タフなアイツが目覚めた朝。 ~水平線まで、秋を迎えに~
タテマエ脱ぎ捨て ノーガキ脱ぎ捨て プライド脱ぎ捨てたら おいで
名刺を 裂かなきゃ 始まらない SHOWの 始まりさ
左ウインカー 灯して 逃げ込むなら ハナシに ならないぜ
単車乗りッてのは誰もが、クラッチを繋いだ瞬間から「ストリッパー」。
走るも曲がるもタイヤに寄ッ掛かっていられるヨツワとは、違うんだ。
足なんかさ、シグナルが変わる前にはもうステップへ乗せときなよ。
次に降ろすのはタイヤが回転を止めた、その少し後にしてみせなよ。
「年季積んでこなれた上手いヤツ」てのは、そこから立ち振る舞いの
勝負が始まってんだ・・・タイヤのショルダーを見るまでもなく。
「ユルく行きます」とかヌルいこと言ってりゃアンタ、命を取られるよ。
そんなン「分かってる奴」にとっちゃ、言葉にするまでもない事だけど。
跨る単車や上着だパンツだメットだのに鏡の前でゼニ掛けりゃね。
お店を出る頃にゃ、イッチョマエのライダーには化けられるけれど。
本当に腹を括ってるヤツなら、タイヤとブレーキとオイルに同じ金額
支払ってるはずだ・・・違うかい?
持ち前の腕から漂わせる背中の迫力は、ゼニ勘定じゃ纏えない。
そういう乗り手は必ず、型落ちで色褪せたウェアを着ているモンさ。
最高気温の予報が30℃切ったら、惰眠を貪っていたコイツの出番。
ひと夏の間じゅう延々、充電器をひとつ独り占めしていたんだから。
俺の全てを、見せてやる。お前の全てが、欲しい。 そーいう事。
コーナーの進入とスロットル開けるタイミングをひとつ読み違えたら。
この猛牛は、容易くきつねをガードレールにこすりつけるだろう。
俺、コイツにはトラコンもABSもスリッパークラッチも要らない。
ナマのマシンと一本勝負で対峙するところに醍醐味があるもの。
リスクの大小は在っても、単車ってのは「ヤバいから面白い」のさ。
いや、なに。パンク修理キットを積んだら勝手知ったるホームコースを
走りに行きたくなって。
大口径のリボルバーみたいなアブナい手応えに酔っているうちに。
「あ、やっぱコーナーの手前で『いち、にーの、さん!』って
ガッツリ寝かせる感触って楽しいな、面白いなー!とね。
それで時間が余ったから秋を迎えに水平線を眺めに走ったよ、と。
それでもプロテクターで身を守れるほど涼しくなかったから、フツーの
デニムにフツーのロンT着て走っちまったけどね。
だから「今日はステップの端を削らない位の加減で」と決めていた。
それでもタチが強い分だけ、一旦寝かせばコンパスで描いたように
キレイに旋回して行くから。コイツとのランデブーは、とても愉しい。
往復たったの260km。それでもライディングしている間じゅう、ずっと
オン・トラクション。時間無制限な「真剣勝負のバトルロイヤル」。
「ハーレーなんて」と、薄汚れたステレオタイプでは語らせないぜ?
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コメント
No title
跨って走らせるだけでそのバランスを楽しめるマシンは、
シングルでしょうね。そういうマシンも欲しい・・・
スーパースポーツマシンの方がヤバさは感じにくいと思います、
幅広なレールに乗った列車のようですからね。
2020-09-13 09:03 えす URL 編集
えすさんへ。
これ、小さいヤツから大きいヤツまでを乗り比べると
つくづく「面白いモンだなぁ」と思わされますね。
本当は「エンジンで走らせる二輪」という時点で全部
同じなんですけど。ゴリラやDトラ125だと、大して
「トラクションで立たせている感触」が無いんです。
自転車漕ぐ代わりエンジンが前へ進めてくれる感じで
「蹴っているから立っている」より「進んでいるから
転ばない」っていう認識の方が強いんですね
(パワーや排気量というより蹴り出しの実感でしょう。
昔借りた250の4気筒もこの辺がふわっとしていた)。
>走らせるだけでそのバランスを楽しめるのはシングル
仰せの通りで「トラクションで蹴ってグッと立たせる」
感覚が、ウチの場合セロー225だと明確に分かります。
スロットル・オフでフラッと寝かせ、アクセル当てて
旋回し、後半に向けてタタタッと文字通り立て直す。
この辺のメリハリはオフロードを走る時に必須なので
当然と言えば当然なんですが。
えすさんの場合、近場の用足し的なチョイ乗りとか
少しの時間の気分転換の友には多分なり得るけれど。
でも全力でぶつかって行く究極のエキサイトメントを
知っている身では、遅かれ早かれ飽きますよ(笑)。
>SSは幅広なレールに乗った列車のよう
ナンバー付き/非合法部門なヒト(笑)の自分が結局
最速系の車種まで手にしようと思わなかった理由を
意外な角度から当ててくれましたね。
確かにゼファー750時代、トップグループには散々
抜かれまくりましたが。別に悔しくなかったんです。
例えばZZ-R1100を買ってパイロット・レースでも
噛ませれば、おそらくそこそこ彼らのお尻をついて
行くことだって出来ただろう・・・と思うのね。
足の良さ故に路面の荒れも気にせずベストラインを
なぞって行けるし。
でもVFR800Rを借りた時「コレ要らない」と思った。
速いんです。ゼファーなら90km/hで曲がるノリの
コーナーを走りながら目の隅っコでメーター見たら
優に120km/h超えてたもの(←例え話よ?笑)。
だけどその時の俺は「ナンにもしていない」のね。
乗り手の仕事は何もなくてやりがいが無いって感じ。
「まず目標とする順位やタイムがあり、その為に必要な
スペックを備えたマシンが欲しい」。その時に初めて
ありがたみが出て来るんだろうなぁ、と。
自分がやりたい事は・・・好きなオートバイとの対峙。
安いアローマックスを何本も履き潰しながら、相棒と
どこまで腕を磨けるか?なんですよ。対局でしょ?
今のスポーツスターは、ゼファーより40kg重いのに
リアタイヤなんか2サイズも細い130!
加えてホイールベース長いわ重心が後ろに寄ってるわ
曲げづらい事この上ないです。でもその分だけお仕事
盛り沢山なので、上手く乗れた時の満足感が高い訳
(笑っちゃうぐらい低い速度域で。酷い話でしょ)。
旋回している間はずっと「スロットルとの腕相撲」。
タイヤの縁とエンジンにブレークの際やトラクションの
相談をさせることに集中していて、そこにやりがいを
強く感じますね。
だから半ば故意に後輪をブレークさせて曲げて行く
GPライダーってすげぇんだなぁ、とも思う次第です。
2020-09-14 17:54 狐ヶ丘 紺之介 URL 編集
No title
採用されたりしているようですが、自分も最初の
一台としては、そういったアシスト機構が無い
バイクで良かったなあと思っています。
間違ったことをしたときに、それが反応として
帰ってくるからこそ、それを何とかしようって
考えますしね。
いきなり何となく走れてしまったら、何だこんな
もんかって勘違いしちゃいそうな気もしますし。
2020-09-17 20:04 琢麻呂 URL 編集
琢磨呂さんヘ。
これのありがたみを語れるのは、エンブレが弱い四発や
2ストから大型の単気筒に乗り換えたライダーとか。
或いは長いストレートを飛ばして来てコーナー進入時に
一気に2速オトす様な走らせ方を心得ている乗り手じゃ
ないかと思います。
オフ車はむしろイザとなったらいつでもシフトロックを
利かせられる位じゃないと、ダートの下りで困る様な?
>最初の一台がアシストレスのバイクで良かったなあ
ABSは正直四輪の義務化の流れでモノを知らない役人が
「それじゃあ二輪にも」と押し付けた感が否めません。
「付いていて良かった!助かった!」って話は一度も
聴いた事ありませんから(OFF乗りにとってはむしろ
邪魔。感性に沿わず無駄に制動が伸びるONでも同じ)。
トラコンは、リターンライダーの中にはコレに甘えて
フルパワー機を走らせている人がいるので微妙です。
「お陰で憧れのドゥカティに乗る夢を叶えられた人」
というのも確かに居る反面、動物園で飼い慣らされた
ライオンに触れて本質を勘違いした観客にも似ている
気がしてならないので・・・俺は要らないけど。
何を目的としていて、どこに対し喜びを感じるのか?
「なんとなく道具として乗って使える四輪」に比べて
ここの結論がシャープな点こそ、二輪らしさでしょう。
だって趣味に特化した乗り物なんだもの。
2020-09-17 20:57 狐ヶ丘 紺之介 URL 編集