちますな。
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コメント

非公開コメント

あ、これ知ってる!段ボールでしょ!(笑

ドライブイン三陸、去年の夏に同じ店で同じラーメン食べました(笑
それにしてもいいお天気!!このくらいの季節ならバイクが楽しいですねー。

岩泉のヨーグルト。
まだ子供たちが幼く、毎日ヨーグルトを食べないと機嫌が悪くなっていた頃。
震災で大手のヨーグルトが一切合切市場から消える中、震災から一か月後、一番にスーパーに並んだのはまさかの被災地からの岩泉ヨーグルト!
以来、大ファンなのです。

JADE3さんへ。

>あ、これ知ってる!段ボールでしょ!(笑
アレ、南三陸でも展示された事があるそうですね。
↓ところで・・・実走するこちらは御存知でした?
https://matome.naver.jp/odai/2140936851227760701

>ドライブイン三陸
下から順に「めかぶ」「磯」「磯スペシャル」の
ヒエラルキーが存在するという(笑)。
個性やヒネリは無いものの素直に旨いと思います。

>岩泉のヨーグルト。
実は御近所にも一人ファンが居て、先の台風で工場が
潰れた時は我が事のように真剣に心配されていました
(あの老人ホームや道の駅と同じ一画にあるため)。

震災から僅か一ヶ月での供給開始、知りませんでした。
これは当時の状況を考えたら凄いことですよ・・・。
原料の調達と加工からパッケージング、配送までを
(何らかの支援はあったにせよ)正に「地力で」
こなせなかったら叶わない離れ業ですから。

自粛要請は緩和されつつも未だ観光目的での越境往来
までオープンになっていない昨今ではありますが。
OKになった暁には是非県境を越えていらして下さい!

大野界隈はほぼニア・スイス!許されるならきつねメも
朝から晩までセローやカラス号で農道の枝を縦横無尽に
駆け回ってみたい・・・と本気で思いましたよ~。